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ぶそしき! これから!? 第1話 『ハジメテ』

1-2

「今度は実際の相手とバトルだ! いいよなマスター!」

 意気揚々とヒイロが自身のマスターに願う。

「うん。あ、でも対戦するには相手がいないと」

「あそこにいるぞ! バトルを申込もうぜ! ――強そうだ!」

 ヒイロが客の1人を指差す。
 そこには背丈が友大少年と同じく位の、肩に神姫を乗せたどことなく人が良さそうな雰囲気の少年がいた。
 素材関係が陳列された棚を眺め、自身の神姫と何事か会話している。

「あ、ほんとうだ。よし――」

 普段の友大なら、見知らぬ相手に話しかけるのに少し躊躇したかもしれない。
 しかし念願の神姫を購入したこと、初のバトルを圧勝で終わらせたことなどで、今は気分が高揚している。
 何より、相手が自分と同じ位で話しかけやすい感じだったため、躊躇せずにバトルを申し込む。

「あの、すいません。僕の神姫とバトルしてくれませんか!?」

「うん?」

 相手の少年がゆっくりと振り返る。
 どこにでもいそうな、人が良さそうな感じの少年に見える。
 特徴があるとすれば、薄く青味の付いた眼鏡をかけていることか。

「ねえ、マスタァ。バトルのお誘いだよ。時間はまだあるし、いいんじゃないかなー」

 肩に乗っていた神姫が自身のマスターにささやく。
 ヒイロと同じエウクランテ型のようだ。
 しかし、その姿形、雰囲気は随分と異なる。
 長いツインテールの金髪に鮮やかな赤色の瞳。
 袖が大きく広がった白と青のワンピースと帽子を身に着ている。
 よく見ると足が素体の足ではなく、忍者型MMSのレッグを思わせる4本ヅメのレッグパーツだ。

「あ、小鳥みたいだ。かわいらしい神姫ですね」

 第一印象が思わず口に出る。
 自身の神姫と同じエウクランテのはずだが、何というか小さくて愛らしい感じだ。
 手が隠れるほど大きく広がった袖が小鳥の翼を思わせる。

「ありがとー♪」

 ほめられたと思った神姫がお礼を言う。
 その表情は日向のような明るい笑顔だ。

「んー? ……おい、おまえ!」

 ヒイロが突然ぶしつけに呼びつける。
 なにごとかと友大は自身の神姫を見る。

「ちょっとオレと並んでくれないか?」

「うん、いいよー」

 気にした風もなく、相手はあっさりと了解する。
 軽く散歩でも始めるかのように足を踏み出し、マスターの肩を降り落ちる。
 しかし、そのまま落ちることなく空中で一回転、足から降りて軽く着地する。

「これでいいのかなー?」

「おう」

 横並びになる相手の神姫とヒイロ。
 同じエウクランテ型のはずだが、鎧と剣を装備したヒイロと小鳥のような服装の相手神姫とでは、やはり雰囲気が大きく違う。
 そして、友大は並んだ同型のはずの2体の神姫を見比べて気づく。

「……あれ? ヒイロと比べて小さい」

「うん、そうなんだ。こいつ――クラハはエウクランテ純正の素体じゃない。一般の神姫よりも小さい素体を使っている」

 神姫達のやりとりを見ていた少年が、友大の疑問に答えるように少し説明する。

「まあ、それはいいとして。ここの筐体でのバトルでいいよね。それなら、バトルの申し込み了解するよ」

「は、はい。それでお願いします!」

 相手から了解を得られ、今度はマスターとその神姫との対戦となる。
 そのことに友大は少し緊張を覚える。



 ■ ■ ■



 互いのマスターがヘッドギアを装着し、神姫が神姫参戦リフトの上に立つ。

「おまえ、そんな格好でいいのか?」

 ヒイロがワンピースの服装のままの対戦相手に尋ねる。

「武装はデータで持ってるから、大丈夫だよ」

「そーいうわけ♪」

 対戦相手のマスターが代わりに疑問に答える。
 武装データが入った記録媒体を筐体に差し込む。

「なら、気にせず戦れるな!」

「うん。良いバトルしようよ♪」

 神姫参戦リフトが降りて、互いの神姫が姿を消す。

「クラハも言ったけど、お互い良いバトルをしよう」

「はい! お願いします」

 神姫がデータ化され、武装選択の項目が目に映る。
 友大少年がそのままOKを出す。対戦相手のマスターと神姫は――

(ねえ、マスタァ。どうしようか?)

