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 そして、次第に意識は浮上していく。ぼやけた意識は、ある一点を境にはっきりする。

(ステージ『コロシアム』か……)

 円形のフィールドで、障害物は天井から生えた鉄柱程度。最もポピュラーでスタンダードなステージだ。

(樹羽)

 シリアの声が、自分の内から響いてくる。その声に対し、私は口を使わずに返す。

(シリア、調子は?)
(絶好調。油断はしないけどね)

 私は自分の――神姫の体を軽く動かした。
 手を握り、また開く。足を上げて、下ろす。蹴る、殴る。問題なしだ。

(武装セットお願い)
(了解っと)

 自分の体が光ったかと思うと、すぐに光は散った。だが、変化はある。
 ヘッドガード、ショルダーガード、ブレストガード、リアテイルパーツ、リアウイングパーツ、レッグパーツ。
 俗に純正装備と言われるものだ。ついでにアームガード兼ナックルにもなる『ゼピュロス』も展開してある。

(空に羽ばたく鳥のように、だっけ?)
(セイレーンって元々そういう感じらしいよ?)

 セイレーンと聞くと、海でハープを弾いているイメージなのだが、それはイーアネイラのほうだ。実際、中世以前のセイレーンは半人半鳥であったと伝えられている。
 まぁ、なんにせよ与えられた武装は最大限活用させていただく。

(絵美ちゃん……相手の武装は?)
(相手も純正装備だね。槍になるダブルナイフ、それから光学系ランチャー。ウェポンプールに剣が二本とバズーカが一つずつ)

 相手は大海を泳ぐマーメイドをイメージされた神姫だ。らしいと言えばらしい。いや、どこら辺がマーメイドらしいかは、分からないから、結局よくわからないのか。
 ちなみにこちらの純正装備は、カタールにスピードランチャー、あとナックルといったところだ。ウェポンプールは空っぽ。あくまで純正装備だけだ。

(互いにロングレンジは不向き。ランチャーの種類的に言えば相手の方が僅かに有利)

 通常のランチャー――光学系ならなおのこと射程が長い。
 しかし、エネルギー反応をこちらがキャッチしてからガードが間に合うぐらいの速度だ。
逆にスピードランチャーは、射程が短い代わりに弾速が早い。
 例えて言うなら、通常のランチャーは70m先まで届いてスピードランチャーは60mしか届かない。

(ミドルからクロスの槍も、相手の使い方次第だけど、クロスはダブルナイフと剣だし、ゼピュロスとエウロスをうまく使えばなんとかなるんじゃない?)

 カタールのエウロスは、ゼピュロスを展開したままでも掴むことができるのを、この間知った。前回のエリーゼ戦では、ゼピュロスで殴るためにあえて一つしか展開しなかったが、本来エウロスは二本あるのだ。

(槍も、クロスで使われるかも知れない。油断大敵)
(だね。そろそろ始まるよ)

 開始を宣言するブザーがなる。

『Ready……Go!』

 アナウンスが入り、いよいよ戦闘が始まった。

(ロックオン出来る?)
(ちょっと難しいな……もう少し近付いて)

 実は障害物がないのと、このステージが直径80m程度しかないので、相手の姿はギリギリ視認出来る。
(っ、エネルギー反応、来るよ!)

 ロック範囲は相手の方が広いのか、こちらがロックしない内に砲撃がきた。

(この程度なら……!)

 走りながら、軽くサイドステップして軸をずらす。次の瞬間、さっきまで自分がいた場所に光が伸びた。

(狙いが甘い……ノーロック? それともわざと反らした?)

 多分前者だろう。客観的にみて、あの少女が戦い慣れしているとは思えない。

(ロック完了!)

 牽制のランチャーを二、三度避けた辺りで、シリアが報告した。
 現在の武装のロック範囲は41,2s(人で言うところの41,2mに当たる)だから、ロック完了=約40mと考えていい。
 それでも相手の姿は辛うじて人型だとわかる程度。

(飛ぶ……は駄目だな、狙い撃ちにされる)

 背中についているリアウィングは、広げることで飛行することが出来る。飛んだ方が早いのだが、今飛んでもランチャーの良い的だ。
 だから……

(だから、ミドルでレールアクションを使って一気に近付く)

 Rail Action.
 一時的に神姫の性能限界を越えて動けるプログラム。
 発動後、相手からの射撃の威力を軽減するバリアを展開し、さらにジャミングをかけた後、高速移動する。
 ただし、レールアクションの名の如く、一定のルートしか動けず、ベテランのプレイヤーには最悪ルートを読まれ、反撃ないし回避される。
 さらに使用制限があることが難点としてあげられる。
 距離、24,8s。

(よし、ここで……)

 レールアクションを使おうとした、その時だった。

(あれは……?)

