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ウサギのナミダ
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引きこもりと神姫
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えむえむえす ~My marriage story~

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悪魔に憑かれた微駄男
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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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白濁!? 阪高神姫部
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おまかせ♪ホーリーベル
戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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せつなの武装神姫
双子神姫
鋼の心 ~Eisen Herz~
犬子さんの土下座ライフ。
狛犬はうりん劇場
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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妄想神姫
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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 灼熱の太陽が、全てを焼き尽くす世界。
 一点の濁りも無く蒼に染まった空。赤茶けた大地は干上がり、ただ砂埃だけが舞い上がる。
 そんな地獄の中、生と死の狭間でのたうつ者たちがいた。

 静寂の大地に、無限軌道の鼓動が響く。
「左上方、敵機!回避せよ!回避せよ!!」
 声を荒げる、鉄(くろがね)の少女。それは生を求める者の悲痛な叫び。
 砂漠に展開する少女達に、殺戮の閃光が降り注ぐ。
「熱源探知、対地ミサイルきます!」
「各機フレア散布、急いで!」
 淡い金髪の少女の号令で、一斉に擲弾筒から射出される。
 発射された大空に鮮やかな軌跡を描き、熱と光によってミサイルの赤外線誘導装置を欺瞞。
「やった!」
 それに目の眩んだミサイル……地獄のカラスが、貪るように食らいつく。
 迫りくる死を振り払った喜びに、別の少女が歓喜の声を上げる。
「回避行動続けて、また来る!」
「え、あ、ハ……うわぁ!?」
 しかし、それもまた一瞬の事だった。
 鈍色の装甲板と血色のオイルが飛散し、眩い爆発の中に消えていく。
「被害報告!」
「……ダメです。231及び234号車、撃破されました」
 助けに駆け寄っていた少女が、鎮痛な趣きで告げる。
「……これでSAM(地対空ミサイル)小隊は全滅か」
 報告を受けた短髪の少女は、淡い金髪のうなじを無意識に指先で弄びながら呟く。
 今は埃と硝煙でくすんだ端正な顔には、焦りの色が滲んでいる。
「(どうする……後退する? しかしここで引いては……)」
 思考を巡らすが、明確な解答など存在しない。
 それに、そんな暇など与えられる訳も無かった。
「中隊長! 何か様子が!」
 悲鳴混じりの報告を掻き消し、少女を地獄に引きずり込もうと悪魔のサイレンが鳴り響く。
「敵機直上、散開ぃー!」
 本来であれば咄嗟の指示。だが、それすらも遅きに失した。
「あぁっ!!!」
「いやぁ、隊長ぉー!」
 着弾、そして炸裂。
 美しい煌きが起こる都度、断末魔の悲鳴と共にIFF(敵味方識別装置)から反応が消失。
 物言わぬ骸と化していく。
「急降下爆撃……やられたっ!」
 敵は我が物顔で上空から急降下し、無誘導爆弾を的確に叩き込んでくる。
 それは各種誘導弾の発達した現代戦に於いては、非常に古典的な戦法。
 しかし無誘導であるが故に、フレアやシャフといった妨害装置の攪乱を受ける事も無い。
 完全に裏をかかれた。
「全車対空戦闘、バズーカに対空散弾の装填急いで!」
「は、はいっ!」
 飛ぶ檄の鋭さとは裏腹に、急な兵装転換にまごつく少女たち。
「(奇襲をかける予定が、逆に受ける羽目になるなんて……)」
 走破性の高い無限軌道を持つ彼女たちの本領は、その機動力を生かした電撃戦にこそある。
 大口径の火砲と強靭な装甲もそのための装備であり、対空戦では能力を生かしきれない。
 更に度重なる空襲で混乱し、その士気は低下していた。
「ここまでか、後退する。各機隊列を組み直して……」
「グリア逃げてっ!!!」
「え」
 黒く、丸い、ナニカ。
 爆弾だと認識する前に、彼女の意識は霧散する。

