――これは、日々不遇な運命に立ち向かう一人のフォートブラッグの、過酷な戦いの記録であるっ!!!――
「じゃあつくも、その黒砂糖、弟の所にお使いよろしくね」
「隊長ぉ、分隊長への輸送任務、了解しましたけど、そのぉ・・・」
「あー大丈夫大丈夫。明日の定休日にはちゃんと行くから、神姫センター」
「そぅ言っておきながら先週も先週もその前もずっと連れて行ってくれなかったんじゃなぃですかぁ!! おかげで僕は、僕はぁ・・・」
開扉、進入。
「あ、奥さんいらっしゃい。今日はなんにします?」
「まだ寒いから、大判焼きを貰おうかな、3つ。あら、つくもちゃんもこんにちは。相変わらず綺麗でおいしそうなもち肌ねえ。あ、なんだか大福も欲しくなっちゃった。一つ頂戴」
「ホラぁ!! こういぅ事言われるようになっちゃったんじゃなぃですかぁ!!」
「隊長ぉ、分隊長への輸送任務、了解しましたけど、そのぉ・・・」
「あー大丈夫大丈夫。明日の定休日にはちゃんと行くから、神姫センター」
「そぅ言っておきながら先週も先週もその前もずっと連れて行ってくれなかったんじゃなぃですかぁ!! おかげで僕は、僕はぁ・・・」
開扉、進入。
「あ、奥さんいらっしゃい。今日はなんにします?」
「まだ寒いから、大判焼きを貰おうかな、3つ。あら、つくもちゃんもこんにちは。相変わらず綺麗でおいしそうなもち肌ねえ。あ、なんだか大福も欲しくなっちゃった。一つ頂戴」
「ホラぁ!! こういぅ事言われるようになっちゃったんじゃなぃですかぁ!!」
――説明しよう! ある時瀕死の重傷を負ったフォートブラッグのつくもは、事を割とイージーに考えたマスターである和菓子屋の女主人の手によって“やわらか砲子”へと生まれ変わったのである!! 国産餅米をふんだんに使った大福皮を表皮にあつらえ、天然物のテングサを惜しみなく用い硬めに仕上げた羊羹装甲、そしてバックパック内には無農薬栽培の小豆を天然水でじっくり仕上げた高級こしあん、正にどんな高級料亭のお茶請けとして出されても遜色ないスペックなのだ!!!――
歩、歩、遅歩、歩。
「・・・はあ、任務とは言え、これではぁ、はたから見れば砂糖が砂糖背負って歩いてるよぅなものじゃないですかぁ。ホントぉに一日も早くセンターに行ってまっとぅな体に戻りたぃなぁ。でも、隊長ぉって腕はいいから実は前より動きやすぃのですけどぉ」
――説明しよう! つくもの最大のやわらかポイントであるもち肌は、最高級黄金餅をふんだんに使い、練り込んだ白蜜も一切妥協がないシロモノである為、日を置いても一切硬くならないのだ!!!(あ、でも賞味はお早めに・・・)――
「・・・はあ、任務とは言え、これではぁ、はたから見れば砂糖が砂糖背負って歩いてるよぅなものじゃないですかぁ。ホントぉに一日も早くセンターに行ってまっとぅな体に戻りたぃなぁ。でも、隊長ぉって腕はいいから実は前より動きやすぃのですけどぉ」
――説明しよう! つくもの最大のやわらかポイントであるもち肌は、最高級黄金餅をふんだんに使い、練り込んだ白蜜も一切妥協がないシロモノである為、日を置いても一切硬くならないのだ!!!(あ、でも賞味はお早めに・・・)――
「あの欠点さえなかったらぁ、この体でも良ぃんですけどぉ・・・・ !?」
背、悪寒、群体。群集群像兵隊、蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻。
「お、遅かったぁ!! アリの大隊と接敵ぃ!!!」
背、悪寒、群体。群集群像兵隊、蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻。
「お、遅かったぁ!! アリの大隊と接敵ぃ!!!」
