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『大魔法少女』-1/3



「君は暇人だな」と神様が唐突に吐いた暴言に、すれ違う他人に舌打ちをされるくらいムカついた。
いつのことだったか、バトル観戦していた時に通りがかったウェスペリオーの武装が肩に当たり、文句を言ったら舌打ちされてリアルバトルに発展したことがあったけど、今のムカつき度合いはその時くらいのものだ(ケンカ両成敗で神姫センターを1ヶ月出入り禁止になったけど、高級そうな武装をセイブドマイスターでブチ抜いてやって大満足だった)。
漫画をめくる手を止めず、私のほうを見向きもしないくせに、暴言は確実に私をターゲットにしていた。
「なによ、藪から棒に」
「藪から棒も蛇もあるもんか。僕がこうして暇つぶしに来てやった時は必ず漫画を読むか二度寝してるじゃないか。生きてて楽しいのか」
確かに私は今、漫画を読んでいる。
先週マスターが買ってきた『ストライクウィッチーズ』は私と同じ装備の女の子が世界の命運を賭けた戦争で活躍する傑作で、何度でも読み返したくなる。
特にトモコっていうキャラが私と瓜二つということもあり、『ストライクウィッチーズ』は今、私の中で密かなムーブメントを巻き起こしていた。
そんなことは、どうでもいい。
「なんで漫画読んでるだけで人生を否定されにゃならんの? ねえ?」
「人生じゃないだろ、暇人生だ」
漫画を思いっきり投げつけた。
ニヤニヤしたオールベルンはそれをひらりと躱した。
「あんただって漫画読んでるでしょうが!」
「おいおい僕は神様だぜ。二度寝しようが漫画を読もうが、何したって許されるに決まってるだろ」
積んであった漫画をもう一冊抱えて投げた。
神様も再び躱し、あくまでニヤニヤした表情を崩そうとしない。
「戦場を住処とする武装神姫は一日中トレーニングに明け暮れるもんだと思っていたが、違うのか」
「そんな努力家なんてほんの一握りよ。バトルで緊張しっぱなしなんだから、それ以外は人並み以上に息抜きしたくなるもんなの」
「人並み? 暇人並みの間違いだろ」
「やけに突っかかってくるじゃない。なんなの? 死ぬの? 私はリアルバトルでも全然構わないのよ」
「そんな強気こと言っていいのか。僕のメンテ無しじゃ、トレーニング用のネイキッドにすら苦戦するんだろう」
「んなワケあるかい! 3秒で倒せるわ!」
これは誇張でも何でもない。
そもそもバーチャルトレーニングで使える練習用ネイキッドは無料お試し版しかなく、のっそり動く相手ではセイブドマイスターの調整くらいにしか使えない。
有料版ならネイキッドの武装や強さのレベルを自由に設定できるらしいのだが……そんな贅沢品に手を出せば、代わりに弾薬すら買えなくなってしまって本末転倒だ。
これでも私は、消耗品を補充してくれることについてはマスターに感謝している。
だから有料版をおねだりはしないし、無駄に弾を消費するトレーニングもしない、というのが、私が積極的にトレーニングをしない理由だ。
そんな事情を知ってか知らずか(いや知るはずないんだけど)、神様は「まあネイキッド云々は置いといて」と自分で言ったことを軽く流してしまった。
「君は僕との約束の最中だぞ。人間に昇華するためにはあと六人の神姫を倒さねばならない。しかも次の相手は知らぬ者のない強敵『大魔法少女』だ。漫画を読む時間どころか寝る間すら惜しんで特訓に励むのが普通だろう」
「付け焼刃の特訓をしたってどうにかなる相手じゃないわよ。それにね、あんたはいつも夜中と朝だけココに居座ってるけど、私はやるべきことは日が高い昼間にやる主義なの」
神姫の皆が皆、ゲームのキャラのように部屋を掃除したり、戦いに明け暮れたり、事件を追いかけたり、マスターとキャッキャウフフしていると思うのなら大間違いだ。
身長が15cm程度ってだけで人間と変わらない私達は、いろんなことをやる。
私にしても、この後の用事が今から楽しみでしかたがない。
誰かに惚気るように話したくなったりするのだが、神様は「ふうん」と興味無さそうにつぶやき、漫画から目を離そうとしない。
というかコイツ、さっき私のことを「暇人」と言ったのも、呼吸をするような思いつきで私を貶したかっただけじゃないのか。
自分が一番の暇人のくせに。


