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騎士子のヴァレンタイン大作戦





「う~む、困った…」
私はこの時期に殆どの神姫が悩むであろう局面に陥っていた。
もうじき2月14日、聖ヴァレンタインデーである。
完全な扶養家族である神姫は、一部例外を除けば現金とは無縁の生活である。
現金が無い神姫にとって、ヴァレンタインチョコを調達する事は至難の業。
まさかマスターに「ヴァレンタインにあげるチョコを買って欲しい」と言うわけにもいかない。
神姫向けのバイトというのもあるが、この時期には皆同じ事を考える為、出遅れた私にはそのような口も既に無くなっていた。
犬子姉様は普段から模型店で装備の修理等を内職を引き受けたりして収入がある例外的な神姫である。
「はぁ~、私ってつくづく戦闘馬鹿な神姫だなぁ…」
確かに公式バトルでも賞金が入る場合もある。が、その場合はマスターに贈られるのであって神姫に入る訳ではない。
「ん?まてよ…」
バトルの場合、賞金の他に副賞が出る場合もある。
ひょっとしたらチョコでなくてもマスターが喜ぶような副賞が出る大会があるかも知れない。
「えーと、近場でなんか副賞のある大会は…」
インターネットで調べる。
「…これもダメ、これもダメ、…あった!」
『2/14にヴァレンタインカップ開催!参加費無料!マスターに日頃の感謝の気持ちを伝えよう!
優勝商品は特大チョコケーキ!決勝戦出場者にも高級チョコ詰め合わせ!
参加賞にプチチョコレートがあります。 提供 日月シムロ製菓』
…なんか都合の良い話な気もする。しかし他に良い選択肢があるわけではない。どんな裏があってもコレしか無いように思える。
とりあえずどのような形式で行われるのかを見てみよう。
非公式試合。ヴァーチャル戦にて行われるポイント制バトルロイヤル。(最後まで生き残れば勝ちではなく、戦果ポイントによって順位を付ける方式)
予選(10人)を行いその一位のみが決勝(最大20人)に出られる、か。
賞金は出ないが、ヴァーチャルなら出費があるわけじゃない。
なにより試合形式が気に入った。
普通のバトルロイヤルだと最後まで隠れてるような輩がいるが、これだとそのようなマネはできないだろう。
「ふふ、やはり私は戦闘馬鹿な神姫なのだな…」
早速マスターにこの大会への参加をお願いしにいった。




そして試合当日。
「うわ、すげぇ…」
試合会場に着くやマスターが驚きの声を漏らす。
近所に神姫愛好家がこれほどいたのだろうか?と思う程の人、人、人。
公式戦では無い試合でこれほどの規模になろうとは。
やはりどこの神姫も考える事は一緒なのか。
「ご主人様、そろそろ受付を済ませた方がよろしいのでは?」
「っと、そうだな。よし行くぞ!」
「はい!」
予想以上の規模と貰える商品に心躍らせながら会場へと入っていった。

「ではこちらに招待状の提出と参加証の記入をお願いします…はいOKです。では14ブロックからの参加となります。」
「すごい規模だな。20ブロックあってそれぞれ10人だから…200人も参加者がいるのか!」
「といっても普段バトルをしないような方々もおられるようですが。」
姉様の言うとおり、ピカピカの標準武装を付け、それに振り回されているような神姫もいる。
「でも皆さん、愛するマスターの為に頑張って出場なさるのですよね、騎士子さん?」
「え?え?わ、私は…」
「ですが油断は禁物ですよ。セカンドランカーの方もチラホラと…頑張ってくださいね、騎士子さん。応援してますよ。」
姉様は大会には出場しない。
お金があるからではなく、私が来る前にリアル戦で事故に遭い、脊椎ブリッジを損傷し右足が動かなくなってしまったのだ。
その後一度だけ試合に出たが、やはり無理と判断し公式戦からは引退してしまったと聞いた。
家で足を引きずっている姿を見ている私でも、たまに見るフリー対戦をしている様はとてもそのようには見えない程素晴らしい戦いをするのだが。
「姉様も出場なさってみては?」
思わず口に出してしまった。
「いやですよ騎士子さん。ケガ人を担ぎ出さないで下さいよ。」
姉様の答えはいつも変わらない。
そうだ、姉様は後遺症に苦しんでるのだ。それなのに私は…
「っと、いいかげん移動するか。えーと、14ブロックは…っと。」
マスターが微妙な雰囲気を壊すように言った。
「まぁ気が向いたら別の機会にでも出ますよ。それに私は騎士子さんの戦いを特等席から見せて貰いますからね。」
「はい!頑張ります!」
姉様がマスター席から見てるとあっては無様な姿は見せられない。気合を入れて準備を整える。
私はすっかり馴染んだセイバーユニットを身につけ、予選へと臨んだ。

