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そのじゅうご・みっつめ「さあ反撃の狼煙を上げろ・3――ジジィと神姫――」


 件の強化案にもあったのだが、どうも親父はこのジイ様――母さんの父親――に何らかのツテを求めていたらしい。
 僕のジイ様は、趣味を仕事にしている人で、「息抜きと人生は同義語だ!」と言って憚らないダメ壮年だったりする。
 はっきり言ってしまえば、親父のアップグレード版。……ダメさ加減が上位種って、マイナーダウンじゃなかろうか?
 そんなジイ様が趣味でやってる仕事ってのが、小説家だったりする。桜田柄今(さくらだ・つかいま)というペンネームで、『デヴォ探シリーズ』という連作ミステリを執筆している。かくいう僕はその一編すらも読んだ事はないけど、どうも好評らしい。
 僕の主観だけで言わせて貰えば、こんないい加減なジイ様が作家だという事実に心苦しさを感じないでもない。はっきりと、端的に言ってしまえば、「他の作家先生たちに謝れ!」 という心境だったりする。
 要するに、ダメ大人っぷりを目の当たりにする親類としては、そう言わざるを得ないくらいの特異なパーソナリティーの持ち主ということ。
 まぁ、そんなジイ様は、そのシリーズモノのおかげかなんかで、玩具メーカーやその他色々なところにコネを持っていたりする。
 親父はそこに目をつけていたらしかった。



 今、僕とティキはチョット大きめな一軒家の真ん前にいる。
 お屋敷とか館とか、そこまでの規模では決して無いけど、それでも一般的には『広い』と認識される一軒家。
 まぁ立地条件が良かったと言うか悪かったと言うか、とにかく不便な所ではあるので、これくらいの広さがあっても、安く購入できたらしい。
 決して大きくは無い門には『葉月』と彫られた表札が掛けられていた。
 ここの家の家主は葉月総(はづき・そう)と言う名の60過ぎのジイ様で、オタク気質の持ち主。更に付け加えるなら、自分と趣味が合うからといって快く娘をその男のところに嫁に出したという逸話まで残す変人。そして、僕の亡父に武装神姫を進めた張本人。
 つまり僕の、紛れも無く血のつながった祖父。母の父親。親父の言うところのお義父さん。
 ……諸悪の根源。
 いや、ジイ様のおかげでティキと出会えることが出来たわけだから、感謝すべきなのか?
 兎に角、僕らは休日を利用し、わざわざ交通の便も少ないこんな僻地までやってきたわけだ。
 田舎だけあって、庭も広い。いや、あくまで庶民感覚で。
 それでもティキは感じ入ったらしく、しきりに感嘆の声を上げ、キョロキョロとあたりを見回した。
 さすがにご近所さんで、これくらいの規模の個人宅なんて無いからなあ。一応新興住宅地だしね、僕の家の周りは。
 十数歩も飛び石を歩き渡ったところで玄関にたどり着き、僕は呼び鈴を鳴らす。
 待つこと数秒。
「よく来たな、ボウズ」
 そのむやみやたらに勘違いした若作りファッションのジイ様は、ニカッと不自然に白い歯を見せて笑った。