(相手のマスターは初心者だ。3型の武装セットを使用。相手に合わせていこう)

(うん分かった。適度に相手してあげるね)

 対戦相手の武装選択が終わり、バトル開始の準備が整う。


――各データの読み込み終了
  レギュレーションチェック……オールクリアー
  フィールド:遺跡
  モード:1vs1バトル
  バトル……スタート――



 ■ ■ ■



 ヘッドギアを付けたマスターの目に、ギリシャ風の神殿が崩れた跡地が広がる。
 数瞬後、お互いの神姫がデジタルの体を与えられ、仮想の空間に出現する。

「バトル開始だよ。楽しもー♪」

 先ほどと同じような調子で、さえずるようにクラハがのたまう。
 Bkタイプのスーツに、黒と赤のカラーのエウクランテ装備に身を包んでいる。
 武装パーツの大きさは、彼女の素体のサイズに合わせて調整されている。

「おう! 望むところだ!」

 ヒイロは威勢良く言い放ち、レーヴァテインを構える。

「マスター!」

『こ、攻撃して!』

 自身の神姫の呼びかけに、先ほどと同じように友大少年は答える。

「よっしゃー!」

「わわっ?」

 ヒイロが駆け出し、レーヴァテインを大ぶりで殴りつける。
 それをクラハが手に持ったエウロスで受け止めるが、ヒイロは構わず振り抜いて相手をかっ飛ばす。

「わーー」

 ホームラン! 
 とでも観る者がいれば歓声があがりそうな位にクラハが飛んでいく。
 飛んでいく先には崩れ残った神殿がある。

「よし!」

 追撃を加えるべく、ヒイロがクラハが飛んでいった先の神殿に向かって駆け出す。

「――とと」

 くるりと体を回転させると神殿の柱を蹴りつけ、上に跳んで神殿の残った屋根の上に着地する。

「ちぃ! 上手くいかなかったか!」

「うわぁ、これは切り合ってられないよぉ」

 悔しがるヒイロをしり目に、自身のエウロスを見てクラハが感心したような、少し驚いたような表情をする。
 彼女の持っているエウロスの刃には微かにだが一筋の亀裂が走っていた。

(マスタァ。これは仕方ないよね)

(ああ、相手はかなりのパワー型みたいだし、さらに『壊す』のが得意そうだ。合わせて切り合うのはなしだ――と、なんだこれ? ……相手はエウクランテと思わない方が良いな)

 クラハがこっそり自身のマスターと話し、許可を得る。
 判明した相手の数値を確認したマスターの声には呆れの響きがある。

「お返しー」

 クラハが腕のゼピュロスをボウガン形態に変形させて、矢を掃射する。
 駆け込んでくるヒイロの足元に突き刺さり、その足を止める。

「お、降りてセイセイドウドウ戦え!」

「あたしをここまで飛ばしたの、そっちだよー」 

 言い合いながら、クラハがさらに矢を射ってくる。
 矢はヒイロが駆け出そうとした所に撃ち込まれ、その接近を阻む。

「クッソ! イヤなところに撃ち込んできやがって」

『ヒイロ。どうにか近づけない?』

「どうにか……――ぃよし!」

 自身のマスターの言葉に、ヒイロは決心する。

「うおおおおおおーーーー!!」

 叫びながらヒイロが突撃する。
 その行動に対してクラハが動きを止めるべく矢を放つ。

「! ――かまうかぁ!」

「ええーー!?」

 ヒイロは特に足を緩めることなく走り、複数の矢が来てもかまわず突っ切る。
 矢の何本かは装甲に弾かれ、1本の矢がレイディアントアーマーに突き立つが、気にせず突撃を慣行する。
 次々と矢が放たれ、次々と自身の体に突き立つが、ヒイロは足を止めない。
 そして、ついにクラハがいる神殿廃墟にまで到着する。

