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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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武装神姫のリン
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槙縞ランキング決勝リーグは、武士達が思っていたより遥かに地味に、密やかに行われようとしていた
何せ会場(言う迄も無く、何時も通りの槙縞玩具店だが)に人が少ない
どうにも、前のナインブレイカーの時もそうだったのだが、取り立てて外の客に告知もしていないのか、どうも予選の時の方が余程活気があった様に思う
保護されている上位ランカー、ちらと耳にした「バニシングフォー」の噂、『モア』の異変・・・だが、もうたたらを踏んでいる時でない事は充分承知していた
「行くぜ、華墨!」
半ば以上は自分に言い聞かせる様に呟いて、武士は闘いの門をくぐった


「Southern Cross」



「来たか・・・君達で最後だ、抽選を始めよう」
皆川の顔には僅かな微笑が浮かんでいた
異常に色白なこの男は、笑っても怖い顔だと華墨は密かに思った
「今更説明する迄も無いと思うが、このリーグを制した者がクイントスに挑む権利を得る・・・君達の健闘を祈るよ」
簡素に過ぎる挨拶と共に、抽選会は開始され、組み合わせはあっという間に決まった
Aブロック第一試合(この期に及んで使用される筺体は2台だった)
『ズィータ』VS『ストリクス』
第二試合
『ニビル』VS『仁竜』
Bブロック第一試合
『華墨』VS『ヌル』
第二試合
『タスラム』VS『ウインダム』
これだけである
恐らく長引いても二時間程で全試合が終了するであろうこの決勝リーグがしかし、ランカー達にとっては本当の闘いなのだ
全体的に異様にぴりぴりした空気を華墨は感じ取っていた
(鬼の住む国だな・・・今この会場に居るのは修羅ばかりだ)
否、恐らくは自分がこの場に居る事は間違いですらあるのではないかと迄華墨は思っていた
ぽっと出の新人が居て居心地の良い空気でない事だけは確かだった
相手がニビルであれば、まだしも気が楽だったかも知れない
だが、今この会場において、華墨が最も苦手意識を持っているのが、同じく新人である筈のヌルであった
前の闘いで、ある意味自分とは全く異質の、不気味とも言える『強さ』を示して見せたヌル・・・出来る事なら最後にして欲しかったというのが本音であった
「華墨・・・大丈夫か?」
「大丈夫だマスター・・・ヌルが相手なら・・・楽勝だな!」
嫌な強がりだ。だが、現実的に考えると、このメンバーの中で本来彼女と最も実力が近い筈なのがヌルであった
(大丈夫、やれる筈だ・・・頑張れ、私!)
実は、同時刻に当のヌル本人も、全く同じ台詞でセルフコントロールしていた事実を、当然華墨は知らない

VS

『ポッドイン確認。これより、カウントダウンを開始します』
「いいか華墨、お前がお前の全部をきちんと引き出せれば負ける相手じゃない。自信を持て、お前は確かに強くなってる!」
「ヌル、後で必ず合いましょう・・・応援してるわ・・・(ちゅ)」
それぞれがそれぞれのマスターのやり方で、それぞれの神姫を激励する
(『マスター』、私は勝ってみせる・・・必ず)
それはヌルと華墨両者が同時に思った事だ。だが現実に、勝利の女神は二人の戦士を同時に選びはしない
『バトル、スタート』
二人の神姫は、同時に目を開けた・・・!



舞台は『夜の都市』
空虚なビル群と寒々しい月が、張り詰めた空気と相俟って強烈な焦燥感を二人にもたらしていた
(あいつは小技は使わない・・・必ず真正面から来る!)
(どこだ?見つけ次第密着戦に持ち込んで、地べたにはいつくばらせてやる!)
焦りと思い込みが、二人の思考を凍らせていた
本来ヌルは、今回のバトルに併せてマスィーンズの操作を練習しており、華墨を発見し次第一方的に攻撃出来る筈であった
また、華墨は華墨で、サイドボードに空中戦用の装備を控えさせており、始めからそれを使っていればこの様な事態は防げたであろう
(妙だな・・・静か過ぎる?)
(まさか隠れたのか?)
どすん
ビルの角から不意に出て来た互いを回避し切れず、ぶつかって無様に尻餅をつく
「な・・・っ!?」
「貴様っ!?」
機銃を振り上げる華墨、その柄尻にヌルの踵が入る
ばらばらと無為に弾丸がばら撒かれ、またヌルは無理な姿勢がたたって追撃が出来ず、そのまま転がってやり過ごすしかなかった
(油断した・・・がッ)
(お互い様のようだな)
距離を取って睨み合う・・・この時点で既に華墨は自分のサイドボードの存在を、ヌルはマスィーンズの存在を完全に失念している
(・・・装甲を着込んだのか・・・この時期に急に装備変更とは、気合が違うな)
「ふっ!」
犬腕を振り回しながら滑り込んでくるヌル・・・重厚な外見に似合わない機敏な動作だったがしかし、左肩の肩当を肘に押し込んで止める
(重いッ・・・!)
直ぐに浮き上がってくる膝に腕甲を当て、衝撃はそのままに跳躍する華墨
「逃がすかぁっ!!」
跳ね上がって来たヌルの爪先をしのぐ、が、直後にもう一度、今度は反対の脚が弧を描きながら跳ね上がり、このバトル最初の有効打はヌルから華墨にもたらされた
「づあっ!?」
今度は自ら跳躍したのではない、明らかに跳ね飛ばされ、宙を舞う華墨
「だぁっ!だぁーっ!だああぁぁぁぁっ!!」
追撃の拳、拳、脚!
最後の大振りだけは辛うじて避け切り、ビルの壁面に飛び付く華墨
(ダメージが大きい・・・装甲の強度そのものを武器にしているという事か)
「もうその種の曲芸に惑わされはしないっ!」
壁面を駆け上がる華墨の後を、半ば自身の蹴りの勢いで追跡するヌル・・・両者の距離が縮まる
「何時までも調子に乗るなよ・・・ッ!!」
空中で上半身を左に捻る華墨・・・一瞬だが、壁面に垂直に立つ格好になる
ごつっ・・・
左手で抜き放たれると同時に投擲された脇差がヌルの装甲面に激突する
ぱぁん!!
直後に柄尻に華墨の右拳が激突し、硬い衝撃音と共にヌルの右拳甲に突き刺さる
「おおっ!?」

