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えむえむえす ~My marriage story~

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  姉貴に頼まれて裏町へ向かってから1時間ちょっと。
クリスマスはどこも人が多くて嫌気がさしたが、なんとかそろそろ到着だ。
そんな事を思ったタイミングで車内アナウンスが目的地に着いた事を告げる。
ホームから見下ろす裏町の風景は雑多で、どこか滑稽にも見えた。

光が有れば影が出来るってな月並みな台詞がある。
そういう表と裏な概念ってのは至る所にある物で、俺が向かう場所もそう。
人種、信条、貧富、国籍…経緯を含めて普通の場所では生きられない存在は多い。
この国は法治国家で、法律の元国民の権利は保障されている。
けどそれは、法を守らない、法に対象とされない種類の存在には関係の無い話。
世知辛い話だが、それが事実だ。

  駅から裏町をさらに歩く事20分ほど。
借りるのに保証人も要らないような、ある種そのテの人間の為の安アパート。
今回の目的地の前で、嘆息し…呼び鈴を鳴らす。
何度目かの呼び出しにたいしてようやく部屋主の眠そうな声がドア越しに聞こえる。
「なんやのんー?勧誘の類はお断りやでー」
この喋り方って事は今は人間サイズか。
「オレだ、夏彦だ」
「へ?夏はん?」
慌ててドアを開けるその姿。俺の知り合いである所の神姫。しかも全裸。オイ。
「とりあえず服は着て寝ろ」
突っ込むオレに抱きついてブラスター…ラストが答える。
「ええやん、どうせすぐ脱ぐんやしー」
キャァァァ…胸当たってるー!?
「いや、俺は客じゃねーから!つか、体調悪いんじゃないんかいっ!?」
ラストを引き剥がして持ってきた大きなトランクを見せる。
「何?ボスわざわざ夏はんに連絡したん?」
驚いたように尋ねる。そりゃ、姉貴の人となりを理解してればそんな親切に励むとも
思えんよな。
「いや、今日クリスマスだろ。人手が足りな過ぎてな、不本意ながら手伝いを」
「ああ、それでその場に居たから頼まれたっちゅうワケ?」
「概ねその通りだ。ほら、入れ…検査すっから」
「いや、要らんよ。ロボットが病気になる訳ないやん」
面倒そうに手を振って拒否するラスト。
「お前のそっちの身体は殆ど人間と同じだろ。裏に流れた模造品とは言え」
「病気になっても不思議じゃなくね?」
正規品を使ってる知り合いの神姫達を思い出す。アレは本当にトンデモというかマジな話
人間と変わらないからなぁ。裏に流れたこの身体見た時もデッドコピーながらトンデモ
加減はまだまだ常識の外で驚いたモンだった。
そして、俺の問いにしばらく考え込んだラストが部屋に戻りながら返す。
「夏はんの言う通り模造品やからな。生体機能は大幅に省略されとるし。無いと思うで」
「それならそれで不調の原因調べにゃならんだろ。このままってワケに行くか」
部屋にお邪魔しながら、そう返事を返した。

  先ずはラストにタンクトップとショートパンツを着せてソファに座らせる。
しかし全裸て。羞恥心が無いのか、かわれてるのか判断に困るトコだ。
首の接続部にケーブルを接続し、持ってきたノートパソコンから診断プログラムを走らせ。
「…たしかに概ねはOKだが。ちょっとパーツの劣化早くないか」
「そんなんウチのせいちゃうて。お客はんがムリするからやろ」
…彼女は自活している。人権も無ければ保証も無いこの世界で。
必要なのは力と金。マンガみたいな台詞だが事実それ以外の物は役に立たない。
そんな世界でなお、戸籍も人権も無い彼女の仕事は限られる。
否応も無く世間的に言えば「良くない仕事」に携わる事も多い。娼婦もその一つ。
無論、マスターを持って普通の神姫として生きる道も当然ある。
どっちかというとその方が全てにおいて平和な事だと思う。
しかし、マスターと神姫という概念を持って生まれなかった彼女にとってはどうしても
その生き方はしっくりこないらしい。
そう生まれなかった事が、自分の天命で幸運なのだと誇らしげに言う姿を覚えている。