――説明しよう! やわらか砲子となったつくもの体は甘味である。つまり、昆虫や小動物にとっては格好の食物なのだ!! やわらかさと代償に、彼女はあまりにも大きなハンデを背負っているのである!!!――
「ってナレーション! やわらかくなった事自体ハンデですよぉ!! くぅっ!! アルファピストル!!」
抜、構、標準。
「せいぃっ!!」
投擲。落下、転、転、転。群群群、蟻。
「今のウチにぃ、退却ぅ~!!」
――説明しよう!! つくものアルファピストルはとっくに破損しており、今蟻の大群に向かって投げつけたのは和菓子屋の女主人がそれを模倣して作った飴細工である!! だが黒糖と練胡麻を利用してかもし出した金属の光沢感と、米粒に般若信教を描く制度で彫られたモールドは現物と寸分たがわない外見を生み出したのである!!!――
「ってナレーション! やわらかくなった事自体ハンデですよぉ!! くぅっ!! アルファピストル!!」
抜、構、標準。
「せいぃっ!!」
投擲。落下、転、転、転。群群群、蟻。
「今のウチにぃ、退却ぅ~!!」
――説明しよう!! つくものアルファピストルはとっくに破損しており、今蟻の大群に向かって投げつけたのは和菓子屋の女主人がそれを模倣して作った飴細工である!! だが黒糖と練胡麻を利用してかもし出した金属の光沢感と、米粒に般若信教を描く制度で彫られたモールドは現物と寸分たがわない外見を生み出したのである!!!――
「ふぅ、逃げ切りましたぁ。これでしばらくぅ・・・」
「ニャオ~ン!!」
巨、強襲、爪、奪。
「くぅっ!! 今度は猫ですかぁ!! やられたのは腕の装甲と・・・ あぁっ!!」
「(猫語翻訳)甘い、匂いからしてあまいニャあキミ。キミのお仲間はほれ、この通りニャ。レロレロレロレロ」
「兄者ぁ!!!!」
――説明しよう!! 兄者とは、つくもが索敵用に装備したヒメにゃんプチマスィーンズである。だが、彼女もつくもと同じ様に改造を受け、その身は今では90%苺大福なのである!! あ、そう言えば猫が猫を食べているので友食いである!!!――
「ナレーション!! 余計なツッコミは要らなぃですよぉ!! くぅ! アサルトライフル、食らぃなさぃ!!!」
――説明しよう!! つくものアサルトライフルは・・・以下略!!――
抜、標準、投擲。掴、捕食。
「(猫語翻訳)ニャッニャッニャ! のろい、のろいぜニャ!! そんな飴細工投げたところで美味しいだけニャ!! 実際美味しいニャ!!!」
「くぅっ!! このままでは兄者が美味しく食べられてしまぃますよぅ・・・ こうなれば! CQCQ! ワイルドギース、聞こえますかぁ!! 我々は敵の攻撃を受けている! 至急、救援を!!!」
「(猫語翻訳)ニャんだか知らニャいが、悪あがきは止めて、大人しくレロレロされるのニャ!!」
「ニャオ~ン!!」
巨、強襲、爪、奪。
「くぅっ!! 今度は猫ですかぁ!! やられたのは腕の装甲と・・・ あぁっ!!」
「(猫語翻訳)甘い、匂いからしてあまいニャあキミ。キミのお仲間はほれ、この通りニャ。レロレロレロレロ」
「兄者ぁ!!!!」
――説明しよう!! 兄者とは、つくもが索敵用に装備したヒメにゃんプチマスィーンズである。だが、彼女もつくもと同じ様に改造を受け、その身は今では90%苺大福なのである!! あ、そう言えば猫が猫を食べているので友食いである!!!――
「ナレーション!! 余計なツッコミは要らなぃですよぉ!! くぅ! アサルトライフル、食らぃなさぃ!!!」
――説明しよう!! つくものアサルトライフルは・・・以下略!!――
抜、標準、投擲。掴、捕食。
「(猫語翻訳)ニャッニャッニャ! のろい、のろいぜニャ!! そんな飴細工投げたところで美味しいだけニャ!! 実際美味しいニャ!!!」
