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「あッ!ちょ…!ま、じパネェっす!」ダイゴは腰を何度もたたいて、きび団子が無いことを確かめました。やがて、メイドが食事を運んできました。いい臭いは、どうやら、ここからやってくるようでした。その誰もいない席にも、しっかりと食事が置かれました。どうにも気にかかったのは、最初からその誰もいない席に、古びた割箸が置いてあったことです。どうして、誰もいない席に…「さて、準備もできたことですし、話をしましょうか。」メイドが明かりを消し、ろうそくに火をともす。ぼんやりと3人の顔と、初代モー娘。のメンバーが浮かび上がりました。ショーウィンドウが焔の光を反射し、七色に光りました。 そして、チンパンジーがぼそりと話を続けます。「あなたたちが、追われていることは知っています。しかし、あなたたちはこれから知るべきことと、得るべきものがあるのです…」何かを見透かすその一重瞼の内側のろうそくの灯を瞳に映すチンパンジーはダイゴを静かに見つめました。そういうわけでもないんですが、ダイゴはその気があったのか、顔が火照り、股間がいきり立ちました。「得るべきもの…といっても、これからたくさんあるわけですが、やはり、物質的なものが必要ですよね。いや…あるものを求めている…といっても過言ではないでしょうか。もちろん、あなたたちに協力するのは、そのためですが。」 チンパンジーの口元がほころびました。そして尚も続きます。「フフフ…それが、このきび団子で手に入るのです…」「なんすか!?それは!!」ダイゴが立ち上がって、チンパンジーに問い詰めました。「わかりませんか…?フフフ…それはですね…」暗く、静かな沈黙が続く。ろうそくを揺らすどこからともなく吹き付ける小さな風と、それに踊るろうそくと、火花の産声を鳴らす火の粉だけが、その空間を包み込みました。「それはですね…『お金』ですよ。」「…金っすか…?」ダイゴはあまりに即物的な答えにあっけをとられました。犬はまだ深々と沈んでいます。「そうですよ!金ですよ!金さえあれば、すべてがうまくいく!そう思いませんか!そう…」チンパンジーはそう言って、静かに古ぼけた割箸を沈みゆく眼で眺めました。都合よくダイゴは察しました。「その割箸となんか関係があるんすか?」
ダイゴは作者の都合よく感がいいのです。チンパンジーはニヤリと笑み、「フフフ…あなたとは、違うんです。」チンパンジーが急にショーウィンドウを眺めました。「あそこにはね…歴代モーニング娘。の…いや、私の娘ととっていいでしょう。彼女たちの『使用済み割箸』が飾ってあるんですよ。もちろん、私は口をつけていませんよ?」 犬は青ざめ、ダイゴは納得しませんでした。「それと、マネーとはどんな関係があるっていうんすか!?」若い汗が零れ落ちました。「フフ…こういうのは、多額のお金を払って、マネージャーなどから買い取るのです…そして、私は、あるものを見つけたのです…」「な…なんすか?それは…」ダイゴはこの気持ち悪さの空気を読めず、興味を持ちだしました。するとごそごそとチンパンジーはかがみ込みノート型パソコンを取り出し、ダイゴに見せつけました。 そこには、オークションページが開かれていました。パソコンの画面だけが異様な光を暗闇で放つ…「さぁ、読んでみてください。」「【ミニモニ初期】カゴちゃん…ツジちゃん…二人で一本使ってみました、割箸…?現在の価格、いちじゅうひゃく…2億8000万!!!」ダイゴは椅子から転げ落ちました。「フフ…やはり、あなたには刺激が強すぎたみたいですね…この価値は実にはかり知れません…」犬は白眼を向き、ダイゴは、価値があるものだと認識してしまいました。割箸ごときに。「で、どうすればいいんすか?きび団子を使って…」「まぁ、外に出て、私が説明しましょう。」チンパンジーは、指をならし、メイドに扉を開けさせました。「このメイドも、矢口タンそっくりでしょう?」ダイゴはまじまじと、そのメイド姿の矢口を眺めました。洗練された身長、華奢な身体、茶髪、ツインテール…なるほど、似てると言えば似てるかもしれません。外は鳥がさえずる森がすぐそばにある少し開けた野原でした。チンパンジーの小屋の窓から少し見ていたというものの、外に出ると案外と温かさを感じさせました。犬もダラダラとついてきて、外で前座を組み宙に浮いてる黒人と合流しました。「そういえば、名前聞いてなかったっすね!」ダイゴは猿に馴れ馴れしく近寄りました。「私ですか?フフ…私の名は『福田康夫』と言います。」