◆――――◆


職でも探しに行くのか、マスターは朝から出かけていることが多い。
神様もいつものように、正午を過ぎると、読み散らかした漫画を片付けずにどこかへ行ってしまった。
今からの時間は、私の人生――いやさ神姫生が最も潤う時だった。
鏡に映った自分の姿を念入りにチェックしていく。
「髪よーし。服よーし。ストライカーよーし」
最後に頬をパンと叩くことで引き締め、ストライカーに点火した。
小窓まで飛び、鍵を空けて窓を開け放つと、澄んだ空気が部屋に流れ込んできた。
大きな深呼吸で体内の淀んだ空気が浄化される。
「さあ、行きますか!」
邪魔するものの無い、高く、広く、そして青い空へ。
せっかくのフライト日和だし、今日はいつもと違うコースを飛んでみようかしらん。
少しくらい遠回りをして時間がかかるのも、たまには乙というものだ。
ハルと会う約束があるといっても、日時や時間まで決めているわけじゃないんだから。


◆――――◆


窓からコッソリ中を覗くと、ハルはいつものように文庫本を広げていた。
首元にポニーテールを垂らし、神姫には大きすぎる文字を追うその姿をずっと見ているだけで日が暮れてしまいそうだ。
なんとか目を離し、毎度の義務のようにワンルームの中を見回しても、やはりあの人は不在だった。
私のマスターとは違って仕事が忙しいあの人は、夜ですら不在なことが多いらしい。
会えるチャンスは多くないのだ。
つい溜息をつきたくなるが、グッとこらえて窓をノックした。
私はハルに会いに来たんだ、落ち込む理由なんて最初からない。
頭を上げたハルが窓の鍵を空けて、中に入れてくれた。
「やあ、今日はいい天気だな」
これである。
この声である。
何度聞いても飽きることのない、凛々しい声を聞くために私はここまで来たのだ。
「いい天気、って言っときながら部屋で本読んでるじゃない」
「今日はあなたが来る予感があったんだ。私を連れ出してくれるんだろう? なら、お楽しみは取っておかなくては」
これである。
この微笑である。
何度見ても飽きることのない、アスファルトに力強く咲く花のような表情を見るために私は生まれてきたのだ。
「えへへ。ねえ、ハ~ル?」
「ん、なんだ」
「ううん、呼んだだけ」
「ははっ、おかしなやつだな、ホノカは」
これである。
このハルである。
世界中の映画館で人々を虜にしてしまう大女優を独り占めしている気分だ。



戦乙女型アルトレーネ。
各神姫メーカーがこぞって軽装備、低価格神姫を発売していたライトアーマーブームをぶった切るように現れた、重装備の高級機種。
私の生みの親、フロントラインが天使・悪魔型の改良を急いだあまり中途半端な装備で世に送り出し、後に『フルアームズ』が完全版商法と揶揄された原因は、これまでの武装神姫の性能を覆す戦乙女型に対抗したことにあったとかそうでないとか。
コストに見合った性能は期待を裏切らず、未だ品薄の状態が続いている。
その一方で、発売当初に戦乙女の幻想を叩き割ったAI「なのです」や、近所の神姫センターでは『第n次戦乙女戦争』が頻繁に勃発するなど、批判が絶えることもない。
そんな天然ボケ娘――アルトレーネの中で唯一、本物の戦乙女となり得たのが、ハルヴァヤだ。
ロット生産されたアルトレーネとは思えない気高さ。
「……カ」
瞳の奥で静かに燃える炎。
「……ノカ」
ハルの炎にこの身を焼き尽くされたい。
ハルにだったら、私は――。
「おい、ホノカ」
「は、はいっ!? なんでしょう」
気がつくとハルが私の顔を覗き込んでいた。
キスしてもいいだろうか。
「どうしたんだ、急に気が抜けてたぞ。調子でも悪いのか」
「う、ううん、なんでもない。そろそろ出かけよっか」
頷いたハルは並べてあったスカートアーマーを装着して、鷲のように大きく広げた。
背中から翼のように広げるのではなく、あくまでスカートアーマーのままで空を飛ぶ――これがハルの、訳ありな飛行形態なのだ。
陸上戦だけでなく空中戦も可能なアルトレーネだが、地を蹴っての戦闘に特化してきたからか、ハルは飛行を大の苦手としていた。
それを聞いた私が、空を飛ぶスペシャリスト(自称)であるこの私が、飛行のコーチを買って出たのだ。
有り体に言えば、ハルと優雅な空中散策――つまりデートをする口実を得たのである。
先に離陸した私を追うようにハルも飛び上がったが、勢い余って私を追い越してしまった。
ハルの翼じゃ私のストライカーのようにはいかないとはいえ、まだまだ自在に空を飛ぶには慣れが必要なようだ。
大回りに旋回して戻ってきたハルは肩から紐で鍵を下げている。
「すまないが、窓を閉めてくれないか。私が近づくとガラスを傷つけてしまいそうなんだ」
窓を閉めて、ハルがリモコンで鍵をかけた。
と、ふとマスターの部屋の窓を開けっ放しだったことを思い出した。
「……ま、いいか」