「おらぁ!!」

 気合を入れてレーヴァテインで神殿の柱を殴りつける。

「え? まさか――」

「降りてこないんだったら、降りさせてやる!!」

 神殿の残った屋根を支える柱を次々と殴りつけ、破壊していく。
 あっという間に支えを壊された屋根が崩れ始める。
 かなり無茶で強引、豪快な方法だ。

「わわ! 無茶するなぁ」

「降りたな! よーし!」

 崩れる屋根からクラハが飛び降りる。
 ヒイロは飛び降りる先に向かって駆け出す。

「くらえっ!!」

 着地したところを狙い、レーヴァテインを叩きつける。

「やーだよ」

 クラハはリアウイングの推進機能を使い、迫る切っ先から体をそらして軽やかにかわす。
 レーヴァテインが大地に打ち込まれる。
 その隙に矢が射ち込まれ、ヒイロのレイディアントアーマーに突き立つ。

「このぉ!!」

 ヒイロはレーヴァテインを大地から抜き取り、横薙ぎに殴りつける。

「わ、っと……!」

 クラハがレーヴァテインに自身のブレードを当てて、そこを支点にくるりと体を横に回転させて攻撃を回避する。
 そして、お返しとばかりにヒイロに切りつける。
 切っ先がレイディアントアーマーの装甲を引っ掻く。

「そ~んな大振りの攻撃、そうそう当たらないよー♪」

 風に吹かれる羽毛のごとく軽やかに、クラハはヒイロの攻撃を踊るかのように回避していく。

「こ、この、ちょこまかとーー!」

 逆にヒイロにはクラハの攻撃が全て当たり、レイディアントアーマーの装甲に傷が増えていく。


「――っ」

 ヒイロが剣を振り回すが当たらない。
 そんな状況が続く中、軋み、壊れ始める音が微かに響く。


「い、いい加減当たれ!」

「やだよー♪」

 ヒイロがレーヴァテインを振り下ろして叩きつけるが、クラハがステップを踏むかのようにくるりと背を向けて回避する。

「うぇ!?」

 突如、硬質の物体の砕音が鳴る。

「お、折れ――」

 地面に叩きつけられたレーヴァテインの切っ先が折れ飛ぶ。
 神殿の柱を幾つも殴り壊すなどのヒイロの無茶と、その扱い方に剣が耐えられなくなったのだ。

「――きゃう!?」

「っ! チャンス――」

 偶然、折れた切っ先がクラハのリアウイングに勢いよく当たる。
 不意を突かれたクラハの体勢が大きく崩れる。
 アクシデントに対して、ヒイロは即断で行動に移る。

『――跳べ!』

「っ!」

 その刹那、クラハのマスターが短く指示を出す。
 不意の事態に少し混乱したクラハの思考が、瞬時に落ち着く。
 自身のマスターの指示を即座に理解して行動に移す。

「――もらったーー!!」

 ヒイロの攻撃がクラハをついに捉える。
 その背中に向けて叩きつけた一撃がリアウイングを砕き、クラハ自身を吹き飛ばす。

「これで終わ――」

 追撃しようとヒイロが吹き飛ぶクラハを追う。
 地面に落ちる瞬間に止めの一撃を加えようとする。

「――終わらない、よ」

 地面に落ちようとする瞬間、クラハは地面に手をついて勢いを殺さず何度か前転、そして地に足をつけ、バレリーナのように軽やかに体を回転させて追ってきたヒイロの方に向かって跳ぶ。

『え、なんで――』

 ヒイロの攻撃が決まったはずなのに、即座に行動に移れる対戦相手に友大は疑問を覚える。
 経験の浅い身では、相手が攻撃の瞬間に跳んでダメージを軽減したことに気づけなかった。

「沈めー!」

 クラハの飛び回し蹴りがヒイロの頚部を狙って、鋭く叩き込まれる。
 避けようとしても既に遅く、かつ決まれば、それで終わる代物だ。

「! ――このぉ!!」

 物体が砕ける音が仮想の空間に静かに、しかし明確に響く。

 クラハが地面に降り立つ。

「ぅ……そ……」

 クラハが自身の右のレッグパーツを見やり、驚愕する。
 レッグパーツには大きなヒビが入り、動きに支障が出るほど内部機構にダメージが入っている。

「へへ……どーだ――」

 ニヒルにヒイロが笑う。
 首を狩られる寸前に、その脚に向かって全力で頭突きをかましたのだ。
 それがどれほどの威力だったかは、大きく損傷したクラハの右のレッグパーツが示している。

