春が近い事を告げる嵐が、町中を吹き荒れていた
今年は冬が短かった・・・此処の所食傷気味なチョコレートをばりばりと乱暴に齧りながら、俺、佐鳴武士は帰宅した
「よう、随分と身が入るじゃないか。華墨、エルギール」
決勝に向けてのスパーリング(?)を止めて俺を見る二体の神姫
「やぁ、おかえり武士君」
奥からエプロン姿の神浦琥珀が顔を出す・・・激しく似合わない
その手にはぁゃιぃ色の煙を上げる鍋が鍋つかみ越しに握られている
彼女らが此処に来てから、既に三日目になる
今年は冬が短かった・・・此処の所食傷気味なチョコレートをばりばりと乱暴に齧りながら、俺、佐鳴武士は帰宅した
「よう、随分と身が入るじゃないか。華墨、エルギール」
決勝に向けてのスパーリング(?)を止めて俺を見る二体の神姫
「やぁ、おかえり武士君」
奥からエプロン姿の神浦琥珀が顔を出す・・・激しく似合わない
その手にはぁゃιぃ色の煙を上げる鍋が鍋つかみ越しに握られている
彼女らが此処に来てから、既に三日目になる
「HELLO,CP ISOLATION」
「べ・・・っ!別にアンタに用があるわけじゃないんだからね!アタシは琥珀がアンタのマスターに義理チョコ渡しに来たのに、付き合いで来ただけなんだから!!」
マフラーと手袋で着膨れした琥珀嬢のポケットから顔を出すなり、エルギールは叫んだ。有様にマスターは苦笑していたが、私にはその意味する所は良く判らなかった
「そいつはわざわざ御丁寧にどーも・・・コレ、牧縞の皆に配ってんの?」
「うん、こう見えても僕はあの店の仲間内では一種のアイドルだからね。今年こそは皆にチョコを配ろうと思ってね」
自分で自分の事をアイドル呼ばわりするあたり、相変わらずどうにも正体の掴めない人物だが、気になったのは「今年こそ」の部分だ
「今年こそ・・・って?どういう事だ琥珀嬢?」
「まぁ、判り易く言えば実験台になれって事だね」
「・・・・・・」
「オーケイベイビィ、相手をしてやるぜ」
「マスター、地獄の壁は有名だがその台詞は原典が判りにく過ぎる」
とまれ、あがりこんで来た琥珀嬢のチョコレートで一服する事になったのだった
「・・・この団子みたいなやつは形はいびつだが味は普通だな・・・でも中身が入ってないと寂しいぜ。俺個人的にナッツが入ってるのが好きなんだ」
「僕はヌガーの入ってるのが好きさ」
「この亀型(?)のやつはやばいな・・・滅茶苦茶苦いぜ」
「糖分の加減を間違えたんだ・・・鰐は逆に異様に甘いから気をつけてね」
「要するに失敗作処分しにきただけじゃねーのか?」
「・・・まだ四十個くらいあるから好きなだけ食べてね」
「おい、何だよ今の沈黙は!?てか40個って何だよ?おかしいだろこら!!」
「へぇ、カメレオン飼ってるんだ・・・良いよね、爬虫類」
マスターの非難を無視してボナパルト君と見つめ合う琥珀嬢・・・あ、ボナパルト君が目を逸らした
(強い・・・ッ!!)
マスターに対する対応も含めて、何故か私の中にこの家での力関係の妙な図式が一瞬浮かんだが、不愉快な<の連鎖だったので慌てて頭を振った
「何いきなり激しくヘッドバンキングしてんのよ?ホント相変わらず宇宙的にバカね」
エルギールは大概誰に対してもこうだが、私だけに特別厳し過ぎはしないだろうか?
