G・L外伝 ~Gene Less~
外伝1 解体屋
「しっかし、なかなかセカンドに上がれないよな。まあ仕事の合間に行く位じゃこんなもんか」
「マスター、私の持つような西洋剣は、どちらかと言えば“斬る”ではなく“壊す”なんですよね?」
「ん? ああ、そうらしいな。侍型の持つ日本刀と違って、重さで斬るからそうとも言えるな。あっちの方がいいか? なら変えるぞ」
「いえ、だったらマスターのお仕事と同じだな、と思いまして。いいですよね、ああいうお仕事」
「いい仕事かねえ。きついし汚れるし、割に合わないぞ。まさかそういうのがいいのか、シビル?」
「はいっ! 親方!!」
「親方言うな親方」
「マスター、私の持つような西洋剣は、どちらかと言えば“斬る”ではなく“壊す”なんですよね?」
「ん? ああ、そうらしいな。侍型の持つ日本刀と違って、重さで斬るからそうとも言えるな。あっちの方がいいか? なら変えるぞ」
「いえ、だったらマスターのお仕事と同じだな、と思いまして。いいですよね、ああいうお仕事」
「いい仕事かねえ。きついし汚れるし、割に合わないぞ。まさかそういうのがいいのか、シビル?」
「はいっ! 親方!!」
「親方言うな親方」
瓦解、崩壊、崩落。落下轟音、大粉塵。
「うにゃぁ!?」
崩れ落ちたビル。巻き起こした土煙はにゃーごと世界を茶色に変える。視界を確保するのに大きく後ろへ飛び退く、つーか思いっきり逃げる。だって怖いんだもんあいつ! なんでにゃーより先に建物ばっかり攻撃するにゃ!? それも、も~満面の笑みで。訳わかんないにゃ!!
跳躍、反転逃避。爆砕、粉砕、崩壊。
「にゃあっ!!! 追っかけてくるにゃ~!?」
三角跳びの足場に使った家屋がどちゃっと一瞬で粉塵に飲まれる。当たり前だけど、敵は思いっきし追っかけて来てるにゃ! にゃーことマオチャオのにゃーの助は、そのなんだか良くわかんない対戦相手から逃げるだけでいっぱいいっぱい。え、マスター? 逃げてにゃいで戦えって? ムリムリムリムリ! にゃーの本能が無理って言ってるもん! いや戦うのが武装神姫だろって? そんなコト言うならマスターが戦ってみるにゃ!
「きっとヘタレはちびっちゃうにゃ・・・ってにゃぁあ~!!!」
崩壊崩落、落下、轟音。
「うにゃぁ!?」
崩れ落ちたビル。巻き起こした土煙はにゃーごと世界を茶色に変える。視界を確保するのに大きく後ろへ飛び退く、つーか思いっきり逃げる。だって怖いんだもんあいつ! なんでにゃーより先に建物ばっかり攻撃するにゃ!? それも、も~満面の笑みで。訳わかんないにゃ!!
跳躍、反転逃避。爆砕、粉砕、崩壊。
「にゃあっ!!! 追っかけてくるにゃ~!?」
三角跳びの足場に使った家屋がどちゃっと一瞬で粉塵に飲まれる。当たり前だけど、敵は思いっきし追っかけて来てるにゃ! にゃーことマオチャオのにゃーの助は、そのなんだか良くわかんない対戦相手から逃げるだけでいっぱいいっぱい。え、マスター? 逃げてにゃいで戦えって? ムリムリムリムリ! にゃーの本能が無理って言ってるもん! いや戦うのが武装神姫だろって? そんなコト言うならマスターが戦ってみるにゃ!
「きっとヘタレはちびっちゃうにゃ・・・ってにゃぁあ~!!!」
崩壊崩落、落下、轟音。
「いたたた・・・なんでにゃーがこんな目にぃ・・・!?」
マスターと口ゲンカしてる内に今立ってた足場までなくなっておっこちたにゃ。あ、危なかったにゃ~。目の前にでっかい鉄骨刺さってるしぃ。
「早く逃げにゃいと・・・ にゃ!?」
なんと気づけばそこはステージの端っこ。もう逃げ場にゃし? そーいえばこのステージ中に響いてた破壊音がもうしてないにゃ。静かになって、ちょっとづつ土埃もおさまって来る。にゃんとそこに広がってたのはガレキだらけのまったいらな荒野。つーかサラ地。ここってゴーストタウンステージだったハズにゃーのにー?