彼女が正しいか正しくないかはオレには解らない。
ただ、その生きる姿勢を眩しく感じる事もあるし、そこにはオレの正義と近しい物を
感じなくも無い。だから、オレは偶にここを訪れる。
ラストを含んだ神姫達のメンテナンスの為に。
ほんの少しの手助けをする為。そして…

社会と言う世界に出てしまった武装神姫が、決して幸運であるとは限らない事。
俺が普段見ている情景が、武装神姫の全てだと思い込んでしまわないように。
それを忘れないように。




「しかし毎度の事ながら、お人好しやねぇ」
呆れたように呟きつつ、オレのチェックを受けるラスト。
「しょーがねーだろ、お前らマトモなメンテ受けられないんだから」
ラストを含めここいらの神姫はほぼ例外なく正規のマスターが居ない。
なんとかその問題をクリアしたとしても「そういう商売」用の違法パーツのカタマリ
みたいな彼女達に通常の神姫関連サービスを受けるのは不可能に近い。
「せやかて、こないに金掛かる違法パーツわざわざかき集めてロハでメンテに来る
  やなんて、だいぶヌルいと思うで」
トランクの中身を見下ろしつつラストが呟く。
「その分はアレで稼いでる。伊達や酔狂以外の役にも立つのさ、正義の味方稼業も」
モニターからあやしい箇所にアタリを付けつつ、生返事を返す。
「正義の味方か…相変わらず胡散臭いなあ」
冗談交じりに呟き、こちらを覗くラスト。
しかしその目は笑う事無く、こちらを見つめている。
「その正義の味方はんがウチらによくしてくれるんわ…ウチらが可哀想やから?」
何度目かの同じ質問。多分、彼女の中にはずっとその疑問が残っているのだろう。
こういう生き方を少なくとも自分で選んだ彼女にとって、同情は侮辱と同義なのだ。
そして、オレも何度目かの答えを返す。思う通りに気負い無く。
「あのな、具合悪いと聞かされりゃ、心配の一つもするのが人情だろ。お前は俺の…
  まぁ、身内だしな」
「そりゃまぁ、この状況を見て可哀想と思うなってのがムリってのもあるさ。お前は怒る
  だろうけども」
一つ息を吐いて、ラストを見る。憮然としてるが怒っては居ない。
「だがな、それ以上にオレは神姫萌えなんだよ。そりゃー、世界中の神姫を救うなんざ
  タダの玩具屋のオレにゃムリだ。だが、目に入る範囲の神姫が不幸なのは我慢ならん。
  本音を言えば全員なんとか普通の生活させたいトコだがそんなモン大きなお世話だし
  完璧に独善でしかねぇ。だからお前らが生きたいように生きる手助けをして自己満足に
  浸ってんのさ」
言い切る。何度同じ遣り取りをしたろうか。変わらん内容にお互い苦笑混じりだ。
「…正義何ざな、それこそ物考える物それぞれだ。オレの正義もハタからみりゃただの
  偽善で私刑を行う気狂いかも知れん。それでいいだろ、他人の為にやってるわけじゃ
  ねぇし。俺はコイツに誇り持ってるからな」
そこまで言って言葉を切り、チェック結果を説明する。
「一つはパーツ劣化による伝達系の不具合。後は2つのボディの規格違いからくるデータ
  キャッシュの不整合が原因の負荷だな」
モニタを見ながら真顔で呟く俺。
ラストもソレを見て嘆息をついた。
「別にそこまで悪く言わんでもええやん?感謝はしてるし。ウチ一人アホみたいや」
「少しでもカッコつけたら怒るだろがい。タダの自己満足と思われてるほうがラク」
顔をラストへ向けてジト目で呟く。
「もう充分カッコつけとるやん。サッブい台詞やでいつ聞いても」
笑い、オレの肩を叩いて彼女が伸びをする。
「ま、ええわ。何回聞いてもゼンゼン解らへんけど…助かってるし?」
「ま、無償の愛ってヤツよ。ほら、愛は地球を救うってヤツ」
「アレが一番信用ならんわ」「同感だ。遺憾ながら」
そんな遣り取りの後、どちらからともなく笑いあった。