 最初は見間違いだと思った。しかし、ここまで近付いたのだから、相手の様子もはっきりする。


 ――そこには、一匹の人魚がいた。


 あった筈の足は魚の鰭のようになっている。それは中空を漂った後、おもむろに地面に潜った。

(な、何あれっ!?)

 シリアは随分と驚いているようだが、私はそれほどでもなかった。それよりも重要なことを、思い出すので必死だった。

(確か、あれは……固有RA)

 柏木さんから神姫について朝から晩までみっちり覚えた甲斐があった。
 レールアクションの中には、そのタイプ専用の固有RAが存在する。イーアネイラの固有RAは、『ウェパル・アサルト』
 まさにステージという海を游ぐ人魚の如きレールアクション。発動後、ステージの下に潜り込み、そこから強襲する。
 確かに効果的ではあるが、反則くさい。地面から来るなんて非常識な気がする。



「ハックシュンッ!」
「にゃ? 風邪ですかにゃ先生?」
「いや、なんか今寒気が……」

 どこかのゲームセンターにて、ドリルで砂漠に潜るミス非常識がいたりもするが、それはまた別の話。



(ジャミングでロックも出来ない……樹羽)

 シリアが不安そうに意向をうかがってくる。私は……

(……ゼピュロスしまって。ボレアス、展開。同時にチャージ開始)
(ランチャーで向かえうつの? そんなこと)
(早くして)

 早くしないと、相手が仕掛けてきてしまう。
 シリアは渋々ゼピュロスを消し、既に見慣れたランチャーを出した。小さな起動音、チャージ開始。

(落ち着けば、かわせる)

 この固有RAは相手のガードを崩す能力がある。下手をすれば、HP切れではなく、クリティカルダウンをもらいかねない。
 通常、神姫に設定されているHP(ヒットポイント)は、ゼロになると試合が終了する。動けると言い張っても、ジャッジシステムはそのマスターに負けを宣言する仕組み。
 しかし、たとえHPが残っていようとも神姫から強制的に弾かれるほどの衝撃を食らった場合、クリティカルダウン扱いで一撃で倒されてしまう。
 つまり、いくらデータ的に威力の弱い武装でも――少し嫌な例えだが、相手の首を撥ねたり、腹部を貫いたりした場合、ダメージ計算すら行わず、ワンキルになる。
 しかし大概はその前に神姫がバリアを張り、クリティカルダウンはそんなに起こらない。だが相手がレールアクションを使用した場合、ジャミングによって相手の位置が掴めないため、クリティカルダウンになりやすいのだ。

(来るなら、来い)

 計器では測れない、その場の雰囲気を五感で感じとる。
 相手は必ず下から来る。しかし、飛び出すタイミングがわからないため、不用意に飛ぶわけにもいかない。
 集中する。自分の中にある一点に心を静める。


 足元から、水が撥ねる音がした。


(今だ!)

 ボレアスを斜め前に放り投げ、自分も飛込むように前へと転がる。
 次の瞬間、さっきまで自分がいた場所からアイラが飛び出した。

「え、嘘っ!?」

 相手はさぞ驚愕しているだろう。しかし、確認するのは、前方に投げたボレアスをキャッチした後だ。
 落ちてくるのを待っているなんてことはせず、翼を広げながら自分から取りに行く。
 今、掴んだ。

「「いっけぇぇぇっ!!」」

 二人の声がユニゾンし、オーバーヒート寸前だったボレアスから出た光の帯は、固有RAの後の硬直で動けない相手を飲み込んだ。派手な爆煙が辺りに広がる。

(やった、の?)
(まだ、ジャッジが出てない)

 倒せたのなら、ジャッジシステムが勝者の名前を掲げるだろう。
 それがないのなら、結論は一つ。

(まだ、終わってない)



