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  「スッチーって呼び方は…もはや死語なのだろうか」
  「たぶんそうなんじゃない?」
  この日記はいきなり突拍子の無い始まり方が毎度のことなのだが、今回のそれはいつもに増して意味不明っぽくてスマン
  なぜ俺とミコの会話の話題が女性客室乗務員なのかというと、それが今、目の前を通り過ぎているからなのだ。
  季節はすっかり冬
  そんな寒い日の昼前に俺とミコは空港に来ていた
  どっかへ旅行に行こうってわけじゃない
  今日は俺の親友であり幼馴染の花菱 昴が帰国するって言うんで迎えに来たのだ
  ちなみにノアとユーナは俺の家で葉月や香憐ねぇたちと帰国歓迎会の準備を手伝っている
  神姫素体なのに役にたつのかと疑問なのだが、ノアなら問題なく出来てしまいそうな気がする…
  「少し早く来すぎちまったかな」
  「予定の飛行機が来るまでどれぐらいあるの?」
  「ん~と…」
  俺は出国ロビーにでかでかと表示されている電子掲示板で昴の乗るはずの飛行機の到着時間を確かめる
  「あ~、あと45分ぐらいか…」
  「うええ~、そんなに?」
  これには俺も同感だ
  なんか面白いもんでもあるのなら別なんだが、空港のロビーで45分も無駄にボケーとしておくのは暇すぎる……
  ん? なんか面白いもん…
  「そうだ、ここって確か隣の建物に神姫センターがあったよな?」
  「あ、そういえば来るときにみたね」
  そうなのだ
  今の御時世、国際空港となれば土産屋やコンビニなど多少のものはあるのだが、ここの空港にはレスティクラムセンターや神姫センターがあったんだった
  日本の情報技術や映像関係の技術は世界に誇るものがあるからなぁ…
  30年前だって世界の先進国では「OTAKU」や「MANGA」って言葉が通じてるんだから……なんか日本って凄い国なのかどうだかわからんな;
  「行ってみるか?」
  「もっちろん! にゃはは~、リーグ戦以外の試合は久々だから腕がなるよ~w」


  「そんでもって今のトコ10連勝ってか」
  あれから時間にして25分ほどたった
  リーグ戦でもないのでフリーバトルで匿名参加
  外国人観光客ならまだしも日本のリーグランカー相手に俺とミコの名前を出してたら対戦相手が減っちまう。こちらとしても自分より格下の相手をいびりたいわけじゃないので手加減はしているんだが………
  わざと負けるのも悔しいので、せめて『瞬殺はなし』ぐらいのハンデでやっている(ハンデになるかどうかは別問題)
  「にゃははのはぁ~w ご主人様、褒めて褒めて~~」
  「あ~はいはい、ヨクデキマシタ」
  「むぅ~。心がこもってなさスギ~」
  そういってむくれるミコ
  「アホタレ。空港みたいな辺境じゃ、お前レベルの神姫なんてそうそう出てくるわけ無いだろうが。勝って当然なんだから見返りも当然少ねーの。ハイリスク、ハイリターンならぬロウリスク、ロウリターンなのだよミコ君」
  「ちぇ~。………んじゃさ、ご主人様」
  「あん?」
  なんか上目遣いでモジモジしながらこちらを見ておられますな…
  「もしもファーストランクの神姫とマスターが挑戦してきて勝ったらさ………私のお願い…なんでも…聞いてくれる?」
  いきなり何を言い出すんだこの娘さんは…なんでもってなぁ…
  「なんでもって…どの位の?」
  空港なんでこのままハワイへ二泊三日! なんてのは無理があるぞ?
  「ん~そだね~、……今日は私と一緒に寝てくれる…とか」
  「………はい?」
  「ね、ね、いいでしょ? もしもだよ、もしも!」
  なんかそのお願いは微妙にしょぼいような気がするが…ハワイより現実的だわな
  「…挑戦してきたらな」
  「ホント!? 約束だよ! ゼッッタイだからね!!」
  「あ、ああ……」
  「よーし!!」
  …なんかウチのミコさんが燃えていらっしゃいます
  凄いです
  119に連絡した方がいいでしょうか?


