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武装神姫のリン
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剣は紅い花の誇り
クラブハンド・フォートブラッグ
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
ウサギのナミダ
アスカ・シンカロン
引きこもりと神姫
キズナのキセキ
魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン
浸食機械
ゆりりね!

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えむえむえす ~My marriage story~

2014年

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デュアル・マインド
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悪魔に憑かれた微駄男
Nagi the combat princess
えむえむえす ~My marriage story~

2013年

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深み填りと這上姫
キズナのキセキ
武装食堂
二アー・トゥ・ユー

2012年

美咲さんと先生
二人のマスター
類は神姫を呼ぶ
浸食機械
引きこもりと神姫
ライドオン204X
フツノミタマ
白濁!? 阪高神姫部
白い英雄を喰う黒い女神
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流れ流れて神姫無頼
アスカ・シンカロン
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天海市神姫黙示録
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Forbidden Fruit
すとれい・しーぷ
車輪の姫君
樫坂家の事情!
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2010年

おまかせ♪ホーリーベル
戦うことを忘れた武装神姫
Gene Less
The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

2009年

せつなの武装神姫
双子神姫
鋼の心 ~Eisen Herz~
犬子さんの土下座ライフ。
狛犬はうりん劇場
Memories of Not Forgetting
Knuckle princess

2008年

武装神姫のリン
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師匠と弟子
マリナニタSOS!(仮)
橘明人とかしまし神姫たちの日常日記
戦う神姫は好きですか
スロウ・ライフ
徒然続く、そんな話。
妄想神姫
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神姫ちゃんは何歳ですか?
剣は紅い花の誇り
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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三毛猫観察日記
クラブハンド・フォートブラッグ
武装神姫と暮らす日常
ネコのマスターの奮闘日記
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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神姫大作戦
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  人々の行きかう音が、ホテルのラウンジに慌しく響く。
日本人というのは、何故こうも忙しく動くのだろうか。
勤勉とか国民性とか言われるが…到底理解も出来そうにない。
男はそう思っていた。

ラウンジに併設されたカフェテリアで朝食を取る男、そしてその傍らで英字新聞に目を
通す神姫。
プラチナブロンドのポニーテール、伊達であろう眼鏡。
黒いスーツ姿のその神姫を眺めながら、男は朝食のフレンチトーストをもう一口、口に
運んだ。

「どうだいマスター。何か面白い記事はあったかな?」
男の問い掛けに、その神姫が顔を上げる。
「特には。紛争地帯の情勢がどうだのと、進歩の無い内容よ」
抑揚の無い声。男はその記事は神姫にとって、本当にどうでもいい内容なのだろうと
理解した。
「このフレンチトーストはなかなかいけるよ。食べるかい?マスター」
「そうね、頂くわ」
男が一つ頷き、フレンチトーストを小さく切り分ける。
フォークに差したソレを神姫の口元へ運ぶと、神姫も上品にソレを口に含み咀嚼した。
「なかなかね」
頷き、呟く神姫を満足そうに見詰める男。
「コーヒーも飲むかい?」
「遠慮しておくわ。神姫サイズのコーヒーでもあるなら別だけど」
嘆息し、その神姫が呟く。
「ストローで飲むコーヒーっていうのもサマにならないでしょう…」
片腕を軽く竦めるその仕草に、男も僅かに苦笑を浮かべる。

「主、ドク、戻りました」
新たな声に二人が其方を向けば、同じく黒いスーツ姿…もっとも男物だが。
その、スーツ姿のサイフォスが立っていた。
「お帰りなさい、トワイライト。首尾は?」
「Dのスケジュールは大体把握出来ました。恐らく今夜辺りに動きがあるでしょう」
一つ頷き、腕組みする神姫。
「なら、今夜仕掛けましょうか。ドク…鎧の支度は?」
「調整済みだよ。彼ら向けの、チューンをして置いた」
「結構よ」
神姫が、テーブルから男の肩に飛び乗る。
それに合わせて逆の肩にトワイライトが飛び乗った。
「行きましょう?ドク。今夜までは観光でいいわ」
「なら、アキバに行きたいね。良いショップがあるそうなんだ。君達の服も買える」
肩の上の神姫が一つ嘆息した。
「オタクというのはすぐアキバに行きたがるのね」
「僕らにとっては聖地だからね」
そんな遣り取りを交わしながら、3人組はカフェテリアを後にした。




  日暮秋奈はその日上機嫌だった。
非合法バトルで儲けた札束を数えつつ、帰り道を歩く。
「ボス…この辺りは治安が悪い。危険」
「いざという時はお前が何とかしろ。まぁ、遅れを取る気も無い」
意に介さず、とばかりにそう告げて歩き続ける。
「やはり、ラクして儲ける金は格別だな」
「あの元締めの悔しそうなマヌケ面がまた格別だ」
満足そうに頷き、札束を仕舞う。