◆――――◆


最初はどう贔屓目に見ても、ハルの飛び方は褒められたものではなかった。
初代アーンヴァルよりも大きな翼はハルの手に余り、風が吹けばそちらに流され、逆方向に吹けば舵を取れずに失速、数メートル下のアスファルトに突進していった。
泳げない子の手を取ってバタ足を練習するイメージでいた私は、飛行訓練がそんなキャッキャウフフしたものでないことを初めて知った。
空中で溺れそうになるハルを抱きしめる幻想など、しょせん幻想でしかなかったのだ。
私のような空を飛ぶために生まれてきた神姫と、そうでない神姫との間には、これほどまでの差があるらしい。
いや、アルトレーネは地上戦がメインの神姫だけど標準で空も飛べる仕様だし、ハルだけが特別なんだろう。
他は優れてるのに、天は二物を与えなかったのか、飛行に関してはちょっと悪い方向に特別、というか。
「嫌ってくれてもいいから、私の言うことをちゃんと受け止めてね――ハル、あなたには飛行の才能が無いわ」
断腸の思いでキッパリと告げると、ハルはがっくりと肩を落としてしまった。
でも誰にだって得意不得意はあって天は二物を与えないから云々、と言おうとしたところで、ハルは急に頭を上げ、それを勢い良く下げた。
「私に才能がないのも、迷惑なのも分かっている。だが頼む、どうしても空を飛びたいんだ」
「や、やめてよ、頭を上げて」
「絶対に空を自由に飛ぶ翼が必要なんだ。ギンとの一戦といい、これ以上あなたに頼ってはいけないのは分かっている。しかし――」
「分かった分かった、分かったから頭上げてってば……理由は聞かないけど、私がコーチを断ったって一人で練習するつもりでしょ? 危ないからやめろって言っても聞く耳もたなさそうね」
済まなさそうにハルは頷いた。
こんな顔をされて、ノーと言える飛鳥なんていない。
「言っとくけど、今のままじゃ地面に激突して粉々になるのが目に見えてるから、練習じゃ容赦しないわよ。最低でもこの『セイブドマイスター』と空中格闘戦でタメを張れるまで続けるからね」
「ああ、恩に着る。これからよろしく頼む」
ぱぁっと明るくなるハルの表情の眩しさが、この時ばかりは痛かった。