「あぁ、あとついでに鍋とコンロ貸してくれないかな?うちにあるやつがもう駄目になっちゃったんだ」
「スルーかよ!何で駄目になるんだよそんなモンが」
「一々細かいな君は・・・ケツ穴小さ過ぎだよ」(注1)
「・・・・・・」
凄まじい迫力だ、表情は一切変わっていないというのに・・・やはり途轍も無い実力者の様だ、後半は何を言ったのかよく聞き取れなかったが(注2)
家のキッチンを占拠して、琥珀嬢のチョコレート造りが、何故かマスター宅で再開される
その足元にはボナパルト君が控えている
不謹慎にも、その後姿を見て「魔女の薬草実験」を幻視した
「訳判らん!なんでウチでやるんだよそんなの!」
「ほら、なんか昔の18禁ゲームみたいで微妙に嬉しいシチュエーションだろ?」
「ほらじゃねえっての!しかも俺はお前さんみたいなえろくない体型の女は好みじゃねええ!!」
「仕方が無いだろう?深町君には彼女が居るし、皆川さんの所じゃ迷惑になるし、西さんの所には僕の本命が居るんだ・・・ならここでやるしか無いじゃないか」
「説明になってねぇぇぇぇ!!駄目だこの女あぁぁぁ!!」
うむ、マスターがムチムチ好みだということは知っていたが、本人を前にその発言は失礼過ぎるだろう
どうやら話を手繰れば、チョコ作成の判定にファンブルしてついでに鍋とコンロ、そして恐らくはキッチン自体も深刻なダメージを負ったという事だな
だがそれだけではわざわざ此処に来る理由は弱い・・・何せ彼女とマスターが顔をあわせるのは、私の知る限りこれで3度目だか4度目だ
本命は別に居ると言っていたから、それこそギャルゲーの常套パターンを踏襲した訳でも無さそうだし・・・すると他の所に理由が・・・?
「何時迄一人の思考に浸ってんのよ!何か相手しなさいよ」
エルギールの怒声で現実に引き戻される・・・入って来た時、私には用は無いとか言ってなかったか?
「・・・あぁ、済まないエルギール」
「・・・でとう」
「え?」
「決勝進出おめでとうって言ったのよ!二度も三度も言わせるんじゃないわよこのスカタン!!」
何故か顔を真っ赤にして私を激しく殴りまくるエルギール・・・さっぱり訳がわからない
「ホンっと頭来るわね!アンタそこに直りなさいな!性根を叩き直してあげるから!!」
じゃきん、と『魔女の剣』を構えるエルギール・・・冗談ではない
振り回される鞭剣を、辛うじてかわす
「部屋のモン壊すなよ」
マスター、どうして貴方はそんなにテキトーなのだいつもッ!!
ばたんばたんばたん
「何だかなぁ・・・結局何しに来たんだよ一体」
「君は本当に愚鈍だね」
「何?」
「そんな調子じゃ何時迄たっても僕のチョコの実験台がせいぜいだ・・・さぁ、出来立てだ、ありがたく貪りたまえ」
言いつつ、琥珀嬢がマスターに差し出したチョコは、今までの40個がまだまだ彼女にしてはマシな方の代物であった事を痛感させるに足るものだった
マフラーと手袋で着膨れした琥珀嬢のポケットから顔を出すなり、エルギールは叫んだ。有様にマスターは苦笑していたが、私にはその意味する所は良く判らなかった
「そいつはわざわざ御丁寧にどーも・・・コレ、牧縞の皆に配ってんの?」
「うん、こう見えても僕はあの店の仲間内では一種のアイドルだからね。今年こそは皆にチョコを配ろうと思ってね」
自分で自分の事をアイドル呼ばわりするあたり、相変わらずどうにも正体の掴めない人物だが、気になったのは「今年こそ」の部分だ
「今年こそ・・・って?どういう事だ琥珀嬢?」
「まぁ、判り易く言えば実験台になれって事だね」
「・・・・・・」
「オーケイベイビィ、相手をしてやるぜ」
「マスター、地獄の壁は有名だがその台詞は原典が判りにく過ぎる」
とまれ、あがりこんで来た琥珀嬢のチョコレートで一服する事になったのだった
「・・・この団子みたいなやつは形はいびつだが味は普通だな・・・でも中身が入ってないと寂しいぜ。俺個人的にナッツが入ってるのが好きなんだ」
「僕はヌガーの入ってるのが好きさ」
「この亀型(?)のやつはやばいな・・・滅茶苦茶苦いぜ」
「糖分の加減を間違えたんだ・・・鰐は逆に異様に甘いから気をつけてね」
「要するに失敗作処分しにきただけじゃねーのか?」
「・・・まだ四十個くらいあるから好きなだけ食べてね」
「おい、何だよ今の沈黙は!?てか40個って何だよ?おかしいだろこら!!」
「へぇ、カメレオン飼ってるんだ・・・良いよね、爬虫類」
マスターの非難を無視してボナパルト君と見つめ合う琥珀嬢・・・あ、ボナパルト君が目を逸らした
(強い・・・ッ!!)