「くぅっ!! このままでは兄者が美味しく食べられてしまぃますよぅ・・・ こうなれば! CQCQ! ワイルドギース、聞こえますかぁ!! 我々は敵の攻撃を受けている! 至急、救援を!!!」
「(猫語翻訳)ニャんだか知らニャいが、悪あがきは止めて、大人しくレロレロされるのニャ!!」
瞬、飛来、急降下。
「イカロス、流星キーっクっ!!!!」
轟、蹴撃直撃、横転。
「(猫語翻訳)ギニャ~!! そんニャ馬鹿ニャ~!!!」
「イカロス、流星キーっクっ!!!!」
轟、蹴撃直撃、横転。
「(猫語翻訳)ギニャ~!! そんニャ馬鹿ニャ~!!!」
「・・・ふぅ、兄者も間一髪で無事でしたぁ。救援感謝致します、ワイルドギース」
「へっ、オレっちにしてみれば湯豆腐のアクを取る位ラクな仕事だったぜー!!」
――説明しよう!! エウクランテのイカロスは、マスターを置いて中華を食べに行くまでは奇跡的に成功したものの(途中で見かけたパンダトレノを追っかけていただけだが)、その鳥頭を遺憾なく発揮し、見事道に迷って帰宅できずにいた!! そして路銀も尽き、のたれ死ぬ寸前で「ボクの顔をお食べ」的につくもに救われて以来、傭兵としてこの町に居座っているのだった!!――
「へっ、オレっちにしてみれば湯豆腐のアクを取る位ラクな仕事だったぜー!!」
――説明しよう!! エウクランテのイカロスは、マスターを置いて中華を食べに行くまでは奇跡的に成功したものの(途中で見かけたパンダトレノを追っかけていただけだが)、その鳥頭を遺憾なく発揮し、見事道に迷って帰宅できずにいた!! そして路銀も尽き、のたれ死ぬ寸前で「ボクの顔をお食べ」的につくもに救われて以来、傭兵としてこの町に居座っているのだった!!――
「それではぁ、現在は任務中ですので、報酬は後ほど基地(和菓子屋)にて・・・」
「ちょっと待てよー!! オレっちの鼻は誤魔化せないぞー? その風呂敷の中身、黒砂糖だろー? それも西表島産サトウキビを添加物ゼロでこれでもかって煮詰めたダイヤのような輝きを持つ最高級品だろー? それを報酬として貰うぞー!」
「でもぉ、コレは輸送任務中の品ですからぁ、残念ながらお譲り出来ないのですよぅ」
「ほー? じゃーオマエのカラダで払って貰おうかー? 一度食べてから忘れられないんだ、その肌がよー」
「え・・でもぉ・・今僕(の大福の皮)はぁ・・食べられてしまったら(内部パーツむき出しになるので)公衆の面前で恥辱をさらす事にぃ・・・」
「ええやろー、な? ええやろー?」
「う・・止めてくださぃ・・・ やめぇ・・・」
「もーガマン出来ないー!!!」
迫、襲撃。
「あぁっ!・ こぅなれば、砲撃体制!!」
変形、接地脚。展開砲塔、標準。
「いーただきまー・・・」
「必殺! 練り飴キャノンっ!!!!」
轟砲撃、粘弾。直撃、付着粘着。
「ひーでぶーっ!!?」
吹飛、直撃着弾壁、接着。
――説明しよう!! 兵装の内、唯一原形を留めていた1.2mm滑空砲であったが、弾薬は枯渇し、現在では和菓子屋の女主人特製練り飴がマガジンに収められていた! 圧倒的な弾速で発射されたソレは、じっくりと時間をかけた手練りによって生まれた粘性により、一瞬で相手を絡め取って行動不能にするのだ!! しかし、あまりに強力すぎるこの兵器は、つくも自身にまでダメージを与えてしまう諸刃の剣なのだ!!!――
「ちょっと待てよー!! オレっちの鼻は誤魔化せないぞー? その風呂敷の中身、黒砂糖だろー? それも西表島産サトウキビを添加物ゼロでこれでもかって煮詰めたダイヤのような輝きを持つ最高級品だろー? それを報酬として貰うぞー!」
「でもぉ、コレは輸送任務中の品ですからぁ、残念ながらお譲り出来ないのですよぅ」
「ほー? じゃーオマエのカラダで払って貰おうかー? 一度食べてから忘れられないんだ、その肌がよー」
