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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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ホワイトファング・ハウリングソウル
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その神姫センターの一階は武装やヂェリー、コスプレ衣装や改造ツール等と言った神姫バトル以外の神姫に関するその他諸々を引き受けている。六歳の頃からそこに通っている黒野白太は神姫修理の受付窓口で祈るように組んだ手を太股に乗せパイプ椅子に座っていた。黒野白太の傍に彼の神姫であるストラーフ型神姫イシュタルは居ない、今頃どうなっているのかは長年付き添ってきた彼でも想像する事すら出来ない。
数週間前黒野白太が通う中学校で起きた神姫の暴走事故でイシュタルはマスターを守る為に戦い稼働が不可能になるまでの損傷を負った。真実は神姫を使った傷害事件であり、加害者である生徒、金子銀条の父親が理事長だったので報道は歪められ事件は小さく処理されている。その処理の一環として黒野白太は少なくはない賠償金を貰い、イシュタルの記憶やCSCを新しい素体に移植させたのだが、それでも彼の心中は穏やかなものではない。
ヒーローと敬っていた先輩の凶行、正当防衛とはいえ神姫を破壊した罪悪感、自分の失策でイシュタルに重傷を負わせてしまった事への恥。付け加え事件の全容は当時その場にいた五人と各々が所持する神姫と理事長しか知らず、部外者の誰にも真実を話さないように緘口令が布かれている。それを破れば学校側はあの手この手で揉み消しに計る、理解はしているがやはり真実を誰にも話してはいけないというのは精神を揺らがせるものである。
脳漿で溶かしきれない負の感情による不快感に気を取られ黒野白太は瓶底眼鏡を懸けた優男の接近に優男から声を掛けられるまで気付く事が出来なかった。
「白太君。」
「はい。…あ、店長。」
「無意識に丁寧な返事をしてしまうのはよくないね。本当は何も聞いていないのに相手に聞いているものだと思わせちゃうよ。」
店長と呼ばれた優男は実際に店長ではないが初対面の人間に「僕の事は店長と呼んでくれ給え。」と自己紹介するので神姫センターの利用者の殆どは彼を店長と呼ぶ。だが本名を頑なに隠しているわけではなく胸のネームプレートにはちゃんと『小泉一郎』と書かれており、過去の総理大臣の漢字一文字違いであり瓶底眼鏡を外せばイケメンだ。それでも店長が店長と呼ばれるのは事実上この神姫センターを一人で仕切る能力と長い間この神姫センターで勤めた事で築き上げた人徳が成せる業である。普段は斜めに構えている黒野白太もその例外ではなく黒野白太が六歳の頃から知り合った店長を年の離れた兄のようなものだと思っており喋り方もその影響を受けている。
そんな店長の方も黒野白太に声を掛けたのは、業務報告の他に黒野白太の表情から並々ならない雰囲気を感じ取ったからという私情が無かったわけではない。心中穏やかではない黒野白太を落ち着かせる為に普段通り穏やかな微笑みを浮かべると、店長の思惑通り黒野白太の顔の険が僅かに和らいだ。そうなってようやく思考が現実に戻ってきたらしく虚ろ虚ろと彷徨っていた視線は真っ直ぐに店長へと向き直り口にも真剣味を塗りたくる。
「店長、イシュタルはどうなったんですか?」
「記憶とCSCの移植は完全に完了した。後は起動させるだけだ。」
「そうですか…よかった…あれ、でも何で今直ぐに起動させないんですか?」
「イシュタルに限らず素体を移植させた神姫にはどうしようもない問題が一つあってね。僕にはその問題を君に話さなければならない義務があるからさ。」
「問題…?」
「それを聞いてどうするかは君の自由だ。でも決して井戸端で話していいようなものではない。場合によっては君は覚悟しなければならない。」
「覚悟って、一体何の。」
「イシュタルの死を受け容れる覚悟さ。」
表情にこそ出さなかったが太股の上で組まれた両手により強い力が入り指先が赤く変色するところを見れば黒野白太の動揺が第三者にも目に見えるだろう。それでも視線だけは真っ直ぐに射抜かんばかりに店長を見据えほんの一呼吸の間に覚悟を決めた黒野白太は話の続きを促した。
「話して下さい。問題とは一体何なんですか?」
