「義経、準備は良い?」
「…はい、TR-2全システムオールグリーン…いつでもどうぞ」
「おっけ!じゃあいくわよ!皆!」
「「「了解!」」」
「…はい、TR-2全システムオールグリーン…いつでもどうぞ」
「おっけ!じゃあいくわよ!皆!」
「「「了解!」」」
凪さん家の弁慶ちゃん/0
「TR-2」
「TR-2」
「アーサー、ハンゾー、義経、状況を報告!」
「アーサー異常なし!」
「…ハンゾー、問題ない」
「義経、異常ありません」
「よし、アーサー、ハンゾーはそのまま前進、義経はユニット展開後待機!」
「「「了解」」」
「アーサー異常なし!」
「…ハンゾー、問題ない」
「義経、異常ありません」
「よし、アーサー、ハンゾーはそのまま前進、義経はユニット展開後待機!」
「「「了解」」」
今回もうまくやってみせる。私はそう誓った。
今回は「T3」として私こと義経はこのリアルバトルのチーム戦に参加していた。
しかし今回の戦いでは指揮を担当するマスターは一人という制約が課せられている。
なので通常、早坂未来が私に指示をだすのだが今回は渡瀬美琴がチーム全体の指揮を取っていた。
この大会でアーサーはTR-1という強化ユニットを装備、これは陸戦型アーンヴァル、または量産型ストラーフといった感じの装備で、脚部はアーンヴァル純正装備にストラーフの脚部装備を移植、そしてストラーフのサブアームのマニュピレーターを汎用性の高いものに交換し長さを調節したものだ。
その手には奇跡の剣という名の剣が握られていた。
そしてハンゾーにもこのTR-1ユニットが搭載され、こちらはカロッテTMPを二丁装備している。
そして私はこの二人とは違う装備を身につけていた。
今回は「T3」として私こと義経はこのリアルバトルのチーム戦に参加していた。
しかし今回の戦いでは指揮を担当するマスターは一人という制約が課せられている。
なので通常、早坂未来が私に指示をだすのだが今回は渡瀬美琴がチーム全体の指揮を取っていた。
この大会でアーサーはTR-1という強化ユニットを装備、これは陸戦型アーンヴァル、または量産型ストラーフといった感じの装備で、脚部はアーンヴァル純正装備にストラーフの脚部装備を移植、そしてストラーフのサブアームのマニュピレーターを汎用性の高いものに交換し長さを調節したものだ。
その手には奇跡の剣という名の剣が握られていた。
そしてハンゾーにもこのTR-1ユニットが搭載され、こちらはカロッテTMPを二丁装備している。
そして私はこの二人とは違う装備を身につけていた。
TR-2
これは高威力の超長距離射撃を行う事を目的に、現存する神姫純正武装でアッセンブルされたものだ。
脚部はストラーフの脚部装備をアーンヴァルのブースターなどで固め右腕にはアーンヴァルのLC3レーザーライフルが二門装着されている。
しかし使用するのは一門のみ、あとの一門はレーザーの増幅器として機能する。
背部には吠莱壱式が二門。これは攻撃用ではなく、あくまでも緊急移動用としての装備である。
いちいちブースターを吹かすより実弾兵器の反動の方が始動が早いのではないか…という目的で取り付けられたものだ。
本当にそうなのだろうか?
そして各部アタッチメントコネクターにはヴァッフェバニー用の背部タンクやジェネレーターが装備され、そのすべてをレーザーライフルに直結させる事によって限界まで威力を上げている。
はっきりいって神姫用の装備としてはあまりにも特化しすぎており、これで神姫といえるのだろうかという疑問も生まれてくると言うものだ。
しかしこれが後に世に出る姉妹達への開発データになるのならば、甘んじて受けるとしよう。
脚部はストラーフの脚部装備をアーンヴァルのブースターなどで固め右腕にはアーンヴァルのLC3レーザーライフルが二門装着されている。
しかし使用するのは一門のみ、あとの一門はレーザーの増幅器として機能する。
背部には吠莱壱式が二門。これは攻撃用ではなく、あくまでも緊急移動用としての装備である。
いちいちブースターを吹かすより実弾兵器の反動の方が始動が早いのではないか…という目的で取り付けられたものだ。
本当にそうなのだろうか?
