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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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武装神姫のリン
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  人間が生きていく上で最低限必要な物が三つある。
一つは衣服。
一つは住居。
一つは食事。
最低限、これらがあれば人間は生きていけるという。
が、しかしだ。
それらはそこらかしこに転がっている訳ではない。
それらは何の労力を使わずに入手出来る訳ではない。
それらを揃えるのに必要なものが一つある。
金だ。
この世で最も大事な物の一つ。
そして、人間が生活していく上で必要不可欠な物。
それはそこらかしこに転がっているかもしれない。
しかし、それは雀の涙程でしかない。
それは何の労力も使わずに入手出来るかもしれない。
しかし、それも雀の涙程だ。
生活していく為に充分な量の金を稼ぐには、汗水垂らして働くしかない。
それが金という物だ。


 今日は快晴、気温も寒すぎず暑すぎずにすごし易く、風もそよ風程度。
外出にはもってこいの一日だと言える。
そんな日には弁当の一つでも持ってピクニックにでも行きたくなるのものだ。
この俺、倉内 恵太郎もそんな素敵な気分に晒されながら今日という素晴らしい一日を満喫していた。
「マスター、ジェットスラスターのタービンはどれを使いましょうか?」
「レニオスの8型で頼む」
カーテンの隙間から差し込む僅かな日光が薄暗い部屋に充満するほこりを照らし出している。
狭い部屋にはところ狭しとぼろぼろのダンボールが詰まれ、破れた箇所から金属のようなものがはみ出している。
部屋の中央に鎮座するちゃぶ台の上には大量のパーツが詰まれている。
そのちゃぶ台を挟み、向かい合うように座る俺とナル。
俺はPCに向かい神姫との神経接続とパルスの強弱、信号の精度を設定している。
ナルはその手に神姫用多目的ツールを、背部にストラーフ本来の機械腕を装着し、神姫サイズの精密機械相手に格闘している。
「マスター、島田重工の箱を取って頂けますか?」
「あいよ」
俺はPCから視線を外し、重い腰を上げた。
狭い部屋を見回して島田重工と書かれたダンボールを探す。
何を隠そうこの周囲に詰まれるダンボールの山、その全てに神姫用パーツが満載されている。
EDEN-PLASTICS、島田重工、BLADEダイナミクス、カサハラ・インダストリアル。
神姫好きなら一度は聞いたことのあるであろう企業の純正品、それらが大量に死蔵されてるのだ。
元を正せば俺が店頭で見かける度にちょくちょく買い漁っていたのが原因なのだが、男という生き物はいつまで経ってもそういう事が好きなもので、幼少の頃はプラモを山のように買っては積んでいたのを今でも覚えている。
それはさておき、案の定買うだけ買って全く使わないパーツも多数ある。
否、その九割が未使用で新品同様だ。
一割はナルの内部機構、旧銃鋼、ブーストアーマー等多数に一応使ったのだ。
だが、それでもまだ大量に使い道の無いパーツが積まれているのだ。
以前は買うごとにナルのお小言を頂戴するハメになり、心身ともに疲れたものだ。
だが、今は違う。
俺の財政を圧迫していた大人買いも今は俺の財政源となっている。
武装神姫の由縁たる『武装』。
それは企業・個人問わず多種多様な武装が市場に溢れている。
大抵、そういうものは大企業か著名なデザイナーが販売するのが普通だ。
しかし、大々的では無いものの、個人による武装販売というのも確かに存在する。
個人はイベントやインターネットを介した自作武装の販売が一般的である。
そう、何を隠そうこの俺も神姫の自作武装を販売する人間だ。