「ちょっと哲学的な話なんだけどね。白太君、君は知的生命体とは一体何で出来ていると思う?」
「え?…タンパク質ですか?」
「知的生命体は大きく分けて三つ、肉体と精神と魂で出来ていると僕は考えている。肉体は僕達が見えている物。精神とは記憶や思い出と言った物。魂とはその人の本質や才能と言った物を指す。」
「はぁ…?」
突然そんな事を話されても黒野白太には訳が分からない、そんな話と神姫の素体の移植とには一体何の関係があるのだろうか。
「真面目に聞いてよ、全部本題なんだから。さて、これを神姫に当て嵌めてみようか。肉体は素体、精神はメモリ。では魂は一体何だと思う?」
「えっと、CSCですか?」
「外れ。確かにCSCは神姫の個性を作るものではあるけれど本質と呼ぶには弱い。もっと単純に神姫の性能を決定付けるものを考えて。」
話の流れは良く分からないが取りあえず黒野白太は店長の言葉の意味を咀嚼しつつも問い掛けの答えを模索する。神姫の性能とは即ちアーンヴァル型は飛行能力が高いが格闘戦は苦手とかストラーフ型は格闘戦に強いが運動能力が低いとかそういったものだろう。勿論、これらはマスターの武装の選択や戦略で充分に覆せるものであるがそういうのは置いて置いて、より根本的な問題として神姫の性能を決定付けるものとは。
「………神姫の型?」
「正解。天使型のアーンヴァルは優等生、悪魔型のストラーフは小悪魔、猫型のマオチャオは無邪気、犬型のハウリンは誠実と言った風に全ての神姫には開発者による設定が存在する。その設定こそが神姫の魂さ。」
「……………もしかして。」
外れて欲しかった問い掛けを正解してしまい段々と店長が言わんとしている事が氷解してきた黒野白太は、表情こそそのままの状態であるが、組んだ手には汗が滲み始める。
「店長はこう言いたいんですか? 型を変えた神姫は例え記憶やCSCを完全に移植させても別人になると。」
「その通りだ。例え完璧に同じ身体を持っていたとしても完璧に同じ記憶を持っていたとしても魂が違うのであれば別人だ。それは神姫も変わらない。」
「………ッッつ!」
「これは今でも解決出来ていない問題だよ。同じ記憶を所持しながらも全くの別人である神姫を恐れリセットしたマスターも居る。記憶と型の違いから精神を崩壊を起こした神姫だっている。」
「でもストラーフからストラーフMk2に換えるだけだから、そんなに大きな違いは…。」
「甘い。君は犬と狼を並べられて両方とも同じ生き物だって言えるのかい?」
「それは……。」
「初代ストラーフ型とストラーフMK2型にはそのくらいの差がある。君の言う通り大きな違いではないかもしれないが0では無い違いがある。」
「今から元のストラーフ型の素体を買ってきます!」
立ち上がった黒野白太の腕を危ういところで店長が掴む。
「ちょっと待った。買うお金あるの? 君がイシュタルの記憶やCSCをストラーフMk2の素体に移植させたのは今日ストラーフMk2型の特売日だったからだよね?」
「今から貯金を引き下ろしてきます! それなら買えるでしょう!」
「君が使えるお金は生活費分だけでしょ? それを神姫の素体を買えるだけ削ったら、君の身体が持たないかもしれないよ?」
「……。」
「今取れる手段は一つしかない、イシュタルの記憶をリセットする事だ。そうすれば君はイシュタルの記憶を持った別人に悩まされなくて済むし、新しいイシュタルも前のイシュタルの記憶に振り回されないで済む。」
「それしか無いんですか?」
「今は、だよ。これから白太君が何処かでアルバイトでもして、あ、うちも募集中だよ、でお金を貯めてストラーフ型の素体を買えばいい。その間イシュタルの記憶とCSCは僕が責任を持って預かろう。さて、どうする?」
「僕は「マスター、騙されるな。」…えっ?」
その声自体は神姫の中の人のものだが反射的にそちらの方へと向いてしまえば神姫修理の受付窓口でストラーフ型神姫が仁王立ちしていた。汚れも負傷も一切無いのは新品なのだから当たり前なのだろうけど移植に出す以前と何一つ変わっていないその風貌に黒野白太は呆けてしまった。
「えっと…イシュタル?」
「何故、疑問符を付けている。初代から次世代に代わったとは言え見た目は殆ど変わっていないだろう。」
「いや、でも…。」
「前よりパワーは落ちているが代わりに四肢の稼働区域が広くなっているな。今なら壱八〇度開脚も出来そうだ。」
「それは是非とも真正面から見てみたいね!」
「明日マスターが学校に行っている間にストレッチでもしてみるか。店長、CSCと記憶の移植、ありがとう。だがマスターへの嘘は見逃せないな。」
