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えむえむえす ~My marriage story~

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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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「にゃー……ぅ~……」

爽やかな木漏れ日の中、縁側に丸まって転寝をする猫……もとい、ねここ。

「……んぅ?」

私の膝の上で気持ちよさそうに寝ていたねここが、ピクリと何かに反応を示す。

「ねここ、どうしたの?」

「ん……なんでもないの。勘違いなの~」

「……そう、ならいいけれど」


  ねここの飼い方・光と影 ~八章~


「さて、そろそろプリンが冷えた頃ね。ちょっと持ってくるからおやつにしましょう」
「はぁい、なの」
そう呟きつつ、膝の上で丸まっていたねここを座布団の上へと優しく預け、奥へと歩いてゆく……風見……美砂。
私はその様子を、近くのよく覆い茂った樹木の中より眺めていた。
ねここは座布団の上で丸まったまま、しっぽを揺らせつつ寝息を立てている。
今がそのチャンスなのだろう。
(私は……)
だが私の足が、その手が、動かない。

「何か御用なの?」

途端、私のAIがオーバーヒートしそうになる。眼を閉じたまま、ねここが小さな声で、しかしぴしゃりと呟く。
聞き間違い……いや、そんな筈はない。
「そこの木、毛虫が多いからねここ嫌いなの」
私の位置は完全に露見している。忍び込んだつもりが、完全に位置を把握されてしまっていた模様……
「………」
私はそのまま飛び降り、地面が剥き出しになった庭先へと着地する。
彼女は相変わらず、座布団の上で眼を閉じて、一見昼寝しているかのよう。気持ちよさそうに丸まっている。
でも今の私にはその姿が、一瞬のうちに獲物を仕留め狩るための待機姿勢を取る、猛禽類のように感じられる。
それ程、今の彼女からは何者も近づけ難い雰囲気を発しているよう。
でも私は、決着を付けなければならない。そう、全てに……
「……ねここ」
声が震える。
既に10月に入り、夏の暑さも消え去っているというのに、全身から冷却液が噴き出し、滴り落ちる。
彼女はピクリとも動かず、次の言葉を待っている。若しくは、私が不振な動きをすれば、一撃の下に切り捨てる気なのかもしれない。

「貴方に……リアルバトルでの勝負を申し込みます」

喉がカラカラ、声音機能がまともに働かない。その声で、やっと其れだけのコトバを紡ぎ出す。
「時間は、今夜12時。場所は……森林公園、第4広場」
それでも私は、彼女を見据え、視線を逸らさないよう続ける。
「1つだけ、条件があるの」
再び彼女が口を開く。それは聞き及び、想像していた彼女からは考えられない程、鋭く冷たい呟き。
「何でしょう」
ゴクリと、喉が鳴る。
「ねここが勝ったら、みさにゃんが作ってくれたねここの腕、返してもらうの」
吸い込まれそうなほど澄み切ったその瞳で、私を睨み付け、濁りや迷いのない、真っ直ぐな感情を剥き出しにしてくる。
「わかりました……私が勝ったら、今度は貴方自身を、頂きます」
自暴自棄な言葉が、私自身の口から吐き出される。
そんなことを言ったらどうなるか、火を見るより明らかなのに。
「ねここは……負けない」
澄んだ瞳に燃え上がるのは、相手を一瞬にして燃やし尽くすのではないかと思うほどの、青白く輝く超高熱の煌めき。
「それでは、お待ちしてます」
私は短くその言葉だけを残して、踵を返し彼女の前から立ち去っていく。
これで、舞台は整った。

私にとって最後の葬送曲(レクイエム)を奏でるための舞台が。



「さて……っと」
冷蔵庫から冷やして置いたプリンを取り出して、予備のを一口味見。
うん、プリンは上手く出来上がったみたい。あとはデコレーションをしてプリンアラモードにでも仕上げるとしましょうか。
ねここに『おいしーのー☆』って、にっこり笑ってほしいしね。
「……ま、あれはしょうがないか」
全く、どうも最近独り言が増えていけないわね、っと。

『ピンポーン』

と、ドアのチャイムが。
今日は来客の予定はないし、雪乃ちゃんが帰ってくるのもまだだし、アイツもアメリカにまた行ってるらしいし……また新聞の勧誘かしらね。
「はいは~い」
とは言え、違った場合が困るので無視を決め込む気にもなれず、台所に材料を出したままパタパタと小走りしつつ玄関へ。
「どちらさまですか?」
ガチャリとドアをあけつつ、そう訊ねると、
「あの……っ、芽河原です……」
と、其処にはオドオドとしたクラスメートの娘が居た訳で。
「あら、いらっしゃい~。どんな御用なのかな? まぁ立ち話も何ですし、あがってね」
「あ、えと……あの、ネメ……ぁ!、いえ、なんでも……と、とにかくごめんなさいっ!」
玄関先でいきなり、思いっきり深く頭を下げる芽河原さん。そしてそのまま、脱兎の如く帰っていっちゃって。
「何と言うか、毎度慌しい人ねぇ……」

