その瞬間、スミレの後方で鈍い金属音が奏でられる。
「なっ!?」
それはスミレを助けてくれた恩人が撃たれた瞬間だった。
「良くやった。これで再び2対1だな」
「油断大敵だねぇ。
戦闘中に余所見するなんて、迂闊にも程があるよ」
そして声の先には、獲物である対物ライフルの銃口から硝煙を立ち上らせている神姫の姿。
「なっ!?」
それはスミレを助けてくれた恩人が撃たれた瞬間だった。
「良くやった。これで再び2対1だな」
「油断大敵だねぇ。
戦闘中に余所見するなんて、迂闊にも程があるよ」
そして声の先には、獲物である対物ライフルの銃口から硝煙を立ち上らせている神姫の姿。
「……何が、油断、だって」
それは、彼女が仕留めた筈の神姫から発せられた、言葉。
「……此処、任せた、よ」
ノワ-ルは微かに微笑むと、再び正面に視線を戻す。
「キミの、相手は……ボク」
ひび割れた仮面の下、静かに燃え上がる瞳で獲物を見据える。
「ひっ!?」
「怯むなエリーナ、撃ちまくれ!」
「りょ、了解ぃ!」
エリーナと呼ばれた神姫は威圧の視線を遮断するように慌ててバイザーを下げると、続く呼吸で対物ライフルを速射する。
それはノワールに吸い込まれるように着弾。ガンッガンッ、と分厚い鉛をハンマーが叩くような音がコロシアムに響く。
「やったかっ!」
今のは直撃コース、エリーナの口元から笑みが綻ぶ。
「……って、えぇぇ!?」
だが、ゆらりと陽炎の中から現れたノワールは全くの無傷。漆黒の騎士は身動ぎ一つしていなかった。
「絶 対 神 判(セイクリッド・アナイアレイター)の防御……伊達じゃ、ない」
両肩で全力稼働している1対の防御フィールド発生器が、獲物を睨みつける眼のように灼熱の輝きを放つ。
甲冑が響かせる重厚な足音と共に、ノワールはゆっくりと歩を進める。
「……此処、任せた、よ」
ノワ-ルは微かに微笑むと、再び正面に視線を戻す。
「キミの、相手は……ボク」
ひび割れた仮面の下、静かに燃え上がる瞳で獲物を見据える。
「ひっ!?」
「怯むなエリーナ、撃ちまくれ!」
「りょ、了解ぃ!」
エリーナと呼ばれた神姫は威圧の視線を遮断するように慌ててバイザーを下げると、続く呼吸で対物ライフルを速射する。
それはノワールに吸い込まれるように着弾。ガンッガンッ、と分厚い鉛をハンマーが叩くような音がコロシアムに響く。
「やったかっ!」
今のは直撃コース、エリーナの口元から笑みが綻ぶ。
「……って、えぇぇ!?」
だが、ゆらりと陽炎の中から現れたノワールは全くの無傷。漆黒の騎士は身動ぎ一つしていなかった。
「絶 対 神 判(セイクリッド・アナイアレイター)の防御……伊達じゃ、ない」
両肩で全力稼働している1対の防御フィールド発生器が、獲物を睨みつける眼のように灼熱の輝きを放つ。
甲冑が響かせる重厚な足音と共に、ノワールはゆっくりと歩を進める。
「 ―emittam― 」
呪文と共に巨大な剣が紅蓮の炎を纏い、苛烈なまでに彼女の意思を具現化する。
「殲滅者の名の下に……キミを、裁く」
それは神の裁き――否、冷酷無比な死神の宣告。
「距離を取れエリーナ!」
悲鳴のような蓮の指示が飛ぶ。
「うわああぁぁぁ!!!」
しかしエリーナは彼女の指示を無視して、半狂乱で乱射する。
フルオートの対物ライフルが、全身から発射された無数のミサイルがノワール目掛けて殺到し……
「……炎よ」
一振りで、消し飛ぶ。
「こんの悪魔あぁぁぁぁ!!!」
エリーナは無効化されたのもお構い無しに、尚も銃身が焼きつくまで撃ち続ける。