俺の場合はインターネットを介し、客の要望を聞く。
そして、予算や期間などを見積もり俺とナルが武装を製作し、客に郵送する。
これがまたかなり儲かるのだ。
一般に広く普及した神姫の用途は基本、バトルだ。
今は街中に留まらず学校の中にまでバトルスペースを導入している。
供給があるのは需要があるからだ。
そして、神姫の広いカスタイマイズ性。
人は基本的に人と同じ、というのを嫌うものだ。
その結果、市場には細かな神姫用のパーツが氾濫し、自分だけの神姫を作ることが出来る。
それでもまだ、人と被る事を嫌がる人間もいる。
俺の客はそういう種類の人間だ。
完全オリジナル。
オーダーメイド。
フルスクラッチモデル。
そういう言葉をちらつかせれば如何に無名の俺と言えど、それなりに客は引っかかるのだ。
が、だからと言って手抜きは一切しない。
ネジ一本からCPUに至るまで、品質には気を配る。
武装の試運転は念入りに行い、誤作動など無いようにする。
武装の品質がそのまま俺への信用に繋がるのだ。
「…これだな」
ベッドの上に山済みにされたダンボールの海の中、目的のダンボール箱があった。
俺は足元に注意しながらそこに近づき、周囲のダンボールを掻き分けてそれを持ち上げた。
顔の直ぐ下にあるダンボールから立ち上るホコリと機械油の臭いに顔をしかめながらナルの元へとそれを運ぶ。
「お待ちぃ」
中のパーツが傷つかないように心なしゆっくりとダンボールを床に下ろす。
「ありがとうございます、マスター」
そういうと、ナルはストラーフの機械腕を稼動させてダンボールを開け、ビニール袋に包まれたパーツ類をちゃぶ台の上に乗っけていく。
俺も再びPCに向かい、自分の作業に戻ることにした。
『ピンポーン』
来客を告げる呼び鈴が久しぶりに鳴り響いた。
扉の前には「新聞勧誘お断り」と「キャッチセールスお断り」のシールが張ってあるのでその線は無いだろう。
だとすれば大家の家賃収集か宅配便だが、どちらも心当たりが無い。
考えられるとすれば―――考えたくはないが―――警察というのも有り得る。
多少緊張を孕みつつ、俺は音を立てないようゆっくりと立ち上がった。
足元を覆いつくすダンボールを蹴らない様に注意しつつ、そう遠くない玄関へ向かう。
『ピンポーン』
台所が隣にある玄関へと辿り着いた俺はまず、覗き窓から外の様子を伺うことにした。
が、その時。
「しーしょー!お見舞いに来ましたー!」
玄関の扉をドンドン叩きながら大きな声で俺の事を呼ぶ声がした。
「アリカ、近所迷惑よ~」
覗き窓を見るまでも無く、そこにいるのがアリカと茜の二人であることは容易に想像できた。
(空けたくねぇ…)
今この扉を開ければ作業は中断を余儀なくされるだろう。
しかし、開けない場合はアリカはしつこく扉を叩き続け周囲に騒音を撒き散らすだろう。
そうなった結果、お隣さんとの付き合いが悪くなる可能性も充分にある。
近所付き合いの悪化によってかつては殺人事件さえ引き起こしたと聞く。
作業の締め切り自体はあと数日残っている。
「…いるから静かにしてくれ」
俺は観念して扉を開けた。
「お邪魔します、師匠!」
「出来れば邪魔はして欲しくないがな…」
扉を開けた瞬間、アリカはずけずけと部屋に上がりこんだ。
俺はそれに軽い眩暈を覚えた。
「どうしてもアリカが気になるからって来ちゃいました」
止めようと思えば止められた筈の茜も茜だと思ったが、それは口にしないで置いた。
「師匠…どうしたんですか?」
扉を閉め、振り返った俺に浴びせられた言葉は実に酷いものだ。
「すんごい散かってる…」
アリカは部屋を見回しながら言った。
「ダンボールには触るなよ」
俺はそういうと、足元のダンボールを数個持ち上げて隅に積んだ。
そうして出来たスペースに座布団を投げ置くとアリカと茜に言った。
「とりあえず座れ、話はそれからだ」
「それじゃあ失礼しま~す」
「今日は本当に散かってますねぇ、どうしたんですか~」
それぞれ違うことを言いながら座る二人を尻目に、俺は茶を淹れる為に台所へと向かう。
