白。
純粋を表す白。
純潔を表す白。
白。
無邪気を表す白。
無慈悲を表す白。
白。
高潔を表す白。
虚無を表す白。
白。
それは雪の色。
それは無の色。
白。
それは始りの色。
それは終りの色。
白。
それは限り無い光。
それは終り無い闇。
白。
白。
白。
純粋故に残酷。
無邪気故に残虐。
高潔故に孤高。
雪と共に始まり。
無と共に終わる。
それは白。
黒にして、白。
純粋を表す白。
純潔を表す白。
白。
無邪気を表す白。
無慈悲を表す白。
白。
高潔を表す白。
虚無を表す白。
白。
それは雪の色。
それは無の色。
白。
それは始りの色。
それは終りの色。
白。
それは限り無い光。
それは終り無い闇。
白。
白。
白。
純粋故に残酷。
無邪気故に残虐。
高潔故に孤高。
雪と共に始まり。
無と共に終わる。
それは白。
黒にして、白。
ここは、空に包まれた世界。
青に包まれた世界。
青が満ちる世界。
何所までも何処までも青く、ただ青い空。
其処には雲も無く、風も無く、太陽も無く。
在るのは無限の青。
不気味な程の、蒼。
青の下の世界もまた、青。
それは青い大地。
堕ちた太陽に焼け熔かされた硝子の大地。
空の青を映し出す硝子の大地。
本来の姿を忘れた大地。
本質を捻じ曲げられた哀しい大地。
触れれば割れる脆い大地。
バトルフィールド「ソラーステド・ヒース」又の名を、焼野。
空の青と硝子の青に包まれた戦場。
青い戦場。
二つの青を引き裂いて二つの白い影が舞う。
一つは天使。
純白の身体と純白の翼を持つ天使。
白馬の名を持つ白い神姫、アーンヴァル。
一つは悪魔。
純白の体と純白の腕と純白の脚を持つ悪魔。
白刃で武装する白い神姫、ストラーフ。
煌―――。
白いストラーフの持つ白い刃、アンクルブレードが空中に白い軌跡を残す。
その一寸先にいるアーンヴァル、その喉元を狙う白い斬撃。
アンクルブレードは斬突両用武装であるが、その威力は特筆するまでも無い。
軽装のアーンヴァルと言えど、腕に付いた防御用装備であらば貫く事は叶わない。
しかし、その切っ先が素っ首に向いているのなら話は別だ。
アンクルブレードの細い刀身はアーンヴァルの細い首を難無く刎ねるだろう。
現につい先刻、アーンヴァルは首を刎ねられかけた。
アーンヴァルは二対の白翼をはためかせると急速に高度を上げる。
地上戦主体のストラーフから距離を取り体制を立て直す考えだ。
「首を刎ねよ」
声が響く。
戦場に置いて不相応な声音で、戦場に相応しい言葉で。
首を刎ねよ、と。
高く甘い声で。
冷たく無慈悲な声で。
その声を搔き消すように硝子の大地が粉砕される。
ストラーフが大地へと落下したのだ。
「首を刎ねよ」
声を搔き消すように硝子の大地が悲鳴を上げる。
ストラーフが純粋な脚力のみで大地を蹴った、その結果だ。
そして、その反動でストラーフの身体は中空へと向かう。
硝子の破片を撒き散らしながら、無窮の空へと挑むように。
白い身体は突撃槍の様に、真っ直ぐアーンヴァルへと向かう。
「首を刎ねよ」
その声に従い、ストラーフは背中のフルストゥ・グフロートゥを投擲する。
二つの刃は凄まじい速度で回転し、大きな弧を描きながら飛んだ。
それは左右からアーンヴァルへ迫り、そして虚空を切り裂く。
アーンヴァルは迫るフルストゥ・グフロートゥを上昇する事で回避した。
飛行能力の無いストラーフに対し、上昇するというのは理に叶ってると言えた。
「首を刎ねよ」
アーンヴァルの考えは甘かった。
上昇した先にあったのは投擲されたフルストゥ・クレイン。
白い片翼は無残にも引き千切られた。
そして、堕ちる。
しかし、千切れたのは片翼のみ。格好は悪いが飛べない事は無い。
そう思考し、体勢を整えようとしたその先にあるのは、もう一振りのフルストゥ・クレイン。
アーンヴァルのもう片翼もまた、引き千切られた。
完全に翼を捥がれた天使は、堕ちる。
蒼天から大地へと。
「首を刎ねよ」
否。
堕とされる。
「―――ぁ」
アーンヴァルの首に白い刃が貫き生えた。
その袂にいるのはストラーフ。
白馬に跨る騎士の様に。
そして、堕ちる。
白い尾を引く流星の様に。
硝子に映る自分へ向かい、まるで引き寄せられるように。
堕ちた。
大量の硝子の破片が巻き上げられる。
それは一瞬の後に雨の如く舞い降りる。
がしゃり、がしゃりという音の連鎖。
「首を刎ねよ」
アーンヴァルの首にもう一つの白い刃が生えた。
「首を刎ねよ」
ストラーフは両の手に握ったアンクルブレードに力を込める。
「首を刎ねよ」