 そのはずだった。

「あぁっ!」
 爆弾は空中で炸裂。無数の破片が降り注ぎ、少女の可憐な頬を掠める。
『大丈夫?』
 その声は少女…・・・グリアの聴覚、いや脳髄に直接飛び込んでくる。
「あ、はい、大丈夫です……助かりました
 彼女は身に纏った装甲を確認しつつ、友軍からの個別通信に応える。
 頬の傷はともかく、無数の破片も鈍色の装甲を貫通するには至っていない。
『そう、良かった。……航空優勢を奪取する。
 対空砲火もいいけど、私の獲物には手を出さない事ね』
 少女の透き通った声が、グリアの聴覚を刺激する。
「りょ、了解! commence fire(撃ち方始め)!」
 号令一閃、鉄の装甲を纏った少女達が対空砲火を派手に撃ち上げる。
 蒼穹のキャンバスはすぐさま灼熱の炎に彩られ、新たな地獄を生み出していく。
 そんな光景を無感動に流しながら空を駆ける、1人の少女がいた。
「(・・・…此処が、私の居場所)」
 血と硝煙に彩られた虚空を、少女は飛ぶ。想いを秘めて。


 ***【序章】


「ナイトゼロよりヴォルフリーダーへ。
 南地区ポイントⅢBにて機甲中隊が敵航空隊と交戦中、被害甚大。
 これより支援を行う。以上」
 浅紫の髪をした少女は通信回線を開き、そして切る。
 その眼下では、翼を生やした金属製の醜悪な小鬼や骸骨が我が物顔で飛び回っている。
「ナイトゼロ、Engage」
 静かに呟くと、その身を翻して一気に急降下。
 地上の新たな獲物を探していた小鬼に強烈な稲妻蹴りをブチ込む。
「 ァ”ア”!!!」
 腰骨を砕かれた小鬼は鈍い音と共に真っ二つに圧し折れ、そのまま爆発四散。
「まず……1機」
 反動で素早く離脱していた少女は、目立つポニーテールを爆風にたなびかせながら戦果を確認。
 同時に爆発に気づいた他の小鬼や骸骨どもが何事かと騒めきだす。
「FOX2!」
 少女は身体を捻って体勢を整えながら、武装脚に懸架された4発のミサイルを発射。
 振り向き僅かに脚の止まった2体の骸骨に直撃、爆散する。
「3機」
「GYAAAA!」
 仲間を次々と叩き落とされた骸骨たちは不協和音の雄叫びを上げる。
 朱い単眼が怪しく光り、無機質のレンズに殺意の波動が宿る。
「…フ」
 少女は悪寒を覚えるような微笑を浮かべると、一気に加速して群れの中へと突っ込む。
「!?」
 そして小鬼の無防備な脇腹に鋭角膝蹴りを叩き込むと、加速したまま宙返りをして真っ二つに切断。
 更に勢いを殺す事無く次の敵の懐に飛び込み、展開した右手の長剣で流れるように腰骨を打ち砕く。
「これで……エース」
 爆発の光を浴びて漆黒の装甲が輝き、猛禽類を思わせる瞳が虹色に煌く。

「――宜しいのですか?」
 後方から戦況を観察していた軍服姿の少女が、無表情で呟く。
『あら。派手な戦闘、戦果は甚大。何か問題が?』
 すると微かな電子音と共に、少女の視界の端にモニター画面が出現。
 軍服姿の少女よりやや年上の少女が、ふてぶてしいまでの優雅な口調で応える。
「お嬢様は、お意地が悪い」
『ふふ……、判ってるわ。
 ジョーカーの投入が早過ぎるというのでしょう』
「はい。戦術的にも、興行的にも。――それに」
『それに?』
「――お判りでは」
『あらあら』
 少しの静寂。
『大丈夫よ、敵もじきにカードを切る。
 折角の祭り、精々賑やかに楽しみましょう』
「Ja。mein,Meister」

