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● 三毛猫観察日記 ●



◆ 第八話 「雨の日に来たレイン」 ◆



今日は朝から雨が降っている。仕方ないのでバイク通学は諦める。
ベッドを出てサッとシャワーを浴びた後、朝食代わりのアップルティーを一杯。
テレビをぼーっと見ながら何を着ていくか考える。バイクじゃないから、久しぶりに
スカートにしましょう。お気に入りのニューヨーカーで一揃え。

女子寮から出てバス停まで歩いていく。それにしてもこの寮、大学の寮なのに何故か
バスで通うような場所にあるのよね。都内の学校ってこんな物なのかしら?
寮生はみんなバスか自転車を使っている。原付で通っている人もいるけど、私みたいに
普段からバイクに乗ってる人なんて居ない。大学に入ったら友達とツーリングするのが
夢だったから少し残念。

バスに乗って15分。大学前の停留所で下車。
停留所の傍で人形が落ちているのを見つける。落し物かしら?
雨の中に放置されて泥だらけになっている。
何だかとても切なくなって拾ってしまう。でもそのズッシリとした手ごたえに少し驚く。
普通の人形じゃないのかしら?

とりあえずハンカチで顔を拭いてあげる。
「大丈夫?」
何となく声を掛けてしまう。別に反応を期待した訳じゃないんだけど…
人形の目が、弱々しく開いた。
ビックリして危うく人形を落としそうになる。ああこれ、この前テレビでやってた
神姫ってロボット人形ね。

神姫の左手が動いた。抱えている私の左小指をギュっと握る。
でも、その左手から徐々に力が抜けていく…
私は直感的に、この神姫が死に掛けているのを理解した。
自分の手から命が零れ落ちていく感覚。
あぁ、前にもこんな事があったわ………
この子は死なせちゃいけない!確かこの大学にも神姫のサークルがあったハズ!!
私は傘を捨てて、全速力で大学まで走っていった。


今日は朝からみんな部室にいる。本当は金曜日だから授業があるのだが、来週から始まる
文化祭の準備が間に合わないのでサボってしまっているのだ。
「やっぱり三人だけってのがネックですね。準備もそうですけど、出店をやるとなると
 5日間もあるから店番が大変ですよ」と小暮君。
「しかしやっぱり出店を出したいしねぇ。もう申請もしてるし」とアキオ。
「どうする?それなら助っ人を頼むか、参加日を減らすか…」と俺。
「「「う~~~~~~ん………」」」
三人で悩んでしまう。
「とりあえずフランクフルトですから私達も作るの手伝えますし」とサンタ子。
「拓斗さん、自分の体調の事も考えてくださいね…」と小春。
「余ったらミアちゃんが全部食べちゃうね!」オマエ太るぞ?

突然、部室のドアがドンドンドンドン叩かれた。
「あ、僕が出ます。どなたですかぁ~?」
小暮君がドアを開けると、背の高い、ずぶ濡れのトレンチコートを着た女性が立っていた。
「あ、あの…ココ、神姫サークルの部室ですよね!!?」
「そ、そうですけど…どうしたんですか、そんなに慌てて」
女性は、懐に入れていた神姫を出しながら言った。
「この子を…この子の命を助けて下さい!!!!」

女性の名前は篠原由奈。小暮君と同じ1年らしい。
彼女の話によると、通学途中の道端で死にそうな神姫を見つけたので、とにかく詳しそうな
俺達の所に来たとのこと。

「虎太郎、どうだ?」アキオが神姫を調べている俺の後ろから覗く。
「…これは…意図的に高圧電流を流された形跡があるな…」
「それって、どういう事なんですか?」
「篠原さん、つまりね。携帯とかパソコンとかを捨てる時も、事前にデータを消去しておく
 ものでしょ。この子も捨てられる前に持ち主に記憶を消去されたってこと」
「そ、そんな…そんなことって!」
あまりの事に、篠原さんは呆然としてしまう。
「それにこれは…必要以上に電流を流したから、コアユニットの末梢回路が焼き切れている。
 CSチップもボロボロだ。可哀想だけど助かる見込みは殆ど無いな…」

重苦しい沈黙を破ったのは篠原さんだった。
「これってつまり、人形型のオモチャなんですよね。別に生きている訳じゃない。
 こんなのに生きるの死ぬの言ってる私って、ちょっと変ですよね。
 でも、私は感じたんです。この子が私を見て、力一杯指を握って、『私は生きたい』って
 訴えているのを!この子は…この子は生きているんです!!!!」
そこまで言って彼女は泣き出してしまった。

アキオが口を開く。
「…俺はもう、自分の目の前で神姫が死ぬのを見たくない…
 虎太郎、俺はな。お前の事を最高の、日本一の技術屋だと思ってる。お世辞じゃなく。
 だからお前なら必ず何とかしてくれると信じている。
 虎太郎、頼む。俺の期待を裏切らないでくれ…」