  んでもって20分後
  「おい、ミコ、そんな名残惜しそうに見るなってば」
  「だって、だってぇ~;」
  あの後ミコは鬼神の如く挑戦者を千切っては投げ、千切っては投げの総計34連勝
  途中はムキになった挑戦者同士でチームを組んで挑んだりしてきたがそれでもミコの怒涛の勢いを殺すことはかなわなかったわけなのだが…
  「結局、みんな初心者かサード、よくてセカンドの上ってところだったな…」
  「む~ぅ…ご主人様、もう一回、もう一回だけぇ!!」
  「だからファーストランカーはそうそうこんなとこに来ないって言ったろ? おまえ、今日はなんでこんなとこにいるのか忘れてないか? もうすぐ時間なんだって」
  「それは…そうだけどぉ…(せっかくノアねぇ達がいない今がチャンスなのにぃ…)」
  「ファースランカーの神姫と戦いたいなら登録ID使って全国ネットとつながにゃならんし、大体今日はただの時間潰しなんだから…」
  「そっか! その手があったね。それじゃあID使おうよ、ご主人様!」
  「いや、だからおまえ時間が…」
  「ダイジョーブ!! 今の私を止められるのなんてノアねぇぐらいしか思い当たらないよ!!」
  ノアには止められるんだな…
  こんなことなら連れて来るべきだったか…
  「ちなみにノアねぇ連れてきててもノアねぇも私と同じこと言うと思うよ。ご主人様はどっちの道こうなる運命なんだってば」
  「…ショボイ運命なんだな」
  仕方なく俺はバトルシステムのコンソールに入るとIDを入力する

  MASTER NAME 橘 明人
  MASTER ID ************

  これでいつものセットアップ画面に繋がる
  登録神姫選択では勿論ミコを選択
  条件はフリーバトル、ファーストランカー希望で『お遊び感覚の練習試合』ということを掲示しておく
  「これでいいな?」
  「うん! OKだよ。物分かりのいいご主人様ってス・テ・キ♡」
  ゲンキンなやっちゃなぁ~
  「言っておくが5分以内に挑戦者が現れなかったら中断するからな。昴を待たせちゃなんのために早めに来たのかわかんねぇだ…」
  「きたよ?」
  「ろ?」
  画面を見ると “CHALLENGER”の表示
  「…マジかよ」
  「私達がリーグ戦以外で試合するなんてエルゴ以外じゃあんまりないもん。私だって伊達に「ガンブレイダー」で通ってないんだから、普通興味が出るでしょ?」
  それはそうだろうが…
  なんなんだろうか…なんだか嫌な予感がする……
  気のせいか?
  「それより待たせちゃ悪いよ。早く終わらせるんでしょ? ご主人様、GO! GO!」
  「あ、ああ……」
  ミコに促されるかたちで俺は決定ボタンを押した


