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第4幕「視線を移した先」


 友人、結城セツナとその新しい神姫、焔がお互いにうなだれ、そして気まずそうな雰囲気を醸しているのを見た式部敦詞は、それでもその二人に声をかける事をためらった。
 そこには自分が立ち入っちゃいけない何かがあると、直感したのだ。
 だがさりとて、友人をそのまま放っておける性格でもない敦詞は、少し思案した後に携帯を取り出した。



 一番最初に焔と交わした約束を、セツナはとうとう守る事ができなかった。
 いや、それこそ初めから無理難題ではあったのだから、それを遂行できなかったセツナに落ち度があったわけではない。
 年が明けて最初の登校日を迎えた朝も、焔は未だサード・ランクに名を留めたままであった。
 あの日、敦詞ときらりに負けてから、セツナと焔の関係はギクシャクとしたままで、無論そんなコンディションでは勝てる戦いも逃してしまう。
 勝率は一気に下がった。
 それでもセツナと焔は、お互いその事について触れようとしない。
 お互いに何かを恐れるように。
 だがそれでも、セツナと焔は毎日バトルを続けた。
 それはもうただの意地の様でいて、でも実際はそれでしかお互いを繋ぎとめる術が無いと錯覚していたからで。
 不毛。
 そして悪循環。
 それを認めることが出来ないまま、今日もセツナと焔は神姫センターにいた。
「やあ、久しぶりだね」
 そう言ってセツナと焔のいる席に同席したのは司馬仙太郎(しば・せんたろう)だった。
 その傍らには彼の神姫、ナイアもいる。
 そのナイアを見て、セツナは驚いたように言った。
「……随分と印象が変わったものね」
「ははは。やっぱりボードゲーム愛好家でTRPG好きとあったら、この武装は避けて通れないでしょう」
「おかげで戦略も何も一から練り直しだけどネッ」
 今までのゴテゴテとした姿から一変し、一部の隙も無い騎士の姿がそこにあった。
 要するに今のナイアは、ストラーフのコアパーツにアーンヴァルの素体、それにサイフォスの武装を施した格好である。
 さすがに兜はつけてはいないが、それさえも
「ライトノベルのファンタジーで、ビジュアル的に言えば兜をつける戦士はいないからね」
 と仙太郎は嘯く。
「……ご主人、その方たちはどなたですか?」
 親しげに己が主人と会話する男とその神姫を交互に見ながら、焔は遠慮がちに尋ねた。
 それを受け、セツナが紹介する前に仙太郎が口を開く。
「こんにちわ。オレの名前は司馬仙太郎。コイツはナイア。君のご主人様とは……ゆ、友人だよ。よろしく」
 何故か若干言いよどんだが、それでも仙太郎は焔に笑顔を見せる。それに次いでナイアも笑みを浮かべた。
「凄~い。私と対になってるネッ」
 何が嬉しいのか、ナイアは焔の手を取るとニコニコと笑った。
 手を取られた焔はあっけに取られている。そしておずおずと、
「よ……よろしくおねがいします」
 と言うしか出来なかった。



 どうしてこんな事になっているのだろう。
 焔は未だ混乱する頭で考えていた。
 焔とナイアの二人はヴァーチャルスペースにいる。
 狭い洞窟の中で対峙していた。
 それだけなら別に不自然な事ではない。
 互いのランクが違っていても、フリーバトルであるのならおかしな事ではなかった。
 それでも焔は考える。
 どうしてこんな事になっているのだろう、と。
『焔くん、ただ睨めっこしてるだけじゃバトルにならないよ?』
 自身のオーナーブースより聞こえてくるのは男の声。
 本来なら焔ではなくナイアが聞くはずの、仙太郎の声だった。
「それじゃあ、イッチョ行きますか」
 一切の気負いも感じられずにナイアはそう言うと、コルヌを抜き払い近づく。
 いかにもやる気なさそうだった口調と裏腹に、その動きは速い。
「ちょっ……待って!」
「待った、なーし」
 まさしく問答無用といった体でナイアは手にしたコルヌを打ち付ける。
 未だ混乱から冷めていない焔は、それでもどうにか斬破刀“多々良”でナイアのその一撃を受け止めた。
『焔くん、そのまま刃を滑らせてナイアの懐に入って』
「え? え?」
 混乱しながらも仙太郎の指示に従って動く。金属同士が擦れ合う音をたてて、ナイアのコルヌに沿い、しゃがみこむ様に懐にもぐる焔。
「おっと」
 焔が懐に入る事を嫌い、ナイアは焔から見て右方向へと飛ぶ。
『ナイアが飛ぶのと同じ方向に飛んで』
 ほぼ反射的に仙太郎の指示に従った焔は、ナイアとの相対距離を代えることなく移動。
「なんだ、やればできんじゃん」
 嬉しそうにそうつぶやいたナイアは自身の全体重をコルヌに乗せる。フルプレートの重量も合わさったその全てが、“多々良”を通して焔に負荷を与えた。
『刀を通して全て受け流して』
 言われたままに動く。とは言っても、ただ刀を切っ先の方へ傾けただけだ。
 だが、体の全てを焔に預けた格好になっていたナイアは、その焔の挙動だけでバランスを崩す。
『その勢いを殺さず、柄尻で攻撃』
 ナイアの重さで跳ね上げられた“多々良”の柄を、バランスを崩し倒れ掛かるナイアの顔面にヒットさせる。
『ナイアがひるんだ隙に、返す刀で薙いで』
 ただそれだけの最小限の動きで、焔はセカンド・ランカーにあっけなく勝利した。



 本来自分のいる場所の反対側からバトルの行方をただ見ていたセツナは、仙太郎とナイアの真意を図りかねていた。
 お互いの神姫を交換してバトルしてみよう、と言われ、半ば強引に連れて行かれたオーナーブースに入るなりナイアは
「とにかく黙って見ててね~」
 と言い、さっさとアクセスポッドに入ってしまった。
 そして、これである。
 意図が読めようはずも無い。
 一方焔はというと、不思議そうな顔でアクセスポッドから出てきた。
 あまりにもあっさりと勝敗が付いた事に驚いている。
 だから
「どうしてワタシは勝てたのでしょう?」
 と、どこか間の抜けた風に仙太郎に問うた。
 その仙太郎は普段の人の良さそうな笑みを消し、真面目な顔で焔に接する。
「簡単な話だよ。君は僕の指示に従った。で、ナイアは自分勝手に戦った。実力に差があっても、無いのならなおさら、一人で戦うよりは二人で戦ったほうがいい」
 単純な事だよね、とそこで仙太郎はいつもの柔和な顔を取り戻す。
 なおも何かを問おうとする焔を、ナイアの声が遮った。
「ますたー、負けちゃったヨ!」
 対面のブースから、セツナを置いてさっさと自身のマスターの所へ飛びつく。
「ごめんな、変な事頼んじゃって」
「いいんだヨ? 言いたい事は解ってるから」
 何気ないその会話を聞き、焔は自問する。
『ワタシは、ご主人の言いたい事、やりたい事などを理解しようとしていただろうか?』
 ナイアより遅れてやってきた自分のオーナーの顔を、焔はジッと見つめた。

 見つめた先にあるものの正体を、未だ理解出来ないままに。


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