「騎士子さん、張り切りすぎですよ。10人での試合で7人撃破だなんて。」
14ブロックにはセカンドランカーが私以外に一人いたものの、彼女を相手しながら横から撃ってくる輩を牽制し戦っていたら、彼女を撃破した時には他に5人を撃破していた。
その後一人を撃破したらあとの二人はギブアップしたそうだ。
「つーことは実質お前一人で14ブロック全員倒したってことか…やりすぎだろ。」
「まさか牽制で撃ったのに直撃するとは…」
「まぁ他も同じカンジの所があるらしいですよ。ふむふむ…ん?これは面白そうな方が。」
「誰なんだ?面白そうなヤツって?」
「会ってからのお楽しみですよ。」

外では…
「うえ~ん、こわかったよぉ…」
14ブロックに参加した普段バトルをしない神姫である。
「だから無理だって言ったのに。」
「でもマスタと美味しいチョコケーキ食べたかったんだもん…」
「うう、その気持ちだけで俺は嬉しいぜ!帰りに買っていくか!
…しかしあの空飛ぶ騎士、強かったなぁ。」
「うん、そうだね。きっと優勝はあのおねーちゃんだ…」
ふと先ほど行われた試合のVTRが目に留まる。
「うわ…」
モニターには七色のビームを放ちフィールドごと神姫を薙払う巨大な翼を持つアーンヴァルや高速で飛行し巨大なハンマーで神姫を粉砕していくマオチャオ、踊るように神姫を切り刻んでいくストラーフとか様々な神姫の姿が映し出されていた。
「なんか、スゴイとこだね。」
「…そうだな。生きてて良かったな。」
ヴァーチャルだから死なないんですが。




『さぁいよいよヴァレンタインカップ決勝だ!どの神姫が優勝の栄誉と特大チョコケーキを手にするのか目を離せません!それじゃ早速、バトルスタート!』
いよいよ決勝開始。姉様の話によると多数のセカンドランカーがいるらしい。気を引き締めて策敵にかかろうとする。
「お~っほっほっほ!そこの貴方!まるでワタクシに17分割にでもされたそうな装備ですこと。」
上から聞いてるだけで頭痛がしてきそうな声がした。
「なにを訳の分からない事を…」
見上げるとそこにはアーンヴァル型の神姫がいた。その装備は…
「…なるほど、フリーダムか。」
「その通り!偉大なる主人公の前に、単なる脇キャラの貴方は無様に散るしかないのです!」
「いや、主人公とか脇とか関係無いし…」
「おだまりなさい!貴方はワタクシに無様に倒されればそれでいいのです!」
言いながら両腰のレールガンを展開する。
大急ぎで逃げる。直後に私がいた地面に穴が空く。
「お~っほっほっほ!貴方にはクルクル回って逃げ回るのがお似合いですわよ!」
ビームライフルやバラエーナも交え、私に向かって乱射する。
飛行形態へと変形し、避けながら思った。
彼女…出来ない!最初はちゃんと狙えてたものの、こちらが動き出したらきちんと狙えないようだ。
どうやらその姿と火力のゴリ押しで勝ってきたらしい。まぁ実状知らなきゃ威圧感だけはありそうだ。
「ああもうチョコマカと!…大人しくやられなさい!」
たまに正確に飛んできたかと思えばそれは別の神姫だったり。
ん?これは使えるかも…
通常形態へと変形し反転、ビームを放つ。
「お~っほっほっほ!どこを狙っているの?」
フリーダム子目がけて飛んでいったビームは微妙に外れ、その後にいた神姫へと当たる。
彼女を狙ったフリをしてその後のを狙ってるのだが。
「1つ…」
「なにが1つ、ですか!訳の分からないことを言ってないでサッサとやられなさい!」
彼女…自分が狙われていた事に全く気づいてない!
フリーダム子の攻撃を避けながら、彼女を落としに来た神姫を4体ほど落とした。
さすがに近づいてくる神姫は居なくなったようだ。
「ああもう!いいかげんにしなさい!」
ヤケになったのか、全砲門を開いてこっちへと向ける。あれがハイマットフルバーストってやつか。
「これで終わりです!」
七色のビームが放たれる。しかし。
「えっ!」
既に私の姿はそこには無く、何もない空間を七色のビームが空しく飛んでいった。
素早く相手の右側に回った私はビームライフルを放つ。
「きゃ~!」
右の羽根に命中、爆発。バランスを崩すフリーダム子。
「なんの、片翼だけでも…」
なんとか立て直そうとするが、その隙を逃す私ではない。
ビームサーベルを構え、急接近する。
「えっ?」
ザシュザシュザシュ!
「さっき、17分割がどうとかいってましたね。こういうことですか?」
信じられないといった表情を浮かべながら落ちていくフリーダム子の頭。
「確かに原作では為す術もなくやられたようですが、貴方は核で動いてるわけではないのですよ?条件は同じです。それに貴方はその装備の能力を引き出せていない。振り回されてる様ではまだまだです。」
ポリゴンの屑となって消えた彼女に届いたであろうか?
「うひゃ~容赦無いな騎士子。17分割にするとは…」
「う…やはりやりすぎだったでしょうか。」
「まだ試合中ですよ騎士子さん。高速で接近する機影あり、ですよ。」
「了解!」




