戦うことを忘れた武装神姫 その15
・・・その14の続き・・・
今までにない、変則的なスタイルで勝ちを収める久遠の神姫たち。
そして久遠の付近へ群がるギャラリー。シンメイを迎えに行こうにも、
近づくことが出来ず、店員の手を借りてなんとかフィールドへ到達。
「モードB・レベルF+、解除。および、モードBに音声ロックを。」
セットポイントへ戻ったシンメイに久遠が命じると、右目の色が元に戻り、
動作音も収まった。全能力を対戦闘に投じるモードを解除したシンメイは
ふっと一息つくと、
「・・・所要時間6分55秒でした。 目標達成です。」
と言いながら、久遠の手の上へ。
「その計算能力には毎度毎度助けられるよ。 本当にありがとう。」
「べ、別にどうって事はないです。私の出来ることを、いつも通りにこな
しただけですから。。。」
ちょっと顔を赤らめるシンメイ。しかし、しっぽはうれしさをストレート
に示しており、パタパタと動いている。 久遠、思わず目尻が下がる。
その様子に、取り巻くギャラリーからも、多数ため息が漏れる。ツンデレ
の威力、ここに極まれり。。。
そして久遠の付近へ群がるギャラリー。シンメイを迎えに行こうにも、
近づくことが出来ず、店員の手を借りてなんとかフィールドへ到達。
「モードB・レベルF+、解除。および、モードBに音声ロックを。」
セットポイントへ戻ったシンメイに久遠が命じると、右目の色が元に戻り、
動作音も収まった。全能力を対戦闘に投じるモードを解除したシンメイは
ふっと一息つくと、
「・・・所要時間6分55秒でした。 目標達成です。」
と言いながら、久遠の手の上へ。
「その計算能力には毎度毎度助けられるよ。 本当にありがとう。」
「べ、別にどうって事はないです。私の出来ることを、いつも通りにこな
しただけですから。。。」
ちょっと顔を赤らめるシンメイ。しかし、しっぽはうれしさをストレート
に示しており、パタパタと動いている。 久遠、思わず目尻が下がる。
その様子に、取り巻くギャラリーからも、多数ため息が漏れる。ツンデレ
の威力、ここに極まれり。。。
「申し訳ございません、マスター。」
ギャラリーも避ける程の重苦しい雰囲気を漂わせるサイトウの元へ戻った
コリンが、深々と頭を下げた。
「しかしながら、あのような戦闘は経験した事がな・・・」
「言い訳は聞きたくない。負けは負けだ。お前に付いた黒星は二度と消す
事は出来ない。 解ってるだろうな?」
そう言うと、セットポイントでうなだれるコリンの頭をつまみ上げ、その
ままキャリアボックスへ放り込んだ。 まだ目を覚まさないアスタにぶつ
かり、コリンは大切な右腕の関節を破損してしまった。
「・・・。 マスター。」
-痛い-。 しかし、その言葉を言うことが出来ない。。。
最後の試合に向け、普段は使うことのない真っ黒なボックスを取り出した
サイトウに、コリンが声をかけた。
「なんだ?」
「もう止めましょう。この試合の、マスターの負けは決まっています。」
「・・・。」
「これ以上、私たちに恥をかかせないで下さい・・・。」
「恥、だぁ? 俺に言わせればお前らのせいで俺が恥かいてるんだよ!
