翼を持つ、姉妹達の絆を確かめて
春の夜……と言ってもこのご時世、結構気温は熱い物だ。私・槇野晶も、
店を畳んでからすぐに白衣を脱ぎ捨てて、三姉妹と軽めの食事を摂った。
この姿は、少々見せられぬな。上着のジャケットを脱いで……見るなよ?
流石にあられもない格好とまでは行かぬが、大胆気味の姿で夜を過ごす。
だが無為に過ごす事は彼女らも耐えられぬらしく……すぐにやってきた。
店を畳んでからすぐに白衣を脱ぎ捨てて、三姉妹と軽めの食事を摂った。
この姿は、少々見せられぬな。上着のジャケットを脱いで……見るなよ?
流石にあられもない格好とまでは行かぬが、大胆気味の姿で夜を過ごす。
だが無為に過ごす事は彼女らも耐えられぬらしく……すぐにやってきた。
「マイスター、マイスター!“特訓”のお手伝い、今いいですの?」
「む?いつもは自分らでこなして……ああ、あれか?“SSS”か」
「は、はいっ。流石にこればっかりは、オペレータがいないと……」
「……うん、今日はボクらの誰もHVIFの当番日じゃないからね」
「む?いつもは自分らでこなして……ああ、あれか?“SSS”か」
「は、はいっ。流石にこればっかりは、オペレータがいないと……」
「……うん、今日はボクらの誰もHVIFの当番日じゃないからね」
このところ、HVIFはご無沙汰である。以前クララのそれ……梓のみ
二日以上連続使用してしまったので、帳尻合わせの為にそうしている。
定期メンテナンスにも丁度良かったので、今はフェレンツェめの元だ。
なので、例え必要があっても今週いっぱいは“殻の躯”のみで過ごす。
本来はそれが自然なのだが、こう言う時は慣れてしまうと少し困るな。
二日以上連続使用してしまったので、帳尻合わせの為にそうしている。
定期メンテナンスにも丁度良かったので、今はフェレンツェめの元だ。
なので、例え必要があっても今週いっぱいは“殻の躯”のみで過ごす。
本来はそれが自然なのだが、こう言う時は慣れてしまうと少し困るな。
「分かった。私が訓練用ポッドのオペレートをしようではないか!」
「ありがとうございますの~♪で、今日は……コンビネーションを」
「コンビネーションだと?もしかして、3on3に出たいのかお前達」
「出たい……パワーレベリングじゃないけど、実質そうなるんだよ」
「ロッテちゃんと、差が開いちゃいましたからね。頑張らないと!」
「ありがとうございますの~♪で、今日は……コンビネーションを」
「コンビネーションだと?もしかして、3on3に出たいのかお前達」
「出たい……パワーレベリングじゃないけど、実質そうなるんだよ」
「ロッテちゃんと、差が開いちゃいましたからね。頑張らないと!」
そう。以前出た大会にて好成績を収めたロッテの軽量級ランキングは、
着実に勝ち星を増やすアルマとクララよりも、頭一つ抜きんでている。
故に彼女らが目を付けたのが、最近導入された3on3のバトルなのだ。
勝利ポイントが均等になる様に配分されるこのレギュレーションなら、
続ける事でロッテに他二人が追いつく事も容易となるだろうな。有無。
着実に勝ち星を増やすアルマとクララよりも、頭一つ抜きんでている。
故に彼女らが目を付けたのが、最近導入された3on3のバトルなのだ。
勝利ポイントが均等になる様に配分されるこのレギュレーションなら、
続ける事でロッテに他二人が追いつく事も容易となるだろうな。有無。
「というわけでだ、エントリーしてくれ。“SSS”の投下は?」
「えっと……まずは“Heiliges Kleid”でのチームプレイから!」
「むぅ、分かった。いつでも指示が有れば投下する、頑張れよ?」
「はいですの♪それじゃ、まずネイキッドを三体お願いしますの」
「えっと……まずは“Heiliges Kleid”でのチームプレイから!」
「むぅ、分かった。いつでも指示が有れば投下する、頑張れよ?」
「はいですの♪それじゃ、まずネイキッドを三体お願いしますの」
事前に準備していた所為も有って、決定から訓練開始までは早かった。
故に今回は、共通武装・改良バージョンのβテストも兼ねる事にした。
ヴァーチャル空間が展開され、そこの中央に私の“妹達”が降り立つ。
次いで、三方に散る形で万能型のネイキッドタイプが三体配置される。
故に今回は、共通武装・改良バージョンのβテストも兼ねる事にした。
ヴァーチャル空間が展開され、そこの中央に私の“妹達”が降り立つ。
次いで、三方に散る形で万能型のネイキッドタイプが三体配置される。
「……先手は、ボクからだね。舞台設定は……市街地かな。上等だよッ」
「おねがいしますねっ。ロッテちゃんは、高所確保から狙撃の準備を!」
「はいですのッ!アルマお姉ちゃんも、飛び出せる様に準備して下さい」
「おねがいしますねっ。ロッテちゃんは、高所確保から狙撃の準備を!」
「はいですのッ!アルマお姉ちゃんも、飛び出せる様に準備して下さい」
まずは十二時の方向にいる者に狙いを定め、クララが駆けだして行く。
身体能力は若干劣る彼女だが、走行補助装置の御陰でスピードはある。
一気に距離を詰めつつ、グレネードダガー“シラヌイ”を引き抜きッ!
