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ぶそしき! これから!? 4話 『シッパイ』

4-1


「……」

 小さめのテーブルに裁縫道具や布が広げられている。
 少年が黙々と手を動かし、作業に集中する。

「……」

 少年が作業に集中する1室、そこにある勉強机に本棚、パソコンのまわりはきれいに片付いている。
 神姫用クレイドルの一画のところのみ、何かのおもちゃのようなものや武装パーツらしきものが転がっている。

「……」

 ベッドに座る猫のぬいぐるみが、まん丸な目で佐伯友大少年の姿を見つめている。
 彼はここしばらく、友だちの部屋で一緒に作業していた。

「……やった。できた!」

 少年が思わず声をあげる。
 その手には、布に赤いスパンコールを張り付けたものが握られている。

「本当? 良かったね。佐伯君」

 ちょうどその時少年の友だち、成行春澄がお盆にジュースとお菓子、紙おしぼりを載せて持って部屋に戻ってくる。

「お疲れ様。ちょっと休憩しよ?」

「うん、ありがとう!」

 成行が笑顔でお盆を置く。
 友大はおしぼりを取り、接着剤が付いた手をぬぐう。

「「……」」

 ジュースを飲み、お菓子を一つまみする。

「……できあがったね」

 成行が自分達が作ったものを眺める。
 それぞれ黄色と赤色のスパンコールが貼り付けられた神姫用のスケイルアーマーだ。
 ついでに裁縫道具の中に会った材料を使って、小さなベルトも作ってある。

「うん。成行さんのおかげだよ」

 友大が朗らかに感謝する。
 友だちが道具を貸してくれなければ、こんなに早くは作れなかっただろうと思う。

「そ、そんなことないよ……。そ、そうだ! チャオやヒイロ達を迎えにいって、そこで着せてあげよう?」

 ストレートな感謝の言葉に、成行は少し気恥ずかしそうにする。
 そんな気恥ずかしさをごまかすかのように、成行は自分達の神姫へのサプライズを提案する。
 自身のマスター達が武装パーツ作りをしている間、チャオやヒイロは友大の家で遊んでいる筈だ。

「うん、そうしよう」

(ヒイロ、喜んでくれるかな?)

 友大は、やんちゃな少年っぽい自身の赤髪の神姫の姿を思い浮かべる。
 かわいい衣装を着ている姿は想像しがたいが、鎧などを着ている勇ましい姿は容易に想像できる。



 ■ ■ ■



「むむ、がんばるのだー!」

「よっし、そこだ!」

 チャオとヒイロがテレビの前に座り、画面に向かってなにやら応援している。

(あー……、そういえばやっていたなぁ)

 自分神姫達の様子をドアから顔だけ出して、こっそり見た友大が思い出す。

(確か……遠未来の火星を舞台にした、ロボットものだったっけ?)

 昔にリメイクされたものの再放送が、ちょうどこの時間帯に放送されており、ヒイロがわりと気に入っていたことも思い出す。

「……どうしたの?」

 足音を立てないように、こっそりと戻ってきた友大を見て、成行は思わず尋ねる。

「今、テレビに夢中なんだ。ちょうど良いところみたいで」

「そ、そうなんだ……」

 声を潜めて話す。

「少し、待ってあげよう」

「うん、そうしよ」

 サプライズするために、ある意味自分達の神姫を放っておいたことに引け目もあり、2人はテレビが終わるまで待つことにする。
 その間、どんな風に渡そうか話し合ったりもする。



 ■ ■ ■



「ふぅ、明日も楽しみなのだ」

「いいところで終わっちまったな~。次どうなるんだろう?」

 テレビを見終えたヒイロとチャオが身体を伸ばして語り合う。

「あ、そういえば、もうすぐマスター達が迎えに来る時間なのだ」

「そういえばそうだよな」

 時計を見やり、気づく。
 もうすぐチャオが迎えに来た自身のマスターと一緒に帰り、同時にヒイロのマスターが家に帰る。
 最近はそんな日が続いていた。

「なあ、チャオ」

「なんなのだ?」

「最近マスター達がなにやっているか知っているか?」

 ここ最近、何度もした質問だ。

「あー、うん。……マスター達はチャオとヒイロのためにがんばってくれているのだ! すまぬ、これ以上は勘弁してほしいのだ!」

 目を逸らしながらチャオが言い切る。
 あやしいことこの上ないが、それ以上の情報をヒイロは得ることはできなかった。
 チャオは意外と強情で、マスター関係のことでは口を割ることはなかった。