城尊公園の望楼を貸し切っての飛行訓練は、苛烈を極めた。
「そっち地面! 地面に向かって飛んでどうするのよっ!?」
「う、上はどっち、うわああああああああああっ!」
追いつけない速さでハルが芝生に急降下していく。
コンクリートよりマシといってもあのスピードじゃ助からない。
もうダメだ! と思ったその時。
ハルは翼を変形させてスカートアーマーに戻した。
身体を半回転させて姿勢を立て直し、空気を踏むようにエアダッシュで制動をかけた。
落下の勢いは完全には殺しきれなかったが、私がハルに追いつく余裕ができる。
手を取り合って、芝生につっ込みはしたが、なんとか不時着に成功した。
「はぁ、はぁ……す、すまない。今のは本気で死を覚悟したよ」
「どうして、ケホッ、うぺっ、土が口の中に……飛行形態の時だけパニックになるのよぉ」
「自分でも、分からないんだ……すまない」
空を飛ぶ才能がなくても、練習すれば最低限、遊覧飛行くらいはできるようになる――そう思っていたのだが、練習を繰り返すうちにそれ以前の根本的な問題が見えてきた。
どうしてだかハルは、スカートを翼に変えるフリューゲルモードになるとパニックに陥ってしまうのだ。
しかも空を飛ぶ時だけならまだしも、実は地に足が付いている時でさえ、翼を広げた瞬間から顔をこわばらせてしまうらしい。
空を飛ぶことを怖がっているわけではない。
さっきのようにスカートを通常形態に戻せば落ち着きを取り戻してくれるのだ。
元々ハルは決して空中戦が不得意というわけではなく、エアダッシュで空戦型を撃墜するところを何度も見ている。
さらにアーマーの使い方だって言うまでもなく自由自在だ。
だというのに。
「背に翼があると、とてつもない不安に襲われるんだ。絞首台のロープが首にかかっているような……変なことを言っているようだが、この例えが一番的確なんだ」
らしくもなくブルッと震えるハルを見れば、それが嘘でないことは明らかだった。
アーマーに不具合でもあるのかと、試しに私がアーマーを借りて装備してみたが、問題なく飛ぶことができた。
「それは生まれつきなの? ハルヴァヤとして目覚めた時からの体質?」
「いや、私はあまり飛行形態になることはなかったが、少なくとも起動してしばらくはこんなことはなかった。だが半年ほど前、何気なくフリューゲルモードになった時から突然のことなんだ、この抗いようのない恐怖が始まったのは」
「心当たりは?」
ハルと頭を振った。
分かりやすいことに、この飛行訓練の一番の近道は、ハルが得体の知れない恐怖心を克服してくれることだ。
でも、得体が知れない以上、どうやって克服すればいいのか見当もつかない。
空に慣れてもらおうと何度か飛んでもらっているけど、その方針は間違いだった。
好き嫌いの多い子供に知恵を絞ってピーマンを食べさせようとか、そんな話じゃない。
ハルの場合は、【飛行形態に対するアレルギー体質】といってもいい。
特訓を重ねれば重ねるだけ、いたずらにハルを苦しめるだけだった。
「このままでは、いつかあなたまで墜落に巻き込んでしまう。……いや、それは言い訳だな。怖いんだ、私は。階段の十三段目が開き、首にかかった縄が絞まる感覚に襲われて……」
恨めしそうにハルはスカートアーマーを見ている。
自分の装備に苦しめられることがどれだけ辛いかは、昔ストライカーに振り回されていた私だからよく分かる。
だからこそ、ハルには絶対、空を飛ぶ自由を知って欲しかった。
「私から言い出しておいて申し訳ないが、この特訓は――」
「特訓は続けるわよ。言ったでしょ、ちゃんと飛べるようになるまで容赦しないって」
言い方が悪かったからか、ハルの私を見る目がハートマン軍曹か何かを見ているような感じに変わった。
「あ、ううん、誤解しないで」怯える戦乙女を落ち着かせようと、ハルの頭を胸に抱いた。
サラサラのポニーテールが指の中に零れた。
どさくさに紛れて髪の香りをかいだ。
イッツ、フローラル。
「敵のいない空で怖がることなんてない。ハルの足を引っ張る恐怖は私が取り除いてあげる」



大袈裟に「恐怖を取り除く」なんて言ってみたけど、解決策はすごくシンプルで、要するにフリューゲルモードにさえならなければいいのだ。
ハルのアーマーはスカートにする時は腰に、翼にするときは背中に装備する。
ではスカートを大きく展開するように翼を作ってみてどうか?
これが上手くいった。
腰の位置から翼を広げたハルは怯えることなく、空へと浮上することができた。
試してみた最初の頃は、
「見てくれホノカ! 飛んでいるぞ! なのに全く恐怖心がない!」
恐怖を克服できた代わりに頭のほうに重心が寄っているため、「飛んでいる」というよりは「腰が翼にぶら下がっている」という感じに見えた。
しかしこれでようやく、まともな飛行訓練を始められるようになったのだ。
私の言う【まともな飛行訓練】とは何か?
そんなの決まっている。
誰にも邪魔されることのない広い空で、ハルとキャッキャウフフすることだ。