そして各部アタッチメントコネクターにはヴァッフェバニー用の背部タンクやジェネレーターが装備され、そのすべてをレーザーライフルに直結させる事によって限界まで威力を上げている。
はっきりいって神姫用の装備としてはあまりにも特化しすぎており、これで神姫といえるのだろうかという疑問も生まれてくると言うものだ。
しかしこれが後に世に出る姉妹達への開発データになるのならば、甘んじて受けるとしよう。
「義経、TR-2装備完全展開完了」
「よっし!相手方に一発でっかいのをお見舞いしちゃいなさい!」
「了解!エネルギー充填開始…収束率増加、ロックオン完了…発射!」
ヒュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン…
砲身にエネルギーの渦が形成され
ビャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!
空気を切り裂く青白い光が照射された。
その太さは通常のレーザーライフルのものに比べるとはるかに図太く、禍々しい。
その光が敵チームを包み込み一瞬にして行動不能にした。が、何とか逃げ延びた神姫がいたようだ。
「どう?」
「右腕に衝撃による不具合が少々、でも予測範囲内です」
「わかった、次いける?」
「もちろん!」
「よし!じゃあ第二射!てぇー!!」
「了解!」
なんだ、楽勝ではないか。この装備初弾である程度敵チームを壊滅させれば第二射までアーサーとハンゾーが私を護衛してくれれば勝利は間違いない。
または右腕への損傷を最低限にするならばこのまま私は待機して、あとは二人に任せても良い。
「TR-2はほぼ成功ですね」
「ええ、中々良いわ」
「よし、第二射充填完了…いきます!」
ひゅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…
再びエネルギーの渦が形成される。そして青い光が大地をえぐる…
はずだった。
ビビー!!ビビー!!ビビー!!
「!?」
「義経!?」
ライフルの砲身部から異常。あまりのエネルギー量にライフルの許容限界を超えたらしい。
そのエネルギーの一部が逆流して、システムに過大な負荷を与えている。
「く、ライフルへのエネルギーを全カット!砲身切り離し、緊急離脱ブースター展開!」
ライフルからエネルギーの光が漏れる。その光が私を包もうと迫ってくる。
「!く…腕が…!」
「早く離脱しなさい!義経!?」
「そうしたいですが…無理みたいです。腕が挟まって…抜けない…」
崩壊を始めたライフルなどのパーツにより、私の右腕は付け根からがっちりと挟まっていた。
「あぁもう!!諦めるなぁ!!」
「くそ!くそぉ!」
こんなところでスクラップになってたまるか!!
「こうなったら…!!」
私は脚部に装備されていたナイフを手に取り
「うあぁぁぁぁ!!」
自らの右腕に突き刺した。
「っくぅぅぅぅ!」
なんという激痛か…しかし!
「まっけるかぁぁぁぁ!!」
バチィィィ!!
左腕で右腕を抉り、無理やり引き剥がした。
そしてブースターを噴射。瞬間ライフルユニットが爆発。その爆炎が迫り私を完全に包む。衝撃と高温で体が焼かれる。しかし間一髪スクラップは免れたようだ。
赤い光に包まれていた景色がドームの光りに照らされたいつもの景色に戻る。
ブースターはすべて焼ききれたようで噴射できない。
そのまま自由落下により大地に叩きつけられた。
ドッザァァァッァァァ!!
「ぐぅぅぅがはっ!!うが、あぁ…くぅ…」
状況は芳しくないな…右腕破損…頭部に損傷…両脚部損壊…か…まぁAIに以上は無いようだ…。でも戦闘は無理だな…。とりあえず活動限界か…。
『ピピーピピーピピー試合中止、試合中止』
ドーム内に響く音声、私の意識はそこで切れた。
「よっし!相手方に一発でっかいのをお見舞いしちゃいなさい!」
「了解!エネルギー充填開始…収束率増加、ロックオン完了…発射!」
ヒュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン…
砲身にエネルギーの渦が形成され
ビャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!
