「うん、それじゃやってみるか!」
けど。
「…そのうち」
は?といった表情を浮かべきょとんとする皆さん。
「あの、お兄ちゃん、そのうちって…?」
「うん、なんていうかな、普通の装備で戦わせたくないんだよ、俺。ほら、いるだろドキドキ…とか隻眼の…とか。バトルするときはやっぱ何か特別さをだな…」
まぁ、一応構想はできているが、そのための装備とプログラムがまだ完成していない、と説明してみた。
「わ、私あんまり恥ずかしいのは…」
「おー!たまも可愛い衣裳で戦いたいよー!」
と、まぁ2人は予想どおりの反応。
「そうなんだ~、なら仕方ないね~。それ、できたら一緒にバトルしようね~」
と、間宮も言ってくれた。けど、あの状態の間宮とアイカと戦うのは恐い気もする…
「あ、あの…構想…ってどんな…ぁ…ごめんなさぃ…」
めずらしくアイカが聞いてくる。
「うーん、それはできてからのお楽しみというか。テーマは創造力なんだけどな」
と、教えてやるがかえってややこしくしたような気もしないでもない。
そんな話をしているとき、なんだか近づいてくる男がいた。
「ふん、女の子連れて神姫バトルとはいい身分だな!しかも神姫にお兄ちゃんなんて呼ばせてるのか!おー、恥ずかしい恥ずかしい」
なんかいきなり嫌味っぽいことを言ってきた。なんなんだこいつは。
「いやいや、お前いきなりなんなんだ?」
「さっきから聞いてりゃお兄ちゃんなんて呼ばせてデレデレしてる奴がバトル語ってんじゃねーよ、武器がなきゃ戦えないのか?」
「人がなんて呼ばせようと勝手だろうが。それに武装が完成しなきゃ戦えないわけじゃねぇよ、なんなら今ここで…」
「やめて、悠君!」
頭にきて対抗しちゃってたらしい。間宮に止められた。
「へっ、女に助けられたな、お兄ちゃん」
こいつ…怒りを抑えて場を鎮めようと考えていたその時だ。
「もぉっ!ごしゅじんたますぐ喧嘩売るんだからっ!悠さん…でしたか?ごめんなさい、ごしゅじんたまが…」
ヤツのポケットからハウリンタイプの神姫が出てきてそう言った。
「……ごしゅじんたま?」
そうつぶやくことしか俺にはできなかった。
「ななななんでお前はこういうタイミングで出てくるんだよっ!!それにその呼び方はやめろっての!」
ヤツが騒いでるうちに呆気にとられていた俺の意志もだんだん回復してきた。
「お前、人のことは言うくせに自分じゃ『ごしゅじんたま』かよ!」
と、誰もが思うだろうツッコミを入れてやった。
「ううううるさいっ!これはこいつが勝手にっ!!あーっ!畜生!こうなりゃ素人もクソもあるか!神姫バトルでケリつけてやる!来週のこの時間にここに来い!いいか、逃げるんじゃねーぞ!!行くぞユメ!」
と、わけのわからない要求を叩きつけて逃げていった。
「なんだったんだアイツは…」
「ユメって言ってたよねぇ…あ、そうだ~、あの人西木慶太君だよ、セカンドランカーの~」
「は!?セカンド!?てかなんで知ってるんだ?」
「この辺だと有名なんだよ、『デイドリーム・ユメ』って。結構強いんだ~。そのマスターが西木君なの~」
間宮が言う『強い』にあまり信憑性はないが、なんだか強そうな二つ名が付いてるあたり強い気はする、あんなヤツだが…
「で、そんな強いヤツに戦いを申し込まれた俺はどうすればいいだろう?」
「うーん、いい経験にはなるんじゃないかな~。でも、相手が相手だから逃げても大丈夫だと思うよ~」
逃げてもって…そんな言い方されたらやるしかないじゃないか。そうなれば例の武装も完成させて…
「わかった、やる。いいよな、ぽち、たま?」
「さっきも言いましたが、恥ずかしい格好じゃなければ」
「おおあばれするぞー!おー!」
そのうち…とか言ってたのが来週になってしまった。が、まぁいいや。武装はあと3、4日もあればできるだろうし、基本装備は揃ってる。
「わぁ、悠君ならやるって言うと思ってたよ~、楽しみにしてるね~」
「ぁ…あの、応援…しま…す…」
セカンド相手だろうが初バトルだろうが知るか。とりあえずやるだけやってやるさ。
その日はぽちとたまの登録だけして帰ることにした。
けど。
「…そのうち」
は?といった表情を浮かべきょとんとする皆さん。
「あの、お兄ちゃん、そのうちって…?」
「うん、なんていうかな、普通の装備で戦わせたくないんだよ、俺。ほら、いるだろドキドキ…とか隻眼の…とか。バトルするときはやっぱ何か特別さをだな…」
まぁ、一応構想はできているが、そのための装備とプログラムがまだ完成していない、と説明してみた。
「わ、私あんまり恥ずかしいのは…」
「おー!たまも可愛い衣裳で戦いたいよー!」
と、まぁ2人は予想どおりの反応。
「そうなんだ~、なら仕方ないね~。それ、できたら一緒にバトルしようね~」
と、間宮も言ってくれた。けど、あの状態の間宮とアイカと戦うのは恐い気もする…
「あ、あの…構想…ってどんな…ぁ…ごめんなさぃ…」
