10話 もうひとつの戦い
バトル予選が終わり、係りの人から明日の簡単な説明を受けて、会場を見て回ることにした。
アールとエルを肩に乗せ、とりあえず物販コーナーへと。
すると、ある店舗で人だかりが出来ていた。なんだ?と気になって近寄ってみる。
「フォルテストラーフセット1つ!」
「こっちは、フォルテ2個とラルナーヴヘッド1個」
「フォルテ2こ!!」
そこは、フォルテとラルナーヴを開発したブースだった。
「押さないで下さい! 在庫はまだ有りますので、押さないで下さい!」
店員が殺到する客の整理をしている。
「あの、これって……あたいが、活躍したから?」
エルが人だかりを見ながら呟く。
「注目を集めたことはたしかですね」
アールも同じ方向を見ている。
「元から人気商品だし、どうなんだろうな」
俺は、人だかりを避けるようにその場所を離れた。
アールとエルを肩に乗せ、とりあえず物販コーナーへと。
すると、ある店舗で人だかりが出来ていた。なんだ?と気になって近寄ってみる。
「フォルテストラーフセット1つ!」
「こっちは、フォルテ2個とラルナーヴヘッド1個」
「フォルテ2こ!!」
そこは、フォルテとラルナーヴを開発したブースだった。
「押さないで下さい! 在庫はまだ有りますので、押さないで下さい!」
店員が殺到する客の整理をしている。
「あの、これって……あたいが、活躍したから?」
エルが人だかりを見ながら呟く。
「注目を集めたことはたしかですね」
アールも同じ方向を見ている。
「元から人気商品だし、どうなんだろうな」
俺は、人だかりを避けるようにその場所を離れた。
企業ブースを回って新型の展示をみたり、その他いろいろと見て回り、いよいよ國崎技研のブースへやって来た。
「いよいよです」
アールがまた妙なオーラを出し始めました。
「大丈夫かな……」
エルもアールを見て心配している様子。
ブースでカタログを貰い、ヘンデルとグレーテルの説明を受けて、体験とお菓子作りの参加登録をした。
「では、マスターさんはこちらでお待ち下さい」
そういって、待ち合い場所と休憩場所を兼ねているであろうスペースへ案内された。
残念ながらここからは、体験キッチンは見えない。
見えないが……アールがどんなことをしているかは、想像がついた。
『きゃぁぁぁ!! え、えっと!』
そう……この、悲鳴のような叫び声で………
「いよいよです」
アールがまた妙なオーラを出し始めました。
「大丈夫かな……」
エルもアールを見て心配している様子。
ブースでカタログを貰い、ヘンデルとグレーテルの説明を受けて、体験とお菓子作りの参加登録をした。
「では、マスターさんはこちらでお待ち下さい」
そういって、待ち合い場所と休憩場所を兼ねているであろうスペースへ案内された。
残念ながらここからは、体験キッチンは見えない。
見えないが……アールがどんなことをしているかは、想像がついた。
『きゃぁぁぁ!! え、えっと!』
そう……この、悲鳴のような叫び声で………
『あわわわ! 大変!』
『あ、あの、落ち着いて。落ち着いて火を消してください』
『あ、あの、落ち着いて。落ち着いて火を消してください』
『あ! 入れすぎです! 半分取り除いてください』
『は、はい! きゃぁぁ!!』
ガシャーン!
『は、はい! きゃぁぁ!!』
ガシャーン!
「え…っと、マスター……」
「言うな……」
エルが俺のほうを見ている。
確かに、アールが料理をするのは初めてだが、こうなるとは思わなかった。
他のテーブルでは、自分の作ったお菓子を食べて貰って喜んでいる神姫の姿が見える。
微笑ましいその光景は、羨ましかった。
そして、待つことしばし、ついにやって来た。
「ますたぁー、お待たせしましたぁ」
カートの上に銀色の蓋がついた容器を乗せ、さらにアールがその上に乗って、係りの人に押されてやってきた。
係りの人が容器をテーブルに移す。
「さあ、食べてください」
満面の笑みでこっちを見ているアール。
「あ、うん」
覚悟を決めて、蓋を取る。
「お?」
「あれ?」
俺とエルは拍子抜けの声をだした。そこには、まともな出来のクッキー。
「もう! なんですか、その表情は」
腰に手を当ててプリプリ怒るアール。
「あ…ああ、がんばったな」
よしよしと頭を撫でてやる。
「はい……」
ぽっと頬を染めてはにかむアール。
クッキーをひとつ摘んで食べてみる。
「お! うまい」
ふつうのバタークッキーだが、アールが一所懸命作ったものだから、さらに美味しく感じた。
サービスで出されたコーヒーと一緒に、三人で全部食べきった。
「言うな……」
エルが俺のほうを見ている。
確かに、アールが料理をするのは初めてだが、こうなるとは思わなかった。
他のテーブルでは、自分の作ったお菓子を食べて貰って喜んでいる神姫の姿が見える。
微笑ましいその光景は、羨ましかった。
そして、待つことしばし、ついにやって来た。
「ますたぁー、お待たせしましたぁ」
カートの上に銀色の蓋がついた容器を乗せ、さらにアールがその上に乗って、係りの人に押されてやってきた。
係りの人が容器をテーブルに移す。
「さあ、食べてください」
満面の笑みでこっちを見ているアール。
「あ、うん」
覚悟を決めて、蓋を取る。
「お?」
「あれ?」
俺とエルは拍子抜けの声をだした。そこには、まともな出来のクッキー。
「もう! なんですか、その表情は」
腰に手を当ててプリプリ怒るアール。
「あ…ああ、がんばったな」
よしよしと頭を撫でてやる。
「はい……」
ぽっと頬を染めてはにかむアール。
クッキーをひとつ摘んで食べてみる。
「お! うまい」
ふつうのバタークッキーだが、アールが一所懸命作ったものだから、さらに美味しく感じた。
サービスで出されたコーヒーと一緒に、三人で全部食べきった。
ブースから出るとき、体験キッチンを見ると料理指導のハウリンが、非常に疲れた様子をしていたのが目に止まった。
そして、アールの方を見ると
「はい?」
と首を傾げた。
何となく、このことは触れてはいけないと悟った俺だった。
そして、アールの方を見ると
「はい?」
と首を傾げた。
何となく、このことは触れてはいけないと悟った俺だった。