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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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武装神姫のリン
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  「と、言うわけでこれからよろしくお願いします。明人様」
  「お願いいたす。若君殿」
  「……………」
  ちょっとまて
  一体全体なんのことやら全く意味がワカリマセン
  「あのさ、香憐ねぇ? もう一度最初から説明してくれない? ちょっと俺、最近ややこしいことが起き過ぎて頭ん中が大混乱ですよ? 大根Ran。師走だから大根も平気で走っちゃいますよ?」
  昴が帰国してから一週間
  その間にも昴たちの引越しやら何やらでいろいろ急がしかったので、やっと一息ついたところにやってきた香憐ねぇと一人の女の子
  話を聞くにもなんだか凄い勢いで一通り説明されたのだが、俺の耳に異常があったのかもしれない。いや、そう思いたい
  思わせてくれ
  えっと…聞き間違い…ですよね?
  「ですから。私とこの子も今日からこのマンションに御用になると言ったのです」
  「うん、それは聞いた。色々つっこみたいがとりあえず置いておいてさ…何でそうなったかを聞いてるんだよ。分かって言ってるでしょ? 香憐ねぇ」
  「そのことについてはもう一度説明したところであまり意味を持たないと思うのですが…そもそもこれはすでに決定事項…」
  「い・い・か・ら」
  少し凄みを聞かせて言う俺
  今日の香憐ねぇは少し、いや、やたらと強引に話を進めるからこっちも強気でいかないとあっという間に流されてしまう
  「わ、わかりました…それではもう一度お話しいたします…。あれは昨日の夜のことでした…」


  私は夕食後に自分の書斎に来るようにと兼房様に申し付けられまして、その通りに一人で兼房様の書斎をお尋ねしました…
  「兼房様。香憐です。お申し付けを受け参上しました」
  私は兼房様の書斎前の廊下でいつものように入室の確認をしました
  「来たか。香憐よ、今そこにはお主一人か?」
  「え? はぁ…」
  書斎の前の廊下に人がいないことを確認
  「私一人ですが…」
  「そうか、入ってくれ…」
  その時の私はいつもの兼房様と少しだけ違う口調に違和感を感じていました
  「失礼いたします…」
  部屋に入ると兼房様はいつも通りに書斎机に腰掛けていらっしゃいました。ただ、いつもと違うのは、兼房様の隣に私の知らない女性が立っていたのです
  「ご苦労じゃ、香憐…。さっそくじゃがお主にはひとつ任せたいことがある…」
  「は、はっ! 何なりとお申し付けください」
  「そう硬くならんでもよい。なぁに、ちと厄介かも知れんがわしはお主を信頼しておるし、お主の技量も心得ておる」
  「そのような勿体なきお言葉…」
  「それでじゃな、香憐、お主………」
  「…………」
  「武装神姫に興味はあるかの?」
  「……はい?」
  「じゃから、武装神姫を持つ、武装神姫のマスターになる事に興味はあるかと聞いておるんじゃ」
  「あ、あの…それと今回のお申し付けと何の関係が…」
  「いいから質問に答えるんじゃ」
  「は、はい。興味は……少し…ありますが…」
  嘘ではありませんでした
  明人様がいる世界
  それを追うようにして葉月様、昴様もなられた武装神姫のマスターというもの
  それにノアさん、ミコさん、ユーナさん、レイアさん、ランさん…
  彼女達、武装神姫に対しても私は興味を抱いていました
  「そうかそうか、ならお主に任せようかのぅ。ふぉふぉふぉ」
  「あのう…それで、いったい何を…」
  「人型神姫インターフェイス。その試作機のモニターを、じゃよ」
  「人型…神姫…インターフェイス?」