「なんだ、あのカッコウは…」
ピンク色の長い髪に白いヘッドドレス
ピンクに白いフリフリの付いた可愛らしいドレス。
ウイングゼロカスタムからの流用と思われる美しい翼。
そして、巨大なハンマーを携えたマオチャオ型がそこにいた。
「はぁ~い、マジカル・マオ☆チャオだ、よ~(はぁと」ぽっぽー、ぽっぽー。
なんかハト時計の音が聞こえてくるんですが。
「スゴイカッコですね…」
呆れた私は思わず呟いた。
「えへへ~。可愛いでしょ~。健ちゃんが作ってくれたんだよ~」
「健ちゃんて、貴方のマスターですか?」
「うん、そうだよ~。健ちゃんはねぇ~、私の為に何でも作ってくれるのよ~」
あまりにスローペースすぎて、逆についていけない…
「でもね、私は健ちゃんになにもしてあげられないの…
だから~、この大会で優勝しておっきなおっきなケーキをプレゼントするの~」
「なんかどこかで聞いたことがあるような理由ですね」
姉様、そんな事言わないで下さい…
「で、そのカッコは?」
マスターが問いかける。
「んとね、健ちゃんが~「せっかく出るんなら、その一番可愛いこのカッコにしろ」っていうから~」
「そちらのマスターさんも解ってらっしゃるなぁ。ん?でもたしか、魔女っ娘神姫って、たしかハウリンじゃなかったっけ?」
「う…パクリじゃないもん…」
「あ、いや…そんな意味じゃなく…」
「うう…うう…パクリじゃないもん~!うぇ~ん!」
ハンマーを振り回し、暴れる彼女。さっきまでのノンビリした様子とはうって変わって非常に鋭い振りだ。
私の方にも振り回してきた。このままつき合っててもしょうがない。
少々重そうだが盾で防ぎ、止めた所で斬って終わり、そう考えたが。
「マズイ騎士子!避けろ!」
マスターの指示に反射的に跳ぶ。
ドシュ!
地面に大穴が空く。焦げた臭いが漂う。
「まさか…高周波振動ハンマー?」
もし盾で防ごうとしたら…考えただけでゾっとする。
「う~避けちゃダメだよ~。健ちゃんの悪口言う人はお仕置きだよ~」
「誰も悪口なんていってません!」
「騎士子さん、聞いてないみたいですよ。それよりも離れた方がよろしいのでは?」
姉様の冷静なツッコミとアドバイスを受け、上空へと逃げる。
「あ~、逃げちゃダメだよぅ~」
翼を広げ追いかけてくる相手にビームライフルを放つ。
「にゃう~ん」
ハンマーをバトンの様に回し、ビームを弾く。
「うそっ!…ならコレなら!」
アムフォルタスを展開、エネルギーをチャージする。
迫りくる相手へ目がけ、エネルギーを解放する。
バシィ!
翼を前面へと展開し、防ぐ彼女。バカな!
「うひゃ、さすが大気圏突入にも耐える翼だな。つかマズイな…」
そのまま翼を盾にして体当たりをかけてきた。
「うわぁ!」
バランスを崩し、落下する私。
「そ~れ、お・し・お・き・だよ~」
落下する私めがけ急降下してくる彼女。
スラスターを吹かし間一髪ハンマーから逃れる。
「逃げたって無駄だよ~」
逃げながら作戦を考える。
近接ではハンマーに触れたら終わり、かといって射撃は全て防がれる、一体どうすれば…
…アレを試してみるか。
変形し反転、アムフォルタスにエネルギーを充填し、追加機能を起動する。
アムフォルタスがビームサーベルを形成する。
「まて騎士子!それならあの翼を破れるかもしれんが、その前にハンマーでやられるぞ!」
マスターの制止を聞かず、私自身を巨大な剣として特攻をかける。
「なるほど、その手でいきますか、騎士子さん。」
「え?どういうことだ、犬子?」
「見ていればわかりますよ。」
ガシィ!
私の攻撃は、やはり翼で防がれる。しかしジリジリと押していく。
「でも、これでおわりだ…あれ?なんか小さい…?きゃっ!」
翼の影からハンマーで攻撃しようとした彼女。しかし違和感を感じているうちに背後から攻撃を受ける。
翼を支える基部を破壊され、支えを失った翼が彼女にぶち当たる。
「にゃうーん」
クルクルと落下していく彼女が見たもの、それは背後からビームライフルで狙撃した私の姿だった。
私のとった作戦、それは激突と同時にバックパックから分離、背後へと周り翼基部を攻撃するというものだった。
ドゴォン!
彼女が地面と激突した。
バックパックと合体し、確認へと向かう。
「ハラホロヒレハレ…」ピヨピヨ
完全に目を回し気絶している彼女。なぜかヒヨコの鳴き声が聞こえた。しかしエライ頑丈だな。あの高さから落ちたのに…
「あーきこえますか?ナナミ戦闘不能によりギブアップしたいのですが?」
あのかたナナミさんと言うのでしたか。
AIが戦闘不能と判断してないからまだ戦えるはずだが、目を覚まさなければ私にトドメを刺されるだけなので向こうのマスターがそんな提案をしてくる。
「了解した、そちらのギブアップを受け入れます。」
『両者のギブアップ協定を承認、ナナミ、退場。』
「わざわざこちらにポイントをいただけるとは恐縮です。」
「いえいえ、どうせやられるだけですし。しかしまさかあんな手でこちらの防御を破られるとは…って、まだ試合中でしたね。がんばってくださいね。」
地面に人型の穴を残し、ナナミさんが消える。あと何人残ってるのだろうか。