小さな食器棚の扉を開け、茶葉筒を取り出し蓋を開ける。
(…腐ってはいないか)
最後に開けたのが何時かは思い出せないそれだが、臭いから判断するに腐ってはいなさそうだ。
それを確認した後、ヤカンに水をいれてコンロにかけた。
水が沸騰するまでの間に急須の用意をする。
茶葉を適当に入れて湯のみを取り出す。
後は水が沸くのを待つだけだ。
「そうだ師匠、どうしたんですか学校に休学届けなんか出して!」
居間にいるアリカが声を張り上げて言った。
俺がアリカに背を向けていると言え、そんなに大きな声で言う事もなかろうに。
「…茜に聞け」
俺が説明してもいいのだが、それはそれで面倒くさい。
第一、アリカに俺の個人的な事情を話す義理もない。
しかし、今の俺がすることばアリカを早急に立ち去らせることだ。
茜に任せておけば、多分上手く説明してくれるだろう。
「何で?」
アリカは首だけをくるりと茜の方に向けた。
「先輩はねぇ…大学に入学した直後、新手の詐欺にかかって多額の借金を負ってしまったの…それを返済するために暇を見ては内職を…」
前言撤回。
ハンカチを片手に目じりを拭うようにしながら平然と嘘を付く茜。
しかし、その口元は確かに笑っている。
「師匠…本当なんですか!?」
ばっ、と振り返り涙目で俺を見つめるアリカ。
「んな訳ねーだろ」
それから視線を外して沸いたお湯を急須に注ぐ。
「先輩ノリが悪いですね~」
急須を軽く回しながら悪びれようともしない茜をどうしようかと頭を痛める。
「なんでウソ言うのよッ!」
「人生を面白くするのは一つの真実、百の嘘なのよ~」
女が三人寄れば姦しいとは良く言ったものだが、この場合二人寄ったら喧しいだ。
「とりあえず騒ぐな」
湯気の立つ湯呑みを二人の前に置き、俺も適当に場所を開けて腰を落とした。
とりあえず俺も茶を飲む事にした。
我ながら丁度良い濃さで淹れられており、大変おいしい。
「…で、師匠。なんで学校休んでるんですか?」
同じく茶を飲んで一段落着いたアリカが口を開いた。
どう説明したものか、俺は湯呑みを睨みつつ数瞬逡巡した。
「マスターが大学に休学届けを出したのは学費と生活費を稼ぐためです」
俺の前方、ちゃぶ台の上を台拭きで拭きながらナルが言った。
「そうなの?」
「はい。マスターと私で神姫用の武装を製作し、それを販売することで学費と生活費を稼いでいるのです」
俺が言わんとすることを手短に説明してくれた相棒に俺は視線だけで礼を言った。
「…でも、なんで学校休む必要あるんですか? 施設とかなら学校の方が整ってると思うんですけど…」
アリカが部屋を見渡しながら言った。
なるほど、確かにこの部屋は神姫の武装を作るには適さない。
アリカにしてはなかなか的確なツッコミだ。
「あのだいが」
「あの大学は研究以外での施設利用は禁じられてるのよ」
俺が説明しようと口を開きかけたその瞬間、茜が先に言ってしまった。
俺は半開きの口を渋々閉じて、その後に続く説明を考える。
「へ、どうゆこと?」
アリカは小首を傾げている。
「あそこはな」
「あの大学は研究以外では一切の機材・施設を使わせないのよ」
コイツ、絶対にワザとやってやがる。
その証拠に楽しそうな眼で俺のことを見てやがる。
「…だから、俺はココで内職してるんだよ」
他に言うことが無いので何とか締め括ろうと言葉を紡ぐ。
これまでの情報を統括すれば普通の人間ならとっとと出て行くだろう。
「そっか…師匠って大変なんですね…
アタシに何かお手伝いできること無いですか!」
そんなささやかな願いは無残にも打ち砕かれた。
「いや、それよりとっととかえ」
「そうよね、先輩も一人じゃ大変よね」
更に踏み砕かれた。


結局、あれから無理やりアリカと茜は俺の仕事を手伝った。
茜はまだ良いが、アリカは本当に邪魔というしかなかった。
パーツを探すと言ってはダンボールを引っくり返し。
パーツを組み立てるといっては盛大に失敗し。