俺にはここのトップという立場があるんだ。あのオッサンの黒い奴、あれ
一体だけでも破壊しねぇといけないんだよっ!」
「ま、マスター・・・」
どう声をかけていいか分からず、言葉に詰まるコリン。
「こうなったら・・・こいつで勝負をかけてやる。。。」
と、取り出したるは・・・黒子。しかし、最初のデモンストレーションで
出てきた黒子とは、明らかに雰囲気が違う。 サイトウはもう一体、黒子
を持っていたのだ。。。
「それはダメです!」
目を覚ましたアスタが、その黒子を見て叫んだ。
「どうなっても構わないさ。あの・・・黒い奴を破壊できれば。」
頬に蠍のマーキングが施された黒子を、サイトウは静かに目覚めさせた。
「さぁ・・・行ってこい。 どんな手を使っても構わない。 勝て。」
「ラジャー、Mr.サイトウ・・・。」
サイトウと目を合わせることも、「マスター」と呼ぶこともなく、また、
サイトウがその名を呼ぶこと無く、影のような黒子は起動した。。。
ギャラリーも避ける程の重苦しい雰囲気を漂わせるサイトウの元へ戻った
コリンが、深々と頭を下げた。
「しかしながら、あのような戦闘は経験した事がな・・・」
「言い訳は聞きたくない。負けは負けだ。お前に付いた黒星は二度と消す
事は出来ない。 解ってるだろうな?」
そう言うと、セットポイントでうなだれるコリンの頭をつまみ上げ、その
ままキャリアボックスへ放り込んだ。 まだ目を覚まさないアスタにぶつ
かり、コリンは大切な右腕の関節を破損してしまった。
「・・・。 マスター。」
-痛い-。 しかし、その言葉を言うことが出来ない。。。
最後の試合に向け、普段は使うことのない真っ黒なボックスを取り出した
サイトウに、コリンが声をかけた。
「なんだ?」
「もう止めましょう。この試合の、マスターの負けは決まっています。」
「・・・。」
「これ以上、私たちに恥をかかせないで下さい・・・。」
「恥、だぁ? 俺に言わせればお前らのせいで俺が恥かいてるんだよ!
俺にはここのトップという立場があるんだ。あのオッサンの黒い奴、あれ
一体だけでも破壊しねぇといけないんだよっ!」
「ま、マスター・・・」
どう声をかけていいか分からず、言葉に詰まるコリン。
「こうなったら・・・こいつで勝負をかけてやる。。。」
と、取り出したるは・・・黒子。しかし、最初のデモンストレーションで
出てきた黒子とは、明らかに雰囲気が違う。 サイトウはもう一体、黒子
を持っていたのだ。。。
「それはダメです!」
目を覚ましたアスタが、その黒子を見て叫んだ。
「どうなっても構わないさ。あの・・・黒い奴を破壊できれば。」
頬に蠍のマーキングが施された黒子を、サイトウは静かに目覚めさせた。
「さぁ・・・行ってこい。 どんな手を使っても構わない。 勝て。」
「ラジャー、Mr.サイトウ・・・。」
サイトウと目を合わせることも、「マスター」と呼ぶこともなく、また、
サイトウがその名を呼ぶこと無く、影のような黒子は起動した。。。
サイトウ側から、負けは決まっていても4回戦をとの申し出があり、急遽
対戦が行われることが決まった。
「てっきり決着付いたし、終わりだと思ってたんだけど・・・」
3勝した時点で試合は終わりかと思っていたた久遠たちは、急いで支度を
整える。 今度のフィールドは、ゴーストタウン。 どんな装備にするか、
リゼの前に装備や得物を並べる久遠。 リゼも、ちょっと面倒くさそうに
しながらも、自分にもきっちり出番が廻ってきたことで、甚く上機嫌。
きれいに磨き上げ、整備がされた各種装備をならべ、迷うそぶりを見せる。
「えっこらしょっと。 もうちょっと軽量化しないといかんなー。」
まずはリアユニットを装着し、動作確認をする。 いわゆるフル装備では
あるものの、刃物絡みは一切無し。・・・ユニット接続を終えると、久遠
の特製1/6ステアーもどきをいじりながら、リアユニットのアームを器用
に使い、ぼりぼりと腹を掻いている。