俺だって何とかしたい。だがコアユニットがこの状態では…人間で言ったら脳神経が
ズタズタにされている状態だ。こんなの人間じゃ治しようが無い。
人間では…
………
……

ユニットの神経ブロックを100セット単位でデータ退避:チェックし必要最低限の回路
再生移植を行いその処置発生確率の期待値を有効水準95%いや98%とすれば必要時間は
コア9時間CSCは6×3の18時間その後に失われた自我情報の代わりにミア達のコア
情報を埋め込む時間を4時間×3の12時間その情報の統合に4時間全体の再構築に更に
3時間を掛けて別素体へ移植及び調整と最終チェックで1の2で3時間。
………丸2日か。

「篠原さん、君にこの子を育てる勇気はあるか?」
「あ、あります!」
「なら名前を考えておいてくれ。どっちみち情報の再構築を…」
「『レイン』です。この子の名前は…『レイン』です!」

俺は篠原さんの肩を軽く叩き、皆に向き直った。
「みんな聞いてくれ!これからの作業を大まかに説明する!
  最初はコアユニットとCSCの再生。俺一人でやるが、明日の昼までには完成する。
 それと平行して、アキオと小暮君はレインの素体を用意してくれ。後で出力グラフを
 渡すから、それに見合うように調整をしてくれ。
  その後はCSCの自我情報の修復。これはミア・サンタ子・小春の協力がいる。
 CSCが3つに分かれているのは知っているな? それぞれのチップの欠損データに
 三人のコアから抽出したデータを植え込む。そしてCSC経由でコアユニット情報の
 再生を図る。これでレインはお前達の妹として復活するハズだ。
  最後は、アキオ達が用意した素体への移植だ。これは篠原さんに自分でやってもらう。
 何か質問はあるか?」

アキオと小暮君の顔を見る。二人は理解したようだ。篠原さんは…まぁいい。
「虎太郎、一つだけ………本当にやれるか?」
俺は3秒だけ目を瞑り、そしてアキオに答えた。
「まかせろ」


それからの皆の動きは迅速でした。徳田さんは何処かへ新しい代替ボディを用意しに、
小暮さんは高槻さんの家へ工具や材料を取りに行き、私が大学窓口へ工作室の使用許可を
申請しに行っている間に、高槻さんはレインを連れて先に工作室へ行ってました。

それから6時間後。
高槻さんは隣りの無塵工作室でレインの修理をしてます。双眼鏡のようなスコープを
覗きながらのマニピュレーター作業。
私が居る一般工作室では、徳田さんと小暮さんが代替ボディを調整しています。
「ごめんなさい、こんな大変な事になっちゃって…
「気にするなって。こういうのもサークル活動の一環だと思うしね」
「そうです。僕達も好きでやっている事ですから!」

…この人達には話しておこう。
「私…レインって言う猫を飼っていたんです。二年前、急に体調が悪くなったので
 獣医に連れて行ったんですけど、点滴を打っただけで帰されました。家に着いても
 全然良くなる気配が無く、そのまま私の腕の中で死んでいったんです…
 思い出しちゃったんです、レインの事を。もっと私がちゃんとしていれば
 レインは死ななくて済んだんじゃないかって。単に代償行為に過ぎないかも
 知れませんけど、あの子だけは助けたかったんです…」

徳田さんが手を止めて、私に向かって話し始めました。
「篠原さん、安心しな。俺達はそんなヤブ医者じゃない。こんな時に言うセリフじゃない
 けど、レインは運が良いんだ。この三人はみんなその道のエキスパートだからね。
 俺は高校の頃既に公式戦のトップランカーだったし、
 この小暮は両親が国際的な数学者で、自分もIQ200の超天才だし、
 あの高槻は自動車からロレックスまで何でも直しちまう修理の達人なんだ。
 これだけの経験と頭脳と技術、大学の設備があれば、死んだ猫だって生き返るさ!」

更に6時間後。
体調の悪くなった小暮さんは、とりあえず代替ボディが完成したので家に帰りました。
「篠原さん、もう遅いから寮に帰りな」徳田さんが促す。
「いえ、もう門限も過ぎてますし…このままレインの傍にいます」
「そうか、じゃ俺は部室で待機しているから、何かあったら携帯で呼んでくれ」
「解りました。…あの、本当にレインは助かるんでしょうか?」
「虎太郎が『まかせろ』と言ったんだ。俺にとってこれ以上の確証は無いよ!」

それから3時間。夜の12時。椅子で少しウトウトしていたみたい。
隣りの工作室では高槻さんがまだマニピュレーターと格闘している。凄い集中力…
後ろで何か不思議な気配がしたので振り向くと、目の前に人形が浮かんでいた。
「うわぁ、ビックリした!」
「キャッ!?ミアちゃんのがビックリよぉ!」
この子は…高槻さんの神姫、ミアちゃんね。
「どうしたの?何処かへお出かけ?」
「うん、コンビニにコタローの御飯買いに行ってくるの~」
「買いに行くって、そんなに荷物持てるの?」
「大丈夫、サンタ子ちゃんから家事用ブースター「メイドさん1号」借りたから!」
その背中に背負っている巨大なブースターの事ね…
「私もちょっと外の空気を吸いたいし、一緒に行ってもいい?」
「モチロンおっけぇよ!」