「――フェニックス・ライン」
そんな砲火の中、ノワールは灼熱の業火を飛び散らしながら、一直線に吶喊していく。
無数の命中弾が黒騎士の防御を削る。――しかし、届かない。
「終わり、だよ」
そして、終焉。
「殲滅者の名の下に……キミを、裁く」
それは神の裁き――否、冷酷無比な死神の宣告。
「距離を取れエリーナ!」
悲鳴のような蓮の指示が飛ぶ。
「うわああぁぁぁ!!!」
しかしエリーナは彼女の指示を無視して、半狂乱で乱射する。
フルオートの対物ライフルが、全身から発射された無数のミサイルがノワール目掛けて殺到し……
「……炎よ」
一振りで、消し飛ぶ。
「こんの悪魔あぁぁぁぁ!!!」
エリーナは無効化されたのもお構い無しに、尚も銃身が焼きつくまで撃ち続ける。
「――フェニックス・ライン」
そんな砲火の中、ノワールは灼熱の業火を飛び散らしながら、一直線に吶喊していく。
無数の命中弾が黒騎士の防御を削る。――しかし、届かない。
「終わり、だよ」
そして、終焉。
「―Photon・execution―」
エリーナは無数の光の欠片となり、燃え、溶け、――そして、消えた。
第9話 『力と共に』
「エリーナ……。チィ」
一方的な光景を目の当たりにした彼女は、噛み潰した苦虫を吐き捨てる。
「次は貴方の番。貴方は、この私が倒します」
「貴様如きに……負けて、たまるか。アタシは、負けない!」
連は気合と共に、転送されてきた予備の太刀を構えなおす。
『スミレ、聞こえてるな。
そのサブアームはモーショントレーサーで設定してあるから、お前の動きに連動して動く。他のシステムもオートで動くから、お前は好きに動けばいい』
「了解です、兄さま」
スミレは滑らかな動きで、巨大なサブアームが持つ大剣を相手に突きつける。
「さぁ、何処からでも掛かってきなさい!」
「生意気な……。その心、圧し折ってくれる!」
連が突き出した籠手の外装が展開し、詰め込まれていた多数のマイクロミサイルが一斉に火を噴く。
更に蝙蝠がモチーフと思しき巨大な翼を広げ、滑空するようにしてスミレの側面へ回り込む。
「(同時攻撃ですか……。それならっ)」
スミレは蓮の進路を塞ぐようにダッシュ。同時に両肩のグラビティ・バインダーが展開して唸りを上げる。
「って、わっ!?」
だが強化された脚力と推力は、彼女の予想を大きく超えていた。
「なっ!?」
寸での所で身を捻り、蓮をかわす。
ダッシュの距離と速度が大きすぎて予想位置を大きく超えてしまい、激突しかけたのだった。
「この身体、ちょっと凄すぎますね……。もう少し慎重に動く必要がありそうです」
身体能力を再確認するようにステップを踏み、間合いと感覚をその精神と肉体に刻み込んでいく。
「調整不足の新装備だと……。貴様が最初、素体で居たのも道理だな」
『(別にそう言う訳じゃないんだがなぁ……)』
そう思う周防だったが、そんな事を言っても相手を更に逆上させるだけであろうから、口には出さない。
「ならば……これはどうだっ!」
蓮は籠手のマイクロミサイルを広範囲にバラ撒くと、自身はそのまま一直線に突進。
「(此方の回避ルートを塞ぐ弾道……。ならば答えは1つです)」
対するスミレも、真っ向勝負を選択する。
大剣を構え前方へダッシュ、必殺の間合いを図る。
「――行けっ!」
しかし、それは罠。
蓮がニヤリと微笑んだ瞬間、彼女の翼が分離。特攻コースでスミレに突っ込んでくる。
「ッ!? はぁっ!」
それを彼女は、反射的に真っ二つに斬り捨てる。
「やはり貴様は眼が良い。だがそれが、命取りだ!」
