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新たに産まれ落ちた、その意味を




静かな冬の夜、と言っても暖冬の今年は雪など欠片も見あたらんが。
ともあれ今日の雑事を終えた私は、神姫達が眠る自分の寝床に赴く。
HVIFを得た事で、私の寝床では常にもう一人が眠る事になった。

「……すぅ、すぅ……」
「葵め、いい寝顔だな」

今日は槇野葵……立場上では私達“四姉妹”の三女となったロッテ。
諸処の事情でHVIFの運用にあたっては、当番制を敷く事とした。
昨日はアルマである茜、明日はクララである梓、明後日はお休みだ。
非番のHVIFは、下階の居室で自己メンテナンスをしながら眠る。

「人型神姫インターフェイス、か……便利ではあるのだがな」

“人間の心”と“神姫の心”に、違いは殆どないと私は思っている。
故にこそ、役割の違う“肉の躯”と“殻の躯”は共にあるべき要素。
それぞれの立ち位置を認識し、更に己を高める素地であってほしい。
その為に……他の理由もあるが、常時使わせる事は躊躇われたのだ。

「えと。マイスターをずっと待っていたんですよ、ロッテちゃん」
「……ボク達も、マイスターを待っていたんだよ。話があるもん」
「おお、アルマにクララ……ロッテの素体は寝ているか。何だ?」

クレイドルのベッドに腰掛けた二人が、所在なげに私を見つめている。
どうやら二人でずっと話をしていた様だが、深刻そうな表情だな……?
二人を抱き上げベッドに腰掛けて、話し出すのを待ってやる事とした。
そうして先に口を開いたのは、未だ心に傷を持つ……アルマであった。

「うんと、えっと……あたしを抱え込んで、後悔してないですか?」
「後悔だと?何故そう思うのか、話してみてくれぬか……アルマや」
「はい。あたしは猪刈さんにずっと酷い事されて、辛い日々でした」

そう言い、ジャケットに覆われた上から自らの胸を撫でるアルマ。
修理及び改造の際に、猪刈めが植え付けた歪んだ胸は一度外した。
だが“女性”にとって己の乳を失う事は、多大な心的苦痛を伴う。
故に私は、二人より僅かに大きい胸部パーツを彼女に与えたのだ。
しかし痛ましい日々の思い出を掻き消すには、まだ至らぬ様だな。

「マイスター達は、あたしをそこから救い出してくれました……」
「……嫌だったのか?私はあの悪夢から、お前を救いたかったが」
「それ自体は凄く嬉しいんです。でも……うんと、怖いんですッ」
「怖い……何を畏れている?この日々に終わりが訪れる事をか?」
「はいッ。マイスターの為に尽くせて嬉しいけど、いつかそれは」

永遠などない──そう告げて言葉を遮った私を、彼女が哀しげに見る。
そこで私は、顔をそっと近づけて……真っ直ぐに見つめる。HVIFの
導入以来少し照れる様になったが、今は真剣な“心の闇”の話なのだ。

「何時かは私もお前達も果せる日が来るだろう。だがそれでいいのだ」
「それで、いい……あたし、マイスターの為にずっと尽くしたいのに」
「尽くすなという事ではない。その日まで如何に己の業を成せたかだ」
「己の業?……えと、うんとっ……マイスター、それって一体……?」
「此処にアルマが居る現在の日々をどう生きるか、それが大事なのだ」

何時かは別れる日が来てしまう、その事実に怯えているアルマ。
その怯え故に、私が現在を後悔していないか?と思うのだろう。
だがそれは問題ではない。最期まで如何に自分らしく生きたか、
自らの所業を如何に成し遂げたか、それで生命の価値は決まる。
人間も神姫も、“等価”の命ならば評価もまた同じという事だ。

「故にこう言おう。アルマの為すべき事を、今後も為せ」
「あたしの為すべき事を……あたしの思う通りに……?」
「そうだ。私は後悔の無い様に、アルマに生きてほしい」
「んと……難しいですけど、分かりました。頑張ります」
「頑張る事ではない。自分のペースで十分だよ、アルマ」

わだかまりが解けて安心したアルマの隣で、クララは難しい顔をする。
今の話とも関連したのか、先程から感心したり眉を潜めたり忙しいな。
というわけで、今度はクララの話を聞く……それは意外な問いだった。

「……ボク達は、何の為にいるのかな?」
「ふむ……HVIFを得て思った事だな」
「そう。ボク達は元々、人間の遊び道具」
「開発初期はそうだ。だが今は留まらぬ」

クララはその特質上、本やネット上の資料を読む事を好む傾向にある。
それ故、神姫が元来ホビー……遊びの対象である事もよく知っている。
発した疑念は哲学的とも言える複雑な問いとなって、結実したのだな。
“人間の目線”を得る事が出来たのも、この場合は拍車を掛ける要因。

「初期が人間の遊具として考えられたとしても、今はそう言い切れん」
「……あの猪刈みたいな人は、少数とは言え他にもいるみたいだよ?」
「哀しい事実だが、初期の思考を棄て切れぬ人もまだ居るという事だ」
「反対に別のステージへ進んだ人間も、いるって言いたいのかな……」
「有無。クララ、情報を信じるのも良いが……目の前に私がいるぞ?」

その言葉にハッとするクララ。どうも“肉の躯”を得てから彼女は、
人間の暗い側面を多く見ている。何せここはオタクの街……秋葉原。
萌えだの何だの、人間の様々な思念が渦巻く電脳と欲望の“聖地”。
だから神姫の扱われ方を改めて認識し、そして不安になったのだな。

「少なくとも私と周りにいる人々は、お前達を玩具とは見ない」
「でも、ボク達が一体何なのか……知りたいんだもん、ボクは」
「お前達は“神姫”。人間の隣へと産まれし、大事な隣人だよ」
「神姫……玩具ではない人間の友人……“神姫”というボク達」

そして私は二人を優しく抱きしめる。知識だけで解決せぬ事もある。
クララは聡明な娘だ、故に知識だけで進もうとした。そしてそれが、
絶対的な答えを出す鍵でない事も、今理解してくれた様だな。有無。

「……マイスター、ごめんなさいだよ。変な事言っちゃって」
「構わぬ。そうして悩み成長していけば、お前達の糧になる」
「今後もいろいろ壁に当たるかもしれないけど、頑張るもん」
「その意気だ。さあ、葵を一人にはできんしそろそろ寝るか」
「はいっ!あたし、マイスターの側に居られて幸せです……」
「うん。ボクも、そして多分ロッテお姉ちゃんも同じ気持ち」

──────貴女達と共にあれば、畏れる事は何もないよ。







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