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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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双子神姫
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武装神姫のリン
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翌朝。

俺は、縁遠の代理だと言う女性研究員から、まだ眠っている猫どもを受け取った。
あいつは連日の睡眠不足と、プラス猫どもの手術の疲れからか、眠ったまま起きてこないのだそうだ。
話を聞く限り、縁遠は猫どもをこのまま証拠品として提出する気はないらしい。
その女性研究員も縁遠の意見には同感なようで、手渡す時に『大事にするように』と釘を刺されてしまった。
直すついでにちょっとしたオマケも付けておいた、とのことだったが……

「なぁ慎、『オマケ』ってなんだろな?」
「…さぁな。まぁ後で起動してみりゃ判るだろ。」

しとしと降りの雨の中、俺たちは家へと帰っていった。

---

「ただい……」
「おかえりなせぇやし!」

玄関を開けると、何故かうちの下宿神姫どもが勢揃いして頭を下げていた。
いや、お前ら任侠映画じゃないんだから。

「あ、おかえりなさーい。思ったより早かったのねぇ。」
「……あの、浩子サンこれは一体…?」
「ファニーちゃんがね、戻ってくるまで玄関で待つんだーって聞かなくて。そしたら皆も。」

誰に似たのかしらねぇ、なんて苦笑されてしまった。

少なくとも俺じゃないぞ。
……多分。

---

一旦風呂で汗を流した後、一先ずその場にいた全員に、今回の件は残らず話した。
残らず、とは言うもののオフレコ部分は出さないように、必要な部分だけ掻い摘んで、だったが。
それでも、全員それぞれに驚いていたようだった。

「そんなワケで、猫どもはウチにずっと置くことにした。異論のあるヤツはいるか?」

誰からも反論はなかった。

---

とりあえず一旦その場は解散させ、俺と浩子サンだけになった。
カバンから、丁寧にくるまれた猫どもを出す。

「あとはこいつら起動するだけなんだが…」
「すればいいじゃない。」

簡単に言いますねお姉さん。

「だって、もう変な事にならないようにして貰ったんでしょ?声とか。」
「そりゃ、そうなんだけどさ」

実質猫どもが異常起こす前と、環境自体はまるで変わっていないのだ。
つまり、俺らを除いてほぼ全員が神姫であるこの家。
そして、肉体面ではともかく、精神面まではケアできていない猫ども。
……最悪の場合、かえって神姫達に対する恐怖が増した可能性だってある。

「実はこのまま起動しない方がいいんじゃないかって気がしてな。」
「ここに来て今更何言ってるのよ。時間が経てばその内慣れるって。……うりゃ隙ありっ」
「あ、こらっ」

咄嗟に横から掻っ攫われてしまった。

「手癖悪いなぁ。」
「慎くんがニブいだけよ。たまには運動したら?」

言ってる間に起動準備を整えてしまう浩子サン
…ぬぅ、流石に手際がいい。

「案ずるより産むが易しって言うじゃない。この場でどうこう言ってても始まらないでしょ?」

躊躇うことなく起動させてしまう。
本当にこの人は前向きなんだか楽観的なんだか。
……ぐだぐだ悩んでばっかりの俺とは正反対だな。

「だから待てって!」
「いや、こればっかりは姐さんに言われてもっ!」

突然、言い合いながらジュリとファニーが部屋に入って来た。

「なにやってんだお前ら」
「あぁ慎。この馬鹿が馬鹿なことを言いやがって…」
「馬鹿で結構!自分は頭良くないんで、他に詫びる方法が思いつかねぇんですよ!」
「だからってお前!あの猫どもの前で腹切るって何考えてんだ!」