空気を切り裂く青白い光が照射された。
その太さは通常のレーザーライフルのものに比べるとはるかに図太く、禍々しい。
その光が敵チームを包み込み一瞬にして行動不能にした。が、何とか逃げ延びた神姫がいたようだ。
「どう?」
「右腕に衝撃による不具合が少々、でも予測範囲内です」
「わかった、次いける?」
「もちろん!」
「よし!じゃあ第二射!てぇー!!」
「了解!」
なんだ、楽勝ではないか。この装備初弾である程度敵チームを壊滅させれば第二射までアーサーとハンゾーが私を護衛してくれれば勝利は間違いない。
または右腕への損傷を最低限にするならばこのまま私は待機して、あとは二人に任せても良い。
「TR-2はほぼ成功ですね」
「ええ、中々良いわ」
「よし、第二射充填完了…いきます!」
ひゅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…
再びエネルギーの渦が形成される。そして青い光が大地をえぐる…
はずだった。
ビビー!!ビビー!!ビビー!!
「!?」
「義経!?」
ライフルの砲身部から異常。あまりのエネルギー量にライフルの許容限界を超えたらしい。
そのエネルギーの一部が逆流して、システムに過大な負荷を与えている。
「く、ライフルへのエネルギーを全カット!砲身切り離し、緊急離脱ブースター展開!」
ライフルからエネルギーの光が漏れる。その光が私を包もうと迫ってくる。
「!く…腕が…!」
「早く離脱しなさい!義経!?」
「そうしたいですが…無理みたいです。腕が挟まって…抜けない…」
崩壊を始めたライフルなどのパーツにより、私の右腕は付け根からがっちりと挟まっていた。
「あぁもう!!諦めるなぁ!!」
「くそ!くそぉ!」
こんなところでスクラップになってたまるか!!
「こうなったら…!!」
私は脚部に装備されていたナイフを手に取り
「うあぁぁぁぁ!!」
自らの右腕に突き刺した。
「っくぅぅぅぅ!」
なんという激痛か…しかし!
「まっけるかぁぁぁぁ!!」
バチィィィ!!
左腕で右腕を抉り、無理やり引き剥がした。
そしてブースターを噴射。瞬間ライフルユニットが爆発。その爆炎が迫り私を完全に包む。衝撃と高温で体が焼かれる。しかし間一髪スクラップは免れたようだ。
赤い光に包まれていた景色がドームの光りに照らされたいつもの景色に戻る。
ブースターはすべて焼ききれたようで噴射できない。
そのまま自由落下により大地に叩きつけられた。
ドッザァァァッァァァ!!
「ぐぅぅぅがはっ!!うが、あぁ…くぅ…」
状況は芳しくないな…右腕破損…頭部に損傷…両脚部損壊…か…まぁAIに以上は無いようだ…。でも戦闘は無理だな…。とりあえず活動限界か…。
『ピピーピピーピピー試合中止、試合中止』
ドーム内に響く音声、私の意識はそこで切れた。
「む…」
充電完了…各部異常なし…生きている…のか
「…つね!よしつ…!!義経!」
「く…未来…?」
私の目の前にはマスター、早坂未来の顔があった。
「起きたぁ!」
「義経!」
「…起きたか」
「…ふむ」
「おぉ!」
「う…う~ん…!?」
「気付いた?その体」
「頭部形状…それに右腕が…これは…」
「アドバンスドユニット」
その声の先には渡瀬美琴。
「?」
「衝撃対策として右腕間接を汎用強化間接ユニット「リボルバージョイント」に換装、そして頭部ユニットを換装して情報収集能力を上げたの。本当はバイザー式にするつもりだったのだけど、損傷がひどかったから丸ごと換装したんだけど…どうかしら?合わなかったら既存パーツに交換するけど」
アドバンスドユニット…体に施されたマーキングライン以外は既存の素体であった私の体が…強化された?