マスターに対する対応も含めて、何故か私の中にこの家での力関係の妙な図式が一瞬浮かんだが、不愉快な<の連鎖だったので慌てて頭を振った
「何いきなり激しくヘッドバンキングしてんのよ?ホント相変わらず宇宙的にバカね」
エルギールは大概誰に対してもこうだが、私だけに特別厳し過ぎはしないだろうか?
「あぁ、あとついでに鍋とコンロ貸してくれないかな?うちにあるやつがもう駄目になっちゃったんだ」
「スルーかよ!何で駄目になるんだよそんなモンが」
「一々細かいな君は・・・ケツ穴小さ過ぎだよ」(注1)
「・・・・・・」
凄まじい迫力だ、表情は一切変わっていないというのに・・・やはり途轍も無い実力者の様だ、後半は何を言ったのかよく聞き取れなかったが(注2)
家のキッチンを占拠して、琥珀嬢のチョコレート造りが、何故かマスター宅で再開される
その足元にはボナパルト君が控えている
不謹慎にも、その後姿を見て「魔女の薬草実験」を幻視した
「訳判らん!なんでウチでやるんだよそんなの!」
「ほら、なんか昔の18禁ゲームみたいで微妙に嬉しいシチュエーションだろ?」
「ほらじゃねえっての!しかも俺はお前さんみたいなえろくない体型の女は好みじゃねええ!!」
「仕方が無いだろう?深町君には彼女が居るし、皆川さんの所じゃ迷惑になるし、西さんの所には僕の本命が居るんだ・・・ならここでやるしか無いじゃないか」
「説明になってねぇぇぇぇ!!駄目だこの女あぁぁぁ!!」
うむ、マスターがムチムチ好みだということは知っていたが、本人を前にその発言は失礼過ぎるだろう
どうやら話を手繰れば、チョコ作成の判定にファンブルしてついでに鍋とコンロ、そして恐らくはキッチン自体も深刻なダメージを負ったという事だな
だがそれだけではわざわざ此処に来る理由は弱い・・・何せ彼女とマスターが顔をあわせるのは、私の知る限りこれで3度目だか4度目だ
本命は別に居ると言っていたから、それこそギャルゲーの常套パターンを踏襲した訳でも無さそうだし・・・すると他の所に理由が・・・?
「何時迄一人の思考に浸ってんのよ!何か相手しなさいよ」
エルギールの怒声で現実に引き戻される・・・入って来た時、私には用は無いとか言ってなかったか?
「・・・あぁ、済まないエルギール」
「・・・でとう」
「え?」
「決勝進出おめでとうって言ったのよ!二度も三度も言わせるんじゃないわよこのスカタン!!」
何故か顔を真っ赤にして私を激しく殴りまくるエルギール・・・さっぱり訳がわからない
「ホンっと頭来るわね!アンタそこに直りなさいな!性根を叩き直してあげるから!!」
じゃきん、と『魔女の剣』を構えるエルギール・・・冗談ではない
振り回される鞭剣を、辛うじてかわす
「部屋のモン壊すなよ」
マスター、どうして貴方はそんなにテキトーなのだいつもッ!!
ばたんばたんばたん
「何だかなぁ・・・結局何しに来たんだよ一体」
「君は本当に愚鈍だね」
「何?」
「そんな調子じゃ何時迄たっても僕のチョコの実験台がせいぜいだ・・・さぁ、出来立てだ、ありがたく貪りたまえ」
言いつつ、琥珀嬢がマスターに差し出したチョコは、今までの40個がまだまだ彼女にしてはマシな方の代物であった事を痛感させるに足るものだった
持ち込んだクレイドルで寝付いたエルギールに、優しく毛布(?)をかける琥珀。結局居付くつもりなのか?
