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「キシャァァァァァァァァァァァァァァァァァ」目の前で、骨ばった、巨大なこうもりのような怪物が、断末魔をあげ消えていく。だが、そんな怪物たちを見る状況に、ここ2週間の間にだいぶ慣れてきていた。しかし、そんな俺でも、その奥の光景には目を惹かれた。「フッ・・オォ・・・」髪の少なくなった丸顔の中年男性が、苦痛とも快楽ともとれる喘ぎ声をあげながらのたくっている。「ホラ、ホラ? どう? 気持ちいい?」そして、その男性の陰部を、真っ赤なハイヒールを履いた美しい女性がその踵で踏み潰している。ハイヒールと同じように赤いドレスを纏い、腰まである美しい黒髪をたらした美女が男性の陰部を踏み潰すというその状況は、普通、風俗店で繰り広げられることのように思えたが、それが行われている場は路上で、しかも風俗店のセールスなどではなく、れっきとした警察の仕事なのだからとても奇妙なものだ。 「ん? 何か聞きたそうな顔してるわね?」ジと見つめていると、女性、舞子さんから気の強そうな声が発せられた。「イヤ、とくに、なにも・・・」不用意に何か口走ったら俺が次の獲物にされそうな気がして、あわてて目を背け、そう言った。「あー 『どうして殺してないのにインキュバスは消えたんだろ?』 とか思ったんでしょ?」何故か瞳を輝かせながら舞子さんはそう言った。(イヤ、違いますけど・・・)という言葉が喉まで上がってきたが、俺はその言葉をあわてて別の言葉に替え、おまけににこやかな笑みもつけて発した。「はい、そのことがとても気になっていました。」「やっぱりね。 それじゃあお姉さん今日は機嫌が良いから教えてあげよう。」グリグリと、舞子さんは踵をねじる。「アッ!! ファ・・・」男性の身体がビクンとふるえた。しかし、そんなことなど気にする様子もなく、舞子さんは笑顔で話を続ける。「怪物はね、欲によって姿のパターンがあるのよ。 金銭欲ならドワーフ、性欲ならインキュバスとかね。 それで、そういうふうに欲がわかればそれを満たしてあげればいいのよ。」 言い終わると同時に、舞子さんは男性の陰部をグリッと思いっきり踏み潰した。「ウッ・・・」男性はあきらかにそれまでと違う声をあげ、口から泡を吹いて気絶した。「さ、帰るわよ。」何事もなかったかのように、舞子さんはその美しい黒髪を風になびかせながらこちらに歩いてくる。(それにしても・・・)ちらと倒れている男性の方を見ながら俺は思う。(あんなことされて性欲が満たされるとか、まだまだ世の中は俺の知らないことでいっぱいだ・・・)
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