「ぐぐぅ・・こーにゃったら少々見苦しいのも仕方ないにゃ。伏兵に忍ばせておいたぷちを結集してフクロに・・・ あれ? ぷち? オマエラどこにゃ?」
「お探し者は彼等? 駄目じゃないか、現場に子供(?)を連れて来ちゃあ」
「うにゃ!?」
声に振り向くと、そこには下僕(ぷち)たちがくるくる目を回して転がってる。逃げる途中で巻き込まれてたっぽいにゃ、しかも敵に助けてもらうなんて役立たずぅ。
マスターと口ゲンカしてる内に今立ってた足場までなくなっておっこちたにゃ。あ、危なかったにゃ~。目の前にでっかい鉄骨刺さってるしぃ。
「早く逃げにゃいと・・・ にゃ!?」
なんと気づけばそこはステージの端っこ。もう逃げ場にゃし? そーいえばこのステージ中に響いてた破壊音がもうしてないにゃ。静かになって、ちょっとづつ土埃もおさまって来る。にゃんとそこに広がってたのはガレキだらけのまったいらな荒野。つーかサラ地。ここってゴーストタウンステージだったハズにゃーのにー?
「ぐぐぅ・・こーにゃったら少々見苦しいのも仕方ないにゃ。伏兵に忍ばせておいたぷちを結集してフクロに・・・ あれ? ぷち? オマエラどこにゃ?」
「お探し者は彼等? 駄目じゃないか、現場に子供(?)を連れて来ちゃあ」
「うにゃ!?」
声に振り向くと、そこには下僕(ぷち)たちがくるくる目を回して転がってる。逃げる途中で巻き込まれてたっぽいにゃ、しかも敵に助けてもらうなんて役立たずぅ。
「さて、解体する構造物も無くなったことだし・・」
そういって、煙の向こうから、1歩、また1歩と近付いてくる対戦者。黄色い重甲冑のサイフォス。建物を壊しまくってたのは、左手のドリルと、あと右手に持ったパイルバンカーらしいにゃ。あ、パイルバンカー捨てて、背中のなんかでっかいエモノに持ち替えてる。あれは・・ツルハシぃ?
「そろそろ・・・最後の仕上げと行きますか」
その破壊魔の足音、ひどくゆっくりと近づいて来る。
そういって、煙の向こうから、1歩、また1歩と近付いてくる対戦者。黄色い重甲冑のサイフォス。建物を壊しまくってたのは、左手のドリルと、あと右手に持ったパイルバンカーらしいにゃ。あ、パイルバンカー捨てて、背中のなんかでっかいエモノに持ち替えてる。あれは・・ツルハシぃ?
「そろそろ・・・最後の仕上げと行きますか」
その破壊魔の足音、ひどくゆっくりと近づいて来る。
「・・けど、にゃーだって!」
跳躍、急襲、爪。
勇気を振り絞って飛びかかる。そうだ、きっと怖かったのは、相手がよく見えなかったのと、モノ壊すってヘンな行動のせいにゃ。でもそれが無いなら、理屈から言って残るのは重そーな鎧だけ。なら、あーゆーカタブツなんてすばしっこいにゃーの敵じゃにゃい! 見えるっ! 動きが見えるにゃっ!!
「反撃にゃああああ!」
「ふんっ!」
「にゃ?」
急剛投、穿孔。轟、掠。
「ドリル投げるにゃんて!? ・・でも、そのくらい!」
「隙あり!!」
轟振、打突。飛飛飛飛、子猫。逸、逸、直撃、縺絡。
「にゃあにぃ!? ・・ぶにゃ!!」
にゃんと更に、敵はツルハシでゴルフみたいにぷち達を打ち飛ばす。その内の黒ぷちがにゃーの顔面にぶち当たって視界を塞ぐ。ま、まっくらぁ・・・。
「うにゃあっ! 自分で助けといて、りふじ・・」
「問答無用!!」
剛振、粉砕。
「にゃああん!?」
跳躍、急襲、爪。
勇気を振り絞って飛びかかる。そうだ、きっと怖かったのは、相手がよく見えなかったのと、モノ壊すってヘンな行動のせいにゃ。でもそれが無いなら、理屈から言って残るのは重そーな鎧だけ。なら、あーゆーカタブツなんてすばしっこいにゃーの敵じゃにゃい! 見えるっ! 動きが見えるにゃっ!!