  案の定俺の勘ってのは当たりやすいって事が証明された
  「右方向からミサイル4!」
  「うそ? また!?」
  言ってる間にも接近してくるミサイル
  ホーミングモードが精密なタイプだ
  さっきからうっとおしいことこの上ない
  「逃げ切れん…迎撃しろ!!」
  「りょ、了解!」
  すかさず両手のサブマシンガンで迎撃するミコ
  一つ、二つ、三つ…もう一本は…
  “シュン!”
  ミコが打ち落としたミサイルの爆炎の中から残りの一機が飛び出してくる
  「クッ!!」
  この距離では打ち落としても爆風にやられる被害が大きい
  ひきつけてから緊急回避に移るミコ
  間に合うか!?
  “ドガァァン!”っと地面にぶつかり爆発するミサイル
  ミコは!?
  「きゃあ!!」
  「ミコ!!」
  何とか直撃は避けたようだがミコは爆風で地面をゴロゴロと転がる
  「大丈夫か!?」
  「う、うん…なんとかね…でも今までとは全然レベルが違いすぎるよぅ…」
  確かにそうだがやはり少しおかしい
  これだけのレベルなのに俺はこの神姫をリーグ戦では見たことがなかった
  普通高いランクの神姫とマスターには戦闘における特徴や癖という戦闘パターンがあるものなのだが…俺の経験上、これほどの実力をもつリーグランカーの戦闘パターンとはどれも一致しない
  しかも…
  「こっちは名前を明かしているのに相手が匿名とは…」
  そう、相手のマスターは名前を匿名設定にしている
  俺はファーストランカーのマスター達とはけっこう顔見知りなので彼らが俺相手に匿名設定にするとは考えにくい…
  「非公式バトルでならしたランカーか…あるいは…」
  「…久しぶりだな…スケイス…」
  「!!」
  「え?」
  俺が二の句を上げないうちに先ほどの爆煙の中からミサイルを撃ち込んできた相手が姿を現す