「ようやく終わりですか。まちくたびれましたわ。」
不意に聞こえるどこかおっとりとした声。まさかと思って振り返る。そこにいたのは…
「あらあら、貴方でしたか。随分見違えましたね。」
セカンド昇格寸前の私を一方的に倒した相手。
死を呼ぶ踊り子、ストラーフの舞華。




一見標準装備に見える彼女だが、その全ての装備がカスタマイズされ(勿論レギュレーションの範囲内)、通常のストラーフ型を遙かに凌ぐ能力がある。
「あらあら、なんか面白い事になってますね。貴方が6ポイント、私も6ポイント、さっき貴方が倒したナナミさんも6ポイント。」
「3人で倒してたってことですか…」
「困りましたねー。もし引き分けると内訳で貴方が優勝ということになってしまうのですよ。」
「あれ?そうなんですか?」
「そうですよ騎士子さん。貴方は6体倒してるナナミさんを倒してる分、見えないポイントが高いのですよ。」
「解説ありがとうございます、見えない人。そんな訳でダブルノックダウンになったり速度で勝る貴方に時間切れまで逃げられると私はどうしようも無い訳で。」
そうか、向こうからは姉様は見えないのか。等と余計なことを考えてしまった。
「そんなわけで逃げられちゃったりしたら困るなーと。」
悪戯っぽい笑顔で舞華さんが言う。
「ちょっと聞きたいのですが。」
「なんですか、騎士子さん?」
「どうして私がナナミさんと戦ってる時に撃たなかったのですか?」
「決まってるじゃないですか。優雅ではないからですよ。」
そういう人だ。
「では私がここから逃げだしたらどうだと思います?」
「そうですね…優雅ではありませんね。」
「…私もそう思います。」
解ってるのだ、この人は。
私が逃げる訳がないと。
ビームサーベルを構え、対峙する。
「あらあら、逃げないんですか。やはり思った通りの人ですね。」
2本の長剣とサブアームを構える彼女。
「では…いきます!はあぁ!」
ギィン!
私の一撃はビームコーティングされた剣でアッサリと受け流される。
「随分鋭くなりましたね。っと。」
左手に持ったビームサーベルを振るうが、これも避けられる。
サブアームで払いにくる。そのアームに蹴りを加え、その力を利用し後へと飛ぶ。回転しながらスーパーフォルティスを放つ。
「あらあら、あぶないです。」
慌てた様子もなく剣で弾く彼女。
バックパックのみ変形させ剣にして彼女へと飛ばす。
「んっと、別のMSみたいですねっと。」
少し大きめに跳躍して避けられる。
そこにビームライフルを放つ。
「っと、やりますね。」
やはり剣に弾かれる。
再びバックパックと合体し、彼女と対峙した。
「防戦ばかりじゃつまらないです。次はこちらから行きますね。」
音もなく彼女が跳ぶ。次の瞬間には私の目の前にいた。
二本の剣を流れる様に振るってくる。その剣技はサイフォス型をも圧倒する。
その美しさ故に死を呼ぶ踊り子と呼ばれているのだ。
防戦一方だ…このままでは…
「隙ありっ、ていっ☆」
剣で私のサーベルを封じ動けなくしてからサブアームで攻撃してきた。吹き飛ばされる私。
「あらあら、またこの手に引っ掛かったのですか。」
「なんの、まだまだ!」
立ち上がり、ビームサーベルを構える。
しかしこちらは2本、むこうは4本。一体どうすれば…
「それじゃ、次で終わりですよ。それっ。」
考えている暇は無かった。再び彼女の猛攻が始まった。
再び防戦一方となる。このままではさっきと同じだ。
ん、まてよ。腕ならあるじゃないか!
「隙ありっ、ていっ☆」
隙を突いてサブアームで攻撃してくる。
だがこの隙はワザと作ったもの。
向こうのサブアームに合わせ、こちらのサブアーム─アムフォルタスを繰り出す。
「んなっ!」
グシャッ!
アムフォルタスの砲身がひしゃげる。だが向こうの攻撃を逸らすことが出来た。
そして、そのまま至近距離からスーパーフォルティスを放つ!
彼女の両肩へと命中!私を押していた力が抜ける。
「おりゃぁ!」
そのまま彼女をX斬りにする。
「あらあら、やられちゃいました…見事です…」
息も絶え絶えな彼女だったが、どうしても聞きたい事があった。
「…1つ聞きたかった事があったんです。」
「あらあら…なんでしょう…?」
「どうしてセカンドの貴方が当時サードだった私に試合を申し込んできたのです?」
「あらあら…そのことですか…それはですね…可愛い子がいるってきいたからですよ。」
「えっ?」
聞いて私の顔か紅潮する。
「サイフォス型なのにツガル装備で飛び回って射撃戦をするって可愛いじゃないですか…」
「そうだったんですか。」
「それじゃ私は消えますね…いくらヴァーチャルでも結構キツイんですよ…」
「あっすいません。引き留めちゃって。」
「いえ…また会いましょうね…」
そういって彼女は消えた。
『WINNER、騎士子!』
AIジャッジが私の優勝を告げた。