  結局終わったのはもう日も暮れてからだった。時刻としては6時過ぎなんだが、冬は
日が暮れるの早ぇなぁ。
まぁ、夜に間に合ってよかった。仕事もあるだろし。
ぐったりしてソファに凭れ掛かるオレの前にお茶を置いて、ラストが隣に座る。
「お疲れさん。確かにゼンゼン調子ええわ」「おう。ま、大したこと無くて良かったよ」
僅かに笑い、そこで無言になる。
うーむ…苦手だ、こういう状況は。よく考えたら二人きりなワケで。
これがジェニーなら意識せずに自然体なんだが…やっぱ気ぃ使うよなぁ。
「そーいや、お前は仕事大丈夫か?時間とか」
なんとか会話を試みるオレだったが相手はやぶ睨みでこう告げる。
「何?早う帰りたいん?」
「いや、そーじゃないけど。客来たら気まずいだろ。俺は間男か」
「あははは…ないない。ウチは部屋に客は入れへんよ」
笑って否定する。が、その目はどこか気だるげに天井を見上げて。
「…メンドくさい客もおるから。あんま絡まれてもかなわんしな」
「色々あんだな…」
呟き、お茶に口をつける。薄いけど不味くは無い。
「けっこう無茶するしなぁ。ま、ビョーキにもならんし妊娠もせぇへんし…男にとっちゃ
  ウチらみたいなんはやっぱり色々便利なんちゃう?捌け口としては」
膝を抱えぼんやりと呟く。その声に何の感情も無い事が逆にツラかった。
「あんまり面白い話じゃねぇな…お茶請けにもならん」
オレが呟く声も、思ったより低かった。
「…なんで夏はんが怒るかなぁ?」
こちらを見て囁くラストと目が合った。僅かに笑ったその表情は何と言うか色っぽい。
「なんか色々ムカツくわ。こう、神姫にだって心がだな?」
熱弁を振るいに掛かる俺の唇に指を当てて黙らせ、ラストが顔を近づける。
「はいはい。その主張はちょっとガキ臭いで?ウチらは自分の為に働いてるんやし」
「商品になるっちゅうのは…ウチらからすれば良い事でもあるんよ」
ラストが圧し掛かってくる。体制を崩し、ソファに寝転ぶカタチになる俺。
「まー、そういうオトナな話は夏はんキライやもんなぁ?」
「つーか、何気に何で上に乗ってますか?そーいう目的で来てないと毎回言っとろうが」
この雰囲気はマズい。本能的に察知しつつも何故か動けない。
「おい、病み上がり?聞いてるか?」
「はいはい。ねぇ夏はん?ウチが他の男に抱かれるんわ…イヤ?」
蠱惑的な笑みを浮かべ、ラストが俺の瞳を覗き込む。
「いや、そーいう意味で言ったんじゃねぇよ…」
「解ってるて。少しでも妬いてくれたら嬉しいなー、思ただけやん」
何故か声が掠れる。対して余裕たっぷりに俺の頬を撫でるラスト。
ぐぅ。こっちの経験値じゃハナから勝負にならん。

「とりあえず降参するからどけ。身が持たん。ジェニーさんに怒られるし」
「イヤや♪何、ジェニーちゃんと良い仲にでもなってん?」
「いや、医者と患者に間違いがあったらアレなのと同じ理屈じゃね?」
唐突に、ラストが俺の唇を塞いだ。ええと?ちょ?何?
俺の疑問をヨソに、ラストの熱っぽいキスに身体は反応していく。いや、ヤバイって。
「おい、シャレにならんだろうが!?」
なんとかお互いの間に隙間を作り、声を上げる。
「シャレで押し倒したりはせんて。ただ…」
ラストの瞳がしっかりと俺を捉えた。その瞳の中に俺が写ってるのまで見える気がする。
無論、夕闇の部屋の中でそんなワケはないのだが。
「偶には…抱かれたいと思うた男に抱かれるくらい、あってもええやん?」
「それとも…ウチみたいな商売女じゃ、抱く気にもならん?魅力無い?」
ええい、反則だ。単純に男として女のコイツを見れば、魅力的だと思う。
聖人君子でもない普通の男としちゃ、抗えない面もある。だが、それ以上に…
こういう時のコイツの眼は、ほっとけないのだ。何でかは、あまり考えたくない。
「…いいのかよ。お前に限ってヤケでもねぇだろうけど」
「確かめたいんよ、ウチはまだ女なのか。商売だけで身体重ねとったら感覚狂ってまうし。
  だから偶には商売抜きで、いい思いさせて?」
俺の胸の中に収まり、上目遣いで微笑む。…天然か?それともこれがスキルという物か?
とりあえず篭絡される俺には何も言えない。正直可愛い。
「…悲しいけど俺も男だ。ええい畜生」
「そ。健康な男なんやから据え膳は食っとき。ジェニーちゃんには黙っとくし」
「いや、俺も言ってねぇよ。カンが良いんすよジェニーさん」
「毎度知ってて止めない辺りがらしくない気もするけど…ま、確かにジェニーさんのが
  正論だしなぁ」
「色々あるんよ、ジェニーちゃんにも。偶には優しくしたり」
「ま、ウチにそんな事言う資格無いか…知っててやめへんのやから、実際イヤな女やで」
二言目は聞き取れなかった。
ラストと目があった時、表情の陰りみたいなのが気になったが…質問しようとした口は
再びラストの唇で遮られた。