  その後、私は兼房様から鳳条院グループとフェレンツェ博士との共同プロジェクト、 人型神姫インターフェイス、ノアさん達の秘密などについてのお話を聞きました

  「そうだったのですか…ノアさんやミコさん達がその試作機…」
  「その通りじゃ。彼女らは勿論、マスターである明人や昴にも秘匿義務がある。今まで秘密にしていたのはあやつらの責任ではない…そのことはどうか責めないでやってほしい…」
  兼房様はいつもとは違う鳳条院グループの総帥様のお顔でした…
  「責めるも何も…明人様たちは何も悪いことなどなさっておられないではありませんか。未来における神姫と人との新しい関係や生き方の可能性のために頑張っていらっしゃるのです。秘匿義務にも納得がいきますし、むしろ私はそんな彼らを誇りに思います…」
  「そうか…そういってくれるとあやつらもわしも助かる。しかしじゃな、最近、裏で模造品などが出回ってるらしいという報告も聞いておる。」
  「模造品…ですか?」
  「うむ、明人が知り合いから仕入れた情報じゃ」
  そう言うと兼房様はため息混じりに話を続けました
  「人の口に戸は立てられんと言うが…この件はわしらサイドから洩れたのか、教授サイドで洩れたのかは不明じゃが、それがわしらの開発概念の大筋を得たものだという事は確かじゃ。まぁ、不幸中の幸いか、模造品は武装改造や戦闘ができるレベルまでには至っておらんらしい。わしらの開発概念を、神姫を下らん地域紛争などに利用するような者を出す最悪の事態にはなっておらんようじゃ。今、その件に関しては明人達に一任しておる」
  「…………」
  「よいか、香憐よ。いくら正しくて未来の可能性を持つ研究であっても裏に潜む危険性には無視できないものがあるのじゃ。それは過去の結果、ダイナマイト然り、原子力然り、…レスティクラム然り、じゃ。」
  「……つまり、大きすぎる力、便利すぎる力は争いを呼ぶと、そう仰りたいのですか?」
  「そうじゃ。無論、彼女ら…そして彼女らのマスターがそんなことを望んでいるはずは無いのじゃが…わしらには責任がある。彼女らが非道な者の手によって利用されぬため。わしらにはまだ時間が必要なのじゃ…」
  「サンプルデータの採集のためですか」
  「うむ。だからわしはお主らを信頼してこの秘匿義務を課しておる。このことはたとえ葉月であろうと例外ではない。わかるな?」
  「……わかりました」
  正直、葉月様に秘密ごとを作る事は躊躇われました。それでも私は…
  「明人様もその道を進んでおられるのです。仕えるものとして、師として、私は明人様の進む道を共に歩みましょう」
  「そうか…ふっ、あいかわらず明人は幸せ者じゃの…」
  「あ、えと、その… と、ところでその…私の神姫となる方は…」
  「おう、そうじゃった、紹介が遅れたのぅ。彼女がおぬしの神姫じゃ」
  「へ?」
  鳳条院家に仕える私も、そのときばかりは迂闊にも間の抜けた声を出してしまいました…
  「お初にお目にかかります。手前、“たいぷ”紅緒、侍型の“えむえすえす”にてござる。姫君様…」
  先ほどまで兼房様の横にいた女性が私の前に来て、いきなり膝をついてそう言いました
  「ひ、姫君様?」
  姫はどちらかと言うとあなたなんじゃ……って
  「あ、あなたがインターフェイスの試作機さんですか?」
  「は、手前は“たいぷさいふぉす”と同型の試作四号機、つまるところ昴殿の神姫、ランとは双子の姉妹の様な立場になります」
  「はぁ…」
  私は素直に驚いていました
  前にも一度、インターフェイスのノアさんには会っているのですが、言われてみても目の前の彼女は人間にしか見えないのです…
  「まさかここまでとは…」
  「感心するのはいいが、頼みたいことにはまだ続きがあるんじゃ」
  「続き…ですか?」
  「うむ、それはのぅ…………」


