はい、そうです、いきなり見たこともないMMSに襲われて。僕もミランダ様も必死で抵抗したんです。これでも結構神姫バトルの戦績はいい方ですから。でもライドできない僕たちじゃ普段の十分の一も力を発揮できなくて、結局首筋に電気が走ったような気がした後、彼らに助けてもらうまでの記憶はありません。散々な目に会いましたけどいいこともありました。ミランダ様が僕をかばってくれたんです。僕をののしりながらも身を挺して!助けてもらった上にののしってもらえるなんて、なんてもったいない!そんなときに何も出来なかった僕って奴は、ああ、なんて無能で愚鈍な豚なんだ!女王様、こんな僕に罰うぉぷげらっ!!
以後何かを殴るような音と時折イーダ型の金切り声が響きつづけた。
―プロメテウス事件の被害者への取材記録より抜粋
以後何かを殴るような音と時折イーダ型の金切り声が響きつづけた。
―プロメテウス事件の被害者への取材記録より抜粋
連続神姫ラジオ
侵食機械
5:優柔不断な決断
侵食機械
5:優柔不断な決断
「データ取得完了。これがこの島の施設マップ、そしてこれが現在ビーコンで確認できた神姫の所在だぞ」
<えらいぞ、さすがは俺のツガルだ>
ライドシステムを開放した僕達はエントランスに攻め込んできた敵を撃退した。敵のほとんどがマスターを失った神姫たちだった。傷を負った彼女達の保護で僕らはほとんど動けなかった。神姫ライドしてコウガを追いかけようにもライド中の無防備な体を襲われたらと思うとマスターとその神姫達はライドをためらっていた。それに施設全てが制圧されているならこの状況さえも罠かもしれない。
『よし、それをこっちによこせ』
ハーデスとツガルが見つめあう。神姫の視線を介してのデータ通信だ。
『怪しいポイントにマーキング済みか。なかなか使えるな』
地図を確認したハーデスはきびすを返した。回りの思惑など知ったことではないという風だ。
「どこへ行くつもり?」
『まずは施設もないのにやたら神姫が集まっているこの場所だ。相手が誰も居ない所には興味はない』
地図をくれたツガルにそう答えるとハーデスはエントランスを後にした。
<さて、そこのアーンヴァルはどうする?ライドオンは済ませてるみたいだけど決心はつかないか?>
そう、僕はプルミエにライドしていた。でも、仲間もいない、情報も少ない、そんな中で行動することにおそれを感じていた。プルミエも僕の気持ちを感じているのかとても不安そうだ。僕はそんな彼女との感覚リンクを切って一人で考えてみることにした。苦しそうな彼女の顔を見るのもつらかった。
<えらいぞ、さすがは俺のツガルだ>
ライドシステムを開放した僕達はエントランスに攻め込んできた敵を撃退した。敵のほとんどがマスターを失った神姫たちだった。傷を負った彼女達の保護で僕らはほとんど動けなかった。神姫ライドしてコウガを追いかけようにもライド中の無防備な体を襲われたらと思うとマスターとその神姫達はライドをためらっていた。それに施設全てが制圧されているならこの状況さえも罠かもしれない。
『よし、それをこっちによこせ』
ハーデスとツガルが見つめあう。神姫の視線を介してのデータ通信だ。
『怪しいポイントにマーキング済みか。なかなか使えるな』
地図を確認したハーデスはきびすを返した。回りの思惑など知ったことではないという風だ。
「どこへ行くつもり?」
『まずは施設もないのにやたら神姫が集まっているこの場所だ。相手が誰も居ない所には興味はない』
地図をくれたツガルにそう答えるとハーデスはエントランスを後にした。
<さて、そこのアーンヴァルはどうする?ライドオンは済ませてるみたいだけど決心はつかないか?>
そう、僕はプルミエにライドしていた。でも、仲間もいない、情報も少ない、そんな中で行動することにおそれを感じていた。プルミエも僕の気持ちを感じているのかとても不安そうだ。僕はそんな彼女との感覚リンクを切って一人で考えてみることにした。苦しそうな彼女の顔を見るのもつらかった。
ライド中の認識は神姫からの情報を切ってしまえばとてもあいまいなものになる。まるで闇の中に浮いているような気分だ。傍らには光の玉がふよふよ浮いている。プルミエの意識はここではこんな形で現れる。
いつもなら僕とライドオンしているとき太陽のように輝いているこの玉は、今は細々と光っているだけだ。一緒ならなんとかなると思っていた僕は冷や水を浴びせられた気分だった。
「また、前みたいに輝いている君が見たいよ。でもどうしたらいいんだ?」
光は何も答えてくれない。僕はふと大地さんのことを思い出していた。
「やっぱりわからないや。だけど僕にも・・・君を置いて逃げ出すなんて選択肢はないんだ」
聞こえるはずがないのに光がうれしそうに強く瞬いた。
いつもなら僕とライドオンしているとき太陽のように輝いているこの玉は、今は細々と光っているだけだ。一緒ならなんとかなると思っていた僕は冷や水を浴びせられた気分だった。
「また、前みたいに輝いている君が見たいよ。でもどうしたらいいんだ?」
光は何も答えてくれない。僕はふと大地さんのことを思い出していた。
「やっぱりわからないや。だけど僕にも・・・君を置いて逃げ出すなんて選択肢はないんだ」
聞こえるはずがないのに光がうれしそうに強く瞬いた。
<ツガルのマスターさん>
<俺の名前はステベロスさ。決まったのか?>
<はい、僕にも地図を下さい>
「マ、マスター危険ですよ。せめて周りの人にも声を掛けてから」
戸惑うプルミエに僕は
<誰かが動かないと何も始まらないよ。このままじゃ誰も動けないまま神姫と引き離される。僕はそんなのは絶対にいやだ!>
プルミエの中に喜びが満ち溢れていくのが僕に伝わってくる。もし彼女がハウリン型ならきっとちぎれんばかりに尻尾を振っていただろう。
<大丈夫だよプルミエ。僕は死なない。君を置いて死ぬもんか>
<俺の名前はステベロスさ。決まったのか?>
<はい、僕にも地図を下さい>
「マ、マスター危険ですよ。せめて周りの人にも声を掛けてから」
戸惑うプルミエに僕は
<誰かが動かないと何も始まらないよ。このままじゃ誰も動けないまま神姫と引き離される。僕はそんなのは絶対にいやだ!>
プルミエの中に喜びが満ち溢れていくのが僕に伝わってくる。もし彼女がハウリン型ならきっとちぎれんばかりに尻尾を振っていただろう。
<大丈夫だよプルミエ。僕は死なない。君を置いて死ぬもんか>
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