福田は、少し森に入り、グルグル回り始めました。「何してるんすか…?」ダイゴが首をかしげ、福田に聞きました。「『エンカウント』をとってるんですよ。」福田がボソボソとウザいうつむき加減で言いました。「『エンカウント』ってなんすか!?」質問魔のダイゴに福田は細い眼で遠くを眺め、白眼をむきました。「『エンカウント』というのはな!モンスターを呼び寄せる儀式のようなものだ!」犬が黒人の影から吠えました。あ~ました。ばっか。しばらく彼の儀式が続きます。「あ゙~…マジパネェ…」ダイゴは飽きすえてしまいました。「私がやったらダメなのか!」犬も飽きていたようです。「いいえ…あなたがやると何かと面倒になる可能性が高いですからね…強すぎる敵が出てきちゃいますからね…」福田が静かに諌めると、犬はクゥンと言って、黙りこみました。そして、懐かしの!!!どこからともなく、チャッチャラチャ~ン♪という携帯メロディのようなものが聞こえてきました。森から、それも懐かしの、幼女とスライムが…!!え?あの時は『少女』だった?良いではないですか。オーナーを釣るためです。人気のためなら設定を変える!!それがこの作品の作者!!!ゲヘヘ!なぜか4歳ほど若返って来たその『幼女』は、ドデカイスライムを連れてきました。「あら!お久しぶりですわね!あんたたち、国道ばっかり歩くから、私たち飛び出せなかったじゃない!!」幼女は、一回りも、二回りも出しゃばりになっていました。「ほう、知り合いですか…これはナカナカ…」福田はジロジロ上下に首を振り、じっくり眺め、そして、濃密なよだれを垂らしました。幼女はそれをケガラワシイものと見なし、みて見ぬふりをしました。「さぁ!私の時間をかけて、育てたキングスライムちゃんよ!この子作るためにプレイ時間7時間超えたんだから!」黒人が、黒い肌からうっすらと高揚して赤らめるほほが見えました。みなぎる体温、沸き立つ湯気、バキバキ唸る上半身…福田は、ダイゴにきび団子を押しつけました。「ダイゴさん、このきび団子を、あのスライムの口の中に入れてください。」福田は冷静に言いました。そして、ダイゴは思い切って、スライムの口に放り込みました。
ビクビクと半液体状の肉体が、内部で暴れ、一つも表情を変えないスライムをよそに、ダイゴたちは指をしゃぶりながら幾分心配をしていました。そして、スライムは変身を遂げたのです!面倒なんで描写は省きます!スライムは、騎士のような姿に変わりました。金色の甲冑を身にまとい、沈黙の鎧兜を深々とかぶり、自分の顔を隠していました。う~ん!今までにないくらいカッコイイかも! というより、ダイゴと同じくらいでしょうか?フラグもくそもないんですが、ダイゴはカッコイイんです!!さて、そんなダイゴと同じくらいにカッコイイ、スライムさんが登場しました。ずいぶん強そうです。「なるほど…これはお金に困りそうにありませんね…」ブツブツと福田がつぶやきました。「なんなんすか!?これからどうすればいいんすか!?」ダイゴがチンパンジー福田に問い詰めます。「簡単なことですよ。彼を倒せばいいのです。内臓から、金が出てくることは知っているでしょう?きび団子は一時的に食べた者のレベルを格段に上げるのです…」「なるほど!レベルが高いということはそれだけお金も手に入るってことっすね!」金にがめついダイゴは、こういうときだけ鋭い。「なるほど!そういうことか!じゃあ、私が闘ってやろう!さっきから何もしていないからな!」突然犬が立ち上がりました。「フンッ!受けて立つわよ!行きなさい!スライムちゃん!!」誇らしげに幼女は鼻息を荒くしました。「いくぞ!必殺!ただともの輪!!」鎧兜スライムの周りに白い輪ができ、その輪はすぐに犬の方向とともに縮まっていきました。そして、スライムを束縛する!……ぐぐ…ギギ…鈍く締め付ける音がしますが、スライムもスライムで逆に突き放とうとしました。「オ父サンガ…オサレテマス!?」黒人が目を見開いてアグアグする口を使い独り言を言いました。「押されてるんすか!?ちょ!ソフトバンクのお父さん!団子を!」普通のキングスライム相手なら、確実にお父さんなら勝てるとダイゴは踏んでいました。つまり、きび団子をお父さんに食べさせることで、彼と鎧スライムと同等にしようとしたのです!「いらん!そんなもの!」犬が汗を流しつつ、咆哮しました。「なんでっすか!?」ダイゴが、理解できない顔をしました。「今…その団子を使えば…あいつを救えない気がするから…」
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