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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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初バトル、七月七日、七夕。

一ヶ月の間、私は数十店の神姫ショップを歩き回った。地元の茶畑が広がるような田舎では流石にショップはないので、電車で一時間、お隣の県の大都市まで足を伸ばしたり、バスで三十分揺られ最寄りの商店街をブラブラしたりした。
というのも、お兄ちゃんが買ってきた神姫、マリーは素体のままで武装やアクセサリは全く無かったからだ。私は特別バトルがしたいというわけでもなかったので、彼女が身に付けるものは彼女に選ばせようとして、彼女が気に入るものが見つかるまでいろんな店を回っていたのだった。

まずマリーはあまり実戦的ではなく、どちらかというと観賞用のウォードレスを選んだ。一応ワンピースのそれは防御力はあまり期待できないものの、フリルの可愛いディティールは全部自動迎撃用のレーザーガンで、また申し訳程度の飛行機能も付いていた。

「すごいすごい!マリーが浮いてる」

ふわふわとドレスの裾を揺らしながら彼女は私の周りを何週か回って見せた。

「便利ですわ」

彼女は私の左肩に着地した。それから私を見上げて微笑む。
彼女の笑顔は完璧、百点満点だと思った。

別の日、彼女はようやく武器を手にした。彼女は先に買ったウォードレスに合わせてその武器――ロンブレル・ロング(L'ombrelle longue)を選んだようだ。
それはどうみても、日傘。日傘(L'ombrelle)って名前付いてるし。武器の性能としては、ライトセーバーとライフルの能力を併せ持つハイブリッドウェポン。ライフルは威力も装弾数も実戦で使えるギリギリのレベル。まあ、早い話がこれもまた観賞用のアクセサリなのだ。

「可愛いよ、マリー」
「ありがとうございます。わたくしもこれで、いつでもバトルが出来るようになりましたわ」

マリーは傘を開いて傾きかけた日差しを遮る。淵の白いフリルが揺れた。

「え?マリーはバトルしたいの?」

左肩に座っていた彼女は私がそう問いかけると、浮き上がって私の胸前にやってきた。私が歩くのと同じ速度で移動し続ける。

「だってわたくしは武装神姫ですのよ?」
「いや、うん、そうだけど。だったらもう少し強そうな装備選んでもいいんじゃない?」
「ダメですわ。時裕様がわたくしは人形型だとおっしゃっていました。ですからわたくしは人形らしく振舞わなければいけませんの」

ああ、そういえば細かい設定は全部お兄ちゃんに任せていたな、と私はぼんやりと思い出した。神姫の性格がCSCの埋め込み方によって変わるといっても、もっと繊細なところはこちらで設定してあげなければいけないらしい。かなりめんどくさそうだったからお兄ちゃんに頼んだのだけれど、正直かなり失敗だったと思う。

「へえ、人形型なんだ」
「はい。人形型MMSノートルダムですわ」

勝手に決められたということを怒るよりも、私はやけに細かい設定に関心していた。
ノートルダムか、と考えると少しにやけてきてしまう。お兄ちゃんらしい名前の付け方だなと思ったからだ。

「でもバトルってどうやるんだろうね」
「とりあえず...ショップ設置の筐体で草バトルと呼ばれる非公式戦ですわ。」

私はふーんと鼻を鳴らしながら早速視線は最寄りの神姫ショップを探していた。
学校帰りの商店街には二店舗、神姫を扱う玩具屋があり、この近くにはそこしかバトル筐体を置いているところはなかった。

「あそこだね」

カトー模型店、商店街の長屋にあるお店としては大きいほうの店構えで、数ヶ月前に改装されたショップだ。もともと地味だった模型店がここまで立派になれるのも神姫ブームのおかげだろう。

午後五時半、私と同じように学校が終わった学生の神姫マスターたちが集まってなかなか賑やかだ。

「やあ、のどかちゃん、いらっしゃい」
「こんばんは、カトーさん」

マリーの装備を選ぶとき、最初に訪れたショップがここだった。お兄ちゃんもここの常連で、店長のカトーさんと顔見知りだということもあって、いろいろ相談に乗ってくれたのが強く記憶に残っている。カトーさんはここにないようなパーツを他の店にはあるからといって紹介してくれたりもしてくれた、いろんな意味でいい人だ。