斬撃で体勢の崩れた彼女に、一刀両断された翼の影から蓮が全力で斬り込む。
「終わりだッ!」
「!」
低い体勢から全身のバネを利用しての、逆袈裟懸け斬り。
「……手応えが、ない」
彼女の背筋に、悪寒が走る。
斬り捨てた筈のスミレが、彼女の視界から消えていたのだ。システム上撃破されたからと言って、一瞬で消滅してしまう訳ではない。
「やぁっ!」
その瞬間、右後方からスミレの鋭い一撃が叩き込まれる。
「チィ!」
人間には不可能な可動で手首を翻し、横薙ぎの一撃を受け止める。しかし力の入らない体勢では直撃軌道から弾くのが精一杯。
軌道のズレた刃は籠手を抉るように破壊すると、瞬時に剣先を翻して更なる一撃を叩き込む。
「その動きは予測済みだ!」
蓮は追加の一撃をバックステップで回避してスミレのペースを崩すと、今度は素早い剣捌きで追い立てにかかる。
激しい剣撃の応酬が行われ、甲高い金属音が短くアップテンポなリズムで奏でられる。
傍目には多彩な攻めでスミレを押し込む蓮が優勢を維持しているように見える。しかし……
「(この応酬……此方が不利、か)」
蓮は内心で焦りを感じていた。
確かに手数は多く、ペースを握っているという意味に置いては優勢だ。しかしスミレの動きには無駄が無い。
彼女は優れた見切りによって紙一重・最小限の動きで回避しており、このままでは蓮だけがエネルギーを浪費させられ、パワーダウンした所に漬け込まれる恐れがあった。
「(危険だが、やるしかない!)」
「とあぁぁっ!」
蓮が取った攻撃手段、それは大上段からの真っ向唐竹割り。彼女はあえて大振りな攻撃を繰り出しスミレの注意を引く。
「たぁっ!」
スミレは当然のように攻撃後の隙に漬け込み、強烈な一撃を振るう。
「やった……って、えぇ!?」
そしてそれは、攻撃を繰り出したスミレの方が驚愕する結果を生み出す。
スミレの一撃に対し、蓮は真正面から左のサブアームを振り上げたのだった。
陽光の煌きを帯びた大剣は装甲をバターのように切り裂き、左腕は一瞬だけ剣を受け止めると、そのまま真っ二つに破断した。
「――だが、一瞬で十分だっ!」
失った左腕に蓮は臆することなく、唐竹割りで沈んだ体勢から再び全身のバネを利用して太刀を振りぬく。
「またかっ!?」
彼女が叫ぶ。そう、再びスミレの姿が消えているのだった。
「(ええい、本当に瞬間移動している訳でもあるまい。何のトリックだ!?)」
蓮の中で疑問が湧き上がるが、逡巡する間も戦いは止まらない。
「……そろそろ、終わりにしましょう」
「チッ。また一瞬で……」
背後からの呟きに蓮が振り返ると、そこには消えたスミレの姿があった。
「―ティルヴィング・セットアップ―」
スミレは背中に装備していたもう一本の大剣を抜き放つと二本の柄同士を接続、身の丈を上回る長大なダブルセイバーを形成。まるでバトンのように軽々と扱ってみせる。
「いきます。はぁぁっ!」
一気に間合いを詰めると、両刃を生かした息つく暇のない連続攻撃で蓮を一気に圧倒しにかかる。
「なっ、この速度は!?」
その連撃の凄まじさに、今度は蓮が防戦一方に追い込まれる。受け止める太刀には幾筋もの亀裂が走り、装甲はズタズタに切り裂かれていく。
「まだまだっ! 回転をあげますよっ」
その滑らかで華麗な動きは、まるで演舞のよう。戦乙女の名に相応しい姿だった。
「くぅぅ……このまま、やられてたまるかぁ!」
ダメージを受けるのも構わず、蓮は起死回生をかけた一撃を放つ。しかし……
「なっ!?」
既に限界を超えていた太刀は、スミレの装甲に触れた瞬間、無数の光の欠片となった。
