とあるアパートの一室
鍵のかかっていないドアを明け、二人の男が入ってきた。
「なんだいこんな雨の日に呼び付けて…」
音でその入室を確認すると
「よかった。ちょっときてくれ!」 すぐに友達を招き入れた。
友人二人、卓三と大輝が部屋に入ると
タオルに包まれた犬型ハウリンが横たわっていた。顔色はみるからに芳しくない。
「これは…捨て神姫かっ」
「俺じゃよくわからないんだ、診てくれよ」
「これは…右足が損傷して漏電してる……」
その他に異常がないか診ていると
ピーッ ピーッ
突然電子音が鳴る。
卓「充電が切れそうだぞっ」
大「まだ電気屋やってる。隆斗っクレイドル買ってきてっ」
「クレイ…?」
「充電機だよっ早くっ」
慌てて電気屋に向かう。雨の中、明かりを駆け抜けて
頭の中で、自分が前に言った一言と
あの神姫の顔が浮かぶ。
「……バカヤロウだ…俺は…」
奥歯を噛み締めて、急いで部屋に戻った。
-試合に負けた-
右足が痛い。動かない。
…雨の音
マスターの声がする…
面倒…?替わり…?イヤだ…置いていかないで…マスター……
「マスター!!」
ガバッと体を起こす。 雨は
降ってない。
どこかの 部屋…?
右足…痛くない…包帯が巻いてある。
「お、目が覚めたか。」
突然の声に身がすくんだ。
この人は…?何で少し涙目…?
「よかった。よかったよ起きてくれて…」
「あなたは…?」
「俺、隆斗だ。日好隆斗…君の名前は?」
「…セザンヌ」
自分のイメージと少し違った名前だったが、人の名前にケチはつけちゃいかん
「宜しくな」
「はい…あの」
「ん?」
「何で…ボクを助けてくれたの?」
「まぁ、放っとけないというか…お詫びというか…」
「…?」
「まぁとにかく、オーナー探して文句言ってやるから、ゆっくり直し…」
「いいよ…ボクは捨てられたんだ…もう…」
途端に大泣き
神姫とはいえ女の子のあやしかた等知らない俺は
何も言ってやる事ができなかった。
それから数日、あの子はクレイドルの上で体育座りで伏せたままだった。
外出や食事(できるのかわからんが)もせず、ただ落ち込んでいるその子を見て
俺はずっとやる瀬ない気持ちだった 。
鍵のかかっていないドアを明け、二人の男が入ってきた。
「なんだいこんな雨の日に呼び付けて…」
音でその入室を確認すると
「よかった。ちょっときてくれ!」 すぐに友達を招き入れた。
友人二人、卓三と大輝が部屋に入ると
タオルに包まれた犬型ハウリンが横たわっていた。顔色はみるからに芳しくない。
「これは…捨て神姫かっ」
「俺じゃよくわからないんだ、診てくれよ」
「これは…右足が損傷して漏電してる……」
その他に異常がないか診ていると
ピーッ ピーッ
突然電子音が鳴る。
卓「充電が切れそうだぞっ」
大「まだ電気屋やってる。隆斗っクレイドル買ってきてっ」
「クレイ…?」
「充電機だよっ早くっ」
慌てて電気屋に向かう。雨の中、明かりを駆け抜けて
頭の中で、自分が前に言った一言と
あの神姫の顔が浮かぶ。
「……バカヤロウだ…俺は…」
奥歯を噛み締めて、急いで部屋に戻った。
-試合に負けた-
右足が痛い。動かない。
…雨の音
マスターの声がする…
面倒…?替わり…?イヤだ…置いていかないで…マスター……
「マスター!!」
ガバッと体を起こす。 雨は
降ってない。
どこかの 部屋…?
右足…痛くない…包帯が巻いてある。
「お、目が覚めたか。」
突然の声に身がすくんだ。
この人は…?何で少し涙目…?
「よかった。よかったよ起きてくれて…」
「あなたは…?」
「俺、隆斗だ。日好隆斗…君の名前は?」
「…セザンヌ」
自分のイメージと少し違った名前だったが、人の名前にケチはつけちゃいかん
「宜しくな」
「はい…あの」
「ん?」
「何で…ボクを助けてくれたの?」
「まぁ、放っとけないというか…お詫びというか…」
「…?」
「まぁとにかく、オーナー探して文句言ってやるから、ゆっくり直し…」
「いいよ…ボクは捨てられたんだ…もう…」
途端に大泣き
神姫とはいえ女の子のあやしかた等知らない俺は
何も言ってやる事ができなかった。
それから数日、あの子はクレイドルの上で体育座りで伏せたままだった。
外出や食事(できるのかわからんが)もせず、ただ落ち込んでいるその子を見て
俺はずっとやる瀬ない気持ちだった 。