「反撃にゃああああ!」
「ふんっ!」
「にゃ?」
急剛投、穿孔。轟、掠。
「ドリル投げるにゃんて!? ・・でも、そのくらい!」
「隙あり!!」
轟振、打突。飛飛飛飛、子猫。逸、逸、直撃、縺絡。
「にゃあにぃ!? ・・ぶにゃ!!」
にゃんと更に、敵はツルハシでゴルフみたいにぷち達を打ち飛ばす。その内の黒ぷちがにゃーの顔面にぶち当たって視界を塞ぐ。ま、まっくらぁ・・・。
「うにゃあっ! 自分で助けといて、りふじ・・」
「問答無用!!」
剛振、粉砕。
「にゃああん!?」
歩、歩、歩、寄。歩、歩、歩、逃。
「ううぅ。にゃあぁ・・・ 来るにゃぁ・・!」
また、ゆっくりと近付いてくる、黄色いアイツ。なんとか最後の一撃は避けたけど、にゃーの爪はツルハシに壊され、武器がないにゃ。もう後ずさりする場所もないにゃ・・。
無防備で涙目のにゃーを見て、それでもにじり寄ってくるまっ黄色の重鎧。その姿はまるで・・・で・・・で・・・、う~んとえっと~なんていうんだっけかにゃあーゆーの。えっとこーノドモトまで出掛かってるんだけどにゃ~。黄色くって~、なんか重そ~で~、そんでもって色々ぶっこわしてムダムダとか言って~・・・
「あっ! ロードローラー!」
「せめてバックホーに例えなさ~い!!」
轟打粉砕、昏倒。
「ううぅ。にゃあぁ・・・ 来るにゃぁ・・!」
また、ゆっくりと近付いてくる、黄色いアイツ。なんとか最後の一撃は避けたけど、にゃーの爪はツルハシに壊され、武器がないにゃ。もう後ずさりする場所もないにゃ・・。
無防備で涙目のにゃーを見て、それでもにじり寄ってくるまっ黄色の重鎧。その姿はまるで・・・で・・・で・・・、う~んとえっと~なんていうんだっけかにゃあーゆーの。えっとこーノドモトまで出掛かってるんだけどにゃ~。黄色くって~、なんか重そ~で~、そんでもって色々ぶっこわしてムダムダとか言って~・・・
「あっ! ロードローラー!」
「せめてバックホーに例えなさ~い!!」
轟打粉砕、昏倒。
『勝者、“サイフォス”シビル!!』
騒、歓声、歓声。
騒、歓声、歓声。
「親方、勝ちましたよ。ファーストリーグ初勝利です! ・・って嬉しくありませんか」
「・・・まあな」
「どうしてですか?」
「お前・・・どうして毎度相手よりフィールド壊すんだよ!? しかも今回はファーストだからリアルフィールドだって言うのに!」
「だって、親方の仕事と同じじゃないですか?」
「同じなわけあるか! 俺は仕事で壊すの! 金貰うの! だけどお前のは一銭にもならないだろ!」
「なりますよ! ファイトマネー貰えるじゃありませんか!!」
「モノ壊したのは報酬に関係ないだろう!!」
「そうです、むしろ赤字です」
「ほらこう言う人だって・・・ え?」
「私、当神姫センターのバトル運営者なんですが・・・」
「はい?」
「ぶっちゃけ出入り禁止」
「はうっ!!」
「・・・まあな」
「どうしてですか?」
「お前・・・どうして毎度相手よりフィールド壊すんだよ!? しかも今回はファーストだからリアルフィールドだって言うのに!」
「だって、親方の仕事と同じじゃないですか?」
「同じなわけあるか! 俺は仕事で壊すの! 金貰うの! だけどお前のは一銭にもならないだろ!」
「なりますよ! ファイトマネー貰えるじゃありませんか!!」
「モノ壊したのは報酬に関係ないだろう!!」
「そうです、むしろ赤字です」
「ほらこう言う人だって・・・ え?」
「私、当神姫センターのバトル運営者なんですが・・・」
「はい?」
「ぶっちゃけ出入り禁止」
「はうっ!!」
こうして破竹の勢いでファーストリーグに上り詰めた“破壊王”ことシビルとそのマスターは、初日ソッコーでリーグ参加権剥奪されるという伝説を残しましたとさ。
ちゃんちゃん。
ちゃんちゃん。