「やったな騎士子!あの舞華に勝ったんだな!」
「よかったですね騎士子さん、これで特大チョコケーキは騎士子さんのものですよ。」
「あ…忘れてた。」
そういえばそれが本来の目的だったっけ。
「なんだ?いらないんだったら俺が貰うぞ?」
「わわっ、まだダメですよ!」
「まだってなんだ?」
「ご主人様、鈍すぎますよ。騎士子さんの頑張りを無駄にしないで下さい。」
「う、そうだったのか、スマン騎士子。」
「いえ…それで…うけとってもらえますか?」
「当たり前だろ。俺はとても嬉しいぜ!」
「あら、じゃあ私からのチョコは要りませんね。」
「いや、モチロン欲しいぞ、というかくれ、絶対くれ!」
「嘘ですよ、ちゃんとあげますよ。それよりも騎士子さんのチョコケーキを受け取りに行きましょう。」

「でけぇ…」
マスターが驚く。
「ですね…」
私も驚く。
「あら、直径40センチ、全高1メートルといったところでしょうか?」
姉様、冷静に言わないで下さい…
とりあえず宅配で送ってくれるらしい。
「まるでウエディングケーキですね。」
「ね、姉様!」




オマケ

フリーダム子編

「ムキー!なによあの女!雑魚のクセに私を落とすだなんて!私の特大チョコケーキが…」
「そういうなよ、ホレ、決勝進出者のチョコ詰め合わせ。」
「ふん!そんなモノは要りませんわ。貴方にさしあげますわよ!」
「そうか、くれるのか。」
「貴方にはその程度がお似合いですわよ!」
顔を真っ赤にしながら言う。
「そうか…ありがとな。」
そっと彼女の頭を撫でる。
「う…感謝するですよ…」
彼女は顔をさらに赤くしながらそっと呟いた。

ナナミ編

「うう…健ちゃんごめんなさい…チョコケーキ…取れなかった…わたし…わたし…」
「ナナミ、お前なにか勘違いしてるぞ?」
「えっ?」
「お前たしかこんな事言ってたな。俺になにもしてあげられないって。」
「…うん…」
「それは違うぞ。俺はお前が側にいてくれる事が嬉しいんだ。今までも、そしてこれからも。」
「うっ…ううっ…健ちゃぁ~~~ん」
「おいおい、泣くなよ。それよりケーキじゃなくてもコレを貰ったじゃないか。一緒に食べような。」
「う、うん!」

舞華編

「今回はいろいろな可愛い子がいましたね。」カリカリ。
「そうか、良かったな。」
「普段バトルに出ないような子もたくさんいたし、騎士子さんにも再会出来ましたし、満足でしたわ。」カリカリ。
「しかしそれ、うまそうだな。」
「あらあら、欲しいのですか?」カリカリ。
「1つくらいくれてもいいんじゃないか?」
「あらあら、1つでいいんですか?」カリカリ。
「いや、もっと欲しいが。」
「そうですか。はい、あ~んして。」
「って食いかけか、まぁいいか。あ~ん、ぱく。」
「ふふっ、間接キス、ですよ。もう一個たべます?」
「おう、食うぞ。」
「それでは、あ~んしてください。」
「あ~ん」
ちゅ…
「愛してますよ、マスター…」

さらにオマケ
この光景を見た他の神姫オーナー達は売店で売ってたチョコ詰め合わせを競って買っていったという。
さらにこの噂を聞いたオーナー達もチョコ詰め合わせを買いに店へと流れ込み、今年のヴァレンタイン商戦は記録的な売り上げを出したとか。

この番組は日月シムロ製菓の提供でお送りしました。


ライバル神姫解説

フリーダム子
正式登録名フランチェスカ
実はサード中位。生産時のエラーからか、普通のアーンヴァルよりも若干小さい(特に胸が)
幼い容姿と高飛車な振る舞いは一部のファンから熱い支持を受けている
自分のマスターを下僕扱いしているが、それは彼女の愛情表現である
身も心も戦闘技術も発展途上