コツさえ掴んでしまえば早いもので、あっという間にハルは正しい姿勢での飛び方を習得してしまった。
まだフル装備で飛ぶまでには至っていないけど、今、私の横にくっついて真っ直ぐ進んでいるように、しっかりと翼で風を切っている。
「なあ、ホノカ」
前を向くばかりでなく、こうして私の方を向いて話しかけてくる余裕も出来た。
そのことが飛行の教官として嬉しくもあり、また寂しくもあった。
「何?」と、できるだけ寂しさを押し隠して応えた。
「今日は少し、遠くへ行ってみないか。いつもは城尊公園まで往復するだけだが、そろそろ行動範囲を広げてみたいんだ。神姫センターくらいまでは飛べるようになりたいんだが」
「神姫センター? ちょっと遠くない?」
「勿論、あなたが危ないと判断すればやめておく。無理して行こうとは思わないんだが、どうだろう」
「遠いのも心配事ではあるんだけど、それ以上に町中って空が狭いから公園より危ないのよね、他にも電線とかカラスとか……ま、その時は私が何とかすればいいか。ハルもいつも以上に警戒すること。いいわね」
「ああ、了解」
高い建物は神姫センターがある駅の周辺にしかないから、しばらくはいつも通りのフライトが続いた。
駅の方へ進むにつれて眼下では、だんだんと人通りが増えていく。
日に焼けて色褪せた貯水タンクを屋上に備えたアパートのように古びた建物の代わりに、一面をガラス張りにしたビルが土地を占めるようになっていく。
私達の真下を電車が通り過ぎた時だった。
「ヘイガールズ、絶好のフライト日和だな。君らも『大魔法少女』を見物に行くのか」
私とハル、その横に並ぶように【クレイドル】が飛んできた。
【クレイドル】が、である。
私の知り合いに【クレイドル】っていう名前の神姫や鳥やスーパーマンがいるわけじゃなくて、寝る時やネットダイブする時に寝転がるあの【揺りかご】だ。
側面に羽がついているとか、ヘリコプターのようなローターがついているとかじゃなく、【クレイドル】そのまんまの形で、まるで魔法の絨毯のように空を飛んでいる。
接続ケーブルを尻尾のようにぶら下げたまま。
絶句するハルがバランスを崩すのは予想できたため、舵を切り損ねる前に手をとってあげた。
どうして私がこんなに冷静でいられるのか?
それは、クレイドルの上でくつろいでいる神姫が、ムカつくくらいニヤニヤしてるオールベルンだったからだ。