「マリーちゃんもいらっしゃい」
「ごきげんよう、カトー様」
「ドレスモデルのウォードレスか。なかなか可愛い物を見つけたね」

マリーはスカートの裾を摘み、膝を折って行儀よくお礼をした。

「今日はお兄ちゃん、もう来ました?」
「時裕君?いや、そういえばまだ見てないなあ」

そうですか、と言って私は、私と同じ学校の学生服を着た男の子たちによってバトルが繰り広げられている筐体のほうへ視線を向けた。
お兄ちゃんは一度この店に足を踏み入れると三時間は出てこないので、もしお兄ちゃんが店にいれば、今日は止めておこうと思ったけれど、カトーさんの言葉を聞いていよいよ心臓がドキドキし始める。

「バトルかい、のどかちゃん」

カトーさんは丸い黒縁眼鏡を掛け直しながら言った。

「はい。初めてなんですけど...」
「そりゃよかった。やっぱり武装神姫はバトルが一番楽しいからねえ。次、席空けてもらうからちょっと待っててね」

そう言ってカトーさんはカウンターから出て、つかつかと盛り上がる一方の筐体のほうへ歩いていく。そして学生服の男の子たちと話始めた。
そのうち何人かが私のほうをちらっとみる。その中に同じクラスの藤井君の姿が見えたので少し手を振った。ただ私に気づいているかどうかはわからなかった。

「緊張するね、マリー」
「大丈夫ですわ。きっと」

少し経って、カトーさんは手招きで私たちを呼ぶ。私は背筋を伸ばして恐る恐る筐体へ向かい、マリーはその後を飛びながらついて来る。途中、やっと藤井君も私たちに気づいたようだった。
カトーさんの横にはこの店では珍しく、女の子が立っている。彼女もまた男の子たちと同じように私と同じ学校の制服、というか私と同じ制服を着ていた。

「丁度いい対戦相手が見つかったよ」

と言ってカトーさんは傍らの女の子の肩をぽんと叩く。

「彼女は先月神姫バトルを始めたばかりなんだ。ね、香子ちゃん」
「よ、よろしくお願いします」

その女の子は右肩に神姫を乗せたまま深々と頭を下げる。当然、彼女の右肩に座っていたジルダリアタイプの神姫は声を上げながらずり落ちた。しかしその神姫は落ちていく途中、一回転してから急に落下を止めて腕を組みながら少しずつ浮き上がっていった。
そしてそれに気づいた女の子が顔を上げて、その神姫のほうを見るまで口を尖らせ続ける。

「あ...!ごめんなさい」
「もう少しまわりに注意してくださいね、マスター」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」

女の子はすっかり私を忘れて彼女の神姫に謝り続ける。その様子をまわりの男の子やカトーさんがくすくすを笑った。

「も、もういいですっ。それよりみなさんが...その...見てますから...」

それが恥ずかしかったのか、女の子の神姫は少し頬を赤らめてどんどん声量を落としていった。
俯きながらちらりと私たちを見て、話を変えて、と訴える。
神姫でもそんな表情をするのか、と感心した私は急いで自己紹介をした。

「えっと、七組の月夜のどかです。こっちはマリー」
「ごきげんよう、マリー・ド・ラ・リュヌですわ」

女の子は思い出したように私たちのほうを見る。

「あ、はい、五組の斎藤香子です」
「ジルダリアのラーレです。よろしくおねがいします」

私の通う高校の一年生は、九クラス三百六十人。私は五組には一人も友達がいない――もちろん偶然だ――ので、彼女とは初対面だったことも納得がいく。

「じゃ、挨拶が済んだところで、早速バトルにしようか」

私も香子ちゃんも、そしてマリーもラーレも、そう言ったカトーさんのほうを向いてはい、と返事をした。





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