「仕上げです。――封印・開放!」
スミレの叫びと共に刀身にエネルギーが集中し、眩い黄金色の輝きを放つ。
一方的な光景を目の当たりにした彼女は、噛み潰した苦虫を吐き捨てる。
「次は貴方の番。貴方は、この私が倒します」
「貴様如きに……負けて、たまるか。アタシは、負けない!」
連は気合と共に、転送されてきた予備の太刀を構えなおす。
『スミレ、聞こえてるな。
そのサブアームはモーショントレーサーで設定してあるから、お前の動きに連動して動く。他のシステムもオートで動くから、お前は好きに動けばいい』
「了解です、兄さま」
スミレは滑らかな動きで、巨大なサブアームが持つ大剣を相手に突きつける。
「さぁ、何処からでも掛かってきなさい!」
「生意気な……。その心、圧し折ってくれる!」
連が突き出した籠手の外装が展開し、詰め込まれていた多数のマイクロミサイルが一斉に火を噴く。
更に蝙蝠がモチーフと思しき巨大な翼を広げ、滑空するようにしてスミレの側面へ回り込む。
「(同時攻撃ですか……。それならっ)」
スミレは蓮の進路を塞ぐようにダッシュ。同時に両肩のグラビティ・バインダーが展開して唸りを上げる。
「って、わっ!?」
だが強化された脚力と推力は、彼女の予想を大きく超えていた。
「なっ!?」
寸での所で身を捻り、蓮をかわす。
ダッシュの距離と速度が大きすぎて予想位置を大きく超えてしまい、激突しかけたのだった。
「この身体、ちょっと凄すぎますね……。もう少し慎重に動く必要がありそうです」
身体能力を再確認するようにステップを踏み、間合いと感覚をその精神と肉体に刻み込んでいく。
「調整不足の新装備だと……。貴様が最初、素体で居たのも道理だな」
『(別にそう言う訳じゃないんだがなぁ……)』
そう思う周防だったが、そんな事を言っても相手を更に逆上させるだけであろうから、口には出さない。
「ならば……これはどうだっ!」
蓮は籠手のマイクロミサイルを広範囲にバラ撒くと、自身はそのまま一直線に突進。
「(此方の回避ルートを塞ぐ弾道……。ならば答えは1つです)」
対するスミレも、真っ向勝負を選択する。
大剣を構え前方へダッシュ、必殺の間合いを図る。
「――行けっ!」
しかし、それは罠。
蓮がニヤリと微笑んだ瞬間、彼女の翼が分離。特攻コースでスミレに突っ込んでくる。
「ッ!? はぁっ!」
それを彼女は、反射的に真っ二つに斬り捨てる。
「やはり貴様は眼が良い。だがそれが、命取りだ!」
斬撃で体勢の崩れた彼女に、一刀両断された翼の影から蓮が全力で斬り込む。
「終わりだッ!」
「!」
低い体勢から全身のバネを利用しての、逆袈裟懸け斬り。
「……手応えが、ない」
彼女の背筋に、悪寒が走る。
斬り捨てた筈のスミレが、彼女の視界から消えていたのだ。システム上撃破されたからと言って、一瞬で消滅してしまう訳ではない。
「やぁっ!」
その瞬間、右後方からスミレの鋭い一撃が叩き込まれる。
「チィ!」
人間には不可能な可動で手首を翻し、横薙ぎの一撃を受け止める。しかし力の入らない体勢では直撃軌道から弾くのが精一杯。
軌道のズレた刃は籠手を抉るように破壊すると、瞬時に剣先を翻して更なる一撃を叩き込む。
「その動きは予測済みだ!」
蓮は追加の一撃をバックステップで回避してスミレのペースを崩すと、今度は素早い剣捌きで追い立てにかかる。
激しい剣撃の応酬が行われ、甲高い金属音が短くアップテンポなリズムで奏でられる。
傍目には多彩な攻めでスミレを押し込む蓮が優勢を維持しているように見える。しかし……