 居間に通された僕達は、なんだか居心地の悪さを感じていた。
 何でこの家は神姫にお茶を運ばせてるんだろうね?
 四体の神姫たちは手馴れた様子で僕らをもてなしてくれている。
 で、当のジイ様は上座でどっしりと座っていたりする。
 ……この家じゃこれが普通なのか?
「バアさんに三行半突きつけられてから、一人暮らしで何かと不便でなぁ。神姫たちが家に来てからすっかりと楽になったよ」
 やっぱりこれが普通なんだ……
「マスタ、ティキも手伝いした方がいいですかぁ?」
 こっそりと僕に聞いてくる。それに対し、僕は小さく首を横に振った。
 この状況が平素なものだとしたら、僕やティキが手を出すのは遠慮した方がいい。それこそ大きなお世話ってヤツだ。
「でボウズ。今日は何のようかね?」
 ジイ様は緑茶を啜ると僕に笑いかける。
 その笑顔は何処か邪悪めいていて、うがった見方なのを承知で言わせて貰えば、「ようやくお前もこっちの世界に来たか。それ見たことか、この隠れオタめ!」と言ってる様に感じられる。
「くっくっくっ。ようやくお前もこっちの世界に来たか。それ見たことか、この隠れオタめ!」
 …………本当に言いやがった!
「しかし女に振られてからやっとこさ本性顕にしたつーのがなんとも情けないが」
 止めまで刺す気か!
「大方ボウズの事だから、ティキちゃんの愛らしさを見てコロッと態度を代えたんだろ? 『萌ー』とか言って。……まったくムッツリだな」
 言ってねーよ。更にいらんレッテルまで貼ってくれたよ、このジイ様!
 そこまで言うとジイ様はテーブルに用意されていた大福に手をつける。
「で、萌々エロボウズ。用件を早く言わんかい」
「誰が『萌々エロボウズ』か!」
「マスタは『萌々エロボウズ』なのですかぁ!?」
「ちっがーう!」
 このジイ様は昔っから僕をこういう風にからかって遊ぶのが大好きだったんだよ。
 普通孫にこんな仕打ちするか?
「相変わらずからかい甲斐があるボウズだな。……まぁ、ボウズがオレッチを訪ねて来た理由に心当たりもないわけではないが……どうせなら本人の口から聞かせてくれんか?」
 人の悪そうな笑みを浮かべながら飄々と言ってのける。
 実際敵いません。お手上げ。母さんがしっかり者なのも良くわかるよ。ホント。
 反面教師がこうも間近に居るんじゃ、ああもなる。
「……武装神姫の、ティキの武装強化案。親父が頼んでいたパーツを受け取りに来たんだ」
 僕はジイ様の目をしっかりと見据えて、はっきりと口に出していった。
 ジイ様はニヤリと口を歪ませる。
「別に、ボウズにやってもいいけど、ありゃあボウズの手にゃ余るぞ?」
「それでも、譲って欲しい。親父がやりたかった事をやり遂げたい、から」
「旦那さんが最後に残した物を、無駄にするのはイヤなのですよぉ」
 ジイ様は口元を歪ませたまま僕らをジッと見定める。
 うーん、なんとも居心地が悪い。
 おもむろにジイ様はお勝手に向かって声をあげた。
「おーい、ヒワよ。あのパーツを持ってきてくれ。アトリ、お前は例のメモを」
「畏まりました」
「了解です」
 すぐさま返事が返ってきて、待つこと数十秒。
 仲居さんの格好に、ウイングユニットを取り付けたアーンヴァルのヒワが、箱を抱えて飛んで来る。ホテルマンの制服を着て、アームユニット、レッグパーツを装備したストラーフのアトリがメモの束を抱えてやって来る。
 先ほどから、ある意味珍妙な格好の神姫が四体、僕らを接客しているのだから、居心地だって悪いというものだ。
 ……こんな趣向の持ち主だからバア様が出て行くんだよ。
 心の中でそっと嘆息。
 そんな僕に気が付いているのかいないのか、ジイ様は二体からそれぞれ持って来てもらった物を受け取り、それぞれに礼を言う。
 その細やかさが何で生身の、それも肉親に向けられないのかな?
「さてと、これが修芳(あつよし)君から頼まれていた物だ」
 そういって二体の神姫より受け取った物を、僕の前に差し出す。
 ちなみに、修芳というのは親父の事。
「これと、先に届いていた演算ユニットで、修芳君の構想していたユニットは完成するはずだ」
 ジイ様は滅多に見せることがない真面目な顔で言う。
「一応このメモには大まかな回路図が記されているが、間違いなくお前には理解できんだろう。それでも、これを持って行くか?」
「うん。それでも僕はこれを完成させる。させてみせる」
 僕も、ジイ様に負けないくらいの気持ちを持ってジイ様に告げた。
「……わかった。持って行け。本当なら修芳君に代金を請求するつもりだったが、これは修芳君への弔い代りだ」
 ジイ様は残ったお茶を煽るように飲み干した。
「……ところでジイ様」
「なんじゃい」
「演算ユニットって、どこ?」
「あ? アレなら修芳君がすでに持ち帰ったぞ」
 親父が持って帰っているのか。うーん探して見るか。
 だけど本当はこういうコネって、なんかズルしてるみたいで好きじゃないんだけど。
 言い訳だよなぁ。
 言い訳だけど。
 言い訳に使いたくはないけど、親父の思いに答える為に、僕のくだらないプライドはこの際無視してしまおう。



