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ぶそしき! これから!? 第3話 『キエン』

3-1

「「……」」

 握手を交わす友大と成行に、1人のマスターとその神姫が近づく。
 2人はまるでそのことに気づいていない。
 神姫達も、じゃれ合って気づいていない。

「やあ」

「「ひゃっ!」」

 声をかけられた2人が同時に驚き、短く悲鳴のようなものをあげる。
 その際に、握手していた2人の手が離れる。

「だ、誰――あ」

 友大が気づく。

「は、葉々辺さん?」

「うん、こんにちは」

 友大や成行と同じくらいの背丈だが、高校生である葉々辺誠志郎(はばのべ せいしろう)の姿があった。
 どことなく人の良さそうな顔に笑みを浮かべ、以前会ったときと同じ薄く青みの付いた眼鏡をかけている。

「こんにちはぁ」

 少年の肩に乗っている神姫も笑顔であいさつする。
 ヒイロとは同じエウクランテ型だが雰囲気はずいぶんと異なる、小鳥のような印象と服装の神姫、クラハだ。 

「知り合い?」

「うん、成行さん。僕たちが初めて対戦した人たちだよ。
 ちなみに僕たちより年上だから、同じくらいの背丈だけど高校生だから、葉々辺さん」

 尋ねる成行に、友大が自分達より年上であることを強調しつつ紹介する。

「……ぇ?」

「あははは……」

 驚きに目を丸くさせ、絶句する成行に葉々辺は乾いた笑いを浮かべる。

「まあ、それはさておいて……今のバトル見ていたよ」

「え?」

 葉々辺の発言に、友大が思わず聞き返す。
 脳裏に先ほどのバトルが再生され、その時にやらかしてしまったことも思い出される。

「面白かったよぉ♪」

「あう……」

 クラハの素直な感想に、何故か打ちのめされたような気分になる。

「まあ、プラモから分捕ってのアレは珍しくないことだから」

「ああいうことから学んでいくんだよねー」

「ぅぅっ」

 何故か、相手のフォローが逆に心に突き刺さるような気持ちになる。

「お! また、会ったなぁ」

「おっす! こんにちはなのだ!」

 葉々辺達に気づいたヒイロとチャオが、じゃれ合うのを中断してあいさつに来る。

「こんにちはぁ。また会ったね」

 あいさつを交わし、クラハが自身のマスターを見る。

「ああ、行っておいで」

 察した葉々辺が頷く。
 それを見たクラハは自身のマスターの肩から軽やかに降りて、神姫達の輪に入る。

「バトル見たよぉ。凄い飛ばしっぷりだったねー」

「おっ! 見てたのか? いやー、スカッとしたぜ!」

「ぬぬぬ……、次はチャオがジェットなアッパーでやり返してやるのだ!」

「……」

 葉々辺が微笑ましそうに神姫達の様子を眺める。

(そう言えば葉々辺さんって、僕たちより神姫のことに詳しいよね? 見た目はそうは見えないけど、高校生だし)

 そんな葉々辺の横顔を見ながら、ふと、友大はそんなことを考える。

「あの……」

 思い切って尋ねる。

「ん?」

「武装って、どうにか手に入れられないですか? その、お金あまりなくて、ヒイロに大した武装をあげられなくて……」

 今回のチャオとのバトルでは勝った。
 しかしやはり武装のことが――特に防具がないことがゲーム的な有利不利の意味でも、見た目的な意味でも――少年の気にかかる。

「ん~……。お店で売っているのを買うのが一番無難なんだけど、お金ないんだよね?」

「……はい。パーツを買うには足りなくて、買ってあげられないんです」

 自分の神姫を少し見やり、友大は少し情けなさそうに手持ちが少ないことを伝える。

「足りなければ、頭を使って工夫すると良いよ。自分で作るとかね。成行……ちゃんで良いかな? みたいに」

「「え?」」

 葉々辺の発言に2人の声が重なる。
 1人は今の話に自分の名前が出たところに、もう1人はチャオのクロースアーマーを思い出して、思わず声を出してしまう。

「え、ええ、でもあれ……」

 成行は自分の神姫の言葉を思い出し、顔をうつむかせて恥ずかしそうに言葉をにごす。

「見たところ、あのアーマーはフェルト製みたいだから、打撃とかにはある程度有効なんじゃないかな。
 単に防具として使用するだけなら、ああいう形と材質でも効果あるからデータチップもいらないし。手近なものを利用するって良いことだと思うよ」

 葉々辺があのクロースアーマーを評価する。
 その言葉には偽りはない。

「後はできるだけ動きの妨げにならないように、自分の神姫と一緒に調節していくと、もっと良いんじゃないかな」

「は、はい! ありがとうございます」

(――あ。見た目には触れていない)

 アドバイスにお礼を言う成行を見ながら、友大はそんなことを思う。

「そう言えば佐伯君。君達はどんな武装が一番ほしいのかな?」

 話に一区切りつけて、葉々辺が友大に向かって尋ねる。

「え? どんな武装が一番、ですか?」

「っ!」

「う~ん……」

 思わず考え込むマスターとは対照的に、その神姫は即座に叫ぶ。

「剣! オレかっこいい剣がほしい!!」

 いつのまにか話を聞いていたヒイロが、手を挙げかつジャンプをしながら全身で主張する。
 その様はある種の必死さと、幼い子どもがオモチャをほしがるような微笑ましさを感じさせる。

