そりゃ、私達にだって不満はあります。あの子達と組んだおかげで神姫マスターアイドルとして有名にはなれました。最近じゃ神姫センター関係のイベントだけじゃなくて地方のイベントとかにも呼んでもらえます。実は小さなハコですけどライブの開催も決まったんですよ。でもね…ステージでお客さんの歓声をいくら受けても、それはあの子達へのものばかりなんです。一生懸命歌ってるのは私たちなのに聞こえてくるのがあの子達の名前だけっていうのは結構堪えるんですよ。お客さんにしたらいつまでたっても結局私たちはアイドル神姫のマスターなだけ、おまけでしかないんです。
-武装神姫マガジン6月号「特集:突☆撃!オトメを支える神姫達」より抜粋
-武装神姫マガジン6月号「特集:突☆撃!オトメを支える神姫達」より抜粋
連続神姫ラジオ
浸食機械
浸食機械
16:マジックドール
背後から襲い来るビームソードの斬撃を頭のアンクルブレードでいなすとストラーフは後ろに飛び下がる。いつの間にか接近した清四郎が追撃を仕掛けようとするが茂みの影から飛来したドングリに行く手を遮られる。
「もういいだろ。お前のマスターは沈黙した。無理に命令を遂行することはない」
そう言って茂みから姿を現したのは白髪交じりの老人だった。手には紐と布で作られたよく分からないものを持っている。老人に声をかけられた清四郎は抵抗をやめる。その顔には安堵の表情が浮かんでいた。
「さて、お前達、大丈夫か」
先ほどのストラーフが僕たちに手をさしのべてくる。その手を取って立ち上がった僕たちは彼女達に礼を述べる。
「事情は色々あるのだろうがまあ深くは聞かないさ。この島では色々あるからな」
そう言ってストラーフは豪快に笑った。
「そうだな、人の事情まで詮索している暇はない。待ち合わせに遅れないよう行くぞ、零」
「まあ、そう言うわけで送ってやりたいんだがこっちにも事情があるんだ。行こう火狩。」
零と呼ばれたストラーフはすまなそうに笑うと老人の肩に飛び乗る。
「コウガのことは俺たち大人に任せておけ。きっと君と神姫を家に帰してやる。だから無茶はするなよ」
「お前達みたいな優しい奴にはこんな役目はして欲しくないんだ」
立ち去る前に老人と神姫は僕たちにそう語りかけ、茂みの中に消えていった。
<無茶はするな、か。ひょっとしたらその方がいいのかもしれないね、プルミエ>
「マスター・・・」
プルミエが不安そうに声をかける。僕の考えを悟って心配してくれているのだ。
<でも僕はやっぱりコウガにあって彼女を止めたい>
コウガの生い立ちを知ってから僕はずっとそう考えていた。子供のわがままかもしれない。英雄願望なのかもしれない。でもこのままで終わっていいはずはない。あの人達はどんな事情があってもきっとコウガを壊す。そんな終わり方を僕は避けたかった。
背後から襲い来るビームソードの斬撃を頭のアンクルブレードでいなすとストラーフは後ろに飛び下がる。いつの間にか接近した清四郎が追撃を仕掛けようとするが茂みの影から飛来したドングリに行く手を遮られる。
「もういいだろ。お前のマスターは沈黙した。無理に命令を遂行することはない」
そう言って茂みから姿を現したのは白髪交じりの老人だった。手には紐と布で作られたよく分からないものを持っている。老人に声をかけられた清四郎は抵抗をやめる。その顔には安堵の表情が浮かんでいた。
「さて、お前達、大丈夫か」
先ほどのストラーフが僕たちに手をさしのべてくる。その手を取って立ち上がった僕たちは彼女達に礼を述べる。
「事情は色々あるのだろうがまあ深くは聞かないさ。この島では色々あるからな」
そう言ってストラーフは豪快に笑った。
「そうだな、人の事情まで詮索している暇はない。待ち合わせに遅れないよう行くぞ、零」
「まあ、そう言うわけで送ってやりたいんだがこっちにも事情があるんだ。行こう火狩。」
零と呼ばれたストラーフはすまなそうに笑うと老人の肩に飛び乗る。
「コウガのことは俺たち大人に任せておけ。きっと君と神姫を家に帰してやる。だから無茶はするなよ」
「お前達みたいな優しい奴にはこんな役目はして欲しくないんだ」
立ち去る前に老人と神姫は僕たちにそう語りかけ、茂みの中に消えていった。
<無茶はするな、か。ひょっとしたらその方がいいのかもしれないね、プルミエ>
「マスター・・・」
プルミエが不安そうに声をかける。僕の考えを悟って心配してくれているのだ。
<でも僕はやっぱりコウガにあって彼女を止めたい>
コウガの生い立ちを知ってから僕はずっとそう考えていた。子供のわがままかもしれない。英雄願望なのかもしれない。でもこのままで終わっていいはずはない。あの人達はどんな事情があってもきっとコウガを壊す。そんな終わり方を僕は避けたかった。