やはり足は痛いのか、可凜は少し顔を歪めている。
アイツには勝てたし、無理なら棄権してもいいよな。
という考えをしていた。しかしそこにも予想外があった。
こちらが負傷、損傷するという事は、他の奴らもそうである事を忘れていた。
出場者は8人皆一回ずつ戦い、そのまま準決勝と決勝まで行えるトーナメントだ。
予想外は準決勝に起きた。可凜は待機中に装備も揃えておいたので、足を庇いつつも勝つ事ができた。今回の相手もほぼ初陣だったようだ。ここで発生したのが、今回がリアルバトルの大会である事
もう一つの準決勝、その両者とも損傷が激しいらしく、試合までに改修はできないとふみ…二人とも棄権したのだ。
つまりなんとも…決勝は不戦勝で優勝してしまった。
これが俺の予想外だ。ただあの野郎との決着をつけてやろうという気持ちだけだったのに
賞品が貰えるそうなので、俺はリペアキットを貰った。今のままじゃかわいそうだし。
帰ろうとしたら、案の定奴がいちゃもんをつけてきた。今更そっちの方が強いから返せだの言ってくる。道理としてはこちらが不利のように思えるが、向こうは「棄てた」と言いこちらは登録までしたのだ。それこそ今更というもの。
(あ~でもどうなんだろう…)と道徳と法律の狭間で考えていると、可凜が答えをだしてくれた。
「マス…今は違いますね。今までご迷惑おかけしました。さっきの試合で、ボクも思いを断ちました。これから、この人に恩を返して行きます。今の子は、すごくあなたを信頼しているし、あなたの戦い方にも合ってます。大切にしてあげて下さい。」
最後に一礼。忠犬だな、この子は。
「帰ろう。」
手持ちも寂しいので可凜の衣類は後日として帰る事にした。
帰宅後早速キットを使ってみた。
雨で染み付いた汚れだけでなく、肌生地の様なものもあったので使ってみるとあの独特な関節が微かだが見えなくなった。勿論触ればわかるが、遠目にはわからない素体自体の保護膜みたいなものか…?
作業中はそりゃぁもう…俺は健全だからな。
「さて、これで綺麗になったな。その包帯、どうする?もう足に異常はないけど」
「うぅん、このままがいい。これは隆斗との証にしたいから。」
「可凜がそれでいいならそうするか。」
「汚れたら取り替えてね♪」
ヴォッと思ったが。まあよしとしよう
「所で、隆斗の事何て呼ぼう…?」
「もう呼ばれ慣れたから隆斗でいいが、ヤなら人前ならマスターかご主……『様』は要らないからな…。」
「うん。わかった。…宜しくね、隆斗。」
出会って初めての…純粋な笑顔で、一瞬ときめいてしまった。
「あ…あぁ、宜しくな。」
これで俺は初めての 神姫のオーナーになれた。
…気がしていた。
アイツには勝てたし、無理なら棄権してもいいよな。
という考えをしていた。しかしそこにも予想外があった。
こちらが負傷、損傷するという事は、他の奴らもそうである事を忘れていた。
出場者は8人皆一回ずつ戦い、そのまま準決勝と決勝まで行えるトーナメントだ。
予想外は準決勝に起きた。可凜は待機中に装備も揃えておいたので、足を庇いつつも勝つ事ができた。今回の相手もほぼ初陣だったようだ。ここで発生したのが、今回がリアルバトルの大会である事
もう一つの準決勝、その両者とも損傷が激しいらしく、試合までに改修はできないとふみ…二人とも棄権したのだ。
つまりなんとも…決勝は不戦勝で優勝してしまった。
これが俺の予想外だ。ただあの野郎との決着をつけてやろうという気持ちだけだったのに
賞品が貰えるそうなので、俺はリペアキットを貰った。今のままじゃかわいそうだし。
帰ろうとしたら、案の定奴がいちゃもんをつけてきた。今更そっちの方が強いから返せだの言ってくる。道理としてはこちらが不利のように思えるが、向こうは「棄てた」と言いこちらは登録までしたのだ。それこそ今更というもの。
(あ~でもどうなんだろう…)と道徳と法律の狭間で考えていると、可凜が答えをだしてくれた。
「マス…今は違いますね。今までご迷惑おかけしました。さっきの試合で、ボクも思いを断ちました。これから、この人に恩を返して行きます。今の子は、すごくあなたを信頼しているし、あなたの戦い方にも合ってます。大切にしてあげて下さい。」
最後に一礼。忠犬だな、この子は。
「帰ろう。」
手持ちも寂しいので可凜の衣類は後日として帰る事にした。
帰宅後早速キットを使ってみた。
雨で染み付いた汚れだけでなく、肌生地の様なものもあったので使ってみるとあの独特な関節が微かだが見えなくなった。勿論触ればわかるが、遠目にはわからない素体自体の保護膜みたいなものか…?
作業中はそりゃぁもう…俺は健全だからな。
「さて、これで綺麗になったな。その包帯、どうする?もう足に異常はないけど」
「うぅん、このままがいい。これは隆斗との証にしたいから。」
「可凜がそれでいいならそうするか。」
「汚れたら取り替えてね♪」
ヴォッと思ったが。まあよしとしよう
「所で、隆斗の事何て呼ぼう…?」
「もう呼ばれ慣れたから隆斗でいいが、ヤなら人前ならマスターかご主……『様』は要らないからな…。」
「うん。わかった。…宜しくね、隆斗。」
出会って初めての…純粋な笑顔で、一瞬ときめいてしまった。
「あ…あぁ、宜しくな。」
これで俺は初めての 神姫のオーナーになれた。
…気がしていた。