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第3話   初めてのおでかけ


日曜だというのに、俺は昼間からベッドに横になってマンガを読んでいた。
アールはというと、床に置いてやったプレイヤーの前に座って、音楽を聴いている。
マンガを読み終わった俺は、新巻が出ていることに気が付いて、ピンと閃いた。
「アール、武装するから机に乗って」
「はい」
アールは返事をすると立ち上がり、机に向かって走る。
そして、ジャンプして椅子に手をかけ、身体を捻り椅子の上へ、さらにジャンプして机の上に行く。
相変わらず見事な動きだ。
俺は、武装パーツの入った箱を持って椅子に座った。
「……マスター…」
アールの声に、ん?と振り向く。
「……あ、あの……やさしく……して……ください…ね……」
潤んだ目を上目づかいで、か細く言ってきた。
俺は、顔が一気に熱くなるのを感じた。
「ば! おま!! な!」
バカッ お前何いってんだ! と言いたかったが、口からはそれしか出ない。
俺が焦っているのを見ていたアールの顔が、にやぁっと笑い顔に変わっていった。
「ぷっ! うふっ ふふふふっ」
アールが笑い出したので、俺はしまったと思った。
「いつも、からかわれているから、おかえしです」
してやったりと笑顔のアール。
「む~、んなことしてると武装してやらんぞ」
「うふふ、はい、ごめんなさい」
謝るアールだが、まだ笑っていた。
「ったく」
俺は恥ずかしさを隠しながら、アールの武装を始めた。
普段は体内にしまわれている接続部を、手首、二の腕、太ももから引き出す。
そこにパーツをくっつけていく。
アールを持ち上げ、長い髪を掻き分け、背中から接続部を取り出すと翼をつけた。
この長い髪も、特殊金属で設定によって長さを変えれるらしい。
足にブースターを履かせて、胸アーマー、ヘッドギアを取り付けて武装完了。
手を広げると、アールは浮かび上がり、俺の頭上で旋回する。
「よし、出かけるぞ」
アールに言うと、ビックリした様子で目の高さまで降りてくる。
「え? 外ですか?」
「いやか?」
「いいえ!」
ぶんぶんと首を横に振るアール。
そして、俺はアールを連れて出かけた。
あまり外へ出したことが無いので、アールはあっちこっちへと飛び回って楽しんでるようだ。
大型家電店の前に来た時、店頭モニターに神姫同士が戦う映像が流れていた。
どうやらどこかの大会の映像らしい。
俺はその映像に見入っていると、アールが俺の頭にしがみついてきた。
「こういうの、嫌いか?」
頭の上のアールに聞いた。
「はい。あまりこういうのは……」
すこし震えているようだ。神姫同士がぶつかり、傷つけあい、オイルという血を流し合う。
そんな映像を見たのだから無理もないだろう。
「ダンス大会なら、アールが優勝なのにな」
「もう! マスターはまたそうやって!」
頭の上で赤い顔で怒っているであろうアールを想像して可笑しくなったが、アールの震えは止まったようだ。
「よし! 次いこう」
アールを頭に乗せたままその場を去る。

目的のマンガやアールが欲しいと言ったアクセサリーを買った帰りに、ふとアールに聞いてみた。
「アール、妹欲しくないか?」
「妹……ですか?」
「ああ、もう一体神姫買おうかと思うんだけどな」
「そうですねぇ、お友達とか妹が増えるのは嬉しいですけど、ちょっと寂しいです」
「なにがだ?」
「……マスターを……独り占め出来なくなりますから」
「ったく、言ってろ」
「うふふふ」
この日、二度目の顔が熱くなるのを感じた俺だった。

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