そして、左右に薙ぎ払う。
血飛沫の代わりに白いデータの飛沫が飛ぶ。
さながら雪が舞うように、それは飛んだ。
罅割れた硝子の大地に姿が映った。
二対の翼を持つ天使。
二対の腕を持つ悪魔
地に臥す白い天使。
地に立つ白い悪魔。
堕ちた白い天使。
反逆の白い悪魔
青に包まれた世界。
青が満ちる世界。
何所までも何処までも青く、ただ青い空。
其処には雲も無く、風も無く、太陽も無く。
在るのは無限の青。
不気味な程の、蒼。
青の下の世界もまた、青。
それは青い大地。
堕ちた太陽に焼け熔かされた硝子の大地。
空の青を映し出す硝子の大地。
本来の姿を忘れた大地。
本質を捻じ曲げられた哀しい大地。
触れれば割れる脆い大地。
バトルフィールド「ソラーステド・ヒース」又の名を、焼野。
空の青と硝子の青に包まれた戦場。
青い戦場。
二つの青を引き裂いて二つの白い影が舞う。
一つは天使。
純白の身体と純白の翼を持つ天使。
白馬の名を持つ白い神姫、アーンヴァル。
一つは悪魔。
純白の体と純白の腕と純白の脚を持つ悪魔。
白刃で武装する白い神姫、ストラーフ。
煌―――。
白いストラーフの持つ白い刃、アンクルブレードが空中に白い軌跡を残す。
その一寸先にいるアーンヴァル、その喉元を狙う白い斬撃。
アンクルブレードは斬突両用武装であるが、その威力は特筆するまでも無い。
軽装のアーンヴァルと言えど、腕に付いた防御用装備であらば貫く事は叶わない。
しかし、その切っ先が素っ首に向いているのなら話は別だ。
アンクルブレードの細い刀身はアーンヴァルの細い首を難無く刎ねるだろう。
現につい先刻、アーンヴァルは首を刎ねられかけた。
アーンヴァルは二対の白翼をはためかせると急速に高度を上げる。
地上戦主体のストラーフから距離を取り体制を立て直す考えだ。
「首を刎ねよ」
声が響く。
戦場に置いて不相応な声音で、戦場に相応しい言葉で。
首を刎ねよ、と。
高く甘い声で。
冷たく無慈悲な声で。
その声を搔き消すように硝子の大地が粉砕される。
ストラーフが大地へと落下したのだ。
「首を刎ねよ」
声を搔き消すように硝子の大地が悲鳴を上げる。
ストラーフが純粋な脚力のみで大地を蹴った、その結果だ。
そして、その反動でストラーフの身体は中空へと向かう。
硝子の破片を撒き散らしながら、無窮の空へと挑むように。
白い身体は突撃槍の様に、真っ直ぐアーンヴァルへと向かう。
「首を刎ねよ」
その声に従い、ストラーフは背中のフルストゥ・グフロートゥを投擲する。
二つの刃は凄まじい速度で回転し、大きな弧を描きながら飛んだ。
それは左右からアーンヴァルへ迫り、そして虚空を切り裂く。
アーンヴァルは迫るフルストゥ・グフロートゥを上昇する事で回避した。
飛行能力の無いストラーフに対し、上昇するというのは理に叶ってると言えた。
「首を刎ねよ」
アーンヴァルの考えは甘かった。
上昇した先にあったのは投擲されたフルストゥ・クレイン。
白い片翼は無残にも引き千切られた。
そして、堕ちる。
しかし、千切れたのは片翼のみ。格好は悪いが飛べない事は無い。
そう思考し、体勢を整えようとしたその先にあるのは、もう一振りのフルストゥ・クレイン。
アーンヴァルのもう片翼もまた、引き千切られた。
完全に翼を捥がれた天使は、堕ちる。
蒼天から大地へと。
「首を刎ねよ」
否。
堕とされる。
「―――ぁ」
アーンヴァルの首に白い刃が貫き生えた。
その袂にいるのはストラーフ。
白馬に跨る騎士の様に。
そして、堕ちる。
白い尾を引く流星の様に。
硝子に映る自分へ向かい、まるで引き寄せられるように。
堕ちた。
大量の硝子の破片が巻き上げられる。
それは一瞬の後に雨の如く舞い降りる。
がしゃり、がしゃりという音の連鎖。
「首を刎ねよ」
アーンヴァルの首にもう一つの白い刃が生えた。
「首を刎ねよ」
ストラーフは両の手に握ったアンクルブレードに力を込める。
「首を刎ねよ」
そして、左右に薙ぎ払う。
血飛沫の代わりに白いデータの飛沫が飛ぶ。
さながら雪が舞うように、それは飛んだ。
罅割れた硝子の大地に姿が映った。
二対の翼を持つ天使。
二対の腕を持つ悪魔
地に臥す白い天使。
地に立つ白い悪魔。
堕ちた白い天使。
反逆の白い悪魔
白。
それは自由の色。
白。
それは自我の色。
白。
それは狂気の色。
白。
それは反逆の色。
白。
白。
白。
それは白の女王
それは自由の色。
白。
それは自我の色。
白。
それは狂気の色。
白。
それは反逆の色。
白。
白。
白。
それは白の女王