「URYYYYYAA!」
 蒼穹の戦場では猛り狂った悪鬼たちが、少女目掛けて次々に発砲を繰り返す。
 ビームやミサイルが飛び交い、閃光が視界を埋め尽くす。
 だが、当たらない。
 少女の戦術機動は鋭く、鬼たちはその動きを捉える事が出来ない。
「GYFUUU!」
{GAA!}
 それは後付けの飛行ユニットで爆装した機体と、空戦に特化した機体の絶対的な差。
 更に一対多数の乱戦により同士討ちが多発。状況は完全に泥沼と化している。
「なまじ密集するから、こうなる」
 その混乱の中、少女は戦場を縦横に駆け巡っては敵の隙を突き一機、また一機と葬っていく。
「(それにしても……)」
 既に二桁近くを撃墜したのに敵は減る気配も、形勢不利とみて撤退する様子も見せない。
 それどころか同士討ちのリスクを冒しても尚、包囲網を狭めつつある。
「(どうして地上部隊を放置してまで、こっちを攻撃する……?)」
 どうしようもない違和感。 
 セオリー通りなら適当に足止めをしておいて、その間に他の機体が地上部隊を攻撃すればいい。
 そしてその隙、或いは自分に対する過小評価に漬け込むつもりだった。
 しかし敵は既に地上部隊が存在しないかのように、自分一人だけを執拗に狙う。
 ……或いは、万が一にも動かれては困るから。
「っ、みんな!」
 違和感の正体に気づき、叫ぶ。
 ――地上で巨大な火球が炸裂したのは、ほぼ同時だった。

『ほうら、予言になった』
「凶事の予言者は嫌われますよ」
『貴女が私を嫌いに?』
「……ノーコメント」

「こちらナイトゼロ、機甲中隊応答せよ、応答せよ!」
『…………』
 しかし返事は無く、ただ砂嵐のような雑音が響くのみ。
「誰でもいい、応答して!」
『――ザザ……ら…………ダー……、こ…………』
「良かった、無事なの!?」
『……気化……弾の……影響で、通信に影響……
 こちらボアリーダーよりナイトゼロへ。衝撃で何機か走行不能になりましたが、健在です』
「……そう」
『なんとか所定位置まで後退出来ました。
 貴方が時間を稼いでくれたおかげです。ありがとう、ニクス』
「――お礼なんか、いい。それより早く」
『大丈夫、まだやれます』
 微かに震えた声。強がりなのは明白だった。
 本来ならば、さらに後退して態勢を立て直すべき。
『貴方一人、置いてく訳にはいきません』
「――馬鹿」
 その意思を曲げる事は、少女には出来ない。
 しかし、状況はジリ貧に陥りつつある。
 敵は数機で一塊の密集陣形を取り、同士討ち覚悟の濃密な弾幕で此方の突撃を阻止する。
 自身の火器も既にミサイルはとうに撃ち尽くし、グレネード弾も払底。
 長剣備え付けの短機関銃では、装甲で身を固めた小鬼に致命傷を与える事も難しい。
 味方地上部隊の牽制の為に敵兵力の注意が分散しているのが唯一の慰めで、それが無ければ既に押し潰されていただろう。
「……でも、やるしかない、か。
 ――call」
 襲い掛かる敵の群れを躱し凌ぎながら、彼女はその時を待つ。

 ――耳を劈く爆音、目も眩む閃光。そして無数の鉄華が咲き乱れる蒼穹の空。
 その更に上空を、流麗なフォームで編隊飛行する少女たち。
「全く…・・・彼女はいつも無茶をして」
 編隊の先頭にいた淡青色の髪の少女が、呆れた声を上げる。
 それも一瞬の事で、直ぐに凛とした声で僚機に指示を飛ばす。
「レオリーダーより各機、ウチのお転婆姫がタチの悪い邪妖精(ゴブリン)にナンパされてるわ。
 不躾な男は嫌われるって事、奴等に教育してやりなさい!」
『『了解!』』
 空色の装甲を纏った少女たちが、その身を翻しながら一斉に急降下。
 慈悲の名を持つ戦乙女が、戦場という輪舞曲(ロンド)へと舞い降りる。









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