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えむえむえす ~My marriage story~

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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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白濁!? 阪高神姫部
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戦うことを忘れた武装神姫
Gene Less
The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

2009年

せつなの武装神姫
双子神姫
鋼の心 ~Eisen Herz~
犬子さんの土下座ライフ。
狛犬はうりん劇場
Memories of Not Forgetting
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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いくらも経たない内に、雨が屋根を打つ音が聞こえ始めた。

「…止むかなぁ」
「…どうだろうな」

通り雨と言うには降り方が疎らだし、季節的にもまだ早い。
かと言って、傘一本で外に出るにはちと辛そうだ。
…思えば一年程前にも、こんな半端な降り方をしていたっけか。

にゃー共がウチに来た時が、ちょうどこんな日だった。

---

外から雨音が響く中、俺は浩子サンと向かい合って座っていた。
浩子サンは困った顔で、俺は不機嫌な顔。
二人の間には小さな段ボール箱がある。

この箱が、目下30分近く続いている口論の原因だ。

「…ねぇ、い い で しょ ?」
「だ め だ」

何度繰り返したか判らない問答。
その度に箱からガサガサと音がする。
口の開いたその箱の中身を、俺は努めて見ないようにしていた。
……俺には解る。見たら確実に負ける。

「なんでよっ!」

流石にキリがないと判断したか攻勢に出る浩子サン。
箱の中身の音が止まる。

「この雨の中にいたのよ!?可哀想じゃない!」
「雨ん中に限らずいっっつもほいほい拾ってくるじゃねぇか!!」

俺も負けじと言い返す。

「ひ、拾って来てるのは慎くんだって同じじゃない!」

…かえって痛いところを突かれてしまった。
確かに。現在までにウチにいる、約半数の「居候」は俺が拾ってきた。それは認めよう。

「だけどな。その世話やらなんやらは、結局俺がやってんだぞ。
 浩子サン拾ってくるばっかりじゃねぇか。」

言うと唇を尖らせて、ぷいとそっぽを向く浩子サン。

「ウチ狭いモン。慎くんトコみたく広くないモン。」

いい歳して子供みたいな拗ね方はやめなさい。

「いいじゃない。今更ちょっとくらい増えたって。ねー?」

箱の中身に同意を求めるな。
………どうしたものだか。このまま平行線で話し続けるのも…

「るっせーな。いつまでグダグダ堂々巡りしてんだ。」

隣の部屋から襖を開けて、真っ赤な髪の小さなサムライが入ってきた。

「今さら一人や二人増えたっていいだろ別に。」
「…ジュリ。いやでもな。」
「でももヘチマもあるかボケ。
 どーせ手前ぇの言う世話ってなぁ、人数分のクレードル増やす以外するこたねぇだろうがよ。」

…それがバカになんねぇっつのが判ってんのかコイツは。
まぁコイツの言うように一匹二匹ならどうとでもなるだろうが…

「流石に電気代がなぁ…」
「っかー…なんだいケツ穴の小っさい野郎だねぇ!」
「全くですね!」
「ジュリ姐がいいっつってんだからいいじゃないスか!」

ジュリに続いて隣の部屋からわらわらと沸いてくる、色とりどりの小さな人形たち。
全て我が家の居候…いや、下宿人と言うべきなんだろうか。

「なんだ。また独演会でもしてたのかお前。」
「そんなんじゃねぇ。…ちょっと野良としての心得説いてただけだ。」

ぼそぼそと言い訳がましくジュリが言う。

「ンなことより大家サン。実際にあたしらの面倒見てくれてるのはジュリ姐です。
 そのジュリ姐が言ってんのにダメだっつんですかい!?」

自称『ジュリの一番弟子』を名乗る、兎型のファニーが凄んで見せた。
後ろに居並ぶ元・野良の神姫たちも、そうだそうだと囃し立てる。

「…随分と慕われたもんだな」
「………うっせ」

ガラにもなく照れてんなコイツ。
…まぁなんだかんだで面倒見のいいヤツだからなぁ。
と、ふと視線を上げると、先程とは打って変わって勝ち誇る浩子サンと…

その手に抱かれた、三体の猫型神姫。

やっべ。目が合った。

「さぁどうするの慎くん?これで皆わたしの味方よ?」
「……くっ…!」

俺は不敵な笑顔で鼻を鳴らす幼馴染よりも、むしろその手の中の神姫達の、上目遣いな目線に怯んでいた。
…畜生。また負けるのか俺は。

「さぁ!」
「ぐっ」
「さぁ!」
「ぬぐっ」
「さぁさぁさぁ!」
「ふぬぐっっ」

そして数分後。

隅っこで膝を抱える俺と、後ろで万歳三唱している浩子サン(+我が家の下宿人ども)がいた。

「……大丈夫。私は慎之介の味方だから。いいこいいこ。」

俺を慰めてくれているのは、浩子サンの神姫、ゾンビ型のモモコだけだった。
今はその優しさが痛い……

---

「…あー、さて、ウチに置く以上、とりあえずハッキリさせとかにゃならん事がある。」

今、目の前には箱から出されて正座してる三体の猫型神姫と、同じく正座している浩子サン。
ジュリ及び他の神姫達は、隣の部屋へと戻っていった。

「俺はこの家の所有者の都竹慎之介だ。
 ここじゃ一番偉い…ことになっている……ハズだ………多分」

先程の出来事で著しく自信を無くしたけどな。

「で、お前さん達、名前はあるか?」

大概にして捨てられていた神姫達は、その時点で人に対する信頼を無くしているので、名前を捨てちまったってヤツは結構多い。
…実際、ウチにいる連中の大半はそのパターンだったりする。
ところが、猫どもは三人で目配せし合って何も言わない。
…うぅむ。やはり信用されてないか。
と、代表なのか内一人が立ち上がって、口を開いた。

「………ガ……ザザ…ザ」

………何?
今、何か言ったのか?
その代表格は、壊れたスピーカーのような声だか音だかを発した後、再び口を閉じて座った。
俺が助けを求めるように浩子サンを見ると、眉毛を八の字にしていた。
俺も恐らく似たような表情だったと思う。

「この子達ね、喋れないみたいなの。
 わたしが何度聞いても、さっきみたいな感じでね。」

…参った。
色々と困った連中はいたが、こいつはまた珍しいというか初めてのケースだ。

「これじゃ捨てられたのか単に迷子なのか判らんなぁ……」
「ジュリちゃんの時にお世話になったって言う、高校の時のお友達とかはダメなの?」

縁遠か…あまり頼りたくはないんだけどなぁ……

「…この際、手段は選べないか。
 もしかしたら、何かしら判るかもしれないしな。」

---

その夜、浩子サンが帰宅し、何故だか俺の傍を離れようとしない猫どもを傍に置いて寝た。
視界の隅にいる、一つのクレードルに身を寄せ合って眠る三体の猫型神姫たち。
まだ降っている外の雨音が、先程聞いた彼女らの声になんとなく被って聞こえた。
いやに人懐っこいから野良ではないのだろうか、などと益体も無い事を考えつつ、俺の意識は徐々に遠のいていった。





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