かなり焦っていたようだけれど、何か探し物でもしていたのかな。
……探し物……ねぇ……
「ま、何とかなるでしょう。きっと」



「ぁ…芽河原さんっ」
去り際に聞こえた、彼女の声がまだ耳に残ってる。
「うぅ、私ったら何でいきなりあんな事……次から顔をあわせられない」
トボトボと歩きながら一人愚痴ってしまう。
朝からネメシスを探しって、私は少しでも可能性のある所を片端から回っていた。
だけど私とネメシスに関係している場所はそう多いはずもなく、その全てに彼女の姿を見ることは出来ず。
「……でも、ネメシスが……あんな」
溜息とともに思わず愚痴が続く。
そして、その姿の代わりに見る事が出来たのは、彼女の影の部分。

「ポニテ頭の黒いアーンヴァルの娘? ……いや、ウチには来ていないけどなぁ」

首を傾げつつ、そう返答してくれる、お店の店長さん。店長さんの割にはまだ若くて20代くらいに見える。
神姫が行く場所という事で、泥縄的に思いついたのが神姫ショップだったのだけれど、此処にもいないようだ。
それに、特に此処には今まで近づかないようにしていた。だからこそ居るかもしれない、と思ったのだけれど。
「そうですか……ありがとうございました……」
お礼を言って、次のお店に行く事にしよう。
「あ、ちょっといいかな?」
ドアへ向かう私を、後ろから店長さんがなにやら私を呼び止める。
「はい、なんでしょう?」
或いはこの時、そのまま無視して出て行ったほうが幸せだったかもしれない。
「もしかして、その娘の名前は《ネメシス》って言うんじゃないかな?」
言葉に、詰まる。
「何の事でしょう……か」
店長さんの顔付きが、先程までのにこやかでのほほんと抜けていた様な物から、やや鋭さを帯びた表情に変化している。
「いや、ちょっとした感みたいなものかな。違うならいいんだよ、気にしないでくれ」
それでも一応の笑顔を保ったまま話しかけてくる。けどその独特の雰囲気は隠しようもなくて。
「はぃ……。えぇと……ちなみに、そのネメシスという娘、何か、したのですか?」
「まぁちょっと、ね。ウチの常連の《ねここ》って、この辺では少し有名な神姫とやり合ってね。それでひと悶着あって……」
「ね!? な、何をしたんですか!?」
「ちょ、ちょっとそんな掴み掛からなくても。落ち着いて! ……簡単に言えば、相手のデータを奪っていったんだよ」
思わず詰め寄った私を店長さんは引き剥がしながら、説明を続ける。
「そ……ん……な……」
一気に血の気が引くのがわかる。足取りが覚束ない。眩暈がしてくる。
「ちょっと、顔色が悪いけど大丈夫…じゃなさそうだな。おい凛奈!……ったくまたサボリか!?」
「あの、私……平気ですから……し、失礼しますっ! きゃっ!?うぅぅ・・・!」
ゴン!と開ききらない自動ドアにぶつかりながらも、そのまま逃げ出すしかない私。

「はぁ……」
と、思い返すだけでも深い溜息が出てしまう。
更にその後、謝らなくては、と思ってそのまま風見さんの家にまで押しかけて、でも緊張した挙句意味不明な言葉だけ言ってそのまま逃げてきてしまって……
「馬鹿みたい……私」
何でネメシスの為に、此処まで私が恥をかくのだろう。居なくなったのなら、放置しておけばいいだけなのに。
そう、何時も付き纏っていただけの存在なのに……

『アキラ』

「!?」
辺りを見回す。……誰も、そこに、居る訳も、ない。
何時も一緒に居た、それだけの存在。それだけのはずなのに。


「(アキラ……)」
大声で彼女の名を呼んで、今すぐそのままアキラの胸に飛び込んでゆきたい、その溢れ出る衝動を必死に抑制する。
何故かアキラの息遣いが、私には、はっきりと聞こえてきて。
会いたい。でも、会う資格なんて私には…もう、ない。
つい今し方、最後の決断をした所なのに、こんな場所で会うなんて……私を探してくれたのだろうか……いや

「(そんな事、ありえない)」

最後のコトバを言ったのはアキラ。原因は私にあるけれど、それでも最後に決断したのは、私の、マスター。
「……あれ、おかしいな……何で……」
目から粛々と溢れ出すモノ。ポタリとゆっくり、確実に木の葉に溜まる雫。
「ぅぅ……ひっく……ぁぅ……ァ…キラ…………あきら……ぁ……」
木の葉の中で、私は一人……泣いた。
嗚咽を出来るだけ潜めて、ひっそりと、誰にも、そう誰にも、知られる事のないように。

約束の時までに、自分の感情を捻じ伏せるため。







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