それに懲りて差し入れを作るといっては台所を爆発させ。
そんなこんなで日も暮れて、本気でアリカと茜を帰そうと言う事に相成った。
「うぅ…師匠、スイマセンお邪魔してしまって…」
アリカは全身ホコリとススと得体の知れない汚れだらけになりながらヘコヘコ頭を下げている。
帰るときに説教の一つでも垂れてやろうかと思ったが、そういう態度を取られるとどうも辛い。
「分かったからとっとと帰れ」
俺の態度はどっからどう見ても不機嫌そうに見えたことだろう。
本当の所、ありがとうの一言でも言ってやりたいところだがどうも喉辺りでつっかえてしまう。
「それじゃあ、先輩。お仕事頑張って下さいね~」
茜は茜でいつも飄々としているが、今この時だけはかなり楽しそうに見える。
「ああ、先輩達によろしくな」
「孝也先輩にもよろしく言っときますね~」
明らかに顔を顰める俺に、茜はさも面白そうに微笑んだ。
全く持って食えない奴だと思う。
「…それじゃ師匠、失礼します」
アリカはペコリと頭を下げるとトボトボと歩き出した。
それに一歩遅れて茜が歩き出す。
が、一瞬俺の顔を見やがった。
何故か凄まじい罪悪感を感じる。
「……試作品出来たらバトル付き合え!」
自分でも何でこんな事を言ったのか解らない。
だけど、喉から勝手に出てきてしまったのだから仕方が無い。
アリカはびくりと身体を強張らせ、一瞬の後勢い良く振り返った。
「はい! 喜んでッ!」
満面の、こちらまで嬉しくなる様な屈託の無い笑み。
釣られて笑いそうになるのを必死で堪える。
「それじゃっ!」
そう言うとさっきとは打って変わって早足で帰路に向かった。
茜も軽く頭を下げ、アリカを追った。
その表情も、アリカ程ではないが良い顔だった。
俺は一瞬二人の姿を見送ると、直ぐに玄関の戸を閉めた。
「ふぅ…」
何故か溜息が出た。
確かに疲れた。
けど、嫌な溜息ではない。
「マスター、楽しそうですね」
俺の胸ポケットからナルが声をかけてきた。
「そうか?」
「ええ、凄く楽しそうです」
俺にはその自覚は一切無いのだが、ナルが言うのだからそうなのだろう。
「楽しい、ね…」
思い返せば楽しい、と実感した事など余り無かった気がする。
幼少の時分には一度だけ遊園地に連れて行かれた事もあるが、両親共にジェットコースター初めあらゆる乗り物がダメで、俺が介抱してた嫌な思い出しかない。
小学校の頃も無愛想なガキだったと思う。
友達も人並みにいたが、深夜の学校に潜り込むとか下水道探検するとかそんな事も無かったので対して思い出に無い。
中学・高校と勉強積けだったので楽しい、と思う暇も無かった。
いや、ナルと出会ってからは変わった用に思う。
勉強一辺倒の高校生の時分に初めて神姫を手にして以来、神姫にどっぷりと嵌ってしまった。
学校が終われば直ぐにセンターに赴きバトル三昧。
「マスター、どうしました?」
ぼーとしてたのだろう、ナルが気遣わしげに声をかけてきた。
「いや、ちょっと考え事をね」
あの時の楽しいは違う。
今のナルの顔を見ると心底そう思う。
やがて大学に入り、入学式で裕也先輩と裕子先輩と出会った。
あれから一年と少ししか経っていないけど本当に、色々あった。
思い返せば泡の様に記憶が浮かび上がってくる。
裕也先輩に引っ張りまわされた事。
裕子先輩に叱られた事。
孝也に付き纏われた事。
茜に弄られた事。
そして、アリカに出会った事。
驚くほどに密度のある毎日だった。
「…今日の仕事はこれくらいにしとくか」
「マスター?」
その毎日のきっかけは、武装神姫だった。
「締め切りまでまだ時間はある。たまには骨抜きでもしないとな?」
「マスターがそう言うのでしたら…」
武装神姫を通じて知り合った皆。
「今日は鳳凰杯の特番があったな、それでも見よう」
「そういえばもうそんな時期ですね」
その毎日を齎してくれたナルに、最大限の感謝を。







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