「エルギールは兎も角、お前はどうするんだよ?」
「この寒空の中外に放り出すつもりかい?」
「そんなに家非道い状態なのかよ?」
「・・・エルギールが来たがったんだ」
「・・・え?」
「・・・っと。これは言わない約束だった。記憶を失っておいて」
相変らず無表情に、しれっと非道い台詞を吐くなコイツは
「・・・まぁ良いがよ・・・で、お前はどうすんだ?」
「どっちみち今家は人間が生活出来る状態じゃないしね。他当たるのも面倒臭いから泊めさせて貰えるかな?」
「宿泊費取るぞ・・・さんざキッチン占拠してぁゃιぃモン造りやがって・・・後半ただのネタチョコばっかだったじゃねーか」(注3)
「体で払うよ」
「・・・っ!!」
「冗談だよ。僕も正直、君はあんまり好みのタイプじゃない・・・まぁ深町君みたいなのに比べれば、君みたいな馬鹿の方が大分好感が持てるけどね」
「は・・・ん!最初に俺のやり方に釘刺しに来やがった癖に!」
「あれは本当はニビルの担当なんだ・・・マスターである僕が言うよりも、神姫当人から言われた方が効くだろう?僕は『壁』役なんて本当は御免なんだ」
「『壁』・・・ね」
最初にぶつかる壁、限界を感じる瞬間、乗り越えるべき障害・・・俺と華墨にとって琥珀とエルギールはまさに最初の『壁』だった
「でもニビルには明らかに上昇志向があるし、エルギールには別にそんな気概はそれ程感じねえな?案外適任なんじゃねえのか?」
「それに、ニビルはその・・・巧く言えないんだが・・・何か『危うい』感じがする。不安定っつーかなんかな」
一瞬、「へぇ」という様な声を漏らして俺の顔を凝視する琥珀・・・瞬きをしろ、怖いから
「言う程鈍臭くも無いのかな?君は」
「どんだけ鈍臭く見られてんだよ俺は?」
「上昇志向・・・か、確かにね。あの時はああ言ったけど、僕自身がエルギールを『闘わせて』いる当人だからね・・・エルギールは僕の要求に応えてるに過ぎないから当然かも知れない」
今度はこっちが「へぇ」を漏らす番だった
「意外だな・・・お前さんはそんな好戦的なタイプじゃないと思ってたんだが」
むしろ、好戦的なエルギールを琥珀が抑えているように見えていたのだが・・・
「僕はね・・・武装神姫用の剣を作ってるんだ。それで、最初はその実験を色々な武装神姫に手伝って貰ってたんだけど、その内自分の作品で自分の神姫を闘わせてみたくなってね・・・それでさる筋から譲ってもらったのがエルギールだったのさ」
「まぁ、その剣匠の工房の関連で、今家を改築してるんだ。チョコの件があろうとなかろうと、誰かの家に転がり込むつもりでは居たんだ」
「ちょっと待てよ!それって暫くウチに泊り込むって事かよ!?」
「だから言ったじゃないか。昔の18禁ゲームみたいなシチュエーションだって・・・僕みたいな不思議ちゃんはお約束だろ?」
「自分で不思議ちゃんとか言うな!てかそれどころじゃねえって!」
「別に性欲処理については相談次第で相手してあげなくも無いけど・・・?それとも人形相手じゃないと勃たない変態さんだっけ?」
「変態じゃねえ!ついでに別にお前とフラグを立てるつもりもねえ!!」
「じゃぁ誰が目標?やっぱり華墨?」
「だから変態じゃねえっての!泊り込むとかならもっと早く言えよ!?」
「そうだね、まぁそういう事で宜しく」
「ぐあああぁぁぁっ!!なんじゃそりゃああぁぁぁぁ!?」
結局俺がいくら吼えても、琥珀はウチに泊り込む事を決定、好みでないとは言え床上手な性技に絡み取られた事もあって、変な同居生活が始まったのだった
「あと、満足のいくチョコが出来る迄は実験台になってもらうから」
とんでもない奴じゃないのか?コイツは