ナナミ
髪型をピンクのロングへとカスタマイズされている神姫
マジカル・マオ☆チャオは例のコスチュームの場合のみ名乗る
こう見えて実はセカンド中位だったりする
普段は天然ドジっ娘だが、いざ戦闘となると予測のつかない攻撃で相手を翻弄する
オマケの戦闘後のやりとりは実は負けるたび毎回行われている。相当なバカップルである

『死を呼ぶ踊り子』舞華
セカンド上位にいる実力派。戦いは常に優雅に、がモットー。「あらあら」「困りましたねー」が口癖
おっとりとした言動とは裏腹に、速さ・的確さはズバ抜けている
しかし意表を突いた攻撃と可愛いモノに弱いという欠点がある
生産時のエラーからか、普通のストラーフよりも胸が大きい


オリジナル版の一部掲載
時事ネタで当日前に掲載したかったのと人様のキャラをいきなり借りるのはどうかと思い、ねここのマスターさんのゆきのんが登場するはずだったのをカット、代わりにナナミを登場させ掲載しました。
その後無事許可を頂いたので、せっかく書いたのだからと載せてみることにしました。
場面はフランチェスカ戦直後から舞華登場の間と、オマケです。

─フランチェスカ撃破後─

「まだ試合中ですよ騎士子さん。高速で接近する機影あり、ですよ。」
「了解!」
そちらを向くと、まだ遠いが確かに機影が。危険を感じ、咄嗟に盾を構える。
途端に飛んでくるレーザー。この距離で撃ってくるのか!
ラミネート装甲の盾は耐えてくれたが、そう何度も受けるわけにはいかない。
飛行形態へと変形し、クルクルと回避行動をとりながら接近する。
相手の機体が確認できるくらいに接近すると、マスターが驚きの声を上げた。
「マジかよ!シューテュングスターかよ!」
シューティングスター…ということは…
「雷光の舞い手(ライトニング・シルフィー)?しかし、たしか彼女は…」
彼女は射撃が壊滅的に下手だという噂がある。しかし現実には正確な攻撃が飛んできている。
「騎士子さん、もう一人同型の装備を使う方がおりますのよ。」
さらに接近し、ようやく判別できたハウリン型が不敵に言った。
「ふっふっふ…私とねここのラブラブなヴァレンタインの為に散って貰いますよ。」
愛の戦士、雪乃登場。

