「ユメビト03話」(2009/03/01 (日) 13:40:47) の最新版変更点
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<p>私は貴方様の役に立とうと努力をしてきたというのに、<br /><br />
ほんの少しのご褒美を求める事さえ許されないのでしょうか?<br /><br />
罪なのでしょうか?<br /><br /><br /><br /><br /><br />
冷たい。<br /><br />
寒い。<br /><br />
恐い。<br /><br />
痛い。<br /><br /><br /><br />
額の熱だけが、私を繋ぎとめる。<br /><br /><br /><br />
「シオン、今すぐに大臣の候補を。」<br /><br />
「承知いたしました。」<br /><br />
時間がないんだ、僕には。<br />
こんな痛み忘れ去りたいんだ、今すぐにでも。<br /><br />
「こちらが候補のリン様、ケイト様。そして、アンジェ様です。」<br /><br />
そこに並んだのはまだ幼い、見た所十歳にも満たないだろうと思われる、<br />
小さな女の子と二人の男の子が並んでいた。<br /><br />
「はじめまして、リンと申します。私は主に経済を担当します。」<br /><br />
「僕はケイトです。騎士団の管理を担当します。」<br /><br />
まだ小さな子供の口から発せられる、<br />
その丁寧な言葉遣いには違和感があった。<br />
そして、これがユメビトなのかと改めて理解した。<br /><br />
これ以上悲しい運命を背負ったユメビトは、生んではいけない。<br />
そう実感した。<br /><br />
「君は?」<br /><br />
「…アンジェです。よろしくお願いします。」<br /><br />
フードを被った小さな少年はそう言い、小さくおじぎをした。<br />
見た所、三人の中では一番年下だろう。<br />
まだ慣れないのだろうか。<br /><br />
「初めまして、ルカです。早速ですが、君達にはしてもらいたい事があります。」<br /><br />
手に持った計画書を配る。<br />
シミュレーションするのに許された時間は、眠りが続くまでだ。<br />
いつ終わるか分からない。<br />
私には時間が無いんだ。<br /><br /><br /><br /><br /><br />
―「そうですか、魔物からの被害も最小限といった所ですね。」<br /><br />
この計画の成果は上々だった。<br />
あとは、元の世界に戻って実行するだけだ。<br />
こんな世界すぐにでも去りたい。<br />
頭がおかしくなりそうだ。<br /><br />
「シオン、そろそろ眠るよ。」<br /><br />
「お疲れ様です。ルカ様。」<br /><br />
ベッドに倒れ込む様に私は眠った。<br /><br /><br /><br /><br /><br />
手に微かな熱を感じながら。</p>
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