身体能力は若干劣る彼女だが、走行補助装置の御陰でスピードはある。
一気に距離を詰めつつ、グレネードダガー“シラヌイ”を引き抜きッ!
「そこを動いちゃダメだよ……ふっ!」
『ギッ!?ギィィッ!!』
『ギッ!?ギィィッ!!』
それを、ネイキッドの足下へと投げつける。解放された電気が奔り、
敵が怯むその一瞬。それを狙って、クララが取り出すは“ヘル”だ!
鋼鉄のワイヤーにはアンカーの他に今回追加された、中継用リング。
それらを用いて束ねた超極薄の刃がネイキッドの脚を捕らえ、斬る!
敵が怯むその一瞬。それを狙って、クララが取り出すは“ヘル”だ!
鋼鉄のワイヤーにはアンカーの他に今回追加された、中継用リング。
それらを用いて束ねた超極薄の刃がネイキッドの脚を捕らえ、斬る!
『ギァァッ!?』
「……コレ位じゃ倒れないのはわかってるもん、だから」
「今度は、わたしの出番ですの……閃光弾をどうぞっ!!」
『ギウウゥー!?』
「……コレ位じゃ倒れないのはわかってるもん、だから」
「今度は、わたしの出番ですの……閃光弾をどうぞっ!!」
『ギウウゥー!?』
蹌踉めいたネイキッドが敵を捜そうとするが、それは叶わなかった。
ロッテが“フェンリル”の追加アダプターに装填・射出した閃光弾。
それが過たずネイキッドの顔面を捕らえ、その目前で炸裂したのだ。
狼狽えたネイキッドのAIに多大な隙が生じる……更に、もう一撃!
ロッテが“フェンリル”の追加アダプターに装填・射出した閃光弾。
それが過たずネイキッドの顔面を捕らえ、その目前で炸裂したのだ。
狼狽えたネイキッドのAIに多大な隙が生じる……更に、もう一撃!
「今度は、こっちで……!今の内にッ!」
『ギァ、アアッ!?』
「──────わかりました!早速、試してみますっ!」
『ギァ、アアッ!?』
「──────わかりました!早速、試してみますっ!」
今度はバスターライフル“ムラクモ”による狙撃で、敵の脚を止める。
関節や頭部に当たった弾丸が、着実にネイキッドの戦闘能力を奪う中、
アルマが一気に距離を詰めて、“ヨルムンガルド”へと右手を掛けた。
いや、厳密にはすぐ手が届く姿勢を取りながら走行し……左拳を引く!
関節や頭部に当たった弾丸が、着実にネイキッドの戦闘能力を奪う中、
アルマが一気に距離を詰めて、“ヨルムンガルド”へと右手を掛けた。
いや、厳密にはすぐ手が届く姿勢を取りながら走行し……左拳を引く!
「隙有りッ!“マサムネ”ッ!!」
『ギガァーッ!!?』
『ギガァーッ!!?』
そのまま回転遠心力を得た拳を、ネイキッドの腹に打ち込むアルマ。
ネイキッドが斜め後方へと飛ばされていくが、致命傷には至らない。
それを見たアルマは、今度こそ“ヨルムンガルド”の一本を握った!
ネイキッドが斜め後方へと飛ばされていくが、致命傷には至らない。
それを見たアルマは、今度こそ“ヨルムンガルド”の一本を握った!
「“シェル・ブレイク”ッ!!」
『Ja(了解)』
『Ja(了解)』
それは改良版“ヨルムンガルド”……の鞘を起動させるキーワード。
一回りスリムとなった鞘の下部に搭載された、弾薬機構が炸裂する。
同時に隙間からは蒸気が迸り、アルマに引き抜かれた一振りは……!
一回りスリムとなった鞘の下部に搭載された、弾薬機構が炸裂する。
同時に隙間からは蒸気が迸り、アルマに引き抜かれた一振りは……!
「白熱の刃……受けて下さいっ!!」
『ギャァァァァーッ!?!!』
「えいっ、せやっ、はぁぁっ!!」
『ギ──────!!!!』
『ギャァァァァーッ!?!!』
「えいっ、せやっ、はぁぁっ!!」
『ギ──────!!!!』
強化セラミックの刃が変色するまでに灼けていた。これが破壊力を
産み出す、電磁加熱機構である!案の定ネイキッドは、一刀両断。
それでも飽きたらず、アルマは他の刃も引き抜いて合体させ連撃。
見事ネイキッドは粉微塵となり、ポリゴンへと還元されていった。
……これ以上は秘密だ。“SSS”については次の機会に語ろう!
産み出す、電磁加熱機構である!案の定ネイキッドは、一刀両断。
それでも飽きたらず、アルマは他の刃も引き抜いて合体させ連撃。
見事ネイキッドは粉微塵となり、ポリゴンへと還元されていった。
……これ以上は秘密だ。“SSS”については次の機会に語ろう!
「流石、我が“妹”達。頑張るな……私も、色々と参考にせねば」
「αフォーメーションはこんな感じですの♪次はβ行きますの?」
「はい、じゃあクララちゃんは後に詰めて下さい……やぁぁっ!」
「……もっともっと、強くなるんだよ。ボクらも、戦乙女として」
「αフォーメーションはこんな感じですの♪次はβ行きますの?」
「はい、じゃあクララちゃんは後に詰めて下さい……やぁぁっ!」
「……もっともっと、強くなるんだよ。ボクらも、戦乙女として」
──────止まらない、止まれない。どこまでも往こうね。