Elysion 第1話 「邂逅」
2037年、4月のある日
思いがけず臨時収入を得た私は、何を買おうかネットで検索しながら悩んでいた。
(無くしたと思っていた随分前のバイト代が、まるまる雑誌の中から出てきたのだ!)
2~3時間ほどあちこち調べて回ったものの結局あまり良い物が見つからず、
今日のところはもうパソコンを消して明日お店を回る事にした。
(無くしたと思っていた随分前のバイト代が、まるまる雑誌の中から出てきたのだ!)
2~3時間ほどあちこち調べて回ったものの結局あまり良い物が見つからず、
今日のところはもうパソコンを消して明日お店を回る事にした。
-そして朝
駅前のショッピングセンターに向かう途中、奇妙なお店(?)を見つけた。
「新・・東京・・神姫センター・・・・?」
ここは幕張、れっきとした千葉である。
まぁ、千葉なのに東京とつくのはけっこうあるので今更ではあるけどね。
なんてことを考えながら苦笑していると、
「あ、お客さんかな?」
声のした方を見ると、そこには15cm程度の小さな人形が浮かんでいた。
「し・・・神姫・・・・?」
私は神姫を初めて間近でみて驚いた・・・・・
「か・・・・かわいい・・・」
「あはは、ありがと~♪もしよかったら中見てかない?」
私は誘われるままお店の中へ入った。
「新・・東京・・神姫センター・・・・?」
ここは幕張、れっきとした千葉である。
まぁ、千葉なのに東京とつくのはけっこうあるので今更ではあるけどね。
なんてことを考えながら苦笑していると、
「あ、お客さんかな?」
声のした方を見ると、そこには15cm程度の小さな人形が浮かんでいた。
「し・・・神姫・・・・?」
私は神姫を初めて間近でみて驚いた・・・・・
「か・・・・かわいい・・・」
「あはは、ありがと~♪もしよかったら中見てかない?」
私は誘われるままお店の中へ入った。
「父さま~お客さんだよ~」
「ああ、いらっしゃいませ。闇捌 ご苦労さま、そろそろ上を手伝ってあげて下さい。」
「は~い」
闇捌と呼ばれたその子は、階段を無視してスィーっと2階へ上っていった。
(うわぁ~、神姫ってあんなにかわいいんだ・・・・これは他のも見てみたいかも♪)
飛んでいった神姫を見送って、店内をキョロキョロと見回す。
「何かお探しですか?」
「あ・・・あの・・・し・・・神姫を見せて下さい・・・」
「ではこちらです」
先刻の神姫に父さまと呼ばれていた男性店員が示したカウンターの中には、様々な神姫が入っていた。
(あ、これはさっきの子だ・・・ああ、この子もいいなぁ・・・)
真剣に見ている私の邪魔をしない様に、店員さんは作業を再開した。
「ああ、いらっしゃいませ。
「は~い」
闇捌と呼ばれたその子は、階段を無視してスィーっと2階へ上っていった。
(うわぁ~、神姫ってあんなにかわいいんだ・・・・これは他のも見てみたいかも♪)
飛んでいった神姫を見送って、店内をキョロキョロと見回す。
「何かお探しですか?」
「あ・・・あの・・・し・・・神姫を見せて下さい・・・」
「ではこちらです」
先刻の神姫に父さまと呼ばれていた男性店員が示したカウンターの中には、様々な神姫が入っていた。
(あ、これはさっきの子だ・・・ああ、この子もいいなぁ・・・)
真剣に見ている私の邪魔をしない様に、店員さんは作業を再開した。
どれも可愛くて、本気で迷ってきた。
そうしてふと顔を上げると、店員さんが何やら唸っている。
「どうしたんですか?」
「いや~、入荷した商品のなかに仕入伝票に無いものが紛れていて・・・チェックし直していたんですが・・・・」
「それは?」
「今度発売の新型素体・・・ですね。ちょっと問い合わせてみますか。」
店員さんはそう言うと、どこかへ電話を掛け始めた。
(わ・・・この子・・・かわいい・・・!!)
そうしてふと顔を上げると、店員さんが何やら唸っている。
「どうしたんですか?」
「いや~、入荷した商品のなかに仕入伝票に無いものが紛れていて・・・チェックし直していたんですが・・・・」
「それは?」
「今度発売の新型素体・・・ですね。ちょっと問い合わせてみますか。」
店員さんはそう言うと、どこかへ電話を掛け始めた。
(わ・・・この子・・・かわいい・・・!!)
