苛烈なる少女?と、目覚めし神の姫
武装神姫。2030年代においてホビーとして多大な人気を誇る、
次世代ロボット・MMSの発展系として生まれた“神の娘”達。
彼女らの人気は、技術躍進がない限り揺らがないとも言う。
次世代ロボット・MMSの発展系として生まれた“神の娘”達。
彼女らの人気は、技術躍進がない限り揺らがないとも言う。
「ですからええと、ですね?規約は満たしてるんですが」
「何だ。言いたい事があったらさっさと言えばいいだろう!」
「その、まず“解除”に要する基準は問題なくクリアです」
「何だ。言いたい事があったらさっさと言えばいいだろう!」
「その、まず“解除”に要する基準は問題なくクリアです」
秋葉原神姫センター8階、KONMAI事務局東京支部の一室。
ここで私は、なかなかに手強いカタブツの審査官と戦闘中。
流石に、“彼女”の先進性はイレギュラーらしい。満足。
ここで私は、なかなかに手強いカタブツの審査官と戦闘中。
流石に、“彼女”の先進性はイレギュラーらしい。満足。
「でも……“リーグ”に出すなんて正気です、槇野晶さん?」
「当たり前!重量級と軽量級。規約内と自分で認めたろうが!」
「確かにそうですけど、やぁ。どちらもギリギリなんですよ」
「当たり前!重量級と軽量級。規約内と自分で認めたろうが!」
「確かにそうですけど、やぁ。どちらもギリギリなんですよ」
おおっと、申し遅れた。私は槇野晶、レディに年は聞くな?
私は万世橋警察署の近く、つまりアキバに店を持ってるぞ。
MMSショップ“ALChemist”。オーナーではないが店長だ。
私は万世橋警察署の近く、つまりアキバに店を持ってるぞ。
MMSショップ“ALChemist”。オーナーではないが店長だ。
「リアルバトル、ヴァーチャル。どちらも安全基準はッ」
「クリアです。ただどちらも自作パーツの割合が……」
「5割9分台!他は正規品の流用。文句あるの!?」
「だから、それがギリギリって言ってるんですよ」
「クリアです。ただどちらも自作パーツの割合が……」
「5割9分台!他は正規品の流用。文句あるの!?」
「だから、それがギリギリって言ってるんですよ」
“彼女”は、規定上のありとあらゆる制限はクリアしている。
無論“プロテクト”の解除用件はとうの昔に満たしている筈だ。
戦闘もランク移動に装甲換装を要するが、条件は皆同じだろう。
恐らく最大の問題は、アレだ。形態移行。(フォームシフト)
無論“プロテクト”の解除用件はとうの昔に満たしている筈だ。
戦闘もランク移動に装甲換装を要するが、条件は皆同じだろう。
恐らく最大の問題は、アレだ。形態移行。(フォームシフト)
「こんな多段変形するパーツなんて、聞いた事ないですよ……」
「ツガルタイプオプションだって装甲を変形させるだろう!」
「え、ええ……ただ、ここまで改造しちゃうと今後が……」
「ツガルタイプオプションだって装甲を変形させるだろう!」
「え、ええ……ただ、ここまで改造しちゃうと今後が……」
構わない!と言って私は机を叩いた。これでも私は一端の
神姫職人──マイスターだ。あらゆるパーツを規約範囲内で
調整・改造・作成し、求めるユーザーに提供する技術者だ。
ならば、その魂を込めた“彼女”への責任も、当然──。
神姫職人──マイスターだ。あらゆるパーツを規約範囲内で
調整・改造・作成し、求めるユーザーに提供する技術者だ。
ならば、その魂を込めた“彼女”への責任も、当然──。
「全て、私が自己責任で調整していく。文句あるの?!」
「わ、分かりました……参加審査は、変わりませんからね?」
「誰が何時基準を甘くしろと哀願したか、このオヤジめッ」
「わ、分かりました……参加審査は、変わりませんからね?」
「誰が何時基準を甘くしろと哀願したか、このオヤジめッ」
奴は悪態を付きながら書類を作りだした。よし、まずは一歩。
無機質な検査用共通クレイドルに寝かされていた、私の伴侶。
そう、彼女をそっと優しく起こしてやろう。彼女は大切な……。
無機質な検査用共通クレイドルに寝かされていた、私の伴侶。
そう、彼女をそっと優しく起こしてやろう。彼女は大切な……。
「おはようございます、マイスター♪」
「おはよう。よく眠れたか、ロッテ?」
「おはよう。よく眠れたか、ロッテ?」
──────“妹”であるのだから。