 その後、僕らはジイ様と食事をし、ジイ様の家を出るころにはすでに夕暮れ。暗くなるとこのあたりは本当に真っ暗になるというので、僕らはお暇することにした。
「ジイ様、ありがとう」
「ありがとうなのですよぉ♪」
 僕らはジイ様にお礼を言うと、ジイ様は照れたような顔をして。
「イイんだよ。気にすんな」
 とだけ言う。
「それじゃあな」
 そう素っ気無く言うと、ジイ様はそのまま玄関の戸を閉めようとした。
 が、その時、
「先生。私お見送りに行ってきます」
 ヒワはジイ様にそう断わると、スーッと外へと飛び出す。
「そうかい? じゃあ頼むな」
 そう答え、今度こそジイ様は玄関の戸を閉めた。
「別にまだ明るいから大丈夫なのに」
 申し訳ない気持ちになって、僕はヒワに言った。
「いいのですよ。ここら辺は何も目印がないので迷いやすいのです」
「そうなのですかぁ?」
「はい。……それと、雪那様にお話もありまして」
 僕とティキは顔を見合わせる。
「移動しながらお話しましょう」
 ヒワはそう言うと進み始めた。
 家の門を潜り、角を曲がったところでヒワが口を開く。
「雪那様。お願いが御座います」
 金髪に和服、そしてウイングユニットを装着したその神姫は静かにそう言った。
「時折、本当に稀で構いませんので、たまにこうして先生を訪ねてきてはくれませんか?」
「え? いや、まぁそれは。別に構わないけれど……なぁ」
 僕はヒワの言葉に答え、ティキに同意を求める。
「ティキはまたお爺さんと遊びたいのですよぉ♪」
 ティキは元気良く答えた。
「有難う御座います」
 ヒワは浮遊しながらも器用に頭を下げる。
 ここで「なんで?」と聞くのは、鈍感が過ぎるか?
「……先生は奥様が出て行かれた後、大変に塞ぎ込んでいたと言います。私達が先生の所でお世話になってからも、時折寂しい思いをされているようです」
 ……………………
「それでも今までは、時折修芳様がいらっしゃっていましたので、元気にやっていたのですが、その修芳様が亡くなったからは、さすがに気落ちしたご様子で……」
 僕も、ティキも、項垂れてヒワの言葉を聞く。
「それでも私達の前では気丈に振舞って居られますが…… そんな先生を見ているのは悲しいのです」
 バア様が今でもジイ様と連絡を取っているのか僕はわからないけど、少なくても母さんはあまりジイ様と連絡を取り合っていない。
 別にジイ様と母さんが仲が悪いと言うわけじゃないけど、男親とその娘って、そんなもんなんだと思う。
 加えて、なぜか親父はジイ様と仲が良かった。親父はジイ様を本当の親以上に思っていたと、聞いたことがある。
 そういう事をちゃんと考えたら、やっぱりジイ様も寂しいのか、な……?
「大丈夫だよ。僕はちゃんとジイ様が好きだから。また来るよ」
「ティキもまた来るですよぉ☆ もっと、いっぱいお話したいですぅ♪」
 僕達は勤めて明るくそう言った。
 それを聞いて、ヒワは優しく微笑んだ。



 そんなこんなで必要なものとそれに伴うある程度のヒントを手に入れたが、僕は案の定それを完成させる事が出来ずにいた。
 当然だよなぁ。僕は専門家ではないし、その手の知識に明るいわけじゃない。
 神姫のオーナーになってから多少はそういう知識に明るくなってはいたけど、それでも僕の手には余った。
 ジイ様が指摘した通りの結果、というわけだ。
 だけどやっぱり諦めるわけには行かない。
 専門的な知識が僕にないのであれば――
 ――専門家に聞けばいいじゃないか。


終える / もどる / つづく!




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