どすん!

背中を下にして地表面への落下、ひと刹那遅れて華墨の膝がヌルの腹にめり込む
「があぁァッ!!」
「まだ動けるのかっ!?」
脚を振り回す勢いそのまま、側転で華墨の下敷き状態から一瞬で復帰するヌル・・・ダメージは先刻の華墨が受けたものの非ではない筈
「ねえさまと・・・約束したんだっ・・・!!」
「私は・・・負けないッ!!」



ここに来て
ようやく二人はそれぞれの持ち味を引き出して闘う事が出来るようになってきていた
武士型、犬型、といったタイプによる適性ではなく
華墨、ヌルという個性として、である
その様が武士には頼もしく感じられると同時に恐ろしくもあった
訓練期間中のエルギールや琥珀の言葉を思い出す
『アタシは、白兵戦なら、槙縞ランキングでも五指に入る腕なのよ!何時までも幸運が続くと思わないことね』
『エルギールと、「白兵戦だけ」でもここまで互角以上に打ち合いを続けるとはね・・・もしかしたら彼女は・・・』
なら、その華墨に、速さでも腕力でも劣るヌルが華墨と互角以上に打ち合っている現状が意味する事はただひとつ
(だとしたら同時に強力なライバルの出現だ。華墨とは違って、意思と想いで訳の判らない強さの『水増し』をしてやがるッ!)
以前ならば一笑に付したであろうその事実も、今の武士ならば理解出来ていた
神姫がただのロボットでは無い事
華墨が『闘志』で自分を鍛えた様に
ヌルの『愛』は理屈も何も越えてヌル自身に凄まじい戦闘能力を与えている
「華墨・・・」
今は、信じるしかなかった
どのみち、華墨にその意思が無い以上
現時点でのサイドボード転送は、経験出来た筈の「良い闘い」を台無しにしてしまう可能性を孕んでいた
『勝利者たらんと欲するならば、勝利に拘る以外にもやるべき事、踏むべき道がある』
今更ながら、武士もそう思い始めていた



「マスィーンズ!!!」
今更だった
だが、ある種の冷静さをヌルは取り戻していたのかもしれない
それは諦めにも似た感情だったが、この時点で既にヌルは、「次の自分の装備」に関して考察を巡らせ始めていた
(今の装備では装甲の強度はあるが、あいつには届かない)
脚部の不安定性、拳撃の無意味さ等、課題は既に何箇所も散見されていた
何よりも、重い割りに期待していた程の防御能力は得られていなかった
「射てええぇぇぇぇぇっ!!」
二体のマスィーンズが据付の小口径機銃を斉射する・・・が
「そんなものでッ!!」
華墨の動きは、まさに稲妻だった
一瞬だけ、射線から横にずれたと思うと、そこからまっすぐに、足を止めてしまったヌルめがけて走りこんできたのだ
当然、一度弾幕の中を横切る形になるわけだが
(駄目だ、やはり銃弾ではこいつを止められない・・・何か、そうもっと何か別の「ちから」が必要だ)
「させるかああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
交差しようとする紅と碧

ヌルの蹴りは、僅かに華墨の懐に届かなかった



ヌルを胸に抱きしめて、優しく微笑むニビルを、華墨は遠目に見た
「なんだ、勝利の女神以外にも、微笑んでくれる女神がお前には居るじゃないか」
「何か言ったか?華墨」
武士の問いに対して、華墨は黙秘権を行使した







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