  タイプストラーフ

  背中に背負った六連式ミサイルポッド以外は基本武装は通常のストラーフのものと変わらないんだが…一つひとつの装備のパワーや移動速度が通常の非じゃない…しかし違法改造でもないみたいだ
  その横のウィンドウには俺のよく見知った顔が映し出されていた
  「……アル」
  「……その呼び方はやめろ。ゴレに聞いたのだろう? 私はお前の敵だ」
  ウィンドウに映ったエメラルドグリーンの目が俺のことを睨みつける
  「お前にとって私は八相の『マハ』だ。それ以上でも以下でもない…」
  まるで俺とは言葉での和解はありえないとでも言っているような目だ
  「ご主人様…『マハ』って…」
  「ああ…第六相、誘惑の恋人-マハー」
  「誘惑の恋人…か。…今となってはその呼び名も意味を成さないが」
  そういいながらマハは目を閉じた
  「一つだけ聞いておいてやろう……どうして私を捨てた?」
  「え?」
  マハの言葉にミコは自分の横、俺が映っているウィンドウ方を振り返り、俺の顔を見てくる
  無言だが「本当に?」というような不安そうな顔だ…
  「…………」
  「…五年前…どうしてお前は私に何も告げず、レスティクラムの世界から…私の前から去ったのだ……答えろ…スケイス!!」
  「…………」
  俺は何も言わない
  いや、何もいえなかった…ただ一言
  「……お前には…関係ない…」
  そうとしか言えない
  「……なるほど、関係ない…か。それがお前の答えなのだな?」
  そう言うとマハは再び目を閉じ、鼻で不敵に笑った
  「言い訳ぐらいは聞いてやろうかと思ったのだが……いいだろう。宣戦布告を兼ねて貴様のそのオモチャ、叩き壊してくれる!!」
  “ブィーーン”“ブィーーン”“ブィーーン”
  「!!」
  マハが言葉を言い終えるや否や、バトルシステムの異常を伝えるアラームが俺のコンソールスピーカーより流れ出した
  「ご、ご主人様!?」
  「これは…システムハックか!」
  「ご名答、しかしこのオモチャのバトルシステムもレスティクラムと同等のレベルの対システムハック用のファイヤーウォールがあるようだな…。フィドヘル特製のハックシステムなのだが、お前のオモチャが一発でオシャカにならんとは…」
  そりゃそうだろう
  簡単に破られるようなファイヤーウォールなら神姫バトルはこんなに進化を遂げるもんかよ
  「しかしスタンモードは解除できたようだ。これならお前のオモチャの運命はすでに決まったも同然だな…」
  スタンモードの解除…か…。確かにそいつはちとヤバイかもな
  「どういうことなの? ご主人様…」
  不安そうに俺のことを見てくるミコ
  「通常、武装神姫のネットワーク対戦、及び電脳戦ではバトル中こそダメージや損傷はあっても、本来のリアルの素体や元のデータには影響を及ぼさない…これが『スタンモード』だ。これはレスティクラムのナノロットユーザー同様、神姫自体の危険性を考慮した上でのシステムなんだ。ようするに、その役割は人で言うところの生命安全装置、神姫で言えばデータ保存システムになる。これが作動しなかった場合…」
  「し、しなかった場合…」
  「ナノロットユーザーは精神リンクで脳波を伝って本来の体にもダメージが現れる。大分昔の映画に『マトリックス』ってのがあってな、それと似たようなもんだ。神姫の場合はデータブレイク、つまり『削除』される…最悪のケースなら神姫も人も……死に至る」
  「え…」
  ミコの顔色が一気に蒼白になっていく
  「オモチャ相手に死を語るか…お前の二つ名も落ちたものだな…スケイスよ…」
  あくまでマハの顔は冷徹だった
  「無論、途中棄権など生温い終わり方もナンセンスだ。離脱規制をかけさせてもらった。しかし、お前とてそこまで腰抜けになってはいないだろうがな…」
  逃げ道まで塞ぐ…か
  なんちゅうえげつない…
  「よくもまぁこんなことが出来たもんだぜ。お前だってそこのストラーフのマスターなんだろ?」
  俺はさっきから何も言わずにうつむいているマハのストラーフを見ながら言った。武装神姫はただロボットやAIなんかじゃない。感情だってあるし自我だって存在するんだ。マスターであるなら誰だって分かる事だろうが!!
  「ああ、これか…こいつもただのオモチャに過ぎん。私の言う通りにお前のオモチャとの対決のときのために訓練を積んでやったのだが…所詮はAI……なにがそんなに楽しいのか私には理解できん…こいつら武装神姫も…私達を…私を捨てこいつらにかまうおまえもな!!」
  言うと同時にストラーフはこっち目掛けて突っ込んで来る
  「チッ、接近戦に持ち込むつもりか!」
  こちらとしては接近戦はまずかった
  いくらミコが接近戦も出来るとしてもそれはセカンドリーグレべルでのこと
  相手のストラーフはファーストレベルの神姫、それに上位に食い込むぐらいの…だ
  正直、分が悪すぎる
  「くっ、ミコ! 相手の実力はノアクラスだ! 俺の指示をよーく聞かないとホントにオダブツものだぞ!!」
  「の、ノアねぇと同じって…そ、そんな…」
  そりゃびびるだろうよ…お前はこれまで何千回とノアと模擬戦やって一回だってまともに勝ったことはなかったもんな…
  しかも今回はへたすりゃ死んじまうんだから
  だけどな…
  「ミコ、俺を信じろ」
  「ご主人様…」
  「俺がお前を死なすわけねぇだろ?」
  そうさ、死なすわけにはいかない…ミコは俺の大切な神姫…俺の家族なんだから
  「……うん!!」
  そういってにっこり笑うミコ
  …やっぱりお前は笑顔の方が似合うな
  「フッ!!」
  相手のストラーフの斬撃がミコを貫かんと迫る
  「一歩半下がる!」
  「了解!!」
  “ビュアッッ!!”っと鋭い音と共にストラーフの突きが空を切る
  「フッ! ハァッ! ヤァァァァッ!!」
  「右! 斜め左下! しゃがめぇ!!」
  俺の読み通りの斬撃の軌道
  俺の指示に忠実に従うミコ
  「クッ!」
  そして絶え間ない斬撃を何とかかわしていく
  しかし、それで精一杯なので反撃に出ることはできない
  これじゃジリ貧だ…何とか手を打とうにも俺も指示する為にストラーフの斬撃から集中を切らすことが出来ない
  まいったな…
  「ほんと参ってるみたいだな、明人」
  ああ、ほんとにまいったよ………
  って、ん?
  スピーカー越しじゃなくてリアルな音声で聞こえるこの声は…