どうやら私がその子に見惚れている間に、店員さんの電話は終わったらしい。
「どうでした?」
「ああ、店舗用のサンプル扱いにしてくれって事でした。」
「そうですか・・・・商品ではないんですか・・・・」
(そっか・・・商品じゃないんだ・・・・残念・・・)
「この子が気に入りました?」
「え・・ええ・・・でも・・・・・」
「どうでした?」
「ああ、店舗用のサンプル扱いにしてくれって事でした。」
「そうですか・・・・商品ではないんですか・・・・」
(そっか・・・商品じゃないんだ・・・・残念・・・)
「この子が気に入りました?」
「え・・ええ・・・でも・・・・・」
そこへ別のお客さんが入ってきた。
「こんちわ店長~・・・お、新商品?」
「おや秀 くん、いらっしゃい」
「え・・・店長さんだったんですか!?」
「あはは、やっぱそう見えね~よな~」
「秀くん・・・・・」
恨めしそうに睨みつける店長さんをさっぱりと無視して
「ねね・・それ、俺に売ってくんない?」
「ダメですよ」
「なんで?」
「このお客様と交渉中ですから」
「えっ?」
「そうですね、基本装備も無いのでクレイドルをお付けして・・・これくらいですね」
店長さんが差し出した電卓の数字を見て
(この値段なら買える・・・!)
「いかがですか、お客様?」
「買います!」
もちろん即答。
「ありがとうございます、それではこちらの会員登録書にご記入下さい。本体ご購入なので登録料はサービスとなります。」
「こんちわ店長~・・・お、新商品?」
「おや
「え・・・店長さんだったんですか!?」
「あはは、やっぱそう見えね~よな~」
「秀くん・・・・・」
恨めしそうに睨みつける店長さんをさっぱりと無視して
「ねね・・それ、俺に売ってくんない?」
「ダメですよ」
「なんで?」
「このお客様と交渉中ですから」
「えっ?」
「そうですね、基本装備も無いのでクレイドルをお付けして・・・これくらいですね」
店長さんが差し出した電卓の数字を見て
(この値段なら買える・・・!)
「いかがですか、お客様?」
「買います!」
もちろん即答。
「ありがとうございます、それではこちらの会員登録書にご記入下さい。本体ご購入なので登録料はサービスとなります。」
私が一通り記入し終わったことを確認すると、店長さんは続けた。
「では入会特典として、こちらから神姫用の服をお選びください」
その言葉を聞いて、奥のショーケースをぶらぶらと見ていた秀さんが突然話に割り込んできた。
「ちょっ!ちょっと待て!・・・俺が入会した時そんなん無かったぞ?」
「秀くん・・・ちょっとあちらの張り紙を見てもらえませんか・・・・」
「ん・・・・何なに・・・・『神姫に服も持たせないで売るなんてこの変態が~』!?」
「・・・・だそうです。でも毎回サービスしていては儲けが出ないので、入会特典って事で妥協してもらいました。」
「あ~・・・・留美 さんにゃ、逆らえん・・・」
そのやり取りを上の空で聞きながら、私は2着の服を前に悩んでいた・・・・
「では入会特典として、こちらから神姫用の服をお選びください」
その言葉を聞いて、奥のショーケースをぶらぶらと見ていた秀さんが突然話に割り込んできた。
「ちょっ!ちょっと待て!・・・俺が入会した時そんなん無かったぞ?」
「秀くん・・・ちょっとあちらの張り紙を見てもらえませんか・・・・」
「ん・・・・何なに・・・・『神姫に服も持たせないで売るなんてこの変態が~』!?」
「・・・・だそうです。でも毎回サービスしていては儲けが出ないので、入会特典って事で妥協してもらいました。」
「あ~・・・・
そのやり取りを上の空で聞きながら、私は2着の服を前に悩んでいた・・・・
「お決まりですか?」
ウンウンと悩み続ける私の様子を見かねたのか、店長さんが私に声をかけた。
「あ・・はい、こっちで(くぅ・・あっちも良かったなぁ・・・・)」
意を決して私は1つを指差したのだけど、店長さんは商品の入った手提袋に手早く2着とも入れて手渡してくれた。
「あ・・あの・・・」
私が何か言おうとすると、店長さんは人差し指を唇に当てて微笑み、軽くウインクをした。
「父さま~、お手伝い終わりました~」
「あ・・闇捌、こちら新会員の宮永香織 さんね。」
「あ、さっきのお姉さん、お買い上げありがとうございます~」
「マニュアルが付いてないので簡易マニュアルを入れておきましたが、何か解らない事があったらすぐにご連絡ください。」