めずらしくアイカが聞いてくる。
「うーん、それはできてからのお楽しみというか。テーマは創造力なんだけどな」
と、教えてやるがかえってややこしくしたような気もしないでもない。
そんな話をしているとき、なんだか近づいてくる男がいた。
「ふん、女の子連れて神姫バトルとはいい身分だな!しかも神姫にお兄ちゃんなんて呼ばせてるのか!おー、恥ずかしい恥ずかしい」
なんかいきなり嫌味っぽいことを言ってきた。なんなんだこいつは。
「いやいや、お前いきなりなんなんだ?」
「さっきから聞いてりゃお兄ちゃんなんて呼ばせてデレデレしてる奴がバトル語ってんじゃねーよ、武器がなきゃ戦えないのか?」
「人がなんて呼ばせようと勝手だろうが。それに武装が完成しなきゃ戦えないわけじゃねぇよ、なんなら今ここで…」
「やめて、悠君!」
頭にきて対抗しちゃってたらしい。間宮に止められた。
「へっ、女に助けられたな、お兄ちゃん」
こいつ…怒りを抑えて場を鎮めようと考えていたその時だ。
「もぉっ!ごしゅじんたますぐ喧嘩売るんだからっ!悠さん…でしたか?ごめんなさい、ごしゅじんたまが…」
ヤツのポケットからハウリンタイプの神姫が出てきてそう言った。
「……ごしゅじんたま?」
そうつぶやくことしか俺にはできなかった。
「ななななんでお前はこういうタイミングで出てくるんだよっ!!それにその呼び方はやめろっての!」
ヤツが騒いでるうちに呆気にとられていた俺の意志もだんだん回復してきた。
「お前、人のことは言うくせに自分じゃ『ごしゅじんたま』かよ!」
と、誰もが思うだろうツッコミを入れてやった。
「ううううるさいっ!これはこいつが勝手にっ!!あーっ!畜生!こうなりゃ素人もクソもあるか!神姫バトルでケリつけてやる!来週のこの時間にここに来い!いいか、逃げるんじゃねーぞ!!行くぞユメ!」
と、わけのわからない要求を叩きつけて逃げていった。
「なんだったんだアイツは…」
「ユメって言ってたよねぇ…あ、そうだ~、あの人西木慶太君だよ、セカンドランカーの~」
「は!?セカンド!?てかなんで知ってるんだ?」
「この辺だと有名なんだよ、『デイドリーム・ユメ』って。結構強いんだ~。そのマスターが西木君なの~」
間宮が言う『強い』にあまり信憑性はないが、なんだか強そうな二つ名が付いてるあたり強い気はする、あんなヤツだが…
「で、そんな強いヤツに戦いを申し込まれた俺はどうすればいいだろう?」
「うーん、いい経験にはなるんじゃないかな~。でも、相手が相手だから逃げても大丈夫だと思うよ~」
逃げてもって…そんな言い方されたらやるしかないじゃないか。そうなれば例の武装も完成させて…
「わかった、やる。いいよな、ぽち、たま?」
「さっきも言いましたが、恥ずかしい格好じゃなければ」
「おおあばれするぞー!おー!」
そのうち…とか言ってたのが来週になってしまった。が、まぁいいや。武装はあと3、4日もあればできるだろうし、基本装備は揃ってる。
「わぁ、悠君ならやるって言うと思ってたよ~、楽しみにしてるね~」
「ぁ…あの、応援…しま…す…」
セカンド相手だろうが初バトルだろうが知るか。とりあえずやるだけやってやるさ。
その日はぽちとたまの登録だけして帰ることにした。
「お帰りなさーい、遅かったじゃない」
家に帰ると母さんが出迎えてくれた。一人暮らしなもんでこういうのは久々だ。
「あぁ、ちょっと友達と遊んで来たんだ」
そう言いながらボブからの被害チェック。出窓にあった花瓶が無くなってる気がするがまぁ大丈夫だろう。
「そうなの、ご飯できてるわよ」
そう言って食事を準備してくれる。お、肉だ肉!
それからみんなで世間話をしながら食事を済ませ、母さんが帰る時間となった。
「それじゃあ、また来るからね」
「あぁ、待ってるよ」
そうあいさつを済ませると、ぽちとたまには聞こえないように耳打ちしてきた。
「結と舞のこと、いつまでも気にしちゃダメよ」
「いや、大丈夫だよ、心配ない」
「でも…」
「大丈夫だってば」
そう、大丈夫。あの件はもう…
母さんを見送って、その日はすぐに眠りについた。
家に帰ると母さんが出迎えてくれた。一人暮らしなもんでこういうのは久々だ。
「あぁ、ちょっと友達と遊んで来たんだ」
そう言いながらボブからの被害チェック。出窓にあった花瓶が無くなってる気がするがまぁ大丈夫だろう。
「そうなの、ご飯できてるわよ」
そう言って食事を準備してくれる。お、肉だ肉!
それからみんなで世間話をしながら食事を済ませ、母さんが帰る時間となった。
「それじゃあ、また来るからね」
「あぁ、待ってるよ」
そうあいさつを済ませると、ぽちとたまには聞こえないように耳打ちしてきた。
「結と舞のこと、いつまでも気にしちゃダメよ」
「いや、大丈夫だよ、心配ない」
「でも…」
「大丈夫だってば」
そう、大丈夫。あの件はもう…
母さんを見送って、その日はすぐに眠りについた。
つづけ!