戦うことを忘れた武装神姫 その5
「えーっと、デザインナイフ、デザインナイフ・・・あ、あれ?どこだ?」
デカールの切り出しをしたいのだが、どこを探してもが見当たらない。
ふと、手元に殺気が。。。 横を見ると、すごい形相で俺をにらみつけるシンメイが。
そして、その手には・・・刃を替えたばかりのデザインナイフ。
デカールの切り出しをしたいのだが、どこを探してもが見当たらない。
ふと、手元に殺気が。。。 横を見ると、すごい形相で俺をにらみつけるシンメイが。
そして、その手には・・・刃を替えたばかりのデザインナイフ。
「・・・。」
「・・・。」
無言の数秒。
「覚悟はできていますか。」
「あの・・・状況が掴めないんですが・・・もしかして俺、脅迫されてます?」
「脅迫ではありません。これは尋問です。」
「じゃあ始めの『覚悟できていますか』ってどういう意味を持つんだよっ!」
「気にしないで下さい。 いいですか、正直に答えて下さい。」
すっとデザインナイフの先端を俺に向ける犬子のシンメイ。
「あなたは・・・私が隠していた最後のエンゼルパイを食してしまいましたね?」
「は?知らんぞ。だいたい隠すっていっても・・・」
「とぼけないで下さい。先ほど、エルガとイオさんにも尋ねました。現在の所、アリバイがないのはマスター、貴方だけです。」
「まてっ!! まだ何にも答えてないのに何でそうなるんだよ。。。」
ぬぬ・・・探偵物のドラマを見過ぎた影響なのか?
「昨日の2100にはまだ存在を確認しました。その後一晩経ち、今朝1030には消失し、袋だけがゴミ箱で発見されました。昨晩、貴方はどのような行動を?」
「・・・あのさぁ、俺、泊まり勤務でさっき帰ってきたんだけど。」
「・・・。」
「・・・。」
再び無言の時間。と、そこへ白子のイオがやってきた。
「あら、シンメイ。マスターを立派に脅迫しちゃって・・・。新手のプレイですか?」
「プレイじゃないわ! ったく、イオも相変わらずマイペースだなぁ、おい・・・。」
「ちょうど良かった。昨日の件ですけどね、あのお菓子、あなたが召し上がっていたじゃないですか。まぁ、あれだけ呑めば記憶がなくなって致し方ないかと・・・。」
イオがすっと差し出すは、俺のPCのウェブカメラをリンクさせて撮ったと思しき証拠写真。 酔いつぶれたリゼの上に腰掛け、ウヰスキーのミニボトルを右手に持ち、左足ではねだるエルガを蹴り飛ばし、左手には・・・ エンゼルパイ。
「・・・。」
俺と、イオの視線がシンメイに集まる。
「・・・・・・・・。」
シンメイの顔が、好物の林檎よりも赤くなる。手にしたデザインナイフを静かに置くと、
「も・・・申し訳ありませんでしたっ! つい酒がすぎてしまい・・・本当に申し訳ありませんでしたっ!!」
両手をついて、頭をゴリゴリすりつけて謝る。だが、そのけなげな謝罪はほとんど目に入らなかった。いや、入れる余裕がなかった。
「いや、別にそんなにしてまで謝らなくてもいいけどさ・・・それよりこのボトル・・・」
ブレてしまい、はっきり判別できないそのミニボトルを指しイオに訊く。
「それですか? やはり昨晩、エルガがマスターの卓上で見つけて、皆で呑んだのですが。」
飲まれた酒は、数年かけて入手した、25年物のスコッチ。。。
「・・・もしかして、飲みきった?」
恐る恐る尋ねると、、
「私はほんの一口程度ですが、リゼとシンメイの二人で空っぽですよ。」
と、イオは空の瓶をどこからか取り出して俺の前に置いた。
怒りを通り越し、虚しい風が心を吹き抜ける。
「お、俺の秘蔵の一本が・・・。 おい、リゼ!ちょっとこい!シンメイ逃げるなっ!!」
俺は二人を卓上に並んで正座させ、久々にしたくもないお説教をするハメになったのであった。
「・・・。」
無言の数秒。
「覚悟はできていますか。」
「あの・・・状況が掴めないんですが・・・もしかして俺、脅迫されてます?」
「脅迫ではありません。これは尋問です。」
「じゃあ始めの『覚悟できていますか』ってどういう意味を持つんだよっ!」
「気にしないで下さい。 いいですか、正直に答えて下さい。」
すっとデザインナイフの先端を俺に向ける犬子のシンメイ。
「あなたは・・・私が隠していた最後のエンゼルパイを食してしまいましたね?」
「は?知らんぞ。だいたい隠すっていっても・・・」
「とぼけないで下さい。先ほど、エルガとイオさんにも尋ねました。現在の所、アリバイがないのはマスター、貴方だけです。」
「まてっ!! まだ何にも答えてないのに何でそうなるんだよ。。。」
ぬぬ・・・探偵物のドラマを見過ぎた影響なのか?
「昨日の2100にはまだ存在を確認しました。その後一晩経ち、今朝1030には消失し、袋だけがゴミ箱で発見されました。昨晩、貴方はどのような行動を?」
「・・・あのさぁ、俺、泊まり勤務でさっき帰ってきたんだけど。」
「・・・。」
「・・・。」
再び無言の時間。と、そこへ白子のイオがやってきた。
「あら、シンメイ。マスターを立派に脅迫しちゃって・・・。新手のプレイですか?」
「プレイじゃないわ! ったく、イオも相変わらずマイペースだなぁ、おい・・・。」
「ちょうど良かった。昨日の件ですけどね、あのお菓子、あなたが召し上がっていたじゃないですか。まぁ、あれだけ呑めば記憶がなくなって致し方ないかと・・・。」
イオがすっと差し出すは、俺のPCのウェブカメラをリンクさせて撮ったと思しき証拠写真。 酔いつぶれたリゼの上に腰掛け、ウヰスキーのミニボトルを右手に持ち、左足ではねだるエルガを蹴り飛ばし、左手には・・・ エンゼルパイ。
「・・・。」
俺と、イオの視線がシンメイに集まる。
「・・・・・・・・。」
シンメイの顔が、好物の林檎よりも赤くなる。手にしたデザインナイフを静かに置くと、
「も・・・申し訳ありませんでしたっ! つい酒がすぎてしまい・・・本当に申し訳ありませんでしたっ!!」
両手をついて、頭をゴリゴリすりつけて謝る。だが、そのけなげな謝罪はほとんど目に入らなかった。いや、入れる余裕がなかった。
「いや、別にそんなにしてまで謝らなくてもいいけどさ・・・それよりこのボトル・・・」
ブレてしまい、はっきり判別できないそのミニボトルを指しイオに訊く。
「それですか? やはり昨晩、エルガがマスターの卓上で見つけて、皆で呑んだのですが。」
飲まれた酒は、数年かけて入手した、25年物のスコッチ。。。
「・・・もしかして、飲みきった?」
恐る恐る尋ねると、、
「私はほんの一口程度ですが、リゼとシンメイの二人で空っぽですよ。」
と、イオは空の瓶をどこからか取り出して俺の前に置いた。
怒りを通り越し、虚しい風が心を吹き抜ける。
「お、俺の秘蔵の一本が・・・。 おい、リゼ!ちょっとこい!シンメイ逃げるなっ!!」
俺は二人を卓上に並んで正座させ、久々にしたくもないお説教をするハメになったのであった。
戦うことを嫌い、昼間からTVを眺める神姫。
ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。
ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。
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