「セミと少女」(2009/03/13 (金) 19:34:12) の最新版変更点
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<p>「昆虫博士」</p>
<p>それは昔の私のあだ名だ。</p>
<p>とても懐かしい。</p>
<p>もう、呼ばれる事は無いだろうそのあだ名。</p>
<p>・・・一つ、そのあだ名が付いていた時の貴重な体験を話してみせよう。</p>
<p>むかし・・・いや、数年前、か?</p>
<p>まぁ、それくらいの時に私はいつも通りに虫を取りに出掛けた。</p>
<p>じばらく歩いて、木々が見えてきたのでその一つの木を見たら――そこには、綺麗な羽を持つセミがいた。<br />
見たことのないセミだったので、興味が出た。</p>
<p>虫の大好きだった私はすぐさまそれを追いかける。<br />
「待って!待ってたら!」</p>
<p>私は走る、持っていた虫取り網を振り回す。</p>
<p>それから数分後</p>
<p>「あっ!」</p>
<p>セミが蜘蛛の巣に引っかって動けなくなった。<br />
私はそれを見て咄嗟に、</p>
<p>「危ない!」</p>
<p>と感じ、蜘蛛が来ないうちに、蜘蛛の巣の近くにあった木でセミを逃がし、</p>
<p>「もう引っかかるなよ」</p>
<p>と、飛んでいくセミを見ながらそう言った。<br />
私は、自分で言うのもなんだが珍しい事をした。<br />
いつもなら、助けた後に捕まえていただろうそのセミを逃がしたのだ。<br />
次の日</p>
<p>私はまた綺麗な羽を持つ珍しいセミのいた場所に行った。</p>
<p>なぜか、行こうと、思ったからだ。<br />
そして、そこに着いた時に私は驚いた。<br />
なんと、なぜかセミが自分から網に入ってくるのです。<br />
そして、上機嫌で、私は家に帰り、私は虫籠の中を見ると―<br />
あの、綺麗な羽を持つ珍しいセミが紛れ込んでいたのです。<br />
そのセミを見た瞬間、私はそのセミと一緒に虫籠にいた全てのセミを逃がしました。<br />
もしかしたら、これは鶴の恩返しならぬ、セミの恩返しだったかもしれません――</p>
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