(大丈夫? 絵美?)
(うん、なんとか……)

 ギリギリのところでアイラがバリアを張ってくれなければ一撃でやられていたかもしれない。それでもまったくダメージがなかったわけではない。まだ腕が痺れている。

(強いね、樹羽さん)
(えぇ、神姫バトルの初心者なんて思えないわ)

 さっきのウェパル・アサルトをかわされるとは思わなかった。多分、事前にお兄ちゃんが教えておいたんだと思うけど。

(絵美、クロスでの戦いになるわ。気を付けて)
(うん。ありがとう、アイラ)

 持っている槍、『トリアイナ・ハスタ』に力を込める。今のうちにスキュラの準備もしておかなくちゃ。



(やっぱり倒しきれてないか……)

 爆煙がはれ、そこにいたのは、傷付きながらも槍を構え直すアイラの姿だった。

(クロスでいくよ。ゼピュロスとエウロスを出して)
(わかった。気を付けてね)

 ボレアスが消え、代わりに両手にカタールと鉄甲が現れる。それを構えながら、私は相棒に尋ねた。

(ねぇ、確か相手の装備は剣とダブルナイフと槍なんだよね?)
(クロスの武器って意味なら、そうだよ)
(そう……)

 剣は、取り回しが利く。多様される恐れがあるが、来たら来たでどうにでもなりそうな気がする。
 ダブルナイフは取り回し次第ではかなり手強い。まだ慣れてないからゼピュロスで捌くのはキツイかもしれない。
 槍も危ないかもしれない。聞いた話では、槍だけで大会を勝ち抜いた強者もいるという話を聞く。それは数年前の話らしいので、絵美ちゃんではないはずだが。

(バーニアの制御をこっちに回して、合わせる練習はこのバトルが終わったら)
(樹羽)

 すこし凛としたシリアの声。改まって、といった感じか。

(確かに、樹羽がバーニア制御した方が、的確なタイミングでバーニアを使えるかもしれない。でも、それじゃ駄目なんだよ)

 言われて、気付く。自分はどうやら、勝ちにこだわり過ぎていたらしい。

(二人で勝とう、樹羽)
(……そう、だよね。私一人で戦ってるわけじゃ、ないんだよね)

 何年も一人だった。信用できなかった。頼れなかった。
 でも、今は自分の中に、信頼できる相棒がいる。

(勝とう、二人で!)

 相手に向かって構え直す。相手はまだ攻めて来ない。ずっと続くかと思われたにらみあいは、相手が破った。
 突如相手の姿が消える。レールアクションだ。

(落ち着け、さっきもできたじゃないか)

 空気の流れを、全身の感覚を総動員して感じとる。

*1

 右に回転し、飛んできた足をゼピュロスで受け止める。さらにそこからくる槍のなぎ払いは、左手を前に出しながらシリアがバリアを張ってガード。

「何でっ!?」
「そこぉっ!!」

 ガード時に引いた右手を相手につき出す。しかし、それは相手の左手に現れた一本のナイフによって阻まれた。付け根の部分から三つに分かれており、そこで挟み押さえられてしまう。

「はぁっ!」

 相手の槍が顔面に迫る。この槍も先端が三つに分かれている。その間にエウロスを入れ、押さえ込む。
 互いに両手が封じられてしまった。地面を踏みしめているため、足技も使えない。

(エウロス……収納!)
(……っ)

 両手から刃が消え、同時に右手を引く。
 支えがなくなり、相手の体制が崩れる。

「でぇやぁっ!!」

 がら空きになった腹に、右手のゼピュロスを下から叩き込む。相手の腕が動くが、間に合うわけがない。綺麗にボディに拳とゼピュロスが入る。同時に足のバーニアが起動し、掬い上げるように相手を浮かせる。
 そこからさらに腕を引き、バーニアをふかして相手の上をとる。そして、右手に現れた刃を相手に向けた。

「貫けぇぇっ!!」

 重力にバーニアの加速。相手がとっさに張ったバリアと、こちらの刃が激しくぶつかり合いながら、二人とも地面に落下していく。
 そして、地上との距離がゼロになった時、勝敗は決まった。

「…………」

 相手の脇腹を貫き、地面に刺さった刃を抜く。

「私たちの、勝ちだ」

 試合終了のブザーが、鳴った。





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