「あ・・はい・・色々ありがとうございました~」
「またのご来店をお待ちしております~」
そうして私はお店を後にした・・・・
ウンウンと悩み続ける私の様子を見かねたのか、店長さんが私に声をかけた。
「あ・・はい、こっちで(くぅ・・あっちも良かったなぁ・・・・)」
意を決して私は1つを指差したのだけど、店長さんは商品の入った手提袋に手早く2着とも入れて手渡してくれた。
「あ・・あの・・・」
私が何か言おうとすると、店長さんは人差し指を唇に当てて微笑み、軽くウインクをした。
「父さま~、お手伝い終わりました~」
「あ・・闇捌、こちら新会員の
「あ、さっきのお姉さん、お買い上げありがとうございます~」
「マニュアルが付いてないので簡易マニュアルを入れておきましたが、何か解らない事があったらすぐにご連絡ください。」
「あ・・はい・・色々ありがとうございました~」
「またのご来店をお待ちしております~」
そうして私はお店を後にした・・・・
手にした袋の中を覗き込むと、さっきのあの子が眠る様に入っていた。
その手提袋の表書きには・・・・
「あれ?喫茶&MMSショップ エリュシオン??」
新東京神姫センターじゃ・・・・・?
振り返ってお店の方を見ると、新東京神姫センター・・・・の横にくっつく様にエリュシオンのお店があった。
その手提袋の表書きには・・・・
「あれ?喫茶&MMSショップ エリュシオン??」
新東京神姫センターじゃ・・・・・?
振り返ってお店の方を見ると、新東京神姫センター・・・・の横にくっつく様にエリュシオンのお店があった。
「ふぅ・・・どうもメカに弱いなぁ・・・・明日誰かに相談してみよっかな・・・・」
家に帰りマニュアルと格闘し、エリュシオンの店長さんにさっそく電話で相談したりして・・・
なんとか初期設定を終わらせた頃には、すでに夕方5時。
そうして、私は一息つく間も惜しんでこの子を起動した・・・・・
家に帰りマニュアルと格闘し、エリュシオンの店長さんにさっそく電話で相談したりして・・・
なんとか初期設定を終わらせた頃には、すでに夕方5時。
そうして、私は一息つく間も惜しんでこの子を起動した・・・・・
「ん・・・んん~・・・・あ、はじめまして・・ボクはエウクランテ・・・貴方はマスターですか?」
「私は宮永香織、香織って呼んで」
「マスター登録完了・・・・カオリ、ボクに名前をつけて♪」
「ん~~・・・・リルハ」
「私は宮永香織、香織って呼んで」
「マスター登録完了・・・・カオリ、ボクに名前をつけて♪」
「ん~~・・・・リルハ」
そうして色々な事を話した・・・今日出会った人の事、家族の事、友達の事、学校の事、憧れの人の事、
・・・・・時間を忘れるくらいに楽しかった
「香織~ご飯よ~~」
「あ、は~い・・・おいでリルハ!お母さんに紹介するから」
「うん!」
・・・・・時間を忘れるくらいに楽しかった
「香織~ご飯よ~~」
「あ、は~い・・・おいでリルハ!お母さんに紹介するから」
「うん!」
こうしてリルハとの辛く楽しい生活が幕をあける・・・・・・・
その頃、エリュシオンでは・・・・
「父さま~発注業務終わったよ~」
「闇捌、エウクランテ用基本装備と正規マニュアルを追加しといてください。」
「あ、あのお姉さんのだね」
「多分、必要になるでしょうから」
「浮気~?」
「違います!」
「あはは、りょうか~い」
「・・・・・浮気って何・・・・・?」
「る・・・留美さん・・・・!」
「母さま・・・・・!」
「二人とも、ちょーっとお話を聞かせてもらおうかしら・・・・・」
「・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・」
「闇捌、エウクランテ用基本装備と正規マニュアルを追加しといてください。」
「あ、あのお姉さんのだね」
「多分、必要になるでしょうから」
「浮気~?」
「違います!」
「あはは、りょうか~い」
「・・・・・浮気って何・・・・・?」
「る・・・留美さん・・・・!」
「母さま・・・・・!」
「二人とも、ちょーっとお話を聞かせてもらおうかしら・・・・・」
「・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・」
こうしてエリュシオンの1日が幕をおろす・・・・・・・
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