「あんた何やってんのよ!」
神姫センターまで溜め込んだセリフを吐き出すように、神様に詰め寄った。
ハルは神様が乗ってきたクレイドル(?)をまじまじと見ている。
「なんなのよあのクレイドルは! 意味が分からない! シュールにも程がある! あんたを見つけたとこに私がいて良かったわよ! もしハルが一人であんたと出くわしてたら間違いなく墜落してたわ! 神姫なら神姫らしく普通の武装で飛びなさいよ! なんでいちいち奇をてらうのよ! そんなに楽したいの!? 空でも寝そべりたいの!? だったら始めからよォ、あんたの家から出るんじゃあねェェェェ――――ッ!」
「はっはっは、今の最後のほうの言い方、ちょっとジョジョっぽかったな」
怒りにまかせた右ストレートを、神様は片手でパシンと受け止めた。
「おどかすつもりはなかったんだぜ。ただクレイドルから起き上がるのが面倒でね」
「もしかしてあんた、私達のことをつけて来たの?」
「人聞きの悪いことを言うなよ、偶然さ偶然。僕も君らも同じ場所へ向かっていたんだから、いくら広い空とはいえ偶然出会っても不思議はないだろ?」
「いけしゃあしゃあとよく言うわ。さっきあんた『大魔法少女』って言ったじゃない、何かあるんでしょ。まさか今から戦えってんじゃ……」
「二人は知り合いなのか」
クレイドルを調べ終わったハルが戻ってきて、話を打ち切らざるを得なかった。
私が七人の神姫を倒して願いを叶えること、次の相手が『大魔法少女』であること――他人に知られたら契約が無効になるという神様の言葉を信じるなら、できればハルには神様の存在を隠しておきたかったのに。
そうでなくても、こんな変人の知り合いがいるなんて、知られたくなかった。
せめて神様云々という妄言だけでも隠しておかないと、面倒なことになりそうだ。
「私はハルヴァヤという。いつもホノカには世話になっているんだ。ホノカ、そちらは?」
「あー……こいつはね、えっと」
「神様だ」
「おいコラァッ!」
「隠すことなんてないだろう、君らの上位の存在が堂々としていて何が悪い。ああ、ハルヴァヤ君だったか、いつもこの飛鳥に話を聞いているとも。今後とも贔屓に頼むよ」
「ははっ、なるほど神様か。ならばあのクレイドルも説明がつくな。少し調べたが、この神姫センターで買えるのと同じクレイドルだった。ホノカにはすごい知り合いがいるんだな」
ハルの懐が深くて助かった。
さすがに本物の神様とまでは信じていないんでしょうけど、変なことをやらかす神姫、くらいの認識が丁度いい。
「こんな奴と知り合ったって、何もいいことないわよ」
「そんなことはないさ、すばらしい知人がいることは本当に羨ましい……いや、本当だ。はあ……」
急に遠い目になったハル。
どうしたの、と聞こうとした時だった。
そいつは夕立のような唐突さでやって来た。
「お姉さまぁぁぁぁあああああああっ!!」
甲高い叫びが響いたと同時、ハルが後ろにスッと身を引いた。
ハルがいた場所を、神姫がものすごい勢いですっ飛んでいった。
「ぎゃんっ!?」と床に腹から落ちたのは、真っ赤なチャイナドレスに金の龍をあしらったマリーセレスだった。
神様を見たハルのように、今度は私が面食らう番だった。
ガバッと頭を上げたマリーセレスは、呆れ顔のハルを見るなり目を潤ませた。
「ひっ、ひどいですぅお姉様……せっかく久しぶりにお会いできたのにぃ、どうしてレイを避けるですぅ」
「人が見ている前で、よく恥ずかしげもなくそんな行動ができるな」
「ジャガイモやカボチャの目なんてぇ、気にするほうがおかしいですぅ。お姉様はレイの目だけを気にしてればいいで……スンスン。おかしいですぅ、お姉様以外からお姉様の香りがするですぅ」
自分のことをレイと呼ぶ神姫は突然、鼻をヒクヒクとさせながら辺りの臭いを嗅ぎまわった。
壁、床、神様、神様のクレイドル、そして私まで来たところでピタリと止まった。
目の前で止まった頭のお団子二つを、無性にもぎ取りたくなって手を伸ばした。
するといきなり手首を掴まれ、レイは犬のように私の手を嗅ぎまわった。
「お姉様の香りがするですぅ」
「はぁ?」
「このクソアマッ! ヘドがこびりついた汚ねェ手でお姉様に触れてんじゃあねェェッ!」
噛み付かれそうだったので慌てて手を引っ込めると、レイは踵を返してハルの元へ戻っていった。
いきなり現れてなんなのよコイツ、頭おかしいんじゃないの。
と、レイが自分のドレスの左肩口を掴み、袖を引き千切った。
「どこを汚されましてぇ、お姉様」などと言いつつハルの体を千切った袖で拭き始めたところを見るに、本当に頭がおかしいようだ。
丹念に腹部をこすられるハルは、無表情だった。
しかしその無表情の奥には、竦み上がってしまいそうな何かがあるように見えた。
「レイ、二度は言わない。ホノカに謝罪しろ」
今まで聞いたこともないハルの低い声に、しかしレイは聞く耳をもたなかった。
「はぁ……なんて美しい肢体ですのぉ。頬ずりしたいのにぃ、でもレイが触れるとこの美しさが損なわれる葛藤が――」

パン

軽い音がしてレイの頭が揺れ、私は目を疑った。
強くて優しくて気高いハルに、【ビンタ】という行為があまりに似つかわしくなかったからだ。
「私はな、レイ」手が体を拭いたまま固まるレイの両肩に、ハルが手をかけた。
「あなたを友人だと思っている。そしてホノカも友人で、二人が初対面であっても私達は仲間だ。だから仲間が仲間を侮辱する行為は良くないことだ。分かるかレイ、私は悲しいんだ」
ハルの言い方はまるで、小さな子供に物の善悪を教えているようだった。
マリーセレスがスモール素体ということもあって、よけいに大人と子供に見えてしまう。
「あなたが私に好意を持ってくれていることは嬉しいんだ。しかし――」
「知らんですぅ!」
突然レイの首がグリンとこちらを向き、大粒の涙を流しながら睨んできた。
それも束の間、ハルの手を振り払って、走って逃げてしまった。
「お姉様のあほたれェェェェ――――ッ!!」
という捨て台詞を残して。
それを黙って見届けたハルは、一度で数年は年をとりそうな大きさのため息をついた。
「あの、なんか、ごめんね?」
「ホノカが謝ることなんてない。私こそ、不愉快な思いをさせてしまって申し訳ない」
「でも一応、お友達、なんでしょ? なのにビンタなんて……」
「ああ、そのことか。気にするな」
これまたハルらしくもなく頭をポリポリとかきながら、再び大きなため息ひとつ。
「ぶったのは、これで六回目だ」
苦労人ハルヴァヤの意外な一面をまた見つけたというのに、得した気分にはなれなかった。