「君の神姫はそう言ってるけど、君自身の意見は?」

「……」

 先ほどのバトル、そして今までのことを振り返って友大は考える。

「隙あり! 次の鬼はヒイロなのだ!」

「あ! てめ――」

 自身の主張をしていたヒイロが後ろに忍び寄っていたチャオに気づかず、鬼にされる。
 いつの間にか卓上で鬼ごっこをしていたらしい。
 チャオたちを追ってヒイロが猛然と追いかける。

「……僕としては、アーマーがほしいです。
 今のろくにアーマーがない状態だとダメージも大きいし。その、ヒイロになにか、かっこいいのを着せてあげたいし……」

 ヒイロ達を眺め、友大が考えた末に自身の意見を出す。

「胴体部分のアーマーってことかな。そして、格好良いと」

「あ、でも。僕は裁縫もパーツを作ったりするような技術はとても……」

「お、お裁縫なら一緒に勉強しよ! クロースアーマー、次はちゃんとしたの作りたいから」

 裁縫という言葉に成行が反応する。

「クロースアーマー。布……あっ」

 友大達でもできそうなアーマーについて考えをめぐらしていた葉々辺が思いつく。

「ちょうど良い方法があるかも。スパンコールって知ってるかな?」

「え?」

「はい。服やかばんとかに付けるキラキラしたもののこと、ですか?」

 怪訝そうにする友大とは対照的に、成行はすぐにその存在に思い当たる。

「そうそれ。服とかを飾るための材料の一種で、光を反射させるために使うものだよ。穴の空いた金属やプラスチックの小片のような形をしている」

 葉々辺が友大にも分かるように説明する。

「それを使ってスケイルアーマーを作ったらどうかな? スケイルアーマーは知っているよね?」

「「うん」」

 プレートアーマーほどではないが、ゲームや漫画などで見かけることもできるため、2人はその鎧の存在を思い浮かべることができる。

「スケイルアーマーは、丈夫な布や革の下地に金属や革などの小片を紐やリベットで鱗状に貼り付ける鎧なんだ。
 その要領で、布かクロースアーマーにスパンコールを付けていくと作れるんじゃないかな?」

「あ、そうか! ……あ、でもスパンコールって、どうやって付けたら……」

 友大は喜び、そしてすぐに出てきた疑問に消沈する。

「スパンコールは縫い付ける以外にも、手芸・布用接着剤で貼り付けていくと良いよ。
 頻繁に洗濯しても取れない強力なやつがあるから、バトルでも大丈夫じゃないかな」

「接着剤でいいんだ」

 友大の疑問に葉々辺がすぐに答える。
 自分でも作れそうなことに、友大の表情が明るくなる。

「あ、うちにその接着剤があるから、もし良かったら、その、一緒に作らない、かな?」

「え、良いの? うん、一緒に作ろう」

「スパンコールは手芸用品店や均一でも売ってるよ。
 特に均一では色々と安く手に入るかもしれないから、他に何か武装になるような物を手に入れられるかもしれないね」

 盛り上がる友大と成行を笑顔で見ながら、葉々辺がさらにアドバイスをする。
 そんな彼らに声がかけられる


「おーい。ハバネローー!」

 ジーンズにハイネックのパーカー付きのジャケットといった服装の少年が、友大達の方に向かって手をふって呼びかける。
 背は友大達よりずっと高く、年上だ。
 少し伸びた髪を後ろで結んでいる。
 顔立ちは整っている方だが、どこかやんちゃな雰囲気で2枚目になり切れない印象を受ける。

「ごめん。待ち合わせてしているんだった」

 呼びかける人物の存在に気づき、葉々辺がクラハを呼び戻す。

「あ、マスタァが呼んでる。ごめん、また遊ぼうねー」

 寸での所でひらりと身をかわしつつ、クラハはバイバイと手をふる。

「にゃ、またなのだ!」

「おう! またな!」

 寸での所でかわされて卓上にダイブしたままのチャオと、ヒイロもまた手をふる。

「それじゃまた」

 肩にクラハを乗せて、葉々辺が友大達のもとから去る。

「あ、はい。それじゃまた」

「ありがと。葉々辺さん」

 先ほど声をかけてきた少年に向かって手をふる葉々辺を見ながら、友大はふと思う。

(ハバネロって、葉々辺さんのこと? ……あだ名?)



 ■ ■ ■



「ねー、マスタァ」

「うん?」

 待ち合わせの相手の1人である少年のもとに向かう葉々辺に、クラハがささやく。

「ヒイロがね、【剣】が欲しいって言ってたよぉ」

「はは……」

 葉々辺の脳裏に、武装で何が一番欲しいかという話題に真っ先に【剣】と答えたヒイロのことが浮かぶ。思わず苦笑がもれでる。

「どんな剣が欲しいって、言ってたのかな?」

「熱く燃え盛る、炎の魔剣みたいなのが、欲しいんだってー」

 気軽に世間話をするかのように、クラハはヒイロが望む剣のことを話す。

「まるであの子自身だねー。うん、きっとすごく良く似合うよぉ♪」

「……ああ。ぴったりだ」

 以前の対戦でレーヴァテインを装備していたこともあり、ヒイロが炎の剣を持つ姿を想像するのは容易い。
 その姿は、まるで違和感なく自然に思い浮かぶ。

「――っ」

 閃きが迸る。
 少しだけ足を止めて、刹那に思索する。
 葉々辺少年の顔に、何か面白いものを見つけた子どものような、何かををたくらむようないたずらな笑みが浮かぶ。

「~♪」

 ふとクラハの方を見やる。
 いつもと変わらないかのような屈託のない笑みを浮かべている。
 その頭を優しくなでてあげてから、再び歩き出す。








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