「……これが“閃牙”。こっちが“舞剣”で……これが、“魔奏”」
「ふむ……だが、その名を大っぴらに出す訳には行かぬのだろう?」
「あったり前でしょ!アンタん家のハウリンなら乗っ取れるわよ!」
「そうか?では此方で、当座の名を考えておこうか。エルギールよ」
「ふむ……だが、その名を大っぴらに出す訳には行かぬのだろう?」
「あったり前でしょ!アンタん家のハウリンなら乗っ取れるわよ!」
「そうか?では此方で、当座の名を考えておこうか。エルギールよ」
晶ちゃんが僕の風評と魔剣の脅威を恐れない事を、結局僕は利用していた
「勝手になさいよ。必要ならあたしがテキトーに考えてもいいけど」
「いや、そこまで世話になる訳にもな……これ以降は私達の責務だ」
「……じゃ、晶ちゃん。毎度有り難う……何時か、何処かに行こう」
「そうだな、神浦琥珀にエルギールよ。今度、アキバを案内しよう」
「いや、そこまで世話になる訳にもな……これ以降は私達の責務だ」
「……じゃ、晶ちゃん。毎度有り難う……何時か、何処かに行こう」
「そうだな、神浦琥珀にエルギールよ。今度、アキバを案内しよう」
「ワルキューレの騎行──あるいは凶兆の凶鳥」
それが適わないかも知れない事を知って尚、彼女の力強さには嫉妬すら感じる
見送られつつ、僕はテレビ電話のモニタの電源を落とした
見送られつつ、僕はテレビ電話のモニタの電源を落とした
同封した第四の魔剣・・・「ギガンティックの爪」
最早晶を通して、これを誰かに解析してもらう他無かった
残念ながら、僕は今この町を離れる事が出来ない
そして、あいつらの息か監視の眼が掛かっている可能性が無い知り合いで、あの爪を託して大丈夫な人物もまた居ない
僕にはこれしか出来ない
最早晶を通して、これを誰かに解析してもらう他無かった
残念ながら、僕は今この町を離れる事が出来ない
そして、あいつらの息か監視の眼が掛かっている可能性が無い知り合いで、あの爪を託して大丈夫な人物もまた居ない
僕にはこれしか出来ない
「ギガンティックの爪」は神姫用の武器ではない
本来ギガンティックと呼ばれた「なにか」の、文字通り爪であったものを武器状に加工しただけのものだ
それも偶然に、である
僕に出来る限り調べ、その結果武器状に加工されたに過ぎない
結果は・・・そのダガー大の湾曲した爪は、少なくとも単純な金属ではなかった
プラスチックと人肌をハイブリッドした様な手触り、動物の甲殻の様な硬質感を供える黒い爪
だが、これはほぼ間違い無く、皆川彰人の野望と深い関わりがある
恐らく、「バニシングファイブ」とも・・・
調べてもらう他無かった
ただ、決断が遅れたのだ
あんな事があった直後だ
らしくない
本来ギガンティックと呼ばれた「なにか」の、文字通り爪であったものを武器状に加工しただけのものだ
それも偶然に、である
僕に出来る限り調べ、その結果武器状に加工されたに過ぎない
結果は・・・そのダガー大の湾曲した爪は、少なくとも単純な金属ではなかった
プラスチックと人肌をハイブリッドした様な手触り、動物の甲殻の様な硬質感を供える黒い爪
だが、これはほぼ間違い無く、皆川彰人の野望と深い関わりがある
恐らく、「バニシングファイブ」とも・・・
調べてもらう他無かった
ただ、決断が遅れたのだ
あんな事があった直後だ
らしくない
「琥珀・・・どうしたの?」
「なんでも無いよエルギール・・・華墨を呼んできてくれるかな」
「判ったわ」
歩き出すエルギール
僕は物思いに沈む
手は打った
関係無い人達を巻き込む可能性を作って
僕は
最悪の凶鳥だった
「なんでも無いよエルギール・・・華墨を呼んできてくれるかな」
「判ったわ」
歩き出すエルギール
僕は物思いに沈む
手は打った
関係無い人達を巻き込む可能性を作って
僕は
最悪の凶鳥だった