「まさか…『押し掛け女房ラブラブゆきのん』が登場かよ!」
「何ですかその呼び名はっ!」
「いやだって有名な話だぜ?ライトニング・シルフィーに一目惚れして嫁に貰ってくれって言ったって話。」
「違います!あれは運命なのです!」
マスターと雪乃さんが変な話で盛り上がってる中、私は戦略を練っていた。
正直、射撃戦では分が悪い。相手はセカンドランカーの中でも随一の射撃の腕前だ。
さっきは長々距離からだったのでかろうじて避け切れたが、中距離での撃ち合いになったら…
「なんとか接近戦に持ち込まないと…」
「そこの騎士さん、今なんて言いました?」
しまった、うっかり口に出してしまった!
「いや、その…」
こちらの戦術を読まれまいと話を逸らそうとするが、何も思いつかない。
「接近がどうとか言ってましたね?」
「いや、貴方は射撃戦が得意だからなんとか、ええと…」
バラしてどうする私!
「つまり貴方は「射撃戦じゃ分が悪い。ああ、もし雪乃でなくねここだったら得意の格闘戦で倒せたのに」とでもいいたいのですか?そんな訳ないでしょう!解りました。そこまで言うのなら私が格闘戦で貴方を倒してねここの強さを証明してみせましょう!」
「ちょっと雪乃ちゃん!何言ってるの?」
「姉さんは黙ってて!ねここを侮辱されたとあっては黙っていられません!」
「侮辱なんてしてないでしょ…はぁ、しょうがないなぁ…」
なんか妙な勘違いをした雪乃さん。向こうのマスターさんも困った様子。
「では、いきますよ。」
言ってレーザーライフルを構える雪乃さん。そこからは光の剣が現れた。
「ビームランサーかよ…騎士子、気合入れていけよ!」
なんか妙な感じで接近戦へと持ち込む事が出来たが…いいのだろうか?
「せいっ!」
雪乃さんがランサーを振りかざす。なんとか盾で受け止める。
「ほほぅ、ラミネート装甲ですか。ですがいつまで保ちますかね。」
確かに熱を発散しきれなくなればまずい。一気にスラスターを吹かし押し返す。
「おりゃぁ!」
そのまま体勢を立て直すべく距離を取る。反転と同時にスーパーフォルティスを放つ。
「ビームなんて撃ってるんじゃないですよ!」
ランサーでビームを弾く雪乃さん。
その僅かな隙に変形し、2門のアムフォルタスからビームサーベルを形成する。
マスターがオリジナルに仕掛けてくれた装備その1である。私自身を巨大なビームサーベルとし、雪乃さんへと特攻する。
「ふっ、その程度の攻撃で!」
シューティグスターの上に乗り、そのまま私へとぶつける。
ビームサーベル同士がぶつかりあい、激しいスパークが発生する。
「これで貴方は動けないですね。あとはその無防備な頭を…え?」
ビームランサーで私を押さえ、ミニガンで私を撃とうとした雪乃さんが驚く。
ビーム剣の間にあるはずの私の頭が無いのだから。