おいおい。また物騒だねどうにも。
…いや、コイツはコイツで、俺が思ってた以上に追い詰められていたのかも知れない。
……だけどな。

「本気かっつーか正気かファニー。」
「腹でダメなら、腕でも足でも首でも差し出しますよ!そうでもしなきゃ自分の気がすまなんがっ!」

アホなこと言い掛けたファニーをデコピン一発で黙らせる。

「そうじゃねぇだろバカ兎。さっき俺が言ったろうが。ここの誰もなんも悪くねぇって。」

本当に何を聞いていたのだコイツは。キッカケはどうあれ、この事態は遅かれ早かれ起きていたというのに。

「で、ですけど大家さん。自分のせいで、他の連中が更に怖がられるようになったら……」

顔向けできないとか申し訳がとかごにょごにょ言って俯くファニー。
浩子サンが、なんか形容しがたい笑顔でこっちを見た。

「……似てますか?」
「そっくり。」

即答された。畜生。
俺たちの会話が理解できず、きょとんとする2体の神姫。

「…あー、とにかくだ。アホな事言うのはよせ。ンなことしたってかえって引かれるだけだ。」

少なくとも俺だったらそうなる。

「じゃあどうしろって……」
「焦らないことよ。在るがまま、普段と変わらず、尚且つ焦らないこと。」

そうすればその内なんとかなるわよ、と、微笑みを浮かべる浩子サン。
アドバイスになってんだかなってないんだか。

「ま、そうだな。もう変な小細工とかはないそうだし、焦らず地道にやってきゃいいだろ。……なぁ、お前らもそう思わないか?」

言って振り向くと、三対の瞳と目が合った。
そこにいたのは、何時の間にか起動していた三体の猫型神姫。
そいつらは何も言わず、こっちを興味深げに見ていた。

「なんか言いたいことあるんじゃねぇのか?」

三匹は顔を見合わせる。
しばらく何か言い合った後、起動に使ったノートPCへ向かっていった。

---

『先ずは、先日までのこちらの非礼をお詫び致します。』

器用にも、三匹で交互にキーボードを打っていく。
…悔しいが、雨垂れ打ちしか出来ない俺より遥かに早い。

『今回の一件、皆様には大変不快な思いをさせてしまった様ですね。』

カタカタと、画面には文章が、彼女らの言葉が紡がれていく。

『侍型の貴女、昨日は御免なさい。私が咄嗟に引っ掻いてしまいましたが、腕のお怪我は大丈夫ですか?』
「あ、アタシ?いや、もういいって。直してもらえたし。うん。気にすんな。」

直った腕を振り回してみせるジュリ。

「新しくなったおかげで、かえって軽くなったくらいだしな。」

そりゃそうだろう。縁遠には修理費しっかりふんだくられたんだからな。そうでなきゃ困る。

『それと、兎型の貴女も。何度か話かけて頂いたのに、きちんとした応対もせず、逃げてばかりで、本当に申し訳ありません。』
「…いや、そいつは仕方ないよ。事情を知らないとはいえ、こっちも強引すぎたし。なんつって詫びたらいいか…その…」
『でも、腕も足も要りませんからね。』
「む。」

先手を取られてファニーは言葉に詰まる。
俺は思わず苦笑してしまった。

『正直なところ、私達にはまだ神姫の皆様が怖いのです。理由については、ある程度ご存知かと思いますが。』

縁遠の言ったとおりなんだとすればそうだろう。今も、ジュリやファニーとはかなり距離を置いている。

「それでもいいさ。なに、時間だったらあるんだ。馴染んでくれるまで、アタシらも気長に待ってるよ。」
『有難うございます。そう言って頂けると助かります。』

三匹はジュリ達の方へ体を向け、丁寧にお辞儀をした。

『ではオーナー様。改めてお願いがあります。』
「あ、俺?なんだ?」
『今後も、こちらに住まわせて頂いても宜しいでしょうか?』
「俺は一向に構わんが……お前らはいいのか?」
『どの道行く所も御座いませんし。それに、この家はとても居心地がいいんです。』

そこまで打って、三匹はこちらを向いてにっこり笑った。
なんとなく気恥ずかしさを覚えて、俺は目線を逸らしてしまう。

「……ま、お前らがそれでいいならいいさ。好きにしな。」
『有難うございます。』

この日、三匹の子猫は、本当の意味で我が家の住人となった。

……あれだけ降っていた雨は、何時の間にか上がっていた。

---

「……ねぇ、慎くん?」
「なに?」
「今ちょっと思ったんだけど…猫ちゃん達って、直して貰ったのよね?声。」
「ああ。そうだけど。」
「じゃあさ、なんでさっき喋らないで、わざわざワードパッドなんか使ったのかな?」
「………あ。」

慌てて猫どもの方を見ると、三匹は揃って「にゃー」と言った。
えらい可愛ったらしい声だった。

---

「………あーおはよう縁遠。悪かったな寝てるとこ。
 ……昨日猫ども声直したっつったろお前。
 …いやな、あいつら「にゃー」としか言わねぇんだが。
 ……は?元からの仕様?ソフト周りから書き換えられてて戻すにはリセットが要る?
 ……いや確かに支障は無さそうだし、特に苦しがってる様子もねぇけど……
 ……あぁ。筆談とかは普通にできるっぽいな。
 ………本っ気で趣味の悪りぃ野郎だったんだな前のオーナーは。
 ……あーわかったわかった。悪かったよ。感謝してる。
 ……ああ。うん。
 …あ、待った、も一つ。あいつらなんか人間の食い物要求してくるんだが、なんでか知ってるか?
 ……え?あぁ。なんか『オマケ』つけたとかなんとか言ってたなあのお姉さん。
 ………何ぃ?『コミュニケーションツール』だぁ?
 ……いや、言わんとする事は解んなくもないが…ああ。じゃあ食わせて問題ないのな?
 ………あ?別に。アリだろ、そーゆーのも。……『可愛いだろ』って?
 …………あー…………その、なんだ。」

俺の目線の先では、美味そうに飯を頬張っている猫どもがいた。
なんとなく頬が緩むのが、自分でも解る。嫌になるくらいに。

「否定は出来ねぇかな。うん。」

なんだかなぁ、俺はこっち方面の属性はないと思ってたんだが。
……素直に認めるのはちょいと悔しいが、ま、そんな日々も悪くないか。

ほっぺに飯粒をくっつけて、無邪気に笑ってる猫どもと浩子サンを見て、俺はそんなとりとめもないことを考えていた。





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