「え・・でもぉ・・今僕(の大福の皮)はぁ・・食べられてしまったら(内部パーツむき出しになるので)公衆の面前で恥辱をさらす事にぃ・・・」
「ええやろー、な? ええやろー?」
「う・・止めてくださぃ・・・ やめぇ・・・」
「もーガマン出来ないー!!!」
迫、襲撃。
「あぁっ!・ こぅなれば、砲撃体制!!」
変形、接地脚。展開砲塔、標準。
「いーただきまー・・・」
「必殺! 練り飴キャノンっ!!!!」
轟砲撃、粘弾。直撃、付着粘着。
「ひーでぶーっ!!?」
吹飛、直撃着弾壁、接着。
――説明しよう!! 兵装の内、唯一原形を留めていた1.2mm滑空砲であったが、弾薬は枯渇し、現在では和菓子屋の女主人特製練り飴がマガジンに収められていた! 圧倒的な弾速で発射されたソレは、じっくりと時間をかけた手練りによって生まれた粘性により、一瞬で相手を絡め取って行動不能にするのだ!! しかし、あまりに強力すぎるこの兵器は、つくも自身にまでダメージを与えてしまう諸刃の剣なのだ!!!――
「うぅ・・・(銃身から)漏れた白ぃ粘物(練り飴)が、体中にべたべた纏わりついて気持ち悪ぃ・・・ と、とりあえずぅ、退却ぅ~!!!」
「はい、いらっしゃい!・・・あれ? 声はすれども姿は見えず・・・ってつくもか。姉さんの所から黒糖持って来てくれたんだな?」
「・・はぃ、分隊長ぉ、物資は辛くも死守しましたよぉ」
「砂糖なのに辛くとはこれいかに~・・ってつくも! お前凄い格好だぞ!! 服は所々破れているし、白物にまみれているし」
「これは追っ手を振り切る際にぃ・・・」
「嫁入り前の体(?)がそんなじゃまずいだろう。ちょっと来い。綺麗にしてやるから」
「はぃ、有難うござぃ・・・ちょっと待ってくださぃ、綺麗にぃ・・ってどういう方面にでしょうかぁ? どうも嫌な予感がぁ・・・」
「いやそれは勿論パティシエの腕を振るってデコレート」
「あ゛ぁ~~!!!」
「・・はぃ、分隊長ぉ、物資は辛くも死守しましたよぉ」
「砂糖なのに辛くとはこれいかに~・・ってつくも! お前凄い格好だぞ!! 服は所々破れているし、白物にまみれているし」
「これは追っ手を振り切る際にぃ・・・」
「嫁入り前の体(?)がそんなじゃまずいだろう。ちょっと来い。綺麗にしてやるから」
「はぃ、有難うござぃ・・・ちょっと待ってくださぃ、綺麗にぃ・・ってどういう方面にでしょうかぁ? どうも嫌な予感がぁ・・・」
「いやそれは勿論パティシエの腕を振るってデコレート」
「あ゛ぁ~~!!!」
――説明しよう!! 再び傷ついたつくもは洋菓子屋主人の手により、高級生チョコレートコーティングのボディスーツと、生クリームとカスタードによる2重ハニカム構造ケーキ追加装甲を手に入れ、やわらかさ当社費2.14割増しになってパワーアップしたのだ!! でも足も早くなったので御賞味はお早めに!!!――
「・・・あぁ、また一段と僕の体が甘味に近付いてしまいましたぁ」
「まあまあ、餅は餅屋って言うんだから、菓子屋に住んでるなら願ったりじゃないか? 俺だって甘味を身に着けて暮らしたいと何度思ったことか」
「僕はぁ、餅屋じゃなくて武装神姫ですよぉ!!!」
「まあまあ、餅は餅屋って言うんだから、菓子屋に住んでるなら願ったりじゃないか? 俺だって甘味を身に着けて暮らしたいと何度思ったことか」
「僕はぁ、餅屋じゃなくて武装神姫ですよぉ!!!」
――戦うほどにやわらかくなる、その逆境にも挫けず、戦え! 戦えやわらか砲子!! 明日はきっと甘みが抑えられほろ苦くなるだろう!!!――
「ってナレーションっ!! それはコーヒーゼリーだったってオチをつける気なのでしょぅ!!!」
「ってナレーションっ!! それはコーヒーゼリーだったってオチをつける気なのでしょぅ!!!」