「そんな!一体何処へ?」
そう。私は衝突寸前にバックパックから離れ落下。その後脚部のスラスターで空中制止し狙いを定めたのだ。
マスターがオリジナルに仕掛けてくれた装備その2である。
「まさか、真下?」
ビームライフル発射。シューティングスターのレーザーライフルを破壊する。
「きゃっ!」
ビームランサーが消え、アムフォルタスのビームサーベルがシューティングスターを破壊する。
爆発に巻き込まれ飛ばされる雪乃さん。そしてここは空中、飛べない彼女は落ちるしかない。
バックパックと合体し、彼女を追いかける。
ガシィ!
「…なんで助けるの?」
なんとか雪乃さんの手を掴んだ。
ゆっくりと下降しながら話しかける。
「誤解されたままじゃイヤだからです。私はねここさんを侮辱したつもりは全くありません。ただ貴方が強敵なのでなんとか接近戦に持ち込めないか?と考えていただけです。」
「その通りよ雪乃ちゃん。彼女はねここを侮辱するようなことは一言も言ってないわ。」
「そんな…本当ですか姉さん?それじゃ私は…勝手に思い込んで勝手に暴走して…」
「それでも私が勝てたのは正直運以外何者でも無いと思います。格闘に持ち込めばなんとか勝てる、等と思った事は謝ります。」
「いえ、それは貴方の実力ですよ。敗者はサッサと去る事にします。…ギブアップです。」
『ギブアップ了承。雪乃、退場。』
AIジャッジの声が響く。薄れゆく雪乃さんの手。
「さようなら騎士さん。今度会う時は公式戦で…」
「はい、雪乃さん…」
そして、消えた。再戦を誓いながら。

─以下舞華登場へと続く─


オマケ・雪乃編

「うう…ごめんなさい、ねここ…特大チョコケーキは取れなかった…」
「ううん、ユキにゃんはがんばったの。ねここの為にがんばってくれたの。その気持ちがうれしいの。」
「そうよ雪乃ちゃん。それに特大のは取れなかったけど、この詰め合わせだって結構高級な物よ。」
「…そうね。ねここ、受け取ってもらえるかしら?」
「もちろんなの。みんなでたべようね。」
「じゃあ私が食べさせてあげます。ねここ、あ~んして。」
「あ~ん、ぱくっ!おししいの~。はい、ユキにゃん。あ~んして。」
「あ~ん、ぱくっ!美味しいです。」
「そんなにおいしいの?」
ねここが聞いてくる。私は同じ物を食べさせようと箱に手をやった。
不意に視界が暗くなる
「ん?」
目の前にはねここの顔、というか目があった。
ペロリ。
「うん、おいしいね~。」
「んなっ…!」
ねここは私の口に付いていたチョコを舐め取っていた。
つまりこれって…
「ねこことキス、きす、KISS…ぷしゅ~~~」
「あ、ユキにゃんが倒れたの~!」






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