  “CHALLENGER”

  「ハァァァァァァッ!!」
  「!!」
  「え?」
  突如ミコとストラーフの上から聞こえてきた第三者の声
  間髪いれずにいきなり現れた影は手に持った剣をストラーフ目掛けて振り下ろした
  「クッ!!」
  突然のことに焦りながらもバックステップで斬撃をかわすストラーフ
  「かわしましたか。流石にやるようですね…」
  ミコの前にあった影はそういいながら立ち上がった
  銀色の鎧を纏った騎士だった
  その姿はまるで…
  「『問おう。あなたが私のマスターか…』なんてお約束のボケはかましてくれないからな。俺のランは」
  今度はスピーカー越しに聞こえてくる声
  どうやらこの神姫のマスターのようだ
  「……言わんでも分かってる」
  「嘘つけ。ほんとはそっくりだと思ったくせに」
  「どうでもいいが、せっかくの再会の第一声がそんなどうでもいいつっこみかよ…」
  「俺は野郎との再会まで感動的にするほどカッコつけでも暇人でもない」
  「……それは親友相手でも有効なのか? 昴」
  そう、さっきの声の主、この銀色のサイフォスのマスターは昴だったみたいだ
  「え…この人がご主人様の幼馴染で親友の花菱 昴さん?」
  サイフォスの横に映っているスバルを見ながらミコが俺に質問する
  「ああ、そうさ。俺が明人の初代パートナー、花菱 昴だ。君は…ミコちゃんだね?」
  「え? どうして私のこと…」
  「とりあえず話は後だ。今はこっちのシャレにならない痴話ゲンカを止めないとな…」
  「痴話ゲンカって…」
  「よう、アル! 久しぶりだな!」
  そういってマハとストラーフの方に視線を戻す昴
  「……メイガス…か」
  「え? メイガスって……そしかして八相の-メイガス-!?」
  驚くミコ
  そういやそれも言ってなかったな…
  「フッフッフ~、サインは後からにしてくれよ? ミコちゃんw」
  余裕だなコイツは…
  「ともかく! アル…いや、今はマハのほうがいいか……今日のところは引き上げてくれないか? 俺は無駄な殺し合いはしたくない主義なんだ。それが昔なじみならなおさら…な」
  「昔馴染み…だと? キサマもスケイス同様、こちらの世界を捨てておきながら勝手な言い草だな」
  「…確かにそうだ。弁解しょうもねぇよ」
  大袈裟に肩を上げてジェスチャーする昴
  「………興ざめだ。今日のところは見逃してやろう…」
  マハがそう言うと踵を返すストラーフ
  「ありがたいね。こんなハプニング、時差ボケには結構くるもんだからw」
  何でお前はそこで茶化すかなぁ…
  「……次はないと思え…スケイス…」
  そういい残すとマハとストラーフは俺たちの前から姿を消してログアウトした