「・・・はしたないことは止めなさい。」
その姿を、他の装備を揃えていた久遠がたしなめる。
「だってかゆいんだもん。」
「あのなぁ、一応はお前女だろが。恥じらいを持ったらどうなんだ?」
「ヌシさん、性別も何も、ウチらって機械人形なんだけど。」
「そう言う問題じゃないだろ。」
「えー・・・。」
「確かにお前のアーム捌きの腕前は認めるけど、場所をわきまえよう。」
「ちぇー。」
久遠とリゼがそんなやりとりをしている脇のサイドテーブルでは、仕事を
終えた3人がかえでやティナ、他のギャラリーと歓談中。 リゼと久遠の
漫才に笑うものがあれば、イオとシンメイの姿を写真に収めるものあり、
キッチンモードのエルガとじゃれる神姫あり・・・。まったりと、穏やか
な、なごやかムードの久遠サイド。
と、久遠がサイトウ側に、同じ黒子がセットされたのに気づいた。
「うむ・・・ リゼ、相手は同じストラーフだぞ。」
「そうなの?」
と、その黒子を見た瞬間。 リゼの表情が・・・
対戦が行われることが決まった。
「てっきり決着付いたし、終わりだと思ってたんだけど・・・」
3勝した時点で試合は終わりかと思っていたた久遠たちは、急いで支度を
整える。 今度のフィールドは、ゴーストタウン。 どんな装備にするか、
リゼの前に装備や得物を並べる久遠。 リゼも、ちょっと面倒くさそうに
しながらも、自分にもきっちり出番が廻ってきたことで、甚く上機嫌。
きれいに磨き上げ、整備がされた各種装備をならべ、迷うそぶりを見せる。
「えっこらしょっと。 もうちょっと軽量化しないといかんなー。」
まずはリアユニットを装着し、動作確認をする。 いわゆるフル装備では
あるものの、刃物絡みは一切無し。・・・ユニット接続を終えると、久遠
の特製1/6ステアーもどきをいじりながら、リアユニットのアームを器用
に使い、ぼりぼりと腹を掻いている。
「・・・はしたないことは止めなさい。」
その姿を、他の装備を揃えていた久遠がたしなめる。
「だってかゆいんだもん。」
「あのなぁ、一応はお前女だろが。恥じらいを持ったらどうなんだ?」
「ヌシさん、性別も何も、ウチらって機械人形なんだけど。」
「そう言う問題じゃないだろ。」
「えー・・・。」
「確かにお前のアーム捌きの腕前は認めるけど、場所をわきまえよう。」
「ちぇー。」
久遠とリゼがそんなやりとりをしている脇のサイドテーブルでは、仕事を
終えた3人がかえでやティナ、他のギャラリーと歓談中。 リゼと久遠の
漫才に笑うものがあれば、イオとシンメイの姿を写真に収めるものあり、
キッチンモードのエルガとじゃれる神姫あり・・・。まったりと、穏やか
な、なごやかムードの久遠サイド。
と、久遠がサイトウ側に、同じ黒子がセットされたのに気づいた。
「うむ・・・ リゼ、相手は同じストラーフだぞ。」
「そうなの?」
と、その黒子を見た瞬間。 リゼの表情が・・・
凍った。
「お、おい、どうした? リゼ、おいってば!」
久遠の呼びかけにも、リゼはしばらく返事をしなかった。
「ぬ、ヌシさん・・・。」
「フリーズしたかと思ったぞ。 大丈夫か?」
「大丈夫じゃないよ・・・ ダメ・・・ 戦えない・・・勝てない!」
呟くように弱々しく言うと、リゼはその場に座り込んでしまった。久遠は
慌てて手に乗せると、かえでから見えない位置に移動。
「何があったんだよ。」
「あの娘・・・ あたしの・・・ あたしの・・・昔の仲間なんだよぉ!」
久遠の呼びかけにも、リゼはしばらく返事をしなかった。
「ぬ、ヌシさん・・・。」
「フリーズしたかと思ったぞ。 大丈夫か?」
「大丈夫じゃないよ・・・ ダメ・・・ 戦えない・・・勝てない!」
呟くように弱々しく言うと、リゼはその場に座り込んでしまった。久遠は
慌てて手に乗せると、かえでから見えない位置に移動。
「何があったんだよ。」
「あの娘・・・ あたしの・・・ あたしの・・・昔の仲間なんだよぉ!」
・・・>続くっ!>・・・