瞬間、その足が止まった。
気配。殺気ではないが…独特の、こちらへ向けられた気配。
「…私に何か用かね?」
暗闇の一点を見詰め、秋奈が呟く。
「おっかないね。まるでギャングだ」
暗闇から顔を覗かせたのは、男だった。

高い身長、染めた物とは違う金色の髪、そして暗闇でなお輝く青い瞳。
米人か欧人か。所謂白人に分類される男性。
そして、その両肩には二人の神姫。
一人は男物のスーツのサイフォス。一人は…たしか限定モデルのアーンヴァルだ。

「それで?用はあるのかと聞いている」
再度、尋ねる秋奈。
「僕は無い。僕のマスターがあるけどね」
「マスター?」
男の返事にオウム返しに聞き返す。返事は、別の所から聞こえてきた。
「私の事よ、D」
その声、彼の肩から聞こえる声に、秋奈は聞き覚えがあった。
「…誰かと思えば。お前だったか、エンプレス。という事はそっちはトワイライトか」
目を細める秋奈、薄い笑みを浮かべるエンプレス。

「しかし、人間と神姫の立場が逆転しているとは。面白いな」
「彼は私が拾ったの。それだけの事よ」
秋奈の言葉を、軽く受けながす。
当の秋奈は一つ嘆息し、胸から煙草を取り出して火を点けた。
「で?何の用だエンプレス。愚弟はここには居ないぞ」
「Gのデータを元に鎧を新調したのよ。テストに協力して貰えないかしら」
「Gに会う前に、力の使い方ぐらいは理解しておかないとね」
エンプレスの言葉を聞き、紫煙を吐き出す。
街頭に照らし出され、形を成さなくなるソレを見詰めながら秋奈は呟いた。
「つまり実験台になれと。断ったら?」
「どちらにせよ私達は貴方を襲う」
「そこの青瓢箪を人質に取ってもラチは明きそうに無いな」
「ええ。私に付いて来るならいつでも見捨てられる覚悟をして欲しいわ」
その遣り取りに当の男は苦笑を浮かべるばかり。

「まぁいい。辻バトルなら望むところだ。ベルセルク」
「ヤー、ボス」
秋奈の肩からベルセルクが降り立つ。
合わせてエンプレスも男の肩から降り、男から神姫サイズのトランクを受け取った。
「少し待って頂戴。リアルバトルはいちいち服を脱がなくてはならないから面倒ね」
脱いだ衣服を男に渡す。
入れ替わりに男が開いたケースから、鎧が飛び出しエンプレスに装着された。
トランクを開き、剣を取り出す。
「準備OKよ」

エンプレスの剣に、秋奈は見覚えがあった。
「醒剣ブレイラウザー…それがお前の力か」
「そんな名前なの?使い方は聞いたけど名前は知らないわ」
剣を振るい、風を切る音が響く。
「ならば覚えて、知る事だな。名は力だ。それを識る物を奮わせ、震わせる」
「その器物に込められた記憶と想いが、名と言う情報の力を発露させる」
「それは強力な力だ」

「敵である私にそれを説いてどうするの?」
「さて…オタクのサガかね。力は、正確に使って貰いたいのだ」
多少の間を置き、揶揄するようにエンプレスが呟く。
「残念ながら期待には応えられそうに無いわ。想いなんて、ただの事象の記録に力が
  あるとは思えないもの…人間の感傷でしょう?」
その呟きを聞き、秋奈が笑みを浮かべる。
「そうでもないさ。お前の人間嫌いもお前の思い出に由来する物だ。何も情だの思い出
  だのと飾る必要も無い。憎しみ、怒り。それも想いの力だよ」
秋奈が、言葉と共に地に捨てた煙草を踏み消す。
「…なるほどね。少し理解出来たわ。それは確かに…力になりそう」
剣を強く握り、エンプレスが駆け出す。
呼応するようにベルセルクもまた、駆け出した。


深夜の路上に響く剣戟の音。
二合、三合と打ち合うたびに、薄暗い路上に火花が散る。
「打ち合いでは、ラチが明かない」
ベルセルクが剣を分解し、無数の刃をもってエンプレスを襲う。
同時、エンプレスがラウザーのトレイを開いた。
素早くカードを取り出し、ラウザーに通す。
『MACH』
機械的な音声が響き、脚部が展開する。
瞬間的な高速移動を可能にするカード。その動きを持って刃の悉くを回避する。
「なるほど…カードの効果を持って鎧に仕込んだギミックが発動する仕組みか」
感心したように秋奈が呟く。
「色々システム的な利点があるのだそうよ。マニアの趣味はよく解らないけれど」
MACHの効果終了と共に距離を取りつつ、エンプレスが呟く。
「目を通して置く事だ。出自を知るだけでも大分違うだろう」
「ベルセルク。必殺技を見せてやれ」
「了解」
ベルセルクが剣を構える。徐々に帯電し、光を帯びるその剣。
「雷鳴斬!」
雷光の帯がエンプレス目掛けて突進する。
「あら…」
身を伏せつつ、新たなカードをラウザーに通す。
『TIME』
その音声と同時に、光が炸裂した。