「ちゅうか、初めてでもあるまいし…夏はんカタいんとちゃう?」
「なんつーか、イヤなんだよ。その…流れでする、みたいなのは」
見詰め合ったまま問答する。ていうか会話しつつも脱がされてるんですけど。
「ヘンなトコだけ真面目やんなぁ。根はエロいんやから正直に生きたらええのに」
「イチイチ語弊があるな」
納得いかない顔の俺をなだめつつ、腰を浮かすように促される。
っていつのまにか全部脱がされてるじゃないか。恐るべし。
「いや俺だけ裸ってどうなんだ」
「ほほう、ウチの裸がみたいと?」
ニヤケつつ聞いてくるラスト。コイツは。
「そーは言ってません」
「なんや、見たないのん?それとも着たまま派?」
「いや、マジ見たいです。つーかお前の中で俺はどんなだ」
真面目に聞いてくる顔に真顔で返す。なんかスゴく駄目な人と認識されてないか俺。
「聞いたらヘコむで?」「じゃ、いい」
大人らしい対応をする俺。うむ、玉虫色。
「ほら…夏はん、見て?」
そう言ってラストがタンクトップをたくし上げる。
適度な大きさで張りのある胸が眩しい。その先が立ち上がってるのを見て思わず口に
くわえてしまった。
「んー?夏はんもしかしてマザコン?」
胸に吸い付かれたまま俺の頭を撫でて聞いてくる。
「ちげーよ。目の前に美味しそうな物があったから思わず食った。そんだけだ」
我ながら言い切るのもどうか。
「あはは…そか。ほんならウチも、美味しそうなモン食べようかな?」
ラストの指が俺のに触れる。うわ。意識してなかったけどスゴイ元気になってる。
「…我ながら異様に元気だな。最近ジェニーさんの監視厳しかったからなー」
秘蔵のコレクションがエラい勢いで犠牲になったのを思い出す。尊い犠牲だった。
「じゃ、存分に満足してってもらお…夏はん、横になって」
促されるままソファの袖に寄りかかり、半身を寝かせる。
「うわぁ…確かに近くで見たら元気やね。熱ぅ…」
「いや、あんまり見んなハズいから」
「何照れてるのん?ん…ちゅ」
ラストがフェラチオを始める。舐めると言うよりは溶かすように、俺のに舌で唾液を
塗りつけていくその姿はなんだかひどく厭らしく見えた。
それに反応してか俺のも微妙に暴れる。
「ん…こら、しにくいやん。暴れんといて」
右手でしっかりと握り、丁寧に続ける。
他に音の出る物の無い密室に、やたらその音だけが卑猥に大きく響いた。
「なんか無闇にエロいな」
「男はんを興奮させるのも仕事やし?ま、今は仕事ちゃうねんけど…どうせなら激しい
  方がええし。いっぱい感じてな…?」
「されっぱなしってのも何だかな」
ラストの腕を取り、引き寄せる。
「ん?何?」
「キスしたい」
囁くと、僅かに笑ってラストが囁き返した。
「さっきまで自分の咥えとったクチやで?」
「関係ねぇよ」
強引に唇を奪う。ラストの口内が俺を受け入れ、お互いを遣り取りする度に熱が上がる。
お互いの身体を弄り、ラストが俺のを、俺がラストの胸を、尻を捏ね回すまま…お互いが
混じるような錯覚を覚えて、ソファから転げ落ちた。
「ぐぁ」「痛たた…」
マヌケな声を上げつつお互いを見詰め、同時に呟いた。
『ベッド行こか』