◆――――◆


「『清水研究室 第三デスク長』のギンや」
変なヤツというのは連鎖して登場したがるものらしく、神様、レイの次に現れたのは、私とハルが力を合わせて撃破した『13km』のギンだった。
この白衣を着た細目のラプティアスを見ることは二度とないだろうと思っていたのに、随分と早い再登場だ。
ただ、今回は私やハルの敵として現れたわけではなく、筐体の壁を挟んだ向こう側にいる。
ギンには、私達が観戦していることなんて知る由もないだろう。
障害物も高低差もないシンプルなステージに現れたギンは、以前戦った時と同様に大きなエネルギーボックスを側に置き、手には火炎放射器のようなビームソード『神殺槍』が握られている。
「ホンマはこないギャラリーがぎょうさんおる中でバトるのは勘弁してほしいとこなんやで。ボクの手の内がバレてしまうからや。それでもあえて出てきたんは自分、『大魔法少女』にボクんとこの研究室に何が何でも入ってもらうためや」
ギンの助手で黒いアーティル、イヅルの姿はどこにも見えない。
単身でバトルに臨むつもりのようだ。
見晴らしの良いステージではイヅルの索敵能力は不要なんだろうけど、このステージでのバトルはギンにとってかなり不本意に違いない。
ステージの端から端まで届くビームソード『神殺槍』はかなり強力だが、それ故に、バトルの相手、さらには多くのマスターや神姫の目に晒してしまっては、今日以降、何らかの専用対策を用意されてしまうはずだ。
これは強い神姫――特に神様の言う【特化型】であれば避けられないハンディキャップだ。
有名すぎるあまり、特性や攻略法が広く知れ渡ってしまう(私のような無名神姫に言わせれば、このハンディキャップはある意味で羨ましい限りだが)。
そしてギンは、戦う相手にさえ武装を見せずにバトルを終わらせるために、ほとんど非戦闘要員のイヅルを自分の【目】の代わりに連れて回るほど、そのことを恐れていた。
にもかかわらず、こうして観衆の視線の中に飛び込んできた。
この一戦のために――『大魔法少女』と戦うためだけに。
「でも自分をメンバーに引き込めるんやったら、ボクの秘密なんて安いもんや。せやから約束はキッチリ守ってもらうで、『大魔法少女』。ボクが勝ったその瞬間から、おたくは清水研究室第三デスクの一員や」
ギンがツイと指さした先、シュメッターリングは僅かも怯まず、むしろ全身に勇気が満ち溢れているようだった。
「分かってる。約束は守る」
「だめだよアリベ! これじゃ相手の思う壺だよ!」
肩に乗せた使い魔(マスコットマシン)をあやすように頭を撫でたアリベは、その時だけは表情を優しく緩め、まるで生まれたての赤ん坊を抱き上げる聖母のようだった。
身に纏う武装は、元々どう見ても武装とは呼べなかったシュメッターリングのコスチュームを、一昔前の小さな子供(+大きなお友達)向けアニメ調にアレンジされている。
短めのステッキで彼女の代名詞とも呼べる『インペリアルハート』は、見た目こそ星とハートのキラキラを散りばめた玩具だが、その中に秘められた力はこの神姫センターで販売されているどの武器をも軽く凌駕してしまう。
さらに使い魔の『ゲットセット』と合わせて『大魔法少女アリベ』が完成する。
いつ見ても一級の実力者とは思えない軽装備。
ちなみにあの使い魔、実はしゃべることができず、会話はすべてアリベの腹話術であるともっぱらの噂だ。
ちゃんとAIが入っているのかも不明の使い魔を落ち着かせ、再び顔を上げたアリベの瞳は、さっきまでよりもっと強く光り輝いていた。
「あなたが勝ったら、私はあなたの手下になります。だから私が勝ったら――」
「『もう二度とそのツラ見せるな』言うんやろ、嫌われモンは寂しいでホンマ」
「私が勝ったら、もうこの世界の人たちを苦しめないと約束してっ!」
「は?」と呆気にとられるギンを一人置き去りにして、『大魔法少女』の独壇場が始まった。
このバトルというステージを見るために詰め掛けたギャラリーが湧き上がり、熱狂的なファンクラブが声を揃えてアリベの名前を叫んだ。
アリベの背後に後光のような淡い緑色の線が走り、それが互いに絡み合って大きな円を描いていく。
複雑な模様はやがて歯車を何重にも組み合わせたような魔方陣となり、アリベのつま先を地から離した。
「この世界は綺麗なものばかりじゃない……つらいこと、苦しいこと、悲しいことがいっぱいある。立ち向かう強さがなくて、負けてしまうこともあるかもしれない……だけど!」
ブン、と『インペリアルハート』を振ることで魔方陣の輝きがさらに増し、光の中心にいるアリベの姿を上へ押し上げた。
予めアリベの情報収集くらいしていたであろうギンだが、実際に正面に立つのでは迫力が違うのか、口をポカンと開いて唖然としている。
ただ呆れているだけかもしれない。
「諦めずに戦い続けた先には必ず歩むべき道が待っているの! 晴れることのない雨なんてない! 明けることのない夜なんてない! 光が届かない闇なんてないっ!」
天使に手を引かれるようにゆっくりと上昇していく姿を近くで見ようと、集まった神姫やオーナー達が筐体のアリベ側へ押し寄せていく。
私とハル、神様は逆に空いているほう、ギンの側へと回った。
「だからみんな戦わなくちゃいけないの! 勇気を振り絞って、力の限りを尽くして戦わなくちゃいけない! でも全力で戦っても負けてしまいそうになったら――その人の手を取るために私はいるっ!」
すし詰めになった観客が「「「アリベー!!」」」と声を揃えて叫び、熱狂の渦を作り出す。
特に神姫にとってアリベは、正義を圧倒的な強さで証明してくれる偶像で、崇拝すべきアイドルと化している。
遠くから冷めた目で見ている私やハルには信じられないことだが、『大魔法少女』のオンステージの度に涙を流しながら彼女の名を声がかれるまで叫び続ける神姫までいるくらいだ。
「武装神姫にとって、強さこそが全てだ」
魔方陣の輝きに、ハルは目を細めた。
「その強さを正義の名の下で執行する――執行できる彼女を崇拝する気持ちは理解できるな」
そう言いつつも、バトル前の長い前置きはあまり好きではない様子がなんとも即物的なハルらしい。
華やかなステージの対岸ですっかり悪役かつ引き立て役になってしまった白衣のラプティアスは、『大魔法少女』を相手取れば必ずこうなってしまうと分かっていたのか、ただじっとバトルの開始を待つだけだった。
「ね。ギンとアリベ、どっちが勝つと思う?」
そう聞くと、ハルは難しそうに顎に手を当てた。
「ギンの神殺槍は知っての通りだからな。どんな相手だろうと優位は崩れない。さらにこうして観衆の下に出てきたのは恐らく初めてのはずだから、ギンのことを何も知らないアリベがあっけなく斬られて終わるかもしれない……しかし」
「しかし?」
「アリベの正義にあてられたわけではないが、『大魔法少女』が負ける姿が想像できないんだ」
私もハルと同意見だ。
たぶん、この神姫センターを利用する神姫のほとんども同じくらいの認識でいるだろう。
自分達の信じる正義の使者が負けるはずがない、と。
「ここまでナメられて黙っとくのも一苦労やけど、まあええわ。一瞬でぶった斬って、その自慢っ鼻をへし折ったろうやないか」
神殺槍を構えたギンはその言葉通り、速攻で勝負を決めるつもりだ。
ようやくアリベの長い前置きが終わり、バトルの始まりを告げるコールが響いた。
この時の私には知る由もないが、ここからギンの所属する『清水研究室』の噛ませ犬としての役割が始まるのだった。










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