朝だ…月曜の朝だ。また公に奉仕する5日間が始まるのだ。
ヴェル達はまだ昨日のバトルの疲れからか、まだ眠っている。
起こすのも悪いので、小さく「言ってきます」を言って出かける。
ヴェル達はまだ昨日のバトルの疲れからか、まだ眠っている。
起こすのも悪いので、小さく「言ってきます」を言って出かける。
朝7時半、まだ受付開始をしていない市役所の入り口をくぐる。
「おっはよ~ございま~っす…」
「おはよう、岡島君。」
「おう、岡島君、おはよう!まだ寝ぼけとるのか?もっとシャキッとせい!
シャキッと!」
あんたのシャキッとぶりが異常だよ…阿内課長。
「おっはよ~ございま~っす…」
「おはよう、岡島君。」
「おう、岡島君、おはよう!まだ寝ぼけとるのか?もっとシャキッとせい!
シャキッと!」
あんたのシャキッとぶりが異常だよ…阿内課長。
朝9時、始業のチャイムが鳴る。俺は4.5メートル四方の小さな部屋に、申し訳程度に
置かれたパイプイスに座り会議テーブル2台をつなげたテーブルにおいてある
『予約表』を確認する。それにずらっと書かれている『予約者』。
今の俺の仕事は、厨房工房の子供が居る親の相談員である。
扉を開けて入ってきたマダムの日々溜まっている不安や愚痴を、適切且つ妥当に聞いて、
適切且つ妥当な答えを返してあげる…それを1日平均10件ほど繰り返す…そんな仕事だ。
つーか、20代半ばでまだ子供も居ない独身男にそんな相談員役を押しつけるんだから、
全くココの市政はどうかしている。
もっと異性、特に若い女性との出会いが多い職場にさっさと異動したいものだ。
置かれたパイプイスに座り会議テーブル2台をつなげたテーブルにおいてある
『予約表』を確認する。それにずらっと書かれている『予約者』。
今の俺の仕事は、厨房工房の子供が居る親の相談員である。
扉を開けて入ってきたマダムの日々溜まっている不安や愚痴を、適切且つ妥当に聞いて、
適切且つ妥当な答えを返してあげる…それを1日平均10件ほど繰り返す…そんな仕事だ。
つーか、20代半ばでまだ子供も居ない独身男にそんな相談員役を押しつけるんだから、
全くココの市政はどうかしている。
もっと異性、特に若い女性との出会いが多い職場にさっさと異動したいものだ。
そうしている内に、一人目のお客様が入ってきた。いかにも「宅の坊やが云々…」
と言い出しそうなPTAな風貌の『奥様』である。
「おはようございます。さて…今日の相談内容ですが…どのような?」
「聞いてくださいな…宅の政則ちゃんったら、15歳にもなって人形遊びに夢中に
なってますのよ!」
「ほう…人形遊び?(ドールのことか?)」
「そうですの!今テレビでもやってる武装…なんたらっていうお人形ですの?毎日
勉強もせずにそのお人形に話しかけて居ますの…ああ気持ち悪い!
何でも?聞いた話によると、20・30越えたいい大人までそんな物にムダなお金を
つぎ込んでるって言うじゃないですの!?世も末ですわね…!」
「ほう…それは興味深い。(その『いい大人』が目の前に居るんだよ…悪かったな
ムダな金つぎ込んでて!)」
と、言ったその時である。
「ふぁ~…よく寝たのだ。あれ?ここはどこなのだ?あ、マスター、おはようなのだ!」
「じゃ…ジャロ…お前…!!」
「な…なんですのこの子…?」
「は…ははは…これが奥様の言っていた『武装神姫』です…。最近、同じような相談が
多い物ですので、後学のために購入を…」
(やばい!非常にヤバイ!ここはどうやって切り抜けるか…)
と言い出しそうなPTAな風貌の『奥様』である。
「おはようございます。さて…今日の相談内容ですが…どのような?」
「聞いてくださいな…宅の政則ちゃんったら、15歳にもなって人形遊びに夢中に
なってますのよ!」
「ほう…人形遊び?(ドールのことか?)」
「そうですの!今テレビでもやってる武装…なんたらっていうお人形ですの?毎日
勉強もせずにそのお人形に話しかけて居ますの…ああ気持ち悪い!