「そ、そうなのだ! 今日はチャオ達が玄関でマスター達をお迎えしてあげるのだ! あでゅー、なのだ」

「あ、おい。待てよ!」

 言い放ち、妙にさわやかな笑顔を顔に張り付かせてチャオが部屋を出て玄関に向かう。
 ヒイロもすぐにその後を追う。


「あ、あれ……?」

 チャオが急に立ち止まる。
 ヒイロはその視線の先を追う。

「あ、マスター! もう帰ってたのかー!」

「「っ!?」」

 視線の先には2姫のマスター達がいた。
 なぜか廊下におり、声をかけられた瞬間、大きく身体を震わせる。
 妙にあたふたとしてなにかを後ろ手に隠す。

「おーい、なに隠してんだ? あ、それよりも最近なにやってるんだ?」

「ひ、ヒイロ……」

 いつの間にかヒイロの横に来たチャオが、なぜか腕を引っ張る。
 チャオもマスター達と同様、なぜか挙動不審である。

「……ヒイロ」

 友大が、意を決して一歩前に出る。

「おう!」

「これ、作ったんだ。着てみて」

 元気良く返事をする自身の神姫に、少年は手に持っていた赤いスケイルアーマーを差し出す。

「――っ」

 ヒイロは目の前の武装を前に、目を丸くして何度か瞬きする。

「その、店で売られているものほど、出来はよくないけど頑張ったんだ。着てほしい」

「っ! お、おう!」

 ヒイロが急に目をこすり、顔を伏せて自身のマスターから武装を受け取る。

「あ、ありがとう! マスター」

 いそいそとスケイルアーマーを着用――

「あ、あれ?」

 着用――

「ま、マスター。どう着たら良いんだ?」

 ――着用、できなかった。



 ■ ■ ■



「……」

 友大は呆けたように自身の神姫と、そのために作った武装を眺める。

「ま、マスター」

 服を着るように着用しようとするが、頭が引っかかってしまって着ることができない。
 ただの人形なら、引っかかる頭を一旦外して着用することもできるだろう。
 しかし、神姫は一度頭と身体を付けてセットアップすれば、通常の手段ではリセットする以外に外す方法はない。
 より正確に言えば、セットアップ後に頭と身体を外してしまえば、それはその神姫にとっての【死】となってしまう。

「あああーーっ!?」

 成行が突然声をあげる。

「クロースアーマーの時は、肩ひもを引っ張って下から着せたから頭を通す必要がなかったけど、スケイルアーマーは首周りも固めちゃったから――」

 頭を抱える。
 スケイルアーマーはその構造上、比較的柔軟性が保たれるが、それはあくまで他の種類の鎧と比べてだ。
 布服の柔軟性とは比べ物にならない。

「……」

「頭を通せるように、首周りを断ち切りバサミで…………あ、でも、それだけ穴を広げちゃうと肩から落ちちゃう」

 何とか解決策を考えようとするが、成行は良い方法を思いつけない。
 頭を抱えて悶えてしまう。

(そ、そんな……)

 友大の胸中に、スケイルアーマー作成の間の思い出が過ぎる。
 その結果が今回の惨状であることに、身体の力が抜けていくような気分になる。

「ま、マスター……」

 ヒイロが心配そうに自身のマスターである少年の顔を見る。
 あまりに酷いのか、自身の落胆よりも先にマスターの心配をする。

「……ヒイロ。だめなマスターで、ごめん」

 しぼりだすように、ようやくそれだけを口に出す。
 もうそれ以上は、少年に気力は残されてはいなかった。







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