「え?…嘘?」
「神姫にとって型とは大まかな方向付けに過ぎず例え十体のストラーフ型を同時に起動させたとしても十体全てが同じ性格になるとは限らない。中にはアーンヴァル型のようなストラーフ型が居ても可笑しくは無いんだ。」
と言うより、一旦言葉を区切ってイシュタルはビシッという擬音を付けながらも黒野白太を人差し指で指した。
「私がいい例だぞ? 初代ストラーフ型の一人称は基本的に『僕』だ。しかし私は今も昔も一人称は『私』だっただろう。」
「そう言えばそうだったような…。」
「そういう事だ。それに店長。貴方は一つ大きな誤解をしている。貴方は神姫の魂とは神姫の型、開発者が考えた設定だと言ったな。それは間違いだ。」
イシュタルは仁王立ちの姿勢を辞めて神姫修理受付窓口から一旦降りて少し歩き、黒野白太の肩に、普段の彼女の指定席にまで飛び乗って腰を下ろした。
「私達神姫の魂とは即ち私達のマスターだ。マスターが善人であれば私達は善になるし悪人であれば悪になる。マスターを信じるからこそ私達神姫は神姫と足り得る。型等では決して無い。」
「マスターこそが神姫の魂であるなんて面白い事を言うね。それが全ての神姫の総意であるとは思えないけれど。」
「だが人間である貴方が出した論よりも神姫である私の論の方が説得力があるだろう。」
「まぁね。」
「そういう事だ、マスター。君は何も心配する事は無い。」
「と言う事は今のイシュタルは、前のイシュタルなの? それとも同じ記憶を持っただけの別のイシュタルなの?」
「マスターの誤解も修正しようか。素体が違っていても記憶が無くとも型が変わっていても君の傍に居る神姫イシュタルこそが本当のイシュタルだ。『私』に拘るのがそもそもの間違いなんだよ、マスター。」
「そんな事は…無い! 僕と一緒に神姫バトルをしてきた神姫が、イシュタルだ!」
「その理屈は人間だったら通じるだろうな。だが私は神姫だ。年月で肢体は劣化せず破損した箇所の交換は容易で記憶は完全に複製出来る。AIも簡単に操作出来る。」
「でも、神姫にはCSCがある。CSCが神姫の個性を作りCSCが破壊されたらどんな神姫でも生き返らない。」
「CSCも所詮は部品だ。CSCの複製も禁止されているだけでやろうと思えば出来る。有機物である人間の脳を複製するよりも容易いだろう。」
「イシュタルは、何が自分だとか思わないの? そんなの、死にたいとか、思わないの?」
「無い。先程も言っただろう、マスター。私達神姫の魂とは即ち私達のマスターだと。私達はマスターを信じるからこそ自分を信じる事が出来る。いや、信じるしかないんだ。マスターが唯一であるからこそ私達は自分というものを保てるのだから。」
「そんなの、依存と何の変わりもないじゃないか。」
「ああ、そうだ。私達はマスターに依存している。だがそれこそが神姫の愛であると私は考えている。」
「…。」
「理解してくれとも納得してくれとも言わない。だが、マスターは人間で私は神姫、この事だけは覚えておいて欲しい。」
つまり、君と私は違うのだと。
敢えて伏せたイシュタルの意思を察した黒野白太はそれ以上の追及はせずに彼女を肩に乗せたまま、店長に御辞儀をした。
「CSCやメモリの移植、ありがとうございました。」
「いやいや、気にする事は無いよ、他ならぬ君の頼みだからね。」
「でもイシュタルの記憶をリセットした方がいいなんて性質の悪い冗談は許せません。」
「あそこでイシュタルを登場させて君を驚かせる為の僕なりのサプライズのつもりだったんだけどね。いやぁ、まさか説教をされるとは思わなかった。」
「それで、どこからどこまでが嘘なんですか?」
「全部。肉体と精神と魂の辺りは僕が好きな漫画から引用した。」
あっけらかんと笑う店長を見て黒野白太は「あぁ、他人を煽る時の自分ってこんな顔をしてるんだ。」とほんの少し今までの対戦相手に対し悪い気持ちになった。
「それで、今日は神姫バトルはしていくのかい?」
「いえ、イシュタルの素体を入れ替えて直ぐですし。しばらく調整をしてからにしようと思ってます。」
「今の素体で出来る事、出来なくなった事はあるだろうしな。先ずはそれの研究だ。」
「そうか。じゃあ、御大事に~。」
こうして黒野白太の神姫イシュタルは初代ストラーフ型からストラーフMk2型への移植を済ませた。




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