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戦うことを忘れた武装神姫 その32




  <<その31から。。。<<


久遠の前で、神姫サイズの椅子に腰掛けて向かい合うあずさとリゼ。
「・・・私の型番は型式無しの『Type-91』。 武装タイプとクラリネットタイプの合いの子、とでも言ったところでしょうか。」
「え、き、91型?!」
リゼの目が驚きで丸くなった。
「あら、ご存知でしたか。」
「ヌシさんから聞いた事があるんです。 はっ! もしかして・・・あずささんが、ヌシさんが話していた・・・」
「そういうこと。 今日、お前だけを連れてきたのも、あずささんに会わせるためだったんだよ。」
手元のチェイサー(水のこと)を含んだ久遠が口を挟んだ。
「すみませんね、あずささん。 ちょいとリゼの反応を見てみたかったというのもあって。 リゼも予想通りの反応で安心しましたよ。」
久遠の言葉にちょっぴりむくれるリゼ。
「そう怒るなって。 いま美味しいバーボン分けてやるから。」
「本当?」
ぱっと明るい表情になるリゼに、
「予想通り・・・ですか・・・。 リゼさんは本当に神姫らしい神姫ですよ。」
クスクスと楽しそうに笑うあずさ。
「あ。そうすると。」
ふと手を叩いたリゼはちょっと考えるしぐさを見せ、
「そうすると、あずささんはあたしの叔母さんにあたるんだよね? ヌシさん。」
と久遠に声をかけた。 ぴくり。 小さなピアスが付いたあずさの耳が動いた。 右の目じりがちょっと引きつっている。 それに気づいた久遠が止めるまもなく、リゼは言ってしまった。
「だって91型だと、あたしよりずっと歳増でしょ?」
カッ!!と、あずさの目が開かれた次の瞬間。

   どばしゃっ

久遠の手元にあったチェイサーが、リゼにぶかっけられていた。 呆然として椅子に腰かけるヌレヌレのリゼ。
「失礼な! 起動したのは貴女よりもあとなんですよっ!!」
水音を聞きつけて慌てて戻ってきたマスターは一目でその状況を理解し、あずさの頭を小突いた。
「こら。 お客様になんてことをするんですか。 申し訳ありません、リゼさん。」
「あ、いえ。自分も悪いんです。 そのへんのことをしっかり伝えておかなかっ・・・」
言いかけた久遠をさえぎり、マスターはあずさを手に乗せて顔の前へと持ち上げた。
「あずさ。ここではどのように振舞うか、そして何故そうしなければいけないか。教えたはずですよ。」
シュンとなって黙って頷くあずさは、マスターの手のひらからカウンターの上に移ると深々と頭下げた。

「大変申し訳ありませんでした。ついカッとなってしまって。。。」
ヌレヌレになったリゼをやさしく拭くあずさ。リゼはどう反応してよいのか全く解らず、あずさに身を任せたまま久遠を見ていた。
「すみません、こいつもまだまだ修行が足りないもんで。」
久遠はちょいとリゼを突付く。意図を解したリゼも頭を下げた。
「このような形でのお詫びというのも何なのですけれど・・・ひとつはリゼさんに。」
と、マスターは奥から出したものとは別のボトルを傾け、グラスを二つ久遠の前へ差し出した。
一通り拭き終わったあずさは久遠にも頭を下げると、ひとまわり小さいグラスを手にリゼの前へ。
「どうぞ、リゼさん。」
半ば困惑の面持ちのリゼに、久遠は黙って小さく頷いた。
「いただきます・・・  !!!」
一口含んだだけで、リゼの表情が・・・緊張が解け、再びいつものリゼの顔に戻った。
「すごい・・・口当たりがいいのに、いつまでも響く感じ・・・きれいな味・・・。」
ホッと小さく息をつき、うっとりとした眼差しでグラスを見つめるリゼに、あずさもまたほっと胸をなでおろしていた。 続いて久遠もグラスを傾けた。 表情を伺うかのごとく、マスターが声をかけた。
「ハイランドの25年です。いかがですか?」
「ま、マスター、こんないいものを・・・」
「どうぞ御気になさらずに。」
「違うんです。これだけの味を覚えさせてしまうと、リゼの舌がどんどん贅沢になっちゃってウチが困るんです。」
眉間にしわを寄せて見つめる久遠に、あえて知らん顔のリゼ。二人の様子にマスターもあずさも、思わず笑みがこぼれていた。

それからどれだけの時間が過ぎたのだろうか。リゼとあずさの会話は終わる気配もなく、実に楽しそうに続いている。流れるジャスのリズムに合わせて指が動いているところをみると、おそらく歌談義なのだろう。。。

穏やかな面持ちでふたりを眺める久遠。 ふと、リズムの中に混じるカタカタという木の部品が作動する音に気づいた。 マスター、また新しい骨董品を・・・。半ば呆れるような面持ちで見上げるは、壁にかけられたからくり時計。 時報に合わせ、半円になった部分で小さな列車が走っていた。
リゼも気づいてあずさに訊いている。 聞き耳を立てる久遠、どやらねじ巻きはあずさの仕事・・・ぜんまい仕掛けか。 なんと贅沢な時を刻む道具なんだろう。
琥珀色の液体が入ったグラスに口をつけ、久遠はしみじみと噛みしめる。
 ・・・リゼとこんなにも贅沢な時を過ごすのは、初めてかもしれない- 。

と、マスターがグラスを拭きながら思い出したかのように話しかけてきた。
「久遠さんは、神姫に年齢という概念はあると思いますか?」
声をかけられ、時計から視線をリゼたちに戻した久遠。 言われてみれば、今まで神姫たちの年齢なんて・・・
「考えたこともないですね。」
「久遠さんのことですから、きっとそう答えると思いましたよ。」
マスターは安心したようにほっと息をつくと、グラスを置いてさらに続けた。
「あずさを起動させてから、私も神姫に対してずいぶんと考えが変わってね。 僕はね、神姫たちにヒトと同じような年齢という概念はないと思うんだ。」
マスターの言葉に、グラスを持ったまま考え込む久遠の袖をリゼが引っ張っていた。
「ヌシさんヌシさん、あずささんから歌を教わったんだ。」
向こうではあずさがマスターに一言二言、マスターは小さく頷いてCDを入れ替えた。 リゼは久遠にちょっと悪戯っ子の視線を投げると、リゼはあずさに目配せ。

 CDの演奏が始まり- 、神姫のデュエットが静かな店内に響き渡る。

 -Cradle of Time。 確か、そんな曲名だった気がする- 。歌声に魅了されながら久遠は思い出していた。
最後のソロ部分を、リゼが力いっぱいに歌い上げ- 。一礼をするあずさとリゼに、久遠もマスターも拍手を送る。
「・・・この歌の通り。それぞれが、それぞれの早さの『時』を刻んでいるんだろうな、とね。 だけどね。」
歌い上げたあずさを自らの肩に乗せたマスターは、
「そんな神姫たちと、君たち - いや僕たちの『時』が重なるような、そんな場所があってもいいだろ?」
と、あずさと合わせるかのごとく、久遠と彼の手元で甘えるリゼに微笑みかけた。



  穏やかな時間(とき)の流れを紡ぐ神姫がいる。
        ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。


















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