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えむえむえす ~My marriage story~

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引きこもりと神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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折り返し──あるいは二日目その二




“鳳凰カップ”は二日目の中天を過ぎ、流石に客足は決勝ブロックの
ギャラリーへと流れつつあった。私・槇野晶は必死で客を捌き続け、
神姫たる“妹”のアルマも、数時間に及ぶゲリラライブをこなした。
あれ程の大群衆を引きつけてくれたのは、彼女の功績に他ならんな。
故に、遅めの昼食を摂る事とした。アルマも空腹だろうしな、有無。

「アルマ、よく頑張った。あれ程歌い続けて、ヘトヘトだろう?」
「あ、はい……ちょっとだけバッテリー残量が心許ないですけど」
「ならば昼食をたっぷりと食べて、午後のライブまで休むと良い」
「えっと……すみませんマイスター、本当はお手伝いの時なのに」

構わぬ、と言って私は彼女の躯を軽くチェックし、着衣の乱れを正す。
しっとり風のラブソングから熱血の極みと言えるファンファーレまで、
アルマは実に、アルバム1枚超に及ぶ長丁場を一人で切り抜けたのだ。
その間急造のステージから降りる事も叶わず、彼女は一人歌い続けた。
激しい動きをせずとも、その服が乱れてしまうのは仕方ない事なのだ。

「ところでマイスター、梓ちゃんとロッテちゃんはどうしたんです?」
「有無。先程渡瀬美琴がやってきおってな……勝ちを拾ったそうだぞ」
「本当ですか!?ファーストやセカンドが、ひしめいているのに……」
「……これで公式に反映されるポイントも、相当数になる……だがな」

冴えない私の表情から、何かを感じ取るアルマ。そう、語られぬ所では
クララとアルマも、ちゃんと公式バトルでの勝利と敗北を重ねている。
だが、ロッテとのランク格差は……今回の一件で大きく開く事だろう!
流石に何もせずしてセカンドへ昇格、等という事態はないだろうがな。
だがそれでも、この様に突出する事が果たして“三人”の幸せなのか?

「多分、この次も勝ったら……あの娘らは、即刻棄権するだろうな」
「……そうじゃないか、と思います。戦うなら最後まで、ですけど」
「だが望まぬ戦いをも率先して受ける様な、戦闘狂ではあるまい?」
「はい……ただあくまでロッテちゃんは、限界を見切るつもりです」
「有無。それを知りたくて、頂点を目指しに行ったのだろうからな」

言葉では明言されない物の、今ならばロッテと梓……ついでにアルマが、
奇策を弄してまでトーナメントの参加を押し通した理由が、良く分かる。
“己の戦いに誇りを”。これはロッテが戦いの際に、時々告げる誓いだ。
だが言葉だけの“誇り”等、いかがわしいネオンサインより陳腐である。
実行しなければ、出来ない事ならば。野心も勇気も願望も、力を持たぬ。

「ならばこそ己が何処まで出来るのか、更に何処へ伸びて行けるのか」
「それらの見極めの為に、今回の“聖杯”は打って付けだったんです」
「……アルマや。別にお前達が後ろめたさを覚える事は、何もないぞ」
「マイスター……はい、有り難うございます。そして、ごめんなさい」
「その意志を大事にしたい故に、私も“魔剣”等を求めたりしたのだ」

何も頂点に立つ事だけが大事なのではない。その過程に何を見出すか、
それが出来てこそ“求道者”や“戦士”としての成長が、あるのだな。
だからこそ、“姉”であり後援者たる私は……過程も結果も尊重する。
『結果が全てだ』等とは今世紀初頭から言われているが、愚かな事だ。
過程がなければ結果はまず成せず、結果が見えなければ過程も為らぬ。

「まあ何を言おうとも、私は彼女らを褒め称え労うつもりでいるぞ」
「あ……は、はいっ!本当に有り難うございます、マイスター!!」
「有無。所で何故、前日に『神姫素体で赴く』と言い出したのだ?」

ここで話を変える。このゲリラライブは、文字通り“ゲリラ戦法”だ。
大会本部への申請は、殆ど事後承諾となっていた。私自身、アルマめが
前日に準備を始めるまで、本気でライブを行うとは思わなかったのだ。
その時は強い意志に根負けして挙行を認めたのだが、やはり気になる。
だがその疑問に対する答えは、やはり驚く程シンプル且つ強固だった。

「あたしだって神姫です。神姫でしか出来ない事で、挑戦したかった」
「……故にこそ敢えてHVIFでなく、その躯で挑んだというのか?」
「はい。“肉の躯”よりも、“殻の躯”で伝えたかった想いですから」

HVIFは、人と神姫の垣根を取り払う。だが同時に、神姫達にとっては
不便な要素も存在していた。“心”に纏わる事柄についても、同じ様だ。
だからこそ“歌い手としての”アルマの感性は今回、神姫素体を選んだ。
神姫の“心”が人と同様だからこそ、僅かな差を敏感に感じるのだろう。
そう言う意味では、『同様であっても模造ではない』とも言えるのだが。

「そうか。想いを皆に伝えたいが故に、より良き策を取ったのだな?」
「はい……巧く言葉では表現出来ないんですけど、こうなんとなくっ」
「それで構わぬ。人の心も神姫の心も、理論では説明しきれぬしな!」

私はそう言って、アルマを肩に乗せてブースを離れた。二人とは今日、
一緒に昼食を摂る事は叶わぬが、最早全ての懸案は払拭されたも同然。
後はロッテ達が悔いの無い様に戦えば、それで十分だ。上機嫌である。
喫茶店“LEN”専用ブースたる大型トレーラーに、向かう事とした。
それは混雑する往来を小柄な躯ですり抜けていく、そんな最中だった。

「む……あの娘は、先日店へとやってきた……いや、人違いか……?」
「ん?……えっと、どうしたんですかマイスター。振り返っちゃって」
「いやな、この間店にやってきた女性に似ている者が居たのだが……」

L字定規を投げつけて、分かっていない不埒な輩を追い出したあの日だ。
うっかり往来にて投げたまま忘れていたL字定規を届けてくれた、ミラ。
“本物のガンスミス”の業物を持ち歩いていた、武装神姫達のオーナー。

「……彼女も彼女で忙しいのかもしれぬな。構わぬ、行くぞアルマ?」

見間違える筈はないのだが、彼女の姿を認めたのは会期中初めてである。
だが、あれ程“訳あり”の雰囲気を醸し出しておいて……偶然ではない。
ならば今の私が彼女を深追いする事は、お互いにとって“損”であろう。
不思議そうに首を傾げるアルマを宥めつつ、私は“LEN”に向かった。

「いらっしゃい……あら、晶ちゃんと大食いのアルマちゃんね」
「だッ、だから大食いって言わないで下さい!京都さん~!?」
「ふむ……そうか、千空めも決勝トーナメント出場組だったな」
「なんだ、彼奴がいないと寂しいか?そんな時はコーヒーだ!」

──────寂しいのかどうかは、私だって分からないよ。







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