  彼女の部屋の簡素なベッドがギシギシ音を立てる。
何故か脳裏を過ぎるギシアンという単語。いや、こういう時ぐらいネタから離れろ俺。
ベッドに横たわる俺の上にラストが跨った。…良い眺めとか言ったら怒られるかなぁ。
「ほな…入れるで?」
「いや、確認すんな」
「演出、演出…さっきからビクビクしてるし?」
俺のに添えられたラストの手が、入り口目掛けてしっかりと導いていく。
「ん…」
熱い、粘膜の感触。ホントに人間そっくりの身体だと思う。
一気に鼓動が早まる俺を焦らすように、ゆっくりと彼女が俺を受け入れていく。
…無意識に、快感を求めて俺が腰を動かしてしまった。
一気にラストを突き上げ、奥まで侵入する。
「んっ!…コラ、急にビックリするやん…?」
眉根を寄せて、俺の上に倒れ掛かるラスト。自然目と目が近づく。
「悪い…無意識に動いた」
「ええけど…も、平気やから動いてええよ…それともウチが動く?」
「両方で」「激しなぁ」
冗談交じりの会話の後、お互いが身体を動かし、快感を貪り始める。
俺が突き上げるたびにラストも小さな円を描くように腰を動かし、お互いが内側の接触点
に刺激を与えていく。
ソロプレイの時の想像上の快感を大きく超える、熱と柔らかさと、興奮。
情けないが、すぐにも上り詰めそうな中、がむしゃらに腰を動かす。
「ん…激しいっ…なぁ。色々言うたワリにはえらい積極的やん…」
ラストが俺にしがみ付き、ぶつけるように腰を揺り動かす。
「…今は、あんまり考えたくない。お前が欲しい」
「うあ…クルなぁ、その台詞。ええよ、全部上げるから、好きに使こうて?ほんで…
  夏はんを頂戴?いっぱいいっぱい…ウチに…」
耳元で囁く彼女の声に、背筋をゾクゾクと何かが駆け上がる。
「悪い…もう、もたねぇ」
「…しゃあないなぁ。ええよ、このまま頂戴…何回でもナカに、夏はんを…」
「ラスト!…くっ…」
彼女の細い身体を折れるほどキツく抱き締め、欲望を吐き出す。
互いの身体がビクビクと痙攣し、内側で弾ける熱を感じる事に集中して。
そのまま力を失って、俺達はベッドに倒れこんだ。

「はぁ…はぁっ…夏はん、生きてる?」
五分くらい経ったろうか。俺の上のラストが声を掛ける。
「腹上死するほどトシじゃねぇよ…」
彼女の髪を撫で、答えて。
「…今度はウチが下やで?」
「…やっぱりまだ続けるんかい」
「当たり前や。ケムリも出んようにしたる…」
微笑み俺を覗き込んで、ラストが口付ける。彼女の内側から零れる精を処理する暇も
無く、俺達は二回目の行為を始めた。




…10時て。結局4時間近くもしてたんか俺。
シャワーを浴びて服を着た俺は時計を見ながら一人物思いに耽っていた。
…姉貴とジェニーさんのツッコミはどう回避すべきか。
「どしたん、難しそうな顔して」
同じくシャワーを浴びたラストが頭を拭きながら寄って来る。
「夢中になり過ぎたと思ってな。どう誤魔化そう」
「ああ…ええわ、ウチもついてくさかい、任せて」
そう言った瞬間、インターホンが鳴った。
「あら?迎えの方が先に来てもうたかな?」
ラストがドアを開けたその先には…たっちゃん!?
「夏彦、落ち着いて聞いてくれ。ジェニーが攫われた」
『はぁっ!?』
俺とラストの声が被り、数分後俺達はたっちゃんの車に飛び乗ったのだった。
クリスマスイブからクリスマスへ。俺の一日はまだ終わりそうに無い。







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