  「と、言うわけでこれからよろしくお願いします。明人様」
  「お願いいたす。若君殿」
  「……………」
  ちょっとまて
  もっかい言うぞ?
  ちょっとまて…
  「あのさぁ、だから肝心なところを省略しないでくれる?」
  「ですから、私たちが鳳条院本家にいては秘匿も何もありません。なのでこのマンションに…」
  「だから! なんだってこのマンションに来ることになるんだよ!!」
  「…はぁ、もう一つは秘密だったんですけどねぇ……」
  「よいのですか?」
  「仕方ありません。私が兼房様より申し付かったのは明人様の護衛です」
  「……はぁ? 護衛だぁ?」
  「はい、八相のマハ派からの襲撃に対してできる限り明人様のお側役として仕えるようにと…。目には目を、歯には歯を、彼ら八相には同じくして我ら八相を…と」
  なんちゅうまた、過保護な…御袋といい爺さんといい…  
  「それに…良い理由になるのです。『明人様のお側役をいいつかった』と言うことならば葉月様にも納得していただけるでしょう?」
  「そ、そりゃ…」
  確かにそうだな…
  香憐ねぇがいきなり俺の実家から出て独り暮らしするのは無理がある
  「それに私達はこの部屋にご厄介になるわけではありません。隣の部屋を…」
  「まて、隣は確か空き部屋ではないはずだ。今朝だって俺は隣の人と挨拶したぞ」
  「隣の方にはお願いしに行きました。快く承諾していただきましたよ?」
  「………何をした」
  「何も。………ただ菓子折りを持って行っただけですよ(ボソ」
  ………香憐ねぇ、菓子折りって中は…大体そのやり方ってほとんど●剣財閥と変わらない…
  「だけどなぁ…元々俺は家(本家)の力や過保護さが嫌で出てきたんだから…」
  「いいじゃねぇか、明人」
  そう言ったのは昴だった
  いつからいたんだ、おまえ……
  「香憐ねぇ達がこっちに来てくれりゃあ楽しくなるじゃねえか」
  「楽しくなるってお前…そりゃそうだがな…」
  「それとも…明人様は私が来ることは…お嫌…なのですか?」
  「うっ……;」
  香憐ねぇ…その目は……
  「ご迷惑…ですか?」
  「う、ううぅぅぅ……;」
  だから…その目は反則…
  「流石香憐ねぇだな…明人の弱点『下から見上げるウルウル目線』の破壊力はハンパねえゼ…」
  昴! お前、親友のピンチ(いろんな意味で)って時に人ごとのような解説入れてんじゃねぇ!!
  「明人様……」
  「ぐあっ……わ、わかったよ。降参だ」
  確かに認めるよ
  昔から苦手だったんだよなぁ
  雨の日の捨て猫を見つけたときの罪悪感から見逃せない感じと言うかなんと言うか…
  「それでは明人様…」
  「なんだ、その…ヨロシクな」
  「はい! 明人様」
  「若君殿、ご理解痛み入る」
  「あ、ああ…ところでその若君殿っていうのは何なんだ?」
  「我が姫がお仕えなさる方なので若君殿と……」
  …姫は誰かに仕えるものなのか?
  「その呼び方なんだか…どうにかならないかな?」
  ノアたちの『ご主人様』よりもガクッてなるんだよ…
  「この子になにを言っても無駄ですよ、明人様。私のこともいまだ姫君様なんですから…そんながらじゃないんですが…」
  香憐ねぇもガクッてなってる…って、最後のは俺の台詞…
  「手前の主は男性なら『殿』、女性ならば『姫』にて候。これは“たいぷ”紅緒の“でふぉると”でござる」
  「それはあなただけよ…」
  「(姫君様って言うよりはオ●カル様って感じだよな…)」
  「昴様、何か仰いましたか?」
  「い、いえ…なにも…;」
  余計なこと言った昴が香憐ねぇに睨まれる
  自業自得だ
  「と、ところでさ、この子、名前は?」
  「おっと、申し遅れました。手前、姫君に頂いた名を“孫市”と申します」
  「孫市って…雑賀 孫市?」
  「そうです。この子は刃物よりも銃のほうが得意らしくて…侍型ですし時代的には雑賀衆がいいかと…」
  「なんだか安直だなぁ~」
  お前のランスロットだって似たようなもんだろうが…
  「やはりそうでしょうか。私も少し…」
  “ガタン!!”
  「うわわ!!」
  香憐ねぇが最後まで言い終わる前に孫市はいきなり席を立ち、昴に向かってつかつかと詰め寄った
  「我が名は主、香憐様より頂いた手前の武士(もののふ)としての誇り! その名を汚すのであればたとえ昴殿でも…」
  「お待ちになってください」
  「ラン?」
  隣の部屋にノアたちと待機(主にミコ、ユーナが騒がしいと話が進まないので…ノアは監視役)させていたランが俺たちのいるリビングに入ってきた
  「久しいな、今は…ランスロットか。元気そうでなによりだ」
  「あなたこそ、お元気そうですね…」
  にらみ合う二人…なんだか感動の再会って感じではなさそうなんだが…
  「(この二人って双子のようなものなんだよな? どっちが姉とかあるの?)」
  「(さぁ……二人の口調からしてそんな感じはなさそうですが…)」
  「ランも主に仕える騎士なれば、我が心も解るであろう?」
  「そのことについては謝ります…しかし! いくらこちらが悪くても、私のマスターに敵意を向けたことについては見逃すわけには行きません…」
  おいおいおいおい
  なんか言ってることが双方、無茶苦茶になってないか?
  「ふっ、それでこそ我が半身(のようなもの)……いいだろう。主に対する忠誠心、どちらの方が上か…」
  「ええ、この際はっきり決めてしまいましょう…」
  「「え? え? ええ?」」
  ことの原因らしき二人は慌てふためくばかり
  マスターとして日が浅いのだが…
  なんとも情けないな、オイ…
  「ちょ、待てよラン! いつもの冷静なお前らしくもない…」
  「そ、そうですよ孫市! 私達が争っても仕方がありません!」
  「昴さん、今回だけは止めても無駄です」
  「右に同じ、姫君殿、無駄でござる」
  「騎士の『忠誠』の誇りにかけて…」
  「武士の『忠誠』の誇りにかけて…」
  「「決闘だ!!!」」
  「「「え、ええええええぇぇぇ~~~~~~!!??;」」」
  なんなんだよ、この展開は……

  追記
  そのころ隣の部屋では…
  「ね、ね、ノアねぇ。何かさっきから向こうが騒がしくない? 気にならない?」
  「なりません。大人しくしておきなさい、ミコ」
  「ちぇ~。ん? どうしたのユーナ」
  「いや……最近なんか新キャラも増えてきたしさ…だからアタシもアニキと一緒でちょっと大根Ran中なんだよ…」
  「あ~、増えるのは楽しくなっていいけど私達の出番が少なくなったりするんだよねぇ……今回みたいに…」
  に、睨むなよミコ…次はちゃんと出番あるから
  「…ホントだろうな」
  ………May Be
  「またそんなオチかい!!」
                             続く

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