「(この応酬……此方が不利、か)」
蓮は内心で焦りを感じていた。
確かに手数は多く、ペースを握っているという意味に置いては優勢だ。しかしスミレの動きには無駄が無い。
彼女は優れた見切りによって紙一重・最小限の動きで回避しており、このままでは蓮だけがエネルギーを浪費させられ、パワーダウンした所に漬け込まれる恐れがあった。
「(危険だが、やるしかない!)」
「とあぁぁっ!」
蓮が取った攻撃手段、それは大上段からの真っ向唐竹割り。彼女はあえて大振りな攻撃を繰り出しスミレの注意を引く。
「たぁっ!」
スミレは当然のように攻撃後の隙に漬け込み、強烈な一撃を振るう。
「やった……って、えぇ!?」
そしてそれは、攻撃を繰り出したスミレの方が驚愕する結果を生み出す。
スミレの一撃に対し、蓮は真正面から左のサブアームを振り上げたのだった。
陽光の煌きを帯びた大剣は装甲をバターのように切り裂き、左腕は一瞬だけ剣を受け止めると、そのまま真っ二つに破断した。
「――だが、一瞬で十分だっ!」
失った左腕に蓮は臆することなく、唐竹割りで沈んだ体勢から再び全身のバネを利用して太刀を振りぬく。
「またかっ!?」
彼女が叫ぶ。そう、再びスミレの姿が消えているのだった。
「(ええい、本当に瞬間移動している訳でもあるまい。何のトリックだ!?)」
蓮の中で疑問が湧き上がるが、逡巡する間も戦いは止まらない。
「……そろそろ、終わりにしましょう」
「チッ。また一瞬で……」
背後からの呟きに蓮が振り返ると、そこには消えたスミレの姿があった。
「―ティルヴィング・セットアップ―」
スミレは背中に装備していたもう一本の大剣を抜き放つと二本の柄同士を接続、身の丈を上回る長大なダブルセイバーを形成。まるでバトンのように軽々と扱ってみせる。
「いきます。はぁぁっ!」
一気に間合いを詰めると、両刃を生かした息つく暇のない連続攻撃で蓮を一気に圧倒しにかかる。
「なっ、この速度は!?」
その連撃の凄まじさに、今度は蓮が防戦一方に追い込まれる。受け止める太刀には幾筋もの亀裂が走り、装甲はズタズタに切り裂かれていく。
「まだまだっ! 回転をあげますよっ」
その滑らかで華麗な動きは、まるで演舞のよう。戦乙女の名に相応しい姿だった。
「くぅぅ……このまま、やられてたまるかぁ!」
ダメージを受けるのも構わず、蓮は起死回生をかけた一撃を放つ。しかし……
「なっ!?」
既に限界を超えていた太刀は、スミレの装甲に触れた瞬間、無数の光の欠片となった。
「仕上げです。――封印・開放!」
スミレの叫びと共に刀身にエネルギーが集中し、眩い黄金色の輝きを放つ。
「神の奇跡をその身に刻め! クロス・ターミネーション!!!」
スミレはフルパワーで刀身を高速回転、X字を描くように、相手の全てを斬り裂く。
「なん……だと」
十字架の洗礼を浴びた蓮は、驚愕の感情を顔に貼り付けたまま、光の粒子となって砕け散る。
「……ふぅ」
残心のスミレ。
その余韻に併せるように、全身のラジエータが強制冷却をかけ、放出された熱が陽炎を演出する。
それはとても幻想的で、力強くも儚い光景だった。
「なん……だと」
十字架の洗礼を浴びた蓮は、驚愕の感情を顔に貼り付けたまま、光の粒子となって砕け散る。
「……ふぅ」
残心のスミレ。
その余韻に併せるように、全身のラジエータが強制冷却をかけ、放出された熱が陽炎を演出する。
それはとても幻想的で、力強くも儚い光景だった。
『 Winner スミレ and ノワール 』
続く
続く