道を歩きながら、ミアちゃんの事を色々教えて貰いました。
高槻さんが猫を飼っていたこと。自分はその猫の生まれ変わりだってこと。
将来人間になって結婚すること(あらま)。一回死にそうになったこと(ええっ!)。
「だからね、ミアちゃんも治ったんだから、レインちゃんも絶対治るの!」
「ありがとう、ミアちゃん…」

工作室に帰ると、高槻さんは相変わらずマニピュレーターの前。作業の手を止めない。
ミアちゃんがその口にサンドイッチを押し込む。なんだか微笑ましい光景。
私とレインも、あんな感じになれるかしら…

その3時間後。真夜中。
高槻さんは相変わらず作業中。流石に彼のことが心配になってくる。
かといって口を出す訳にもいかない。私には応援することしか出来ない。

10時間後。昼過ぎ。
レインは無塵工作室から出され、代替ボディのある一般工作室に移されました。
「コアユニットとCSCの修復は終わった。次は欠損データの替わりにミア達のコアデータ
 を順番にコピーしていく。けどその前に…篠原さん、レインに話しかけてやってくれ」
高槻さんに促され、レインの傍に行く。
「レイン…私のレイン…生きるのよ、アナタの笑顔を私に見せて…」

最初のデータ提供は徳田さんのサンタ子ちゃん。
「レイン、みんなアナタのことが大好きなのよ。だから安心して頑張りなさい!」
次のデータ提供は小暮さんの小春ちゃん。
「私に妹が出来るなんて嬉しいです。早く元気になって、一緒に遊びましょうね!」
最後はミアちゃん。
「由奈ちゃん良い人だよ。早く良くなって甘えちゃえ!」

次の日の朝。いよいよ代替ボディへの移植、最終段階。
この作業だけは、全て私がやらなくてはいけないそうです。小暮さんのレクチャーを
聞きながら、何とか指示通りに組み込んでいく。
ちなみにこのボディ、ジルダリアっていう花をイメージしたものらしいです。

移植作業が終わり、高槻さんによる最終調整とチェックが入りました。結果は問題無い
そうです。さて、いよいよ起動です!
「この端末のスイッチを押せば起動する。さぁ篠原さん。君の手でレインに命を
 吹き込んでやるんだ」
高槻さんの指差したスイッチを押した…

机の上でゆっくり起き上がるレイン。上体を起こし、なんかキョトンとしている。
そのまま勢いよくピョンと立ち上がり、私の方に寄ってくる。
「由奈…ママ?」レインが首を傾げる。
「……そうよレイン。私がアナタのママよ…」
「由奈ママぁ~~~!」レインが大喜びで私に飛びついてきた。
ぎゅっと抱きしめる私。良かった、本当に良かった………

みんな工作室から出て、部室に戻ってきました。
レインはミアちゃん達とドールハウスでお話をしてます。お姉さん達に囲まれて嬉しそう!
「それじゃ篠原さん、この紙に名前と電話番号を書いてくれる?」
徳田さんが紙を差し出しました。連絡先の確認かしら?サラッと書き込む。
「それを書いちゃダメだぁぁぁぁ~~~~~~!!!」
小暮さんが急に叫んだのでビックリ。
「え、もう書いちゃいましたけど?」
「あああ、また犠牲者が…」
「小暮、何を言うか!サークルのメンバーが増えたんだぞ?」
え?
「篠原さん、それ入会届…」
え?え?
「徳田先輩って、こうやって自分の気に入った人を強引に入会させちゃうんです。
 僕や高槻先輩みたいに…」
え?え?え?
「高槻先輩も何か言って下さいよ!僕達は良かったですけど、部外者に迷惑を…あれ?」
高槻さんが部室のソファーで寝ています。
「先輩…寝ちゃったんですか?」
「そりゃなぁ…不眠不休で丸2日だったからなぁ」
徳田さんが近寄って、何かコッソリ言いました。聞こえちゃった。それは感謝の言葉。

「高槻先輩、これじゃ文化祭の準備は無理ですね。明日から本番なのに…」
「すみません、私達のせいで…」レインを両手で抱えて、二人に謝る。
「何を水臭い、同じサークルの仲間じゃないか!」
「いやですから、そんな強引な勧誘は…」
「いえ、いいんです。皆さんが良い人だって判りましたし、レインもお姉さん達と一緒の
 方が嬉しいでしょうし。逆に私みたいな素人が良いんでしょうか?」
「何言ってるんだ、それこそ水臭いぞ!」
「えーと、そういう事なら…大歓迎しますよ!」

こうやって私は、神姫サークル・バンディッツの一員になりました。
それで文化祭がどうなったかは…また次のお話です。



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