何でも?聞いた話によると、20・30越えたいい大人までそんな物にムダなお金を
つぎ込んでるって言うじゃないですの!?世も末ですわね…!」
「ほう…それは興味深い。(その『いい大人』が目の前に居るんだよ…悪かったな
ムダな金つぎ込んでて!)」
と、言ったその時である。
「ふぁ~…よく寝たのだ。あれ?ここはどこなのだ?あ、マスター、おはようなのだ!」
「じゃ…ジャロ…お前…!!」
「な…なんですのこの子…?」
「は…ははは…これが奥様の言っていた『武装神姫』です…。最近、同じような相談が
多い物ですので、後学のために購入を…」
(やばい!非常にヤバイ!ここはどうやって切り抜けるか…)
「あ~ら~!可愛いわね~!お名前、なんて言うの?」
(あれ?)
「ジャロなのだ!イタリアごで、きいろのいみなのだ、マスターがつけてくれたのだ!」
「ジャロちゃんには、姉妹が居るのかしら?」
「おねーちゃんがふたりと、いもうとがひとりいるのだ。おねーちゃんたちはとっても
やさしいのだ!でも、いもうとはやさぐれてるのだ!わるいこなのだ!」
ヴェル「くしゅん!」
ノワル「へーちょ」
コニー「でぇぇぇぇぇくしょい!…コンチクショウめ!」
ヴェル「だれか噂でもしてるのかしら…?そう言えばジャロの姿が見えないけど、何処
行ったのかしら…。」
ノワル「ボク知らないよ~?」
コニー「さ~ね。大方でっかいウンコでもしてんじゃないの~?」
(あれ?)
「ジャロなのだ!イタリアごで、きいろのいみなのだ、マスターがつけてくれたのだ!」
「ジャロちゃんには、姉妹が居るのかしら?」
「おねーちゃんがふたりと、いもうとがひとりいるのだ。おねーちゃんたちはとっても
やさしいのだ!でも、いもうとはやさぐれてるのだ!わるいこなのだ!」
ヴェル「くしゅん!」
ノワル「へーちょ」
コニー「でぇぇぇぇぇくしょい!…コンチクショウめ!」
ヴェル「だれか噂でもしてるのかしら…?そう言えばジャロの姿が見えないけど、何処
行ったのかしら…。」
ノワル「ボク知らないよ~?」
コニー「さ~ね。大方でっかいウンコでもしてんじゃないの~?」
それから、ジャロと奥様の歓談が数十分続いた。俺はとりあえず、
「息子さんの神姫とも話して見てあげてください、多分、息子さんの気持ちが理解できると
思いますよ。」
と言う決まり文句で納得して頂き、相談を終わらせた。
「息子さんの神姫とも話して見てあげてください、多分、息子さんの気持ちが理解できると
思いますよ。」
と言う決まり文句で納得して頂き、相談を終わらせた。
それからと言うもの、何の因果か入ってくる奥様の今日の相談内容の全てが武装神姫がらみ。
最初は全く理解していなかった奥様方も、ジャロの姿、仕草に悩殺され、息子との相互理解
を深めるべく、軽やかにお家に帰って行った。
最初は全く理解していなかった奥様方も、ジャロの姿、仕草に悩殺され、息子との相互理解
を深めるべく、軽やかにお家に帰って行った。
無論、デスクでもジャロの人気は衰える事を知らず、課の男連中は、帰りに買っていこうか
などといい、女性陣はジャロの大好物のシュークリームを上げて、その食べる姿に黄色い
歓声を上げたり…と、大人気であった。
まぁ最後に「今度から間違っても武装神姫を連れて来ちゃダメ」との課長の有り難いお言葉を
頂いた訳だが…。
などといい、女性陣はジャロの大好物のシュークリームを上げて、その食べる姿に黄色い
歓声を上げたり…と、大人気であった。
まぁ最後に「今度から間違っても武装神姫を連れて来ちゃダメ」との課長の有り難いお言葉を
頂いた訳だが…。
終業時間となり、俺はジャロと一緒に帰路に着いた。
「きょうはたのしかったのだ!シュークリームもおいしかったのだ!」
「…そうだな、でも今度から背広のポケットで寝ちゃダメだぞ!」
「は~い、わかったのだぁ…。」
ちょっぴり残念そうなジャロ、でも、彼女は気づいていない。昨日、偶然にも俺のポケットで
寝ていたおかげで、理解のない親に半ば強制的に捨てられる神姫達の命を救った事を…。
「お疲れさま、英雄。」
「きょうはたのしかったのだ!シュークリームもおいしかったのだ!」
「…そうだな、でも今度から背広のポケットで寝ちゃダメだぞ!」
「は~い、わかったのだぁ…。」
ちょっぴり残念そうなジャロ、でも、彼女は気づいていない。昨日、偶然にも俺のポケットで
寝ていたおかげで、理解のない親に半ば強制的に捨てられる神姫達の命を救った事を…。
「お疲れさま、英雄。」
めでたし めでたし。