「エルギールは兎も角、お前はどうするんだよ?」
「この寒空の中外に放り出すつもりかい?」
「そんなに家非道い状態なのかよ?」
「・・・エルギールが来たがったんだ」
「・・・え?」
「・・・っと。これは言わない約束だった。記憶を失っておいて」
相変らず無表情に、しれっと非道い台詞を吐くなコイツは
「・・・まぁ良いがよ・・・で、お前はどうすんだ?」
「どっちみち今家は人間が生活出来る状態じゃないしね。他当たるのも面倒臭いから泊めさせて貰えるかな?」
「宿泊費取るぞ・・・さんざキッチン占拠してぁゃιぃモン造りやがって・・・後半ただのネタチョコばっかだったじゃねーか」(注3)
「体で払うよ」
「・・・っ!!」
「冗談だよ。僕も正直、君はあんまり好みのタイプじゃない・・・まぁ深町君みたいなのに比べれば、君みたいな馬鹿の方が大分好感が持てるけどね」
「は・・・ん!最初に俺のやり方に釘刺しに来やがった癖に!」
「あれは本当はニビルの担当なんだ・・・マスターである僕が言うよりも、神姫当人から言われた方が効くだろう?僕は『壁』役なんて本当は御免なんだ」
「『壁』・・・ね」
最初にぶつかる壁、限界を感じる瞬間、乗り越えるべき障害・・・俺と華墨にとって琥珀とエルギールはまさに最初の『壁』だった
「でもニビルには明らかに上昇志向があるし、エルギールには別にそんな気概はそれ程感じねえな?案外適任なんじゃねえのか?」
「それに、ニビルはその・・・巧く言えないんだが・・・何か『危うい』感じがする。不安定っつーかなんかな」
一瞬、「へぇ」という様な声を漏らして俺の顔を凝視する琥珀・・・瞬きをしろ、怖いから
「言う程鈍臭くも無いのかな?君は」
「どんだけ鈍臭く見られてんだよ俺は?」
「上昇志向・・・か、確かにね。あの時はああ言ったけど、僕自身がエルギールを『闘わせて』いる当人だからね・・・エルギールは僕の要求に応えてるに過ぎないから当然かも知れない」
今度はこっちが「へぇ」を漏らす番だった
「意外だな・・・お前さんはそんな好戦的なタイプじゃないと思ってたんだが」
むしろ、好戦的なエルギールを琥珀が抑えているように見えていたのだが・・・
「僕はね・・・武装神姫用の剣を作ってるんだ。それで、最初はその実験を色々な武装神姫に手伝って貰ってたんだけど、その内自分の作品で自分の神姫を闘わせてみたくなってね・・・それでさる筋から譲ってもらったのがエルギールだったのさ」
「まぁ、その剣匠の工房の関連で、今家を改築してるんだ。チョコの件があろうとなかろうと、誰かの家に転がり込むつもりでは居たんだ」
「ちょっと待てよ!それって暫くウチに泊り込むって事かよ!?」
「だから言ったじゃないか。昔の18禁ゲームみたいなシチュエーションだって・・・僕みたいな不思議ちゃんはお約束だろ?」
「自分で不思議ちゃんとか言うな!てかそれどころじゃねえって!」
「別に性欲処理については相談次第で相手してあげなくも無いけど・・・?それとも人形相手じゃないと勃たない変態さんだっけ?」
「変態じゃねえ!ついでに別にお前とフラグを立てるつもりもねえ!!」
「じゃぁ誰が目標?やっぱり華墨?」
「だから変態じゃねえっての!泊り込むとかならもっと早く言えよ!?」
「そうだね、まぁそういう事で宜しく」
「ぐあああぁぁぁっ!!なんじゃそりゃああぁぁぁぁ!?」
結局俺がいくら吼えても、琥珀はウチに泊り込む事を決定、好みでないとは言え床上手な性技に絡み取られた事もあって、変な同居生活が始まったのだった
「あと、満足のいくチョコが出来る迄は実験台になってもらうから」
とんでもない奴じゃないのか?コイツは