確かに視覚ディスプレイに追加された項目がある…これは今後装備されるTRシリーズのためか…?それに右腕…今回の戦闘での意見がフィールドバックされたのだろうか…。
「合わないかな?」
「いえ、そんな事はありません」
「そう、よかったぁ~」
「それに合わなかったら合わせます。それが私です」
「ふふ、そうね。まぁ今日は一日ゆっくりして慣らしていって」
「はい、分かりました。ありがとう、美琴」
「はいな、んじゃまた明日」
「ええ、また明日」
「有難うございました、先輩!」
未来が美琴達にぺこりとお辞儀した。
そういえばここは…あぁ部室か…。
明日からまたさまざまな装備を試す毎日が始まる。武装…決まった装備が無い私にとっては毎回毎回ワクワクする時だ。
そりゃ今回みたいな危険は常に付きまとう。
しかし誇りに思う。
私に装備された物がブラッシュアップされ、次の世代の神姫の武装になる…。
そんな特別な関係性に…。
渡瀬美琴は既存部品を組み合わせて新たな武装を作り出す優秀な装備開発者だ。
そして神姫開発の上層部に父親がいて、武装神姫の初回モニターでもある未来…。
私に装備されたものは情報として逐一開発部に送信される。
今回のTR-2がどうなるのかは分からないが…。
充電完了…各部異常なし…生きている…のか
「…つね!よしつ…!!義経!」
「く…未来…?」
私の目の前にはマスター、早坂未来の顔があった。
「起きたぁ!」
「義経!」
「…起きたか」
「…ふむ」
「おぉ!」
「う…う~ん…!?」
「気付いた?その体」
「頭部形状…それに右腕が…これは…」
「アドバンスドユニット」
その声の先には渡瀬美琴。
「?」
「衝撃対策として右腕間接を汎用強化間接ユニット「リボルバージョイント」に換装、そして頭部ユニットを換装して情報収集能力を上げたの。本当はバイザー式にするつもりだったのだけど、損傷がひどかったから丸ごと換装したんだけど…どうかしら?合わなかったら既存パーツに交換するけど」
アドバンスドユニット…体に施されたマーキングライン以外は既存の素体であった私の体が…強化された?
確かに視覚ディスプレイに追加された項目がある…これは今後装備されるTRシリーズのためか…?それに右腕…今回の戦闘での意見がフィールドバックされたのだろうか…。
「合わないかな?」
「いえ、そんな事はありません」
「そう、よかったぁ~」
「それに合わなかったら合わせます。それが私です」
「ふふ、そうね。まぁ今日は一日ゆっくりして慣らしていって」
「はい、分かりました。ありがとう、美琴」
「はいな、んじゃまた明日」
「ええ、また明日」
「有難うございました、先輩!」
未来が美琴達にぺこりとお辞儀した。
そういえばここは…あぁ部室か…。
明日からまたさまざまな装備を試す毎日が始まる。武装…決まった装備が無い私にとっては毎回毎回ワクワクする時だ。
そりゃ今回みたいな危険は常に付きまとう。
しかし誇りに思う。
私に装備された物がブラッシュアップされ、次の世代の神姫の武装になる…。
そんな特別な関係性に…。
渡瀬美琴は既存部品を組み合わせて新たな武装を作り出す優秀な装備開発者だ。
そして神姫開発の上層部に父親がいて、武装神姫の初回モニターでもある未来…。
私に装備されたものは情報として逐一開発部に送信される。
今回のTR-2がどうなるのかは分からないが…。
この時、砲撃用に特化した装備…という部分が後のフォートブラッグへと繋がることは私達はまだ知らない。
知る事になるのはTR-5が開発され、新たな仲間、弁慶が来てからの事である…。
知る事になるのはTR-5が開発され、新たな仲間、弁慶が来てからの事である…。