「おや、終わりか?エンプレス」
腕組みして呟く秋奈。
「大丈夫よ…ご心配どうも」
雷光の直撃点からずれた絶妙の位置に、エンプレスは居た。
大したダメージを受けた様子は無い。
「TIMEのカード…まさか本当に時間を操ったのか?原理を聞きたいな」
「物理的に今の科学力で時間操作はムリでしょう?まぁ、種明かしをすれば…」
「私の認識力を一時的にアップしたのよ。操作したのは私の時間」
「なるほどね…」
それにしたって大した技術だが。秋奈は恐らくこのシステムの作成者であろう、金髪の
男を見た。
見た目は只の青瓢箪だが、どうして。かなりの技術者の様だ。

「それにしても凄い威力ね」
雷撃が穿った場所は吹き飛び、焼け焦げた黒い跡が残っている。
「レギュレーションの枠内で物理的な攻撃力を確保。私が好んで現象発動系の武装を
  使う理由さ」
「そうね…確か雷撃の力は私にもあるのよね。試していいかしら?」
トレイを開き、カードを選び出すエンプレス。
「そのつもりなのだろう?撃ってくるがいい」
その言葉に呼応し、ベルセルクが構えを取る。

「では、試させて貰うわ。私の力」
ラウズカードを装填する。
ただし、ブレイラウザーではなく腕のもう一つのラウザー。ラウズアブゾーバーへ。
『Absorb Queen,Fusion Jack!』
アブゾーバーが光を放つ。背部スラスターが展開しプラズマウイングを展開。
廃熱の為にアーマー各部発光。アーマーセンター部に鷲のハイグレードシンボル出現。
マシーンズ増加刃「ディアマンテエッジ」をブレイラウザーにマウント。
エネルギーフィールド、アクティブ。
「エンプレスジャックフォーム!」

現出した雷光の翼は、力強く夜空へと羽撃いた。
『Thunder,Slash…Lightning Slash!』
ブレイラウザーに装填される二枚のカード。
コンボが発動し、雷光を纏った刃が天空から振り降ろされる。
「雷鳴斬ッ…!」
帯電した雷鳴剣を振り上げ、雷光の刃をエンプレス目掛けて振り下ろす。
正面からぶつかる二つの刃、天と地の雷。
その刃は数秒の拮抗の後、飛行衝撃の勢いに後押しされ弾け飛ぶ。
天の雷が勝ち、その勢いのまま振り下ろされた一撃がベルセルクを切り裂いた。


「私の勝ちね?」
ジャックフォームを解除し、廃熱の陽炎を揺らめかせてエンプレスが呟く。
「大味なバトルだったがな。ま、必殺技勝負で負けたのだ…文句は言うまい」
言葉ほどは不満そうでも無く、秋奈が頷く。
「ドク…この装備使えるわ。オタクというのも侮れないのね」
「だろう?戦いのエッセンスはオタク文化の中にこそあるんですよ、マスター」
上機嫌のエンプレスにドクと言われた男が満足げに頷く。
「それが君の名かね、ミスタードク」
尋ねる秋奈にドクと呼ばれた男が首を振る。
「ドクは愛称だよ。本名は…まぁ、言う必要も聞く必要も無いだろう?」
「違いない」
頷く秋奈が、今度はエンプレスの方を見る。
「さて…勝負に負けたワケだが。私はここで殺されてしまうのかな?」
相手は人間嫌いを自称し、かつ殺人歴を持つ神姫だ。
あながちオーバーな予想でも無い。
「そうねぇ…」
武装を解除し、そのポニーテールを夜風に揺らすエンプレス。
「死を恐れない人間を殺してもつまらないし、今日はいい事を聞いたから…」
「貴方は今日は殺さないわ」
エンプレスがドクの肩に飛び乗る。
「なるほど。アドバイスはする物だ」
負傷したベルセルクを抱え上げ、秋奈が呟く。
「ただ、一つ条件があるわ」
「ほう?」
ベルセルクの状態を確認しつつ、聞き返す。
胸部を派手に破損して機能停止しているが、修復出来ないほどでは無い。
先ずは問題無いか。秋奈はそう判断した。
「これからね、Gと少し遊ぼうと思うの。カタが着くまではそっとしておいて貰える?」
「敗者に選択権も無い。いいだろう」
「しかし…なぜ愚弟に拘る?」
数秒の沈黙。笑いとも侮蔑ともつかない声音でエンプレスが答えた。
「気に入らないからよ。あの綺麗事が」
「なるほどな」
それ以上は聞かず、秋奈は背を向けた。
エンプレス達も、逆の方向へ向けて歩き出す。
「赤い靴は…準備できているの?」
「仕掛けは上々…かな?明日はエルゴへ行くんだろう?混乱する前に買い物はさせて
  くれよ?」
「好きにすると良いわ…楽しみね」
言葉通り楽しげに笑うエンプレス、無言のままそれを見詰めるトワイライト。
二人の神姫と一人の男は、路傍の闇に吸い込まれるように消えていった。









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