「――あ、……れ?」

 ぐらりとヒイロがよろめき、バタンと崩れ落ちる。

「ひ、ヒイローー!?」

 目を回して倒れ込んでいるヒイロに友大が呼びかけるが、返答はない。

(……うん、まあ、そうなるよねー)

(武装もない頭で、クラハのレッグを破壊するほどの威力を叩き出した。逆に言うと、自分の頭にもそれだけのダメージ、衝撃が入るってことだからな。これで倒れなかったら、イリーガルを疑う)


――WINNER KURAHA


 筐体がヒイロを戦闘不能とみなし、判定が下される。



 ■ ■ ■



「ちくしょー。負けたーーっ!」

「まあまあ、僕たちは今日が初めてなんだし、仕方ないよ」

 悔しがるヒイロを友大がなだめる。

「マスタァの指示がなかったら、多分まともに攻撃を受けて、あたしが負けてたよ。
 それはそうと、君すごいパワーだね。どんな強化をしてるの?」

「え、そんなにすごいの?」

 いつの間にか混じっているクラハの問いかけに、友大少年は驚く。

「結構凄いよ。少なくとも市販のものなら、グラップラやメルメティアとかのパワー型の神姫でも君の神姫に勝てるのはいないんじゃないかな」

「そうなんだ。僕は今日USED素体の神姫、ヒイロを買って起動させたからよく分からないけど……」

 クラハのマスターの言葉に、友大少年は少し困惑する。

「そういうことか。前のマスターの改造なんだ」

 納得したようにクラハのマスターの少年が呟く。

「そういえば、今日起動したてにしては神姫の判断が早かった。もしかして、前のデータが残ってるんじゃないかな?」

 ふと気づいたようにクラハのマスターが尋ねる。

「ええと、店長の話だと性格設定と一部の戦闘データが残っていて、それ以外は残っていないらしいです」

「そっかー。壊すのと飛ばすのは妙にうまいのに、回避と防御は全然なのもそのせいなのかな? 妙にチグハグだと思ったんだよー」

 自身のマスターの手に、軽やかに跳び乗ったクラハが口を出す。

「なるほど、色々と分かったよ。
 ところで、君は神姫にどんどんバトルさせたい方?」

「え? ええと……。僕は神姫といると、その、楽しそうだなと思って。あ、でもヒイロがバトルやりたいって言ったらさせちゃうなぁ」

 突然の問いかけに、友大少年は少ししどろもどろになりながら答える。

「あ、ごめん。突然変な質問をして。
 いや、ね……バトルをするなら、まずはリアルバトルは避けて、ヴァーチャルバトルで慣れた方が良いよ、ってことを言いたかったんだ。リアルだと、武装や素体のメンテナンスが必要になるし、壊れたら直さないといけないから大変だからね」

 最後の方でクラハのマスターが苦笑いしながら語る。

「特に、君のヒイロの今の戦い方だと、ヴァーチャルならともかくリアルバトル後だと色々と大変だろうしね。
 ……自分が言わなくても、今のバトルを見たならここの星原店長がアドバイスしてくれたと思うけど、一応ね」

「あ、ありがとうございます」

 相手が自分たちに忠告をしてくれたことに気づき、友大少年がお礼を言う。

「あ、マスタァ。そろそろ時間だよ」

「あ、もうそんな時間か。ごめん、自分はこれで――」

 肩に跳び乗った自身の神姫にささやかれ、少年が去ろうとする。

「あの、バトルありがとうございました。僕は上里小学校5年の佐伯友大(さえき ともひろ)です。もし良かったら、いつかまたバトルお願いします」

 立ち去ろうとする少年に、友大はお礼と自己紹介を行う。
 少年もそれに応え、足を止めて振り返り、自己紹介する。

「あ、これはどうも。自分は竹上高校1年の葉々辺誠志郎(はばのべ せいしろう)。そうだね、またバトルしよう」

「……え?」

「え?」

 返答を聞き、固まる友大少年。
 何か、相手の自己紹介に違和感、自分の思い違いを感じる。
 葉々辺はその反応に少し怪訝になり、一瞬後に思い至り、諦観の笑みを浮かべる。

「ご、ごめんなさい」

「イイヨ。ナレテイルカラネ」

 なぜか謝ってしまう友大に、葉々辺はぎこちないながら気にしなくてもいい旨を返す。

「ま、マスタァ。どんまい」

 なぜか自身の神姫に励まされながら、葉々辺が立ち去り、店を出る。






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