  「始めまして。モデルサイフォスのランスロットです」
  「……………」
  「……………」
  そう言いながら笑顔で握手を求めてきた金髪美女に俺とミコは唖然としていた
  口なんかホゲ~っとあいてふさがらねぇ
  「あ、あのぉ~……;」
  なかなか握手に応じようとせずに固まっている俺たちに金髪美女の笑顔はだんだん不安げな顔になっていく
  「えっと、昴君。どっからつっこめばいいんだ?」
  「だからさっきも言ったろ? 俺のランはボケやジョークとかは苦手なんだって」
  「じゃあ…この人がさっき私を助けてくれた…銀色の騎士さん!?」
  「はいw」
  あ~あ~あ~
  なんだか訳が分からん
  こんがらがりそうだ
  なんだ、要するにあれか?
  このランスロットって子も、つまりは…
  「人型神姫インターフェイスの試作機…ってことなのか?」
  「大当たりー!」
  あ、そう……当たっちゃったのね……
  「なんだよ、お前の爺様から聞いてないのか? 俺はてっきりもう知ってるものだと…」
  「いやいやいやいや!! つうかお前が神姫のマスターになったってのも今、始めて知ったから!!」
  「だってお前の爺さんがモニターになってくれって頼むもんだから…」
  「…どれぐらい前だ?」
  「三ヶ月前」
  あのジジイ…
  わざとだな…
  「じゃあ私の妹になるわけだね? ヨロシク! ランスロットちゃんw」
  「えっと、まぁとりあえずヨロシクな、ランスロット」
  「ええ、よろしくお願いします。それと…私のことはランとお呼びください。明人様、ミコ姉様」
  「そか、ならそう呼ばせてもらうけど…俺のことも明人でかまわないよ。『様』なんてつけられるのはやっぱり…がらじゃないんだ」
  「そう仰っていただけるのなら…では『明人さん』でw」
  う……なんちゅう上品な微笑ですか!!
  イギリスの上級貴族って感じだな
  正直、サイフォスにはいい思い出は無いのだが…いやいや、こりゃまたマジで綺麗……
  「言っておくが…惚れるなよ?」
  「あ、アホタレ。いきなり何を言い出すんだ…」
  「いや、いまのは明らかに見とれてたぞ。ランは俺のだからな」
  「ンなわけないだ…いたっ! いたたたたたたた!?」
  何か知らんが左胸が突然痛い!!
  “ダダダダダダダダダダ!!”と少し小さめの銃声
  「っておい! ミコお前何やって…っていたたたたたた!! そ、そんな至近距離からマシンガン打ち込むな!!」
  俺の胸ポケットにいたミコは俺の方を向きながら無言で黙々とマシンガンをフルオートで打ち続けていた…

  追記
  「そういえばご主人様」
  「いたたたたたっ…あん? なんだ?」
  「あれってさ、あたし達の勝ちだよね?」
  「は? 何のことだ」
  「だから、マハさんとのバトルだよ」
  「いやおまえ…明らかに劣勢だったろ…」
  「じゃあこれは?」
  そういって一枚の紙切れを俺の手に差し出すミコ
  「なんだこれ?」
  「勝敗記録のレシート」
  「どこでこんなもん…」
  「センターの受付のお姉さんに貰っといたんだよ。そんなことよりさ、そこ見てよ」
  俺はミコが指差すところには…
  「んーと……『相手の戦闘離脱によりギブアップとみなし勝利』……」
  「ね? ね? ほら! 勝利って、勝ちって書いてあるでしょ!?」
  「いやでもおまえ…」
  「どんなことでも勝ちは勝ちだよ! 勝負の世界は現実だけを求めるんだよ!! そうでしょ!」
  ここぞとばかりに捲くし立てやがって……ん?
  「ご・主・人・様ぁ~? 約束どおり、お願いきいてくれるんだよねぇ~? ん~?」
  「……残念だったなミコ」
  「へ? なにが?」
  「レシート、良く見てみろって」
  「良く見てみろって…どこを?」
  「ここだよ、ここ」
  「ええっと……『対戦相手……匿名……サードランクぅぅ!?』」
  「そ、あいつらはサードランカーなんだよ」
  「だ、だってだって! おかしいよ! あんなに強かったのに!!」
  「あいつにとって今日のバトルは宣戦布告だって言ってただろ? ようするにネットワークサービス用のIDさえ手に入れられればリーグランクなんてどうでもいいってことさ。確か約束は『ファーストランクの神姫とマスターに勝ったら』…だったよな?」
  「そ、そんなぁ……で、でもでもぉ!! ご主人様だってあのストラーフのことノアねぇレベルだって言ってたじゃない!!」
  「残念だったなぁミコ君。 勝負の世界は現実だけを求めるんだよ 」
  「そ、そんなのないよぉぉぉ~~~!!」
                              続く

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