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えむえむえす ~My marriage story~

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「……っち」

 さっきまで曇りだった空が雨空に変わり、雨粒が顔に落ちて降ってきたのを見て、俺は舌打ちをした。
 ついてねえな。
 俺は眼鏡のレンズについた水滴を服の袖で拭ってから、今日は本当についてないなと思った。
 気に入っている缶コーヒーがいつも行くコンビニに売ってなかったのもムカつくが、ついでの帰り道でなんで濡れなきゃいけないんだろうか。
 少し遠かったが缶コーヒーが売っているコンビニを商店街の一角で見つけたのが唯一の救いではあった。
 周りを見渡してみると通りでは鞄から折り畳み傘を出すサラリーマンや通学バックを頭に載せて雨を防いで走ってる学生の姿がちらほらいる。

「お~お~、走ってるねぇ」

 俺も急ごうかなと思ったが、混じって同じように走るのはメンドくさい。
 このまま濡れて帰っても、風邪を引くほどやわな作りはしてないし、服とかも乾かせばいいかと思いなおした。
 缶コーヒーが何本か入ったビニール袋を持ち直し道を歩く。

 するとその先、高校生ぐらいの3人の集団がビニール傘を差して寄り集まっているのが見えた。
 その一人のチャラそうな男が手に人形を持っているのが見える。

「これって噂の武装神姫だろ? 売れば金になるかもなー」
「だけどさ、こいつ片目取れてるし身体とかもボロボロじゃん。売れねーよ、ただのゴミだって」
「確かにな。……でも、こんなになっててもやっぱ武装神姫って可愛いよな~」
「うわ、お前キモいな。人形に欲情すんのか。もう俺たちに近寄んなよ」
「違ぇって!」

 そう言ってゲラゲラと笑う高校生の集団。

(……っけ。ウザってーな)

 一般的に見れば無視すればいいのだが、俺は一般的に外れていた。
 そして身体が勝手に動いていく。
 あーあ、いつもの悪いクセが。

「おい、そこの学生ども」

 俺が低く睨みを利かせた声を出すと、向こうの高校生の集団が自分たちに言ってると気づいた。

「ん? なんだよ。俺たちに何か用かよ」
「……その人形こっちによこせ」

 簡潔にそう言った。
 俺がろくに説明もしないで要求を言うので、それを聞いた学生たちはもちろんこちらを馬鹿にしてきた。

「うっわ、おにいさん、これが欲しいの? キショー!」

 ――ッピキ。

「ゴミだけど、俺達が拾ったもんだからねー。タダじゃやれないなー」
「……ふーん、で」
「わかるだろ? 金だよ、金。店で売るよりあんたみたいな隠れオタクに売った方が高くなりそうだしな。出す物は出してもらわないとな」

 ――ッピキピキ。

「……いくらなんだ?」

 濡れた髪で隠れているが俺はさっきからイラつきが顔から滲み出てきて我慢できなくなっていた。
 額には青筋にひびが入りまくりだった。

「これって普通に買ったら滅茶苦茶高いんだろ。だったら、同じくらいは出さないとなー」
「うわー。テツヤぼったくりー。でも、俺もさんせーい」
「にいちゃん聞いただろ、ほらほら、欲しいならついでに有り金も全部出しなよ、な」

 これ以上は無理だ。もう限界。
 俺は眼鏡も外し髪を掻き上げて、うるさい学生を思いっきりドスを効かせた声を出した。


「よこすのか、よこさないのか。どっちなんだ!? あ"!!」


 睨みながら言ってやると格が違うほど怖い人間だとわかったのか、学生のガキどもは身体を固くさせて凍りついた。
 そして、顔も強張らせ明らかにビビった声で。

「っひぇ!! よ、よよこします。どどうぞお好きにしてください」
「お、おい、こいつヤベーって。どうみても極道方面のレベルだって。さっさと置いて逃げようぜ」
「…………」

 声が震えて敬語になった奴と、逃げ腰気味の奴、恐怖で何も言えなくなった奴がそこに生まれた。
 度が入ってない眼鏡を外して、俺が目をギラつかせて威嚇すれば耐性のない人間は大抵こうやってビビることになる。
 まあ。この眼つきのせいで、ずっと喧嘩三昧な日々をしていた時期があったのだが、色々あって眼鏡を掛けるようになり、自分からはあまり喧嘩は仕掛けていない。
 このような時の例外を除いて。

「じゃ、じゃあ、こ、こここに置いときますね。さよならー」
「おいテツヤ、待ってくれよ!」
「…………っは! す、すんませんでしたー!」

 持っていた人形――武装神姫を濡れた地面に放り投げて、学生たちは後ろに全速力で逃げていった。 
 ……ったく、ただのガキが調子づいて人様から金取ろうとするからだ。
 俺は地面に落ちている神姫に手を伸ばし、そいつを拾った。
 そして、拾ってから座り込んで――俺は気落ちした。

「はーあ。また、やっちまったよ」

 これじゃあただの病気だ。
 時々、自分の神姫に乱暴をはかる人間がいるわけだ。
 色々理由があるんだと思うんだが、大きい大人とか小さい子どもでもいい。そんな人間が人形の武装神姫に本気で殴ったらどうよ? 
 シャレにならんくらい、マジでぶっ壊れんだろうが。
 といっても、こんな出来事に出会ったのは片手に数えるぐらいだ。
 しょっちゅうそんな神姫の持ち主がいたら、武装神姫なんて日本で売られないだろうが。
 でも、いるところにはいるもんで、俺はそんな人間に出会う時がある。
 そんで説教する。
 それでだめだったら助けようとしちまう。主に神姫の方を。
 あー、武装神姫にこんなことをやらかしている俺もウゼー。

 そんなことを自分自身に言い訳をしている。
 なんでこんな病気にかかっちまったのか。
 ……昔に――。


 スッと。
 突然、頭上に大きな影が差しこんだ。と同時に身体に雨も降ってこなくなった。
 雨が止んだわけではなくて、なにかに遮られたようだ。
 俺はすぐさま眼鏡をかけなおして、顔を後ろに反らす。
 下校途中なのか、そこには赤茶色の制服を着た女子がいた。
 肩までの黒髪で赤いリボンを付けた女子が自分が濡れるのにも関わらず、俺に水色の傘を傾けさせていた。

「具合でも悪いんですか?」

 そう聞いてくる。
 心の底から親切心で聞いているのがこの女子からは感じ取れた。
 優しい子なんだろう。
 俺としてはそんな風に赤の他人に優しくできるのが少し羨ましく感じられる。

「悪くないんだが。ちょっとな」

 ぶっきらぼうになり、返事がぞんざいになってしまった。
 正直、馬鹿な学生たちから奪い取ったコイツをどうするかを考えていなかったのだ。 それが、頭の中を支配していてちゃんと返せなかった。
 と、その女子が俺の手元にある物に気づいた。

「その子、神姫ですか?」
「ああ、みたいだな。ここで……その……拾ってな。詳しいのか?」

 俺は武装神姫のことを知らないわけではないが、成人を越えた男性がお人形を持ってたら正直気持ち悪いだろうが。
 だから知らないふりをした。

「ええ。私も神姫の子を一人持っているので。それと、私の叔父が神姫専門のお店を経営してもいます」 

 そうか、渡りに船とはこのことだ。
 偶然、この道を通った学生の女子。
 この子の叔父さんの店で見せればこの神姫をどうにかできるかもしれんな。

「その叔父さんの店は近くか?」
「そこですよ」

 指差した方向は少し先にある建物。推測で30メートル。
 近ぇー。

「そこは神姫の修理もできるのか?」
「……一応は出来ると思います」

 一応ね。
 素人の俺よりかはマシだろうし、今から遠くの神姫センターに行くのもめんどい。 俺は今からそのお店に行くことに決めた。
 左手に缶コーヒーの入ったビニール袋、右手に壊れた神姫を持って立ちあがる。
 立ちあがった俺を見て傘を預けていた女子も動いた。

「私の神姫も叔父のお店にいるので、連いて行きます」

 横に名前も知らぬ女子が並ぶ。
 この子は赤の他人の男性に警戒心はないのだろうか。
 純真すぎるのも危険だろ。
 だが、俺がそう思っていたのがバレたのか、隣の女子が弁解し出した。

「わかっていますよ。でも神姫を大切にしようとする人に悪い人はいません。あなたは乱暴に扱おうとしていた人たちから、その子を取り返しました。……だから、あなたは信用できる人です」

 ニコッと笑顔でこちらの目線を合わしてきた。
 あれを見られてたのか。
 あーあ、そうかい。
 具合とか聞いたのは俺に話しかけるきっかけだった訳ですかい。
 嫌なところを見られちまった。くそ恥ずかしい。

「……っけ。あっそう」

 明らかに身長差がある俺と彼女では傘を入れるのが大変そうだ。
 差している傘の柄を無理矢理ひったくった。「あ、」と彼女は声を出したが、理由がわかったのかそれ以上は何も言ってこない。
 そのせいで俺は熱くなった顔を誰もいない方向に向ける。
 頭の後ろからはその女子がなにかを喋っていたのが聞こえた。

「――ありがとうございます。あと私の名前は霧静 璃美香です」

 どうやら、自己紹介らしい。
 俺としては眼つきの鋭い自分とあまり仲良くなってほしくないのだが……この場合はしょうがない。

「……漣同 猛だ」

 俺は軽く握る右手から人形の堅い感触を感じながら、こんな相合傘してたら“アイツ”どう思うんだろうなと別の事を考えていた。



                  第二章 琥珀の神姫



 店の雨避けに入った。
 少し目線を上にやればMMSショップ『Blacksmith』と書かれた看板札。
 『鍛冶屋』とか、どこの漫画の世界だよ。
 ここの店長は変な奴なんだろうかと思いながら、霧静に水色の傘を返す。

「ここが叔父のお店です。――漣同さん、いらっしゃいませ」

 そう言って霧静は店内に入っていった。
 うん? 霧静はこのお店でアルバイトでもしてるんだろうか。
 叔父のお店らしいし、まあそれも当然か。
 そう思って俺も店内に入る。

「いらっしゃせー! ……わお、この人がその例の彼ー? 内気で引っ込み思案のリミちんにしては思い切ったことしたねー」
「……私だって、頑張れば人並みには話せるよ」

 霧静がカウンターにいる一人の神姫と話していた。
 武装神姫の種類とかはあまり知らないが、あれは軍隊の兵士みたいな神姫だとは知ってる。
 俺はそれだけしか知らん。

「あ! 漣同さん紹介しますね。この子は私の神姫でゼルノグラード型のアリエって言います」
「おっすー。初めまして、アリエでーす。漣同……レンドウ……じゃあレンレンねー」
「レンレン? なんだよそりゃ」

 もしかしなくても俺の名前のつもりか、それは。

「す、すいません。この子初対面でも名前を知ったらあだ名で呼んじゃうんです。すいません」
「ふーん……別にどうでもいい。好きに呼べ」

 こんなことで怒るのは馬鹿らしいし。
 あだ名くらいでキレるとか俺はそんな短気ではない。
 俺の経験上、こういう輩は訂正させてもずっと変えないやつだ。

「おっとー? 怒ると思ったけど案外紳士なんだなー、レンレンは」
「こら! もう」

 自分の持ち主に迷惑を掛けまくってるな、この神姫は。
 よく、これで良好な関係を築けてるな。
 こういう奴らが世の中多かったら俺の病気が発生もしないのに。

「とりあえず。……こいつ治せる人はどこよ?」
「あ、すいません。すぐにお呼びしますね。あとタオルも持ってきますので」

 霧静はアリエの相手を放り出して、カウンターの奥に消えていく。
 俺が壊れた神姫をカウンターに置くとアリエが話しかけてきた。

「ねえねえー。ズタボロだけどこれって軍曹の神姫さんかなー?」
「軍曹?」
「ありゃ、知らない? 私たち火器型とか砲台型とかより階級が上の武装神姫。戦車型ムルメルティアは階級が軍曹なんだよー」
「マジで軍隊かよ」
「戦車型はどっちかっていうと傭兵なのかなー。でも、私たちよりかは偉いって設定だねー」
「設定って……身も蓋もねえな」
「そういうもんだよ武装神姫って。それより、レンレンが持ち主じゃないのー?」
「違う。……そこで拾った」
「へぇー」

 ちょっと訝しそうな目をするアリエ。
 まあ、俺も傍から見たらそう思うわ。
 他人の神姫にどう思われようが気にしない。

「う~ん、それは嘘だねー」

 また顔に出てたのか? 
 表情は変えてないはずなのだが。 

「なんでそう思う?」
「別にテキトー。なんとなくそう感じただけー」
「…………」

 こいつは案外鋭いのか。
 それともただ単にアホで鈍いだけなのか、全然わからんな。

 俺は店内を見回してみた。
 ちっこい武器が棚に並んでいたり、鎧みたいにゴツい服とかが箱詰めで置かれていり、『ヂェリカン・シリーズ』とか用途がわからん物も一緒に置かれていたりする。
 端っこの方では武装神姫の素体状態というやつが大型ガラスのケースに見本で何体か置かれている。
 その中には俺が唯一知っている“種型のジュビジー”もいた。
 ……そりゃ当然、普通に売られているわな。 

 俺が視界を店内からカウンターの奥に移すと、ちょうどでかい人影が見えてきた。
 そいつがカウンターに立つ。

「おめぇか。壊れた神姫持ってきたっつう眼鏡のにいちゃんは?」
「……ああ。俺だ」

 でけーな。
 2メートルはあろうかという巨体。腕は丸太のように太い。
 黒いエプロンに白い文字で店名の『Blacksmith』とプリントが入っている。
 顔に大きい絆創膏が貼ってあるが、取れかけてて頬に傷があるのがわずかに見える。 このおっさんと本気で喧嘩しても勝てんかもしれないな。

「レンレンあんまビビんないね、さすがー! ほら、テンチョーは新しい絆創膏ちゃんと貼ってねー」
「おう! すまねぇーな」

 アリエが引き出しから絆創膏を取り出し、今は貼ってるのを剥がして新しい絆創膏を頬に貼る。
 手慣れてる感がある。毎回来る客の前でそれを披露してるのか。
 ……絆創膏がすぐなくなっちまうだろうが。

「ほんでぇ、これかい?」
「そうですよ店長。蓮同さん、これタオルです。使ってください」
「……すまねえ」

 後から出てきた霧静に渡されたタオルで俺は顔を簡単に拭く。 
 服装を見れば霧静も『Blacksmith』とプリントされたエプロンを制服の上から着ている。
 ただし、それは花柄エプロンである。
 確かに女性が同じような黒いエプロンじゃ似合わないな。

「ふーん、どれどれ……」

 店長のおっさんは置いておいた神姫を手に取る。
 身体の節々を動かしたり、顔や空いた目を触ってみたり、立たせて倒したり、胸の部分にあるCSCだったかをまじまじと見てる。

「治せるかもしれんが、う~ん……」
「どうしたんだよ。治せるんだろ?」
「この『目』がな~。パーツが今はこの店にねぇな」

 店長のおっさんは苦渋の色を浮かべている。
 完全に治すには目の部品が必要らしい。

「うっそーん!? 在庫不十分っすよー。テンチョー」 
「うっせぇ! 神姫の目はデリケートで扱いづらい物なんだよ!!……ったく、とりあえず、この神姫は俺の店で預からせてもらっていいか?」
「あ、ああ。俺はそれでもいいんだけどよ……」

 別に俺がこいつを引き取りたいわけではないのだが。
 拾っただけだし。……奪ったとも言えるが。
 ただ、瞳がない武装神姫か。
 眼つきにコンプレックスがある俺としては人事とは思えんな。

「なんだ? にいちゃんはこいつの親じゃねぇのか」
「違う――」
「確かに違いますけど、今この子には漣同さんが必要なんですよ」

 霧静が俺の言ったことを付け足す。
 顔を見れば、なにが面白いのかなんでかニコニコとしている。俺がどうするか分かってるみたいに。
 それを見て俺はため息をついてから、

「……わかった。またここに来て、それから決めるさ」
「おー! さすがレンレン。見かけによらず甲斐性があるねー」
「あ、こらアリエ! 失礼でしょう」
「落ち着け璃美香。怒った璃美香も可愛いが、喧嘩はイカンぜぇ!!」

 うっせー店だな、ここは。
 缶コーヒー買うだけだった筈なのに変なことを自分で引き起しちまったな。







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