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 第二十.五話  「食べ残し」














 楢夢 伸也は、その部屋のドアをゆっくりと閉めた。

 薄暗く、空気の淀んだ部屋だった。窓は一つも無く、部屋の奥から漂ってくる薄青い光だけが、唯一の光源だった。これも、全てこの部屋の主の意向なのだ。
「……ゴホッ、ゴホッ」
 楢夢は咳き込むと、すぐ隣の台から薬のビンを取り出し、次いでポットから湯を注いだ。よほど焦っているのか、手が震えている。



―――「また風邪かね、楢夢君」



 暗がりから、声がした。楢夢が目を上げると、彼の目の前に細く、背の高い玉座がしつらえてあり、そこに小さな何者かが足を組んで座っているのだった。顔こそはっきり見えないが、何か自分の背丈ほどのものを片手で抱きかかえ、口元に近づけているのが分かる。楢夢は、目を細めた。
「夏風邪ですよ。人の体は、やはり不便です」
「ギキキッ……そうだろうねぇ。ンぁぁ、そうだそうだ。例のシュメッタ―リングだがね、やはり『アポロン』ではなかったよ」
 楢夢は錠剤を口に放り込みながら、呆れた調子で応えた。
「じゃあ、また探し直しですか」
「そうだ。アア、黒崎君はそのまま捨て置いてくれ」
 くつくつと声を立てて、それは笑った。まるで割れたスピーカーのような音声だった。口元から時折、銀色に光る牙が覗いた。
「あの賭場は彼一人のものではないというのに、それを勝手に私物化した挙げ句潰されおって、他のスポンサーに顔向けが出来ん。ギギッ、一体いくらの損失になったのやら」
「はあ、その辺の処理は別にいいんですけれど。けど貴方も人が悪いですよね、“黒崎氏の情報を流して捕まえられるように仕向けて”」
「おやおやぁ? そうだったかな? ギャギャッ、最近は物忘れが激しくてね」
「冗談でしょう。貴方に限って物忘れなんて」
 暗闇で、電球のような目玉が怪しく揺れる。楢夢は錠剤を胃に流し込むと、ほうっと息をついた。
「……彼女は、どうだね?」
「相変わらずよくやってますよ。弟子みたいなアーティルを連れて来ましてね。ああ、黒崎氏を売ったのも、ひょっとして彼女の成長のためですか?」
「ギャギャッ、まぁまだこちらに気付いてもらっては困るのだがね。まだしばらく泳がせておくのが良かろう」
「気の長いことですねぇ……。あ、それとあの子どものアーティルですが、本当になにもしなくてよかったんですか? ウイルスの一つくらい仕込んでも良かったのでは?」
「おいおい、余計なことをしないでくれ給えよ。ギギッ、あえて手の込んだ仕掛けをしない方が、彼女の絶望の種が増えるというものなのだ」
「そういうものですか。……ああ、それと!」
 楢夢はいきり立ってカップを置くと、
「貴方また勝手に遊んでいたみたいじゃないですか。困りますよ、しかも『六華仙』に感づかれて」
「うぅむ。あれは完全に予想外だったのだ。まさか彼らの縄張りで動かれるとはね……。目立った行動を起こしていないとは言え、実力は折り紙付きの集団だ、……しかし案ずるな楢夢君、新しく楽しみが増えたと考えるべきだよ、ギギッ」
「まったく本当に呆れますよ。僕の苦労ってものを少しは考えて下さい」
また目玉の持ち主が、低い声を立てて笑う。次いでそれは、口にくわえていたものを離し、投げた。


「これも、もう飽きてしまったなぁ」




 子どもがおもちゃを投げ捨てるように、音を立てて床の上に投げ捨てられたのは、神姫の素体だった。首筋と胸元に一つずつ、キリで空けたほどの細い穴が穿たれている。視線は定まっておらず、宙をさまよっていた。

「う……あ……」

「ギキキッ、老舗玩具メーカーの作とか聞いたから楽しみにしていたのに、これでは興ざめだよ。やはり安易に試作品に手を出すべきでは無いな……おい」
 目玉の持ち主が指を鳴らすと、すぐさま部屋の中に影が増えた。赤い影が二つと、黒い影が一つ。赤い二つの影が、玉座の前に跪いた。


「お呼びでしょうか、“ロード”」
「およびでしょーか」
「アア、君たちに新しいおもちゃをやろうと思ってね。ほら、そこにあるだろう」
目玉の主が転がった神姫を指さすと、小さい方の影が、両手を振り上げた。
「ほんとー!? やったやった! ねえねえさま、いっしょにあそぼーよ! おいしゃさんごっこするの!」
背の高い方の影が、立ち上がって床の神姫の足を掴む。赤いかんざしが、チリンと揺れた。
「嫌よ。『蛍』ったら帝王切開ごっこと胃カメラごっこばっかりなんだから。別の遊びをしましょう」
「ぶーっ! やだやだやだもん! おいしゃさんごっこがいいんだもん! おねがいだよぅ、『卯月』ねえさま!」
 かんざしの持ち主が立ち止まって、幾分か鋭い口調になった。
「……蛍、私をその汚らわしい名前で呼ぶのはやめて。ちゃんと『胡蝶』って呼びなさい」
「うん、わかったよ卯月ねえさま! ……いだだだだっ、いだい、まみる、まみっちゃうよねえさま!」
 二体が部屋の隅へ消え、目玉の主は再び楢夢へ視線を移した。

「では楢夢君、別の神姫を所望するよ。ギャギャッ」
「はいはい」
「気のない返事だねぇ。退屈と無欲はワタシの嫌うところだ」

 今度は楢夢が部屋の隅へ移動し、残ったのは目玉の主と、黒い体色の影だけになった。目玉の主は、黒い山猫のバイザーに覆われたその顔を見つめ、ニヤリと笑った。

「……君も、遊んできたらどうかね?」
「……いえ、ボクは」
「ギャギャッ! まあ、好きにしたまえよ。……ところで、君の姉のことだがね」
 姉。バイザーの奥で、唇が微かに震えた。
「なんの変化があったのか知らんが、最近は別の神姫とつるむようになったというのだ。しかも相手はアーティル! ……君を忘れ、さっさと新しい妹を作ってご執心とは、節操のない姉もいたものじゃあないか。ギギギッ、嘆かわしいとは思わんかね! ええ? ……」
 目玉の主は、耳まで裂けるかと思うほどに笑みをたたえ、その名を呼んだ。



「そうだろう、アルテミスよ……!」



「……はい。ロード・クロノス」
アルテミスは、黒いバイザーの奥で一人、つつと涙を流した。




















 ~次回予告~


 こんにちは、天貝璃子です。
 次回からは第二部がスタートということなんですが、なんとその初めのお話は、わたしが主役をやらせてもらえることになりました!

 さて肝心の内容なんですけど、なんと水野君が他の女の子と遊んでるみたいなんです! これは注意しなくちゃなりませんよね、ええ!
 でも、こんな悩みってどうやら人間だけのものじゃないみたいなんです……